サイクルコンピューターは2018年くらいから、デバイスとして一気に進化したことや、格安中華メーカーが大量に出てきたことなどから、一気に勢力図が変わった分野でもあります。
一昔前とは大きく事情が変わったので、従来までの価値観と違う選び方をしなければいけなくなりましたが、サイクルコンピューターの高機能化とともに中途半端な機能のサイクルコンピューターの数も少なくなり、以前よりは選びやすくなった感じもあります。
しかしながら、まだまだ悩むことや不明なこともあるのがサイクルコンピューターなので、サイクルコンピューターの最新事情を踏まえながら、購入する際に必要な機能と選び方について解説してみます。
サイクルコンピューターに関する記事一覧
参考 GPS対応サイクルコンピューターの選び方
参考 GPS対応サイクルコンピューターメーカー
参考 普通のサイコンとGPSサイコンの違い
参考 Google Mapのルートの.gpx変換方法
参考 Wahooのサイコンとウォッチの使い分け方
参考 サイコンメーカーXplova製品まとめ
参考 サイコン・ウォッチ・心拍計を併用
参考 サイクルコンピューターとApple Watch
参考 ワイヤレス通信の規格はANT+とBLE
サイクルコンピューターの最新事情
ハイエンドなサイクルコンピューターを開発できるメーカーだけが生き残る時代
格安中華メーカーの登場で従来メーカーは淘汰されつつある
特に格安中華メーカーの登場の影響は大きく、それまでの主力メーカーたちは、中華勢が幅を利かせるようになってきたあとから動向が鈍くなり、もう何年も新製品を発表していなかったり、サービス自体を停止してしまうなどのメーカーも見かけるようになってきました。
もはや従来までのやり方では全く通用せず、メーカーとして生き残っていけるのは、ナビ機能などを萎えたハイエンドモデルを出すメーカーくらいになってしまっています。
サイクルコンピューター4メーカー
「カラー液晶」「地図表示」「ナビゲーション機能」の条件を満たすサイクルコンピューターを製造しているメーカーはGarmin、Wahoo、Bryton、xplovaあたりになっていて、凌ぎを削っている感じではありますが、その他のメーカーのサイクルコンピューターは目立った動きが少なくなっている印象です。
2021年8月現在で、ハイエンドなサイクルコンピューターだけに備わっている機能と言えば「地図表示」と「ナビゲーション機能」ですが、これらの機能を備えたサイクルコンピューターを開発するには、下地が無いと難しい部分があるようで、これらのサイクルコンピューターを開発しているのは、Garmin、Wahoo、Brytonと、xplovaあたりになってきます。(ランス・アームストロングやクリス・フルームが投資をしたことで有名になった HAMMERHEAD社もありますが日本に入ってきていないので割愛)
Garmin
言わずとしれたハイエンドなサイクルコンピューターのトップメーカーであるGarminは、GPSを活用したナビゲーション分野でのパイオニアでも有り、サイクルコンピューターに限らず、航空、海洋、自動車産業などあらゆる方面でナビゲーション技術を牽引しています。
サイクルコンピューターのナビゲーション機能でも他メーカーを圧倒している感じで、昨今のサイクルコンピューターのカーナビ的な進化もGarminの牽引がなければ、こんなに早く実現されなかったかもしれません。
Wahoo
Wahooに関しては、特にその下地が何であるかはよく分からない部分もありますが、スタートした時点からスマートフォンに連携するデバイスだったり、スマート系の機器を製造できていることからも、コンピューター開発ができるような下地があるのではと思います。
Bryton
台湾に拠点を置くBrytonは、民間用GPS端末産業に関わったメンバーを中心に設立されたようなので、やはりナビゲーション関係の開発の基礎があるメーカーであることが分かります。
Xplova
Brytonと同じく台湾に拠点を置くXplovaは2008年にサイクリングとアウトドアの愛好家のグループによって設立されたようなので、最新のサイクルコンピューターを開発できる下地があったかどうかは分かりませんが、2015年にAcer傘下となったことから、現在では当然のようにコンピューター開発ができる会社になっているのは間違いありません。
