2015年6月に改正道路交通法がスタートして、飲酒運転や信号無視など危険なルール違反を繰り返す自転車運転者を取り締まり、違反を繰り返した運転者に対して自転車運転者講習を義務づけられるようになりました。
改正道路交通法がスタートする前後はテレビ等のメディアでも一斉に取り扱われて話題にもなりました。
それから数年立つわけですが、改正道路交通法施行の後にどんな変化が起きたのかなどを、個人的な感想も含めてまとめてみようと思います。
初の自転車運転者講習適用は7月に大阪で
初めて自転車運転者講習の受講命令が出たのは大阪でした。
前輪にブレーキがない自転車を繰り返し運転した大阪市大正区の男性会社員(29)に対し、改正道交法に基づく安全講習の受講命令が出たのが最初の適用です。
7月15日に検挙され31日に二度目の検挙で適用となったようです。検挙された人の自転車は、いわゆるシングルギアの競技用自転車だったようです。
改正道路交通法がスタート後の事故
改正道路交通法がスタート早々の6月10日に千葉市稲毛区で当時大学生の男(19)が運転していた自転車にはねられて東京都内の女性(77)が死亡するという事故がありました。
こちらも、槍玉に挙りやすいスポーツタイプの自転車に乗っていたようです。
改正道路交通法は事故減に効果があったのか?
改正道路交通法がスタートとして、みんなそれなりに安全運転を意識するようになったものと思われますが、その結果、事故が減ったのかどうか・・・
大阪日日新聞の記事「自転車事故 今月も犠牲者 改正道交法 施行3カ月(2015年8月24日)」によると
6月以降も1カ月ごとの事故件数は千件前後で推移し、大きな改善は見られない。自転車が絡んだ事故で亡くなった人も前年同期の2倍以上。
とのことで、施行前と比べて大きな変化はないようで、事故抑止に対しての効果はあまり無いのかもしれません。
ちなみに、死亡事故の原因は信号無視によるものが多いそうです。
改正道路交通法の取り締まり対象
改正道路交通法の取り締まり対象は、危険行為とみなされる14の項目でしたが、実際問題でまだまだ街中を走る自転車の危険行為は自動車のように厳しく取り締まられていない状態だと思います。
範囲が広範囲に渡ることや、曖昧で判断出来ない部分も多いのが原因だと思いますが、そんな中で、一時停止義務違反、酒酔い運転などが取り締まり対象として強化されているような印象を受けます。
改正道路交通法で曖昧な、ながら運転への対応
改正道路交通法の施行とともに話題になったのが、イヤホンや携帯電話などを使用して運転する、いわゆる「ながら運転」への取り締まりについてでした。
問い合わせする先によって判断が違ったり曖昧さを残したままで、混乱を招いたりもしていましたが、その曖昧さを解消する動きも出て来ているようです。
例えば、栃木県の公安委員会では、イヤホンや携帯電話などの「ながら運転」を県道交法施行細則を改正して、2015年9月1日から罰金の対象となりました。
ちなみに道交法施行細則でイヤホンや携帯電話の使用は2015年6月の改正道路交通法施行以前から規制している地区も多く、神奈川県、千葉県、埼玉県、新潟県、茨城県、長野県、愛知県、長崎県、高知県、徳島県などが規制しているようです。
ちなみによくある疑問の一つの片耳イヤホンに関しても、規制している場合がほとんどです。
改正道路交通法施行の後に売れるようになったもの
雨がっぱが売れた
改正道路交通法で傘差し運転も安全運転義務の点で取り締まり対象になっているため、傘差しをやめて雨ガッパを買う人が増えているようです。
印象として、確かに改正道路交通法が施行された後に、カッパを着用して運転している人が増えたような気がします。売れているのはポンチョタイプのようです。
大阪での普及率が圧倒的に高いことでも有名ですね。
傘固定器具の判断
自転車のステム部分等に取り付ける傘を固定する為の器具への問い合わせも増えているようです。
使用に関してはグレーな部分で、上記のイヤホンや携帯電話の使用を禁止している地区では、固定器具の使用を控えるように促すようにしているようです。
自転車用保険が増えた
改正道路交通法が施行される前後で、自転車による事故でも高額な賠償金が請求される判例があったため保険会社などもそれに乗じて積極的に営業をかけているようなので、いままで無保険で平気だった自転車への保険への感心も高まっているとのこと。
改正道路交通法施行の後の個人的な印象
改正道路交通法が施行されてしばらくが経ちましたが、個人的な感想、印象としては、まだまだ傘差し運転や信号無視、無灯火、逆走をする自転車には遭遇しますし、本気で取り締まり対象とされているような感じも受けません。
ただ、タバコの路上喫煙禁止の時と同じで、ルールが出来ると、多くの人がそのことを意識することによって自浄作用が働き、特に取締がされていなくても少しずつ改善されてくるものだと思います。
最初こそ巡回して取り締まる人も居ましたが、お構い無しに吸う人が多数だったにも関わらず、そのうち周りの人から白い目で見られるようになってきました。
そうすると罰則を厳しくしなくても、自然と喫煙所で吸う人の数が多くなり、歩きタバコをしてはいけないような雰囲気が形成され、喫煙マナーは一気に改善されたように思います。そのおかげで今では一部の人(犯罪者と同等レベルの人)しか、歩きタバコはしないような感じです。
それと同じ流れで、自転車の場合も、傘差し運転や信号無視をした時に、周りの人から白い目で見られ気まづい思いをするようになれば、徐々にマナーは改善されていくんじゃないかと信じたいですね。