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仕事で大阪に行く機会がありました。
せっかく大阪まで来たので、仕事の合間に大阪市内を少し散策しながら、自転車乗りの目線で大阪の自転車事情を観察してみました。
とはいっても、自由に行動できたのは3時間ほど。しかも大阪城にも行っておきたかったので、実際に見て回れたのは大阪市中央区のごく限られた範囲です。
それでも、東京とは違うところがいくつもあり、自転車乗りの目線で街を見るとかなり面白い散策になりました。
ちなみに2021年1月に大阪市中央区を短時間散策した際に見た、自転車通行環境や駐輪状況などの記録をベースに、現状を踏まえてリライトしています。
今回訪れたのは、大阪府庁や大阪城がある大阪市中央区です。
自転車事情をじっくり観察する時間はあまりありませんでしたが、自転車環境において東京都の相違点をいくつも発見でき、なかなか面白い散策となりました。
ここからは、実際に見た大阪の自転車事情を紹介していきます。
自転車の通行する場所を示すための「青い矢羽」や青く舗装された「カラー舗装」は大阪でも見ることができました。

交差点などでは、自転車の通行位置を示す青い矢羽をいくつか見かけました。
実際問題で大きな交差点でもまだ整備されていない場所も多かったですし、整備されている場所の青い矢羽のペイントも新しい感じだったので、まだまだ整備され始めたばかりという印象でした。
調べてみると平成30年度あたりで交差点周辺を緊急的に整備したほか、令和元年度から7年間の中期計画で矢羽等の路面標示を増やしていく計画の最中だったようです。
https://www.city.osaka.lg.jp/kensetsu/cmsfiles/contents/0000172/172904/1607_keikakugaiyou.pdf(PDF)

青い矢羽とは対照的に、かなり以前から整備されているように見えたのが、青くカラー舗装された自転車通行部分です。
幹線道路などの大きな道路では、自転車が通行する場所を示すマークやカラー舗装が比較的多く見られました。
東京などでは「自転車は原則車道走行」ということが言われるようになった2017年あたりから、「自転車歩行者道」や青いカラー舗装道路が増えてきたように思います。そのため都内の青いカラー舗装道路は基本的に新しいものが多いのです。
ところが大阪のカラー舗装道路は、整備されてからかなり時間が経っていると思われるような状態の場所も多く見られました。大阪市の資料によると、大阪市では昭和48年から全国に先駆けて、自転車道や自転車歩行者道などの整備を行ってきたとのことです。
「大阪市では、昭和48年から全国に先駆けて、自転車交通量が多い幹線道路を中心に、車道及び歩道と構造的に分離した「自転車道」や、歩道内で自転車の通行部分を視覚的に分離(カラー舗装)した「自転車歩行者道」などの整備を行ってきた。
引用元:自転車レーン等の整備(大阪市)
とのことなので、やはりかなり以前から整備されているようです。
実際に街を歩いてみても、大阪では以前から自転車の通行空間を整備してきたことが分かるような景色がありました。
また、散策した範囲で見た印象では東京に比べて道路が広い感じがしたので、その点でも自転車のためのスペースが整備がしやすいのかもしれませんね。

大阪の自転車通行帯を見ていて面白いと思ったのが、路面に書かれた注意喚起のメッセージです。
東京でも自転車の通行位置を示す「自転車専用」などの表示を見かけますが、大阪では場所に応じて具体的な注意を促す表示がありました。
例えば上記の写真は「左側通行」と書かれています。
これは自転車に乗っている人にも「自転車は左側を走らなきゃ」と意識させるのに有効でしょうし、逆走する人にとってもプレッシャーになるんじゃないかと思います。

こちらの注意書きは「左折車注意」です。
交差点付近で自転車と自動車の進行方向が交差する場所なので、こうした表示があることで、ドライバーと自転車利用者の双方が注意するきっかけになります。
実際問題で、自転車と自動車の事故のニュースを見ていたりすると、交差点での左折巻き込みは非常に多いですし、警察庁発表の資料でも死亡事故の多くは交差点で起きていることからも、交差点に進入する際に注意することが大切だと思われるので、このような注意書きは事故を減らすのに効果があるように思います。

こちらは「自転車レーン減少」と書かれています。
このように、単純に自転車の走行場所を示すだけではなく、その場所で注意すべきことを具体的に知らせる表示があるのは面白いと思いました。
自転車は免許を必要としない乗り物だからこそ、道路上で注意すべきことを分かりやすく伝える表示は重要なのかもしれません。
もちろんいろいろな考え方はあると思いますが「自転車専用」などという文字よりは、よっぽど気が利いたメッセージだと個人的には思います。