スマートなサイクルコンピューターで淘汰が進む
格安中華メーカーが登場したせいで、従来までのメーカーの多くが淘汰されたという考え方も間違ってはいないと思いますが、現在も接触的にサイクルコンピューターを開発している上記の4メーカーは、いずれもGPSやコンピューターと関係のある製品を手掛けていたりもします。
個人的な予想であはありますが、サイクルコンピューターも今後はますますスマート化されていくと思われますので、最新のコンピューター開発が出来ないような会社は生き残っていくことが出来なくなるのだろうなと思います。
つまりは、サイクルコンピューターのスマート化が進んだことで、メーカー自体にコンピューター系の開発の基礎がなければ自社でサイクルコンピューターを作り上げていくのが難しいくなったきたことも、従来メーカーが淘汰されている原因だろうと思われます。
スマートフォン派も再びサイクルコンピューターを選ぶ時代
一時期はサイクルコンピューターよりもスマートフォンのアプリの方が性能が良くなってしまったので、「スマホのアプリで十分」と考える人も増え、サイクルコンピューター離れが進んでいました。
僕自身もサイクルコンピューターをやめて、スマートフォンとスマートウォッチで十分だと考えるようになっていました。実際問題でこのままサイクルコンピューターは廃れていくのだろうなと思っていました。
地図表示とナビゲーション機能で一気に変化
しかし、サイクルコンピューターは2020年前後を境にして一気に性能がアップして、ルート検索が出来たり、カーナビと比べても遜色の無いようなモデルが登場するようになり、また新しいジャンルとして再スタートを切った感じになりました。
今までのサイクルコンピューターの上位モデルにモデルに備わっていた機能は、ストイックにトレーニングをしたい人向けでしかなく、ユーザーも限定されていましたが、地図表示とナビゲーション機能が備わったことで、一般のシティーサイクルやママチャリレベルの用途であってもサイクルコンピューターは有用なものに変わったのです。
そして、再び「やっぱりスマートフォンよりもサイクルコンピューターの方が使いやすいよね」と再評価され、再びサイクルコンピューターを使用する人が増えている印象です。
何故スマホではなくサイクルコンピューターにこだわるのか?
スマートフォンでもサイクルコンピューターの代用ができる
サイクルコンピューターではなくスマートフォンを自転車のハンドルに付けている人も多く見かけるようになりました。
その理由としてスマートフォンのアプリにはたくさんの種類の自転車系のフィットネスアプリがあります。代表的なものとしてSTRAVAやTRAININGPEAKS、Runtastic Road Bikeなどが挙げられます。
そのいずれもが速度や走行距離を計測できますし、スマートフォンに内臓されているGPSを利用して走行ルートも勾配を含めて正確に記録することができます。心拍計やケイデンス計を用いればそれらの情報も記録することができます。
サイクルコンピューターで得られる情報のほとんどはスマートフォンアプリでも得られるので、わざわざサイクルコンピューターを購入しなくても、スマートフォンアプリでも充分と言えるかもしれません。
実際問題でスマートフォンアプリでサイクリング情報を得られるようになってからは、GPSに対応した中級〜上級クラスのサイクルコンピューターは一気に陳腐化してしまいました。
スマートフォンさえあればGPSに対応した高価なサイクルコンピューターを買う必要はもう無いと言えるかもしれません。
しかしながら、スマートフォンだといろいろと不便に感じることも多いので、ストレスなく使うのであればサイクルコンピューターにした方が最終的に幸せになれるだろうと思います。
リアルタイムの表示が必要な情報はサイクルコンピューターが必須
リアルタイムでディスプレイに表示させたい情報は、時計、心拍数、ケイデンス、GPSナビゲーションあたりになるかと思います。
