
愛媛県では2015年11月から「思いやり1.5メートル運動」が展開されています。
自転車に乗る人にとって、とても心強い取り組みなので、「この考え方が全国に広がってほしい」という願いを込めて、「思いやり1.5メートル運動」を紹介します。
思いやり1.5メートル運動

Photo via:https://www.pref.ehime.jp/h15300/1-5m/1-5m.html
思いやり1.5メートル運動
自動車等の運転者に対し、自転車の側方を通過するときは“1.5メートル以上の安全な間隔を保つ”か、道路事情等から安全な間隔を保つことができないときは“徐行する”ことを呼び掛ける運動です。
参考 「思いやり1.5m運動」とは
参考 「思いやり 1 . 5 メートル運動」Q&A
思いやり1.5メートル運動の趣旨
思いやり1.5メートル運動の趣旨としては「自動車が自転車の側方を通過する時は十分な感覚をとって通過すべし」愛媛県では、自動車が自転車の側方を通過するときは、十分な間隔を確保するよう条例で定められています。
しかし、「十分な間隔」と言われても、人によって受け取り方はさまざまです。
50cmでも安全だと感じる人がいれば、3メートル離れていても怖いと感じる人もいます。
そこで、「1.5メートル」という具体的な目安を示すことで、運転者と自転車利用者が共通の認識を持ち、安全な追い越しを促そうというのが、この運動の目的です。
道路交通法でも「安全な間隔」への考え方が明確化

2026年施行の改正道路交通法では、自動車が自転車を追い越す際は、十分な側方間隔を確保して通行し、十分な間隔を確保できない場合は安全な速度まで減速するという考え方がより明確になりました。
ただし、「1.5メートル以上」といった具体的な距離は法律では定められていません。そのため、愛媛県の「思いやり1.5メートル運動」のような具体的な目安には、引き続き大きな意義があります。
道路交通法第18条
道路交通法第18条第2項では、歩行者の側方を通過する際について、次のように定められています。
車両は、前項の規定により歩道と車道の区別のない道路を通行する場合その他の場合において、歩行者の側方を通過するときは、これとの間に安全な間隔を保ち、又は徐行しなければならない。
このように、歩行者に対しては「安全な間隔を保つ、または徐行する」という義務があります。
一方で、自転車は道路交通法上「軽車両」に分類されるため、自動車が自転車の側方を通過する場合には、この規定は直接適用されません。
なお、自転車が歩行者の側方を通過する場合には、この規定の対象となるため、自転車を運転する際にも十分な間隔を確保し、安全な速度で通行することが求められます。
※「1.5メートル」という距離は道路交通法で定められた基準ではなく、愛媛県の「思いやり1.5メートル運動」で示されている安全の目安です。
自動車が自転車を追い越す感覚の世界基準

Photo via:Passing distance (West Midlands Police).jpg
アメリカは約3フィートが平均
世界的に見ても自動車が自転車を追い越す際の間隔は「1メートルから1.5メートル程度取りなさい」という感じのようです。
意外なのは、道路が広いアメリカのほとんどの州では3フィート(約1メートル)と決まっているようです。
中には余裕を持った4フィートに決まっている州もありますが少数です。
しかしながら、しっかりと数値として安全を確保できる距離を明記しているのは日本とは違う所です。
海外では追い越し時の距離を数値で定めている国・地域が多い
海外では、自動車が自転車を追い越す際の安全な側方間隔について、1~1.5メートル程度を目安として定めている国や地域が多くあります。
意外なのは、道路が広いイメージのあるアメリカでも、多くの州で3フィート(約91cm)以上の間隔を確保するよう定められていることです。
州によっては4フィート(約1.2メートル)以上としているところもあります。
このように、具体的な距離を数値で示している点は、日本との大きな違いといえるでしょう。
主な国・地域の安全な側方間隔
●● オーストラリア:60km/h以下は1m以上、60km/h超は1.5m以上(一部州)
● カナダ:1m以上(州により異なる)
● アメリカ:3~4フィート以上(州により異なる)
● イギリス:約1.5mを推奨(Highway Code)
● アイルランド:1.5m以上
● フランス:市街地1m以上、市街地外1.5m以上
このように、多くの国や地域では、安全な追い越し距離の目安を具体的な数値で示しています。
一方、日本では「安全な方法で進行すること」は求められているものの、自動車が自転車を追い越す際の側方間隔について、道路交通法で具体的な距離は定められていません。
道路幅の狭い日本では一律の距離を義務付けることは難しい面もありますが、愛媛県の「思いやり1.5メートル運動」のように、具体的な目安を示す取り組みが全国に広がれば、より安全な交通環境づくりにつながるのではないでしょうか。
全国に広めたい思いやり1.5メートル運動
実際に、自動車が1.5メートル程度の間隔を空けて追い越してくれるのであれば、自転車に乗る立場としては安心感が大きく、車道もずっと走りやすくなると感じます。
私自身、自転車にも自動車にも乗るため、車を運転するときはできるだけ自転車との間隔を広く取り、安全を確認したうえで追い越すよう心掛けています。
自転車は少しのふらつきでも転倒につながることがあります。すぐ近くを自動車が通過すると強いプレッシャーを感じますし、風圧や驚きによってバランスを崩す可能性もあります。
そのため、十分な側方間隔を確保して追い越すことは、万が一のふらつきや回避行動にも対応できる、安全運転の基本ではないでしょうか。
一方で、実際に車道を走っていると、自転車のすぐ脇を通過したり、クラクションを鳴らして追い越したりする車に遭遇することもあります。
運転者にもさまざまな事情があるとは思いますが、こうした追い越しは自転車利用者に大きな恐怖を与え、重大事故につながる危険性があります。
近年は自動車へのドライブレコーダーの普及が進み、事故やトラブル時の重要な記録として活用されています。
同様に、自転車でも事故や危険運転への備えとして、アクションカメラや自転車用ドライブレコーダーを活用する人が増えています。
本来であれば、録画機器に頼らなくても、お互いが相手の立場を思いやって運転できる社会が理想です。
愛媛県の「思いやり1.5メートル運動」のように、安全な側方間隔の大切さを広く周知する取り組みが全国へ広がれば、自転車も自動車も、今より安心して道路を利用できる環境につながるのではないでしょうか。
以上、「思いやり1.5メートル運動」について紹介しました。






コメント
思いやり1.5メートル運動シールがあればリュックに貼り自転車通勤したいと思っています。
販売されてましたら、連絡先を教えてください。
よろしくお願いします。
深谷様 コメントありがとうございます。
残念ながらシールなどはありませんが思いやりシール的なものがあれば良いような気もしますね。