愛車のクロスバイクのブレーキレバーとブレーキを交換しました。
クロスバイク用のVブレーキの交換パーツ
ブレーキレバー
ブレーキレバーとしてULTEGRAグレードのShimano BL-R780を選択しました。(現在は廃番のようです)
以前のシマノには沢山の種類のブレーキレバーがありましたが、今現在では105以上のカテゴリの中にVブレーキやフラットバー用のブレーキレバーは無いようです。
今現在で購入できる最上位のフラットバー用ブレーキレバーはTIAGRA BL-4700かSORA BL-R3000になると思います。
ブレーキ本体
ブレーキ本体は105グレードのShimano BR-R573を購入しました。(現在では廃番のようです。)
クロスバイクに採用されているブレーキはVブレーキと呼ばれる種類のブレーキで、ロードバイクなどで使用されているキャリパーブレーキとはブレーキレバーの引き量が違うので互換性がありません。(Vブレーキのほうが引き量が大きい。)
しかしVブレーキにはVブレーキのアームを短くしたコンパクトVブレーキというものがあり、ブレーキレバーの引き量が少なくなるためキャリパーブレーキなどのブレーキレバーと互換性があります。
ちなみにマウンテンバイクに採用されている一般的なVブレーキのアームの長さは107mm程度、コンパクトVブレーキのアームの長さは90mm程度になっていてクロスバイクに採用されているVブレーキの多くはコンパクトVブレーキです。
現在で入手できるシマノ製のコンパクトVブレーキで最上位はBR-R353になりそうです。
もう少しグレードの高いコンパクトVブレーキになるとTEKTROのRX6あたりを候補にすると良いと思います。
ESCAPEシリーズでブレーキを交換人はShimano XTにした人が多い
ネットで調べた範囲ではありますが、クロスバイクのESCAPE R3やESCAPE Airのブレーキを交換している人の多くは、Shimano XT BR-T780に交換しているようです。
おそらくですが、当時影響力のあったクロスバイクの改造カスタマイズをおこなっていたブログの方が使用していたブレーキがたまたまShimano XT BR-T780で、それが広まった影響ではと思います。
フロントブレーキとリアブレーキの形は非常に似ていますが、品番を見る限りで別の品物のようなので購入する際はリア用とフロント用を分けて購入するかセットで購入しましょう。(実際はセットされているシューの向きが違うだけで基本的には同じものらしいです。)
Vブレーキ交換の作業を始める前に
改造カスタマイズはメンテナンスブックを参考にするのが基本
僕がクロスバイクのESCAPE Airをカスタマイズする際は、基本的にメンテナンスブックを参照しています。
パーツを購入した際に付属するマニュアルを見れば十分な場合も多いですが、メンテナンスブックだと写真付きの解説があったりして解りやすいからです。マニュアルとメンテナンスブックの両方を参照しながら作業すると非常に理解しやすくなります。
しかし注意したいのはVブレーキの場合は基本的にマウンテンバイク用のブレーキなのでロードバイク用のメンテナンスブックには情報がないことが多いです。
Vブレーキの情報が欲しい場合は、クロスバイクに特化したカスタマイズやメンテナンスブックがありますから、そちらを購入すると良いと思います。
作業前に写真を撮っておく
初めての作業を行なう場合は、取り付け方や元の状態が解らなくなってしまった時のため、作業前の状態をいろいろな方向から写真に撮っておいた方が良いでしょう。
例えばブレーキレバーの取り付け位置には複数の穴が空いていたりして、どの位置にセットすれば良いのか悩んだりします。またワイヤーの張り方や、パーツの固定角度なども迷いやすいポイントですが、写真を撮っておくことで元の状態と同じようにセットすることができるようになります。
基本的には全て最初に取り付けられていたように取り付ければ問題ありません。なので、自転車屋さんが調整した元の状態が分かるように写真を撮っておくというのは素人が作業する際には非常に重要なポイントです。
クロスバイクのフラットバー用ブレーキレバーの交換手順
ブレーキレバーの取り付けの際の注意点
フラットバー用のブレーキバーは、Vブレーキの他にキャリパーブレーキとカンチブレーキに対応している場合がほとんどで互換性があります。
しかしVブレーキとキャリパーブレーキ、カンチブレーキーとではブレーキの構造が違うためブレーキを制動させるために必要なワイヤーの引き量が異なります。
そのためブレーキワイヤのエンドにあるタイコをブレーキにセットする際にブレーキの種類によってタイコの位置を変更する必要があります。
タイコの位置を変えることでブレーキワイヤの引き量を調整するというわけです。
この設定を間違うと、引きが甘かったり、逆にブレーキが効きすぎたり、いくら調整してもブレーキがちゃんと動作しないので間違わないようにしましょう。
Vブレーキの場合はV、キャリパーブレーキとカンチブレーキの場合はC・ Rの位置にセットします。コンパクトVブレーキにした場合は、Vの位置ではなくC・ Rにするのが正しいです。