基本的には自転車は車道走行となっているので、幹線道路などでは歩道ではなく、上記のように青い舗装道路で自転車の走行区分が整備されていたりしていたのですが、自転車歩行者道でも道幅に余裕がある場所では歩行者と自転車の走行区分が整備されていました。
道路の真ん中で区分するのではなく、車道側1/3程度で区分されているのもポイントかと思います。自転車の走行区分を狭くすることでスピードの出し過ぎが防げるでしょうし、歩行者の妨げにもなりづらいのではと思います。

散策した範囲だけで判断すると、幹線道路や大きな道路などでは、自転車レーンなどで自転車の通行する場所をしっかりと区分している感じでしたが、側道に入ると意外と何もありません。
想像ですが、交通量の少ない側道などで特に自転車レーンなどが整備されていなくても、大きな問題にはならなさそうですし、メインの交通量の多い道がしっかりと整備されていれば、それだけでも走りやすくなるというような判断で、メインの場所を優先して整備しているんだろうなと思います。

大阪は言うまでもなく大都会ですし、人口が多いということと、大阪ということで「きっと放置自転車も多いんだろうな」と勝手な想像をしていましたが、意外と放置自転車は少なくて驚きました。
もちろん放置自転車が全く無かったわけではないですが、放置自転車で通行の妨げになるような状況の場所は見かけなかったですし、基本的にはみなさんきちんと駐輪場に停めている感じでした。
東京も似たような感じではありますが、「大きく違うな」と思ったのは幹線道路沿いの歩道上にはいくつか駐輪場が整備されているので、駅前にしか駐輪場が見つからないような東京とは違い、駐輪禁止の場所に駐輪しなくてもすぐに駐輪場が見つかって駐輪しやすいのだろうなと思います。

自転車が走るべき場所を示す道路に描かれている自転車ナビマークは東京などでも見かけることが出来ますが、実はあのマークは法的なマークではないので、自治体によって絵柄が少しずつ異なっていたりするんです。
東京の場合は自転車を正面から見たようなデザインになっていますが、大阪市では自転車を横から見たデザインになっていました。このような地域によって違うデザインを見るのも楽しいですね。
自転車ナビマークについての詳しい情報は下記の記事でまとめていますので参考にしてください。





大阪の自転車事情で最もエキサイティングだったのは「さすべえ」を装備した自転車が想像以上に多かったこと。
「さすべえ」とはその名の通り傘を差すためのアクセサリーで、自転車のハンドル部分に傘を固定することができる便利アイテムです。
道路交通法が厳罰化された際にも、この「さすべえ」に関する問い合わせが大阪では多いということがニュースになっていて、大阪で局所的に普及しているという自転車アクセサリーです。
大阪では以前からよく知られている自転車用品ですが、実際に大阪の街を歩いてみると、さすべえを装備した自転車を想像以上にたくさん見かけました。
「これが噂のさすべえか!」とちょっとした興奮がありました。
東京で「さすべえ」を装備している自転車を見ることはほとんどありませんし、他の地方に行っても見た記憶はありません。大阪だけの局地的なアイテムと言えるのが「さすべえ」なのです。
いやしかし、噂では聞いていましたが、まさかここまで普及しているとは想像もしていませんでした。これだけ大阪で普及している「さすべえ」なので、発症も大阪だと思っていましたが、実は発祥は大阪ではなく、愛知県とのこと。それが何故か大阪で大ヒットしているというのですから面白いですね。

ちなみに「さすべえ」の使用に関しては、警察的には「使用は控えて欲しい」ものではあるものの、「傘スタンドに傘を取り付けた場合、傘の幅が0・3メートル、高さが2メートルを超えると違反」とのことで、その範疇であれば使用は問題ないようです。
実際に使用する場合は、現在の道路交通法や各都道府県の条例などを確認する必要があります。

仕事の合間に大阪市中央区を少し散策しただけでしたが、自転車乗りの目線で街を見てみると、東京との違いがいろいろ見つかって面白い時間になりました。
散策した範囲だけで判断すると、自転車に乗る環境はよく整備されているような印象でしたし、どの道も基本的には余裕のある車幅があったので、自転車で走行しやすそうで、いつか自転車で大阪を走行したいなという気持ちになりました。
もちろん、今回見たのは大阪市中央区のごく限られた範囲だけ。
「大阪の自転車事情はこうだ」と一括りにはできませんが、実際に街を歩いてみることで、普段暮らしている東京とは違った自転車文化や道路環境を知ることができました。
今回は時間の都合で心斎橋や天王寺方面まで足を伸ばすことができなかったので、次に大阪へ行く機会があれば、今度は自転車で街を走ってみたいと思います。