自転車のブレーキの位置関係についてです。
一般的には右ブレーキレバーが前ブレーキ、左ブレーキレバーが後ブレーキというのが標準のようです。
いきなり結論から書いてしまいましたが、いろいろと思うこともあったので自転車のブレーキの左右前後の位置関係について調べてみたことをまとめています。
自転車の左右ブレーキレバーと前後ブレーキの関係
自転車の左右ブレーキレバーと前後ブレーキの位置関係について特に疑問を持たずにきたのですが、上記のの写真を見た時になんだか軽く違和感を覚えたのでした。
窮屈そうなブレーキワイヤーの流れに違和感
ブレーキワイヤーの流れが窮屈そうで不自然だなと感じたのでした。
ブレーキレバーを軽くするためにはできるだけ摩擦を少なくする必要があります。
例えばワイヤーが長いままだと摩擦が大きくなるので必要最低限の長さに切り詰めることで摩擦が少なくなり操作性が良くなります。
それを考えるとワイヤーを張る際にもなるべく無理の内容に張るのが良いわけです。
そうすると、上記の写真で示したようなワイヤーの張り方を(Vブレーキのワイヤー受けには左ブレーキレバーからのワイヤーが入りフレーム左側に備えられたワイヤーガイドには右ブレーキレバーから出たワイヤーが入る)することによって無理がなくなるように思えます。
それなのに何故、無理矢理にブレーキワイヤーを曲げて右前左後で動作するようなワイヤーの張り方をしているのか不思議に思えたのです。
自転車屋さんの取り付けミスなのでしょうか?
それともわざわざそうする理由があるのでしょうか?
自転車メーカーの写真を調べてみる
有名自転車メーカーの写真を参照すれば何か答えが見つかるかもしれないと思い調べてみました。
下記は公式サイトに掲載されている写真を参考に判断した結果です。
左前右後
● TREK
● キャノンデール
● スペシャライズド
● SCOTT
● GIOS
右前左後
● コルナゴ
● MARIN
● CENTURION
● FELT
● ルイガノ
混在
● GIANT
というような具合でどちらが正しいとも言えないくらいに別れています。
一般的な自転車の左右ブレーキレバーと前後ブレーキの関係
一般的な自転車の左右ブレーキレバーと前後ブレーキの関係を調べてみると下記のような感じです。
● ママチャリやシティサイクル : 右前左後
● ロードバイクやクロスバイクなどのスポーツバイク : 左前右後
真偽は定かではありませんが、ロードバイクやクロスバイクなどのスポーツバイクの場合は左前右後というのが標準とされているという情報を多く見かけました。
僕のクロスバイクのGIANT ESCAPE Airを確認
少し懐かしい写真ですが僕のクロスバイクのESCAPE Airを確認してみるとGIANTストアから納車されたままの状態で右前左後になっていました。
スポーツバイクは左前右後が標準という情報を得ていただけに右前左後というのは少し拍子抜け。
我が家の自転車
ちなみに我が家の他の自転車は
● BRIDGESTONE(電動ママチャリ) : 右前左後
● ヨツバサイクル(BMX) : 右前左後
● TNB(BMX) : 左前右後
となっています。
やはりどちらが正しいとも言えないような感じです。
自転車は右ブレーキレバーが前輪で左ブレーキレバーが後輪が正解の根拠
自転車の左右ブレーキレバーと前後ブレーキの関係は、右ブレーキレバーが前輪、左ブレーキレバーが後輪というのが一般的とされているようです。その根拠はJIS規格やSG規格などの安全基準で定められているからです。
JIS規格
日本工業規格(JIS)の一般用自転車の項目でもも下記の様な一文があります。
a)ブレーキレバーの配置 ブレーキレバーは、一般に、前ブレーキ用をハンドルバーの右、後ブレーキ用をハンドルバーの左に配置する
引用:http://kikakurui.com/d9/D9301-2013-01.html
SG基準
一般財団法人製品安全協会が自転車関連製品について定められた基準の中の項目2-2で下記のような一文があります。
(2)ブレーキレバーは前ブレーキ用をハンドルバーの右、後ブレーキ用をハンドルバーの左に配置すること。
引用:http://www.sg-mark.org/KIJUN/S0052-05.pdf
ISO4210 自転車の安全条件
国際標準化機構規格(ISO)の自転車の項目でも下記のような一文があるようです。
前後ブレーキのレバーの配置は、自転車が販売される当該国の法律、習慣や事情に従う。
自転車協会が制定した基準がBAAはJIS規格をベースにしていますし、スポーツ用自転車安全基準自転車の安全基準を定めたSBAAはISO4210をベースに制定されたているため、JIS規格で左右のブレーキレバーの位置が定められているのであれば、BAAやSBAAなども同様に右前左後ブレーキという組み合わせを正解としていると思われます。
というような感じで日本の代表的な安全基準では基本的に右レバーが前輪で左レバーが後輪とされているようで、多くの自転車屋さんやサイクルショップではその基準に従って整備されているんじゃないかと思われます。
そんなわけでGIANTストアで購入したクロスバイクのESCAPE Airもそのあたりの理由もあって右前左後で組まれているのかもしれません。
ただ、いろいろと調べてみると、ロードバイクなどは左前右後が基本とされているせいか、サイクルショップによっては右前左後ではなく左前右後で組むこともあるようです。
自転車は右ブレーキレバーが前輪で左ブレーキレバーが後輪で違和感を抱く理由
自転車のブレーキの配置は右前左後で組まれるのが標準にも関わらず違和感を感じてしまうのは、上にも書いたようにブレーキワイヤーの流れが不自然だからです。
ブレーキワイヤーを自然な流れにするためには左前右後で組むのが絶対に良いのです。
シマノなどのパーツを見てもわかる通り、ブレーキのワイヤー受けは必ず正面から見て左側にありますから左前右後で組むことを前提にしていると思われます。
自転車のブレーキは右前左後か左前右後のどっちが正しいのか?
日本の安全基準で考えれば右前左後が正しいと思いますが、ロードバイクやクロスバイクの場合はパーツやフレームのデザイン自体が左前右後を前提としているようなので左前右後が正しいようにも思います。
結論としてはどちらでも良いのではないかと思われます。
例えばアメリカの安全基準であるCPSC(米国消費者製品安全委員会)では左前右後を標準としつつも使用者の判断でどちらでも良しとされているようですし、実際問題でプロのロードレーサーでも好みによって分かれているようで、選手それぞれの好みで変更したりもしているようです。
日本の場合はオートバイやバイクの場合も右前左後なので自転車も右前左後の方が扱い易いと考えることもできますし、利き腕の方が微調整しやすいから微妙なブレーキワークが必要な前輪は右ブレーキレバーの方が良いなどの考え方ができます。
なので日本の安全基準では右前左後が正解とはなりますが、使い勝手などを考慮して左前右後が良ければそれはそれで正解でも良いんじゃないかなと思います。
どうしても右前左後または左前右後じゃなければいけないという厳格な決まりもないようなので、あまり深く考える必要はない部分なのかもしれませんね。
以上、自転車のブレーキの左右レバーと前後ブレーキの位置関係についてでした。