● Vブレーキ V
● キャリパーブレーキ C・ R
● カンチブレーキ C・ R
● コンパクトVブレーキ C・ R
タイコ部分。
ブレーキ内部にはプラスチックの小さなパーツがあり、これを嵌め込んで裏側をネジで固定することで、フックが外れてしまわないようになっています。
このネジは小さなネジなので精密ドライバーじゃないと回せません。
精密ドライバーは自転車整備ではたまにしか使用することはありませんが、電子機器の電池交換の際など、あれば何かと便利な物なので購入しておいて損はないと思います。
こんな感じで元の位置にブレーキレバーを取り付ければ良いでしょう。取り付け角度に決まりはないようですが通常は少し斜め下向きにした方がブレーキに指をかけやすくなると思います。
クロスバイクのブレーキ本体の交換手順
ブレーキの構造を理解して作業すべし
続いてブレーキ本体であるブレーキセットの取り付けです。
作業自体は簡単でそれほど難しい作業はありません。
必要な工具は六角レンチとプラスドライバーだけで十分です。
しかし、簡単と言ってもVブレーキの構造を理解していないと、ブレーキのテンションを出している針金の位置や、フレーム側に空いているブレーキを固定するための小さな穴の意味がわからず、どの位置にブレーキ本体を設置すれば良いのか?など悩んでしまうかもしれません。
また、ブレーキの横側にあるブレーキシューとリムとの距離を微調整する調整ネジの存在も知っておかないと、いつまでたっても調整がうまくできません。
なのでブレーキレバーの時と同様に、まずは構造を理解するために角度を変えて何枚も写真を撮影したり、メンテナンスブックで勉強した上で作業を開始するようにしましょう。
Vブレーキの調整の手順の基本
まずはブレーキワイヤーをブレーキレバーからブレーキまで通します。作業前の状態の写真を記録しておくとスムーズに作業できます。
アウターワイヤーの長さ
アウターワイヤーの長さは自転車屋さんが調整してくれた長さにするのがベストです。元から付いていたアウターワイヤーの長さを参考にして新しいアウターワイヤーをカットすれば簡単に調整できます。
アウターワイヤーが長すぎると不格好になるだけでなく、ブレーキワイヤーとアウターワイヤーの摩擦が大きくりブレーキが重く効きが悪くなることがあります。また、走行中に何かに引っ掛けることもあるなど良い事がありません。できる限り適正な長さに調整するようにしましょう。
ブレーキレバーを指で外側から押さえ込みながらワイヤーを十分に引っ張って、写真右上にあるネジとアームにワイヤーを挟んで仮止めします。
この時点でブレーキシューはリムにベタ着けの状態で大丈夫です。
というのもワイヤーには弛みがあるのでブレーキレバーを強くギュッギュと数回握ることで、ワイヤーが伸びてブレーキシューがリムから離れるからです。
ブレーキシューとリムの隙間は左右併せて2〜3mm程度が丁度良いとされているのでちょうど良い間隔になるようにワイヤーを挟み直したりして調整します。
後から少しずつワイヤーが伸びますから最初の設定ではブレーキシューとリムが擦るか擦らないかくらいのギリギリくらいになるようにセットすれば良いと思います。
調整用のスペーサーもあります。これを使うと作業が圧倒的に楽になります。
ブレーキワイヤーを引っ張ることである程度ワイヤーの張りが出れば、ブレーキレバー側のアジャスターを使用して微調整することになります。
ブレーキシューとリムの隙間が左右で違う場合には、ブレーキ横にあるネジを回して調整します。
この調整をしないと片側だけがブレーキがかかってしまう「片効き」になり、ブレーキシューが片方だけ著しく摩耗したり、リムを痛めたり、ブレーキの効きが悪く事故の原因にもなるので必ず均等になるように調整をしましょう。
調整ネジは一気に回さずに半回転くらいを目処に左右交互に締めたり緩めたりして調整するのがポイントです。
調整ネジは時計回りで締めるとブレーキアームが外側に開こうとする力が強くなりブレーキシューがリムから離れます。反時計回りに回して緩めると開く力が弱くなり、ブレーキシューとリムが近づきます。
調整ネジとブレーキアームの動き
● ネジを閉めるとブレーキアームが開く
● ネジを緩めるとブレーキアームが閉じる
クロスバイクのブレーキを交換した感想
クロスバイクのESCAPE Airのブレーキレバーとブレーキを交換してみた結果、見た目に関しては「換えたよ!」と言わなければ誰も気付かないレベルの違いしかありません。
しかしながら材質が違うので、佇まいと言いますか高級感は多少感じられるようになったような気がします。
制動に関してもVブレーキ自体が元々制動力の強いブレーキなので、Vブレーキを交換すること自体で大きな変化があったかどうかは判断が難しいですね。
ブレーキレバーやブレーキの交換はクロスバイクの改造カスタマイズの中では比較的お手軽な改造カスタマイズの一つなので、メンテナンスがてら交換にチャレンジしてみるのも良いかもしれません。
Vブレーキの調整方法については下記の記事で詳しく解説しています。