クロスバイクのフォークを、カーボンフォークに交換する際に、必要と思われる工具などを揃えたので、それぞれの用途などをまとめておきます。
クロスバイクをカーボンフォークにするために準備した工具
クロスバイクをカーボンフォークにするために準備した工具です。
● ゴムハンマー
● 金槌
● ブレーキシューチューナー
● 六角レンチ
● プレッシャープラグ
● 保護用メガネ
● パイプカッター
● カッター(DIY工具)
● 塩ビパイプ PV30(DIY工具)
本来ならば全て専用工具で揃えるべきかと思いますが、実際問題でそれほど頻繁に使用する道具ばかりでもないので、代用が効く工具に関してはDIY工具で準備しました。
では、それぞれの工具の使用用途について、解説しておきます。
六角レンチ
六角レンチは、フォークの交換に限らずで、日頃の自転車メンテナンスや改造カスタマイズでは必須の工具です。
僕は種類の違う六角レンチをいくつか持っていますが、基本的なものが一つあれば