これらの情報も、スマートフォンのフィットネスアプリで記録していくことができますが、トレーニングなどで有用に活用するためには、リアルタイムで数値の変化を確認しながらペースを調整したり、ギアを変更することになるので、情報をリアルタイムですぐに確認できるサイクルコンピューターが最適なデバイスになります。
スマートフォンは落下や雨が怖い
スマートフォンホルダーなどもありますが、スマートフォンはサイクルコンピューターと比べて大きくて重たいので、落下のリスクも大きくなります。落下すれば当然壊れるか画面が割れてしまうのは間違いありません。
その点、サイクルコンピューターは専用のマウントでしっかり固定できるのと、落ちることも考えられて作らrているので、落としてもそう簡単に壊れることはありません。
また基本的にサイクルコンピューターは防水仕様なので、急な雨が降ってきたとしても、そのまま使い続けることができます。
スマートフォンは日中の直射日光下での視認性が悪い
サイクルコンピューターは日中の直射日光下で使用することが基本なので視認性が良いです。最近のスマートフォンはだいぶ視認性が良くはなりましたが、まだまだ見づらいと感じることも多いと思います。
常時点灯だとバッテリーの持ち時間短く本体が熱くなる
スマートフォンでもナビアプリなどを入れればナビゲーションも可能ですが、常時点灯ではバッテリーの消耗が激しいことや、ずっと使用していると本体が熱くなるなどの問題が出やすくなります。
スマートフォンはあくまで通信のためのデバイスですし、バッテリーが無くなってしまうとたちまち困ってしまうものでもあります。バッテリーの減りを気にしながらのサイクリングも楽しくありません。
まだまだサイクルコンピューターは現役
上記の問題を避けるには、やはりサイクルコンピューターの方が便利に使えるはずです。
逆に言えば、心拍数やケイデンス、GPSナビゲーションなどリアルタイムに確認したい情報を表示させるためのデバイスがサイクルコンピューターなのです。
このあたりの役割の違いは実際に使ってみれば理解できると思いますし、サイクルコンピューターがスマートフォンに置き換わるようなことはないと思います。
サイクルコンピューターの選び方
ハイエンドモデル以外のサイクルコンピューターの機能は横並びなので好きなメーカーの製品を買うのが正解
「カラー液晶」「地図表示」「ナビゲーション機能」などの機能を備えたハイエンドモデルのサイクルコンピューターは、ルートの選択や、ナビの精度、インターフェイスなど、メーカーそれぞれに特徴があり、差別化されている感じがします。
しかし、それ以外の単なるロガーとしてのGPS対応サイクルコンピューター以下の機能のサイクルコンピューターの場合には、基本的にどのメーカーのサイクルコンピューターを選択しても大差が無いと思って間違いがありません。
比較する意味がないくらいの横並び状態と言えるでしょう。
2021年8月現在のサイクルコンピューター(とりわけGPS対応 サイクルコンピューター)は、どのメーカーのどのモデルを選んでも必要最低限の機能は備わっていて比較する必要がないくらいの差しかありません。
グレードの低いサイクルコンピューターは、格安の既存パーツを組み合わせて動作するようにしたものなので、OEM製品も多いですし、同じ予算で同じ機能や精度を求めると、同じパーツを使用することになり、メーカーが異なったとしても性能的にも価格的にも似通ったものになります。
極端な話、メーカーは違っても作っている向上は同じだったりするなんていうオチもあるので、格安なサイクルコンピューターを購入する際には「好きなメーカーの好きなサイクルコンピューターを選べば良い」ということになってしまうのです。
最低でも心拍数とケイデンスに対応したサイクルコンピューターを選ぶ
ハイエンドなサイクルコンピューターにこだわりがなくても、最低限備わっていて欲しい機能が心拍数とケイデンスの表示です。
これらの2つの機能は、心拍計とケイデンスセンサーが別途必要になり、センサーが無いと計測することができません。
しかしながら、サイクルコンピューターを活用して本格的なトレーニングなどに取り組もうと思うと、心拍数とケイデンスは必要不可欠な情報になるのです。
