2015年6月1日、自転車に関する道路交通法の改正が施行されました。
このとき大きく話題になったのが、自転車の「危険行為」に対する取り締まりの強化です。
飲酒運転や信号無視など危険なルール違反を繰り返す自転車運転者を取り締まり、違反を繰り返した運転者に対して自転車運転者講習を義務づけられるようになりました。
信号無視や酒酔い運転などの危険行為を繰り返した場合、自転車運転者講習の受講を命じられる制度も始まり、テレビやニュースなどでも連日のように取り上げられていました。
当時は、「自転車もいよいよ本格的に取り締まられるようになるのか?」と感じた人も多かったのではないでしょうか。
僕も自転車に乗る一人として、改正道路交通法の施行前後で街の様子がどう変わるのか気になっていました。
そこで今回は、2015年当時の状況を振り返りながら、改正道路交通法の施行によって何が話題になったのかをまとめてみます。
※この記事は2015年当時の出来事や個人的な観察を振り返る記事です。現在の自転車交通ルールについては、その後の法改正などによって変わっている部分があります。
自転車運転者講習制度が始まった

2015年の改正で大きく注目されたのが、自転車運転者講習制度です。
一定の危険行為を繰り返した自転車運転者に対して、都道府県公安委員会が自転車運転者講習の受講を命じることができるようになりました。
当時は、「自転車にも違反を繰り返したら講習を受けさせられる」というニュースが大きく報道されました。

初めての自転車運転者講習は大阪
制度が始まった2015年、最初に自転車運転者講習の受講命令が出たのは大阪でした。
前輪にブレーキがない自転車を繰り返し運転した大阪市大正区の男性会社員(29)に対し、改正道路交通法に基づく講習の受講命令が出されたと報じられています。
7月15日に検挙され、31日に二度目の検挙で適用となったようです。検挙された人の自転車は、いわゆるシングルギアの競技用自転車だったようです。
改正道路交通法の取り締まり対象

2015年の改正では、自転車運転者講習の対象となる危険行為が定められました。
危険行為として定められたのはkakino14項目。
- 信号無視
- 通行禁止違反
- 歩行者用道路における車両の義務違反
- 通行区分違反
- 路側帯通行時の歩行者の通行妨害
- 遮断踏切立入り
- 交差点安全進行義務違反
- 交差点優先車妨害
- 環状交差点安全進行義務違反
- 指定場所一時不停止等
- 歩道通行時の通行方法違反
- 制動装置不良自転車運転
- 酒酔い運転
- 安全運転義務違反
道路交通法が改正されてかなり時間は経ちますが、実際問題でまだまだ街中を走る自転車の危険行為は日常的に見かけることがありますし、自動車のように厳しく取り締まられていない状態だと思います。
「ながら運転」も大きな話題になった

2015年の改正前後には、イヤホンや携帯電話を使用しながら自転車に乗る、いわゆる「ながら運転」についても大きな話題になりました。
当時は、「イヤホンならいいの?」「片耳なら?」「携帯電話を持っているだけなら?」など、かなり細かい部分まで話題になっていた記憶があります。
特にイヤホンの使用については、問い合わせする先によって判断が違ったり曖昧さを残したままで、混乱を招いたりもしていましたが、その曖昧さを解消する動きも出て来ているようです。
例えば、栃木県の公安委員会では、イヤホンや携帯電話などの「ながら運転」を県道交法施行細則を改正して、2015年9月1日から罰金の対象となりました。
※現在の自転車の携帯電話使用等については、2015年当時とはさらに状況が変わっています。

ちなみに道交法施行細則でイヤホンや携帯電話の使用は2015年6月の改正道路交通法施行以前から規制している地区も多くありました。
ちなみによくある疑問の一つの片耳イヤホンに関しても、規制されている場合が当時からほとんどでした。

傘差し運転についても注目された
2015年の改正をきっかけに、傘差し運転についても改めて注目されました。
自転車に乗りながら片手で傘を持つと、ハンドル操作やブレーキ操作が十分にできなくなる可能性があります。
雨がっぱが売れた
改正道路交通法で傘差し運転も安全運転義務の点で取り締まり対象になっているため、傘差しをやめて雨ガッパを買う人が増えてました。
この点に関しては、取り締まりが強化されたというよりは、路上喫煙などと同じで、守れていない人の民度が問われるような印象で、改正された当時はまだ多くの人が傘差し運転をしていましたが、今ではかなり減ったように思います。
傘に比べて面倒なのは確かですが、安全面に優れているだけでなく、雨に濡れないという点では傘とは雲泥の差ですから、一度使うと、傘差し運転はちょっとありえなくなりますね。
傘を固定する器具も話題になった

当時もう一つ話題になったのが、自転車に傘を固定するための器具です。
いわゆる「傘スタンド」のような商品で、「さすべえ」などが有名です。
大阪での普及率が圧倒的に高いことでも有名ですね。
「手で傘を持たなければいいのだから大丈夫なのでは?」と思う人もいる一方で、地域のルールや安全上の問題などもあり、単純に「これなら合法」と判断できるものではありません。

自転車保険にも注目が集まった
2015年前後は、自転車事故による高額賠償についてもニュースなどで取り上げられる機会が増えていました。
自転車に乗っている側が加害者となり、被害者に大きな損害を与える可能性があり、自転車保険や個人賠償責任保険への関心も高まっていきました。
現在では、自治体によって自転車損害賠償保険等への加入を条例で義務化されているかと思います。

改正道路交通法施行の街を走って感じたこと

2015年の改正からしばらく経った頃、僕自身が街を自転車で走っていて感じたのは、「ルールができたからといって、すぐにみんなが守るようになるわけではないな」ということでした。
個人的な感想、まだまだ信号無視、無灯火、逆走をする自転車には遭遇しますし、これらの違反者を本気で取り締まりしているような感じも受けません。
ただ、道路交通法の改正によって、自転車にも交通ルールがあるということを多くの人が意識するきっかけにはなったのではないかと思います。
タバコの路上喫煙禁止の時と同じで、ルールが出来ると、多くの人がそのことを意識することによって自浄作用が働き、特に取締がされていなくても少しずつ改善されてくるものだと思います。
路上喫煙も、当初はお構い無しに吸う人が多数だったにも関わらず、そのうち周りの人から白い目で見られるようになってきました。
そうすると罰則を厳しくしなくても、自然と喫煙所で吸う人の数が多くなり、歩きタバコをしてはいけないような雰囲気が形成され、喫煙マナーは一気に改善されたように思います。そのおかげで今では一部の人(犯罪者と同等レベルの人)しか、歩きタバコはしないような感じです。
それと同じ流れで、自転車の場合も、傘差し運転なんかは随分減ったように思います。周りの人から白い目で見られ気まづい思いをするようになれば、徐々にマナーは改善されていくんんですよね。




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