サイクルコンピューターでよくある問題なのですが、最初は安いモデルを購入したものの、速度や走行距離などの情報はすぐに飽きてしまいます。
そして「もっと本格的なトレーニングをしたい」と考えるようになるのです。
しかし、サイクルコンピューターが心拍計やケイデンスの表示に対応していないと、全く役に立たないので、後から買い直すことになってしまいます。
逆に言えば、心拍数とケイデンスに対応していないようなサイクルコンピューターは、子供用自転車に付いているスピードメーターと同じ玩具レベルのサイクルコンピューターなので、長い期間サイクルコンピューターを使いたいと思えば、心拍数とケイデンスが表示されるモデルを選んだ方が良いということになります。
心拍計とケイデンスを使用した心拍トレーニングについては下記の記事で解説していますので参考にしてください。
地図表示できるサイクルコンピューターで世界が変わる
2021年8月現在でサイクルコンピューターの最新かつ必須機能と言えば地図表示でのナビゲーション機能です。
地図表示ナビゲーション機能でサイクルコンピューターの利用価値が一気にアップする
地図表示でナビゲーション機能があれば、カーナビのように目的地までの道案内をができるようになり、サイクルコンピューターの価値が一気に高まります。
トレーニングメニューなどのアドバンスな機能は、あくまで本格的にトレーニングをしたいガチな人にしか用事のない情報ですが、地図表示ナビゲーション機能に関しては、ロードバイクやクロスバイク、マウンテンバイクなどのスポーツサイクルだけでなく、ママチャリなどに乗っている人であっても有用なものになります。
GPS対応サイクルコンピューターにもグレードがある
GPSに対応したサイクルコンピューターはたくさん見られるようになりましたが、安いモデルだと走行したコースをトレースしてSTRAVAなどのフィットネス系のサービスに記録するくらいの機能しかありません。
しかし、走行ルートをトレースするだけであればスマートフォンのフィットネス系のアプリでも対応できるので、GPS対応のサイクルコンピューターにこだわる必要もなかったりするというのが実際のところです。
実際問題で走行ログなどはスマートフォンで管理することが多いですから、データーの転送の手間を思えば、最初からスマートフォンで記録したほうが楽です。
なので、せっかくGPSに対応しているサイクルコンピューターを選択しようとするのであれば、最低でもナビゲーション機能が備わっていないと、ほとんど役に立たないことになります。
しかしながら、ナビ機能にもグレードがあり、「簡易ナビ」と呼ばれるものは、地図の表示がなく、単に矢印で目的地の方向を示すだけだったりして、ルートなどを案内してくれるわけではないので、常に「本当に合っているのだろうか?」という不安とともに走行することになります。
登場した当初は画期的な機能ではありましたが、今では値段が高いだけで気休め程度の機能になり、あまり魅力的な機能ではなくなっています。
というわけで、GPS対応のサイクルコンピューターを選ぶのであれば地図表示できるサイクルコンピューターを選択しなければ意味がないとういうのが実際のところです。
● 地図表示対応
● ナビ機能搭載
● カラー液晶
有名メーカーのサイクルコンピューターを選ぶ
Amazonあたりでサイクルコンピューターを探すと数千円で買えるような中国メーカーの格安な製品も多いですが、結果的に「安物買いの銭失い」になりやすいので避けた方が良いでしょう。
格安な中国メーカーを購入する場合は、サイクルコンピューターがどんなものかを判断するための「お試し感覚で手に入れて使ってみる」つもりで使用するのが良いかもしれません。
しばらく使用してみて心拍計やケイデンス、ナビゲーションが無くても十分と思うようであれば、そのまま中国メーカーの安いサイクルコンピューターでも十分でしょうし、もっとアドバンスな機能を搭載したサイクルコンピューターが欲しいと思ったときにも、初期投資が少なければ買い替えやすくなります。
サイクルコンピューターの定番メーカー
サイクルコンピューターの定番メーカーと言えば、ガーミンやキャットアイ、ポラール、LEZYNE、Wahooなどが挙げられます。
しかしながら、サイクルコンピューターの代わりにスマートウォッチやスポーツウォッチなどの人気が出てきていることもあり、サイクルコンピューターメーカーの定番だったキャットアイや、GPSサイクルコンピューターに参入してきたレザインなどは、2021年5月現在であまり活発な動きが見られないような状態です。
現状で最新型のサイクルコンピューターを取り扱っているのは、GARMIN、Wahoo、台湾のBrytonとxplovaの4社くらいになっています。
サイクルコンピューターの機能と価格帯の目安
サイクルコンピューターの価格の目安は下記の通りです。
入門モデル 〜3,000円程度
速度計、時計、走行距離などの最低限の機能が備わったサイクルコンピューターです。
平たく言えば玩具のようなものですが、サイクルコンピューターを使用すると、自転車がより一層楽しくなるということを理解できるので、サイクルコンピューターに興味がある人は、使い捨てるつもりで、まずは入門用のサイクルコンピューターを購入すると良いかもしれません。
中級モデル 5,000円〜10,000円
ケイデンス計やGPSなどが備わって、本格的な使用でもある程度対応できるようになっています。
一昔前はGPSが備わったこの価格帯のサイクルコンピューターが最も人気だったと思いますが、スマートフォンが普及してからはGPSのログはスマートフォンで十分になったので、以前ほど魅力を感じなくなりました。
上級モデル (ケイデンスや心拍計) 15,000円〜30,000円
レースやトレーニングなどでも活用できるようなサイクルコンピューターで、ケイデンス計と心拍計が備わっています。
ただやはりこのクラスのサイクルコンピューターもスマートフォンのアプリの進化とともに以前ほどの魅力はありません。
また、このクラスのサイクルコンピューターにはナビ機能が備わっている場合もありますが「簡易ナビ」と呼ばれるもので地図表示が無く、矢印だけでナビをするタイプになるので、気休め程度のナビゲーションになります。
最上級モデル(GPSなど) 30,000円〜
最新版でフラッグシップモデルのサイクルコンピューターです。
カラーモニターやタッチスクリーン、地図表示有りのナビ機能など、他のサイクルコンピューターと比べると圧倒的に進化したサイクルコンピューターで、2020年前後に発売されたハイエンドモデルが該当すると思います。
価格は高くなりますが、せっかくサイクルコンピューターを購入するのであれば、このクラスのサイクルコンピューターを購入しないと、サイクルコンピューターを持つ意味もあまりないのではと思います。
サイクルコンピューターの新製品のサイクル
サイクルコンピューターの新製品のサイクルはメーカーによっても異なりますが、概ね2年サイクルが多いように思います。
なので、サイクルコンピューターを購入しようと思った時には、ほしいモデルがいつ発売されているかを確認した方が良いでしょう。
サイクルコンピューターがスマートウォッチにシェアを奪われる
アップルウォッチ(スマートウォッチ)が最強のサイクルコンピューター
最近のサイクルコンピューター事情は、スマートフォンのフィットネス系のアプリの台頭で、以前に比べるとサイクルコンピューターの存在価値が薄くなっているのが実際のところです。
スマートフォンアプリを使用すれば走行の記録は自動的に記録されますし、それぞれのデータもグラフ化して分かりやすく表示してくれてログとして残してくれるので、過去の走行記録を保存したりする機能は、既にサイクルコンピューターの役割としては終了しています。
データの収集はスマートフォン、データの管理はスマートフォンのアプリの管轄になり、サイクルコンピューターはリアルタイムで確認したい心拍数やケイデンスを確認するためのモニターというような役割分担になっていると思います。
アップルウォッチ(スマートウォッチ)の登場で一気に情勢が変化
しばらくは上記のような棲み分けがされていくのかなと思っていた矢先の2019年あたりからアップルウォッチに代表されるスマートウォッチが普及するようになり、一気にサイクルコンピューターを取り巻く環境も変わってくるようになりました。
サイクルコンピューターからスマートウォッチに徐々に置き換わっているような状況が出てきたのです。
サイクルコンピューターのハイエンドメーカーであるGARMIN(GARMIN)や、ポラール、WAHOOなどのGPSサイクルコンピューターのメーカーがこぞってサイクルコンピューターからスマートウォッチにシフトしています。
例えば、GARMINはここ数年サイクルコンピューターのラインナップはほとんど変化がありませんが、スマートウォッチは怒涛のごとくラインナップが追加され、スポーツ用はもちろん、ビジネス用まで展開するようになっていますし、POLAR(ポラール)などはサイクルコンピューターを縮小し、メインをスマートウォッチに入れ替えてしまいました。
これらのサイクルコンピューターを代表するメーカーの動きを見ても、もうサイクルコンピューターは徐々に時代遅れのアイテムになりつつあると考えることができますし、2020年前後で多くのサイクルコンピューターが新しいサイクルコンピューターの開発に積極的でなくなっているのはスマートウォッチの影響が大きいからではと思っています。
正規輸入品 Wahoo ELEMNT RIVAL ワフー エレメント ライバル ステルスグレー GPSマルチスポーツウォッチ
自転車以外でも使えるスマートウォッチ
サイクルコンピューターは自転車専用品であるのに対して、スマートウォッチは自転車を含めたのフィットネス全般で使用できるというというのが大きなメリットですし、サイクルコンピューターで出来ることは、基本期には全てスマートウォッチでも出来てしまいます。
単純に考えてサイクルコンピューターがスマートウォッチに勝てる養素がないのです。
面倒だった心拍センサーもスマートウォッチで代用できますし、GPSも備わっているモデルを選べばスマートフォンが無くても走行記録を残すことができます。また、常に身に着けているものなので、盗難のリスクもないですし、自転車から付け外す手間もありません。
唯一、走行中の情報の視認性だけはサイクルコンピューターが勝っていると言えますが、スマートウォッチでも我慢できる程度なので「どうしてもサイクルコンピューターが必要だ」とまでは思えないのです。
実際問題で、僕もアップルウォッチを使用していますが、アップルウォッチを使用するようになってから、サイクルコンピューターの必要性を感じなくなったのでサイクルコンピューターを使うのをやめてしまい、今ではアップルウォッチとiPhoneだけでサイクリングに出かけることも多いです。
アップルウォッチがどのようにしてサイクルコンピューターの代わりになるかについては下記の記事でまとめていますので参考にしてください。
サイクルナビとして使えることがサイクルコンピューターの最後の砦
レースなどに出るために活用するなどは別として、2021年5月現在でサイクルコンピューターを使用する最大のメリットはカーナビのようにサイクルコンピューターを使用することかと思います。
もちろんスマートフォンでも代用はできますが、前述したように、自動車で使用する時のように給電しながら使用できるわけではないのでバッテリーの不安がつきまといますし、落下のリスクもあります。
スマートウォッチでもナビの情報を得ることはできたりしますが、ナビの情報は数字などの情報を読み取るのと違い、パッと見て判断するのが難しいという問題があります。
結果的に、サイクルナビとして使用するのには、視認性の良いモニターが使えるサイクルコンピューターがベストなデバイスということになります。
最新版のサイクルコンピューターであれば、地図情報が表示され、ルート検索、音声検索など、カーナビと遜色のないような感じで使用できるくらいに進化していて、次世代のサイクルコンピューターとしてかなり便利になっています。
サイクルナビとして使用できるサイクルコンピューターを選ぼうと思うと、必然的に各メーカーのフラッグシップモデルが選択肢となり、価格も少し高くなりますが、このクラスのサイクルコンピューターであれば、使い捨てにならずに長い期間使用することが出来ると思うので、それなりの価値はあると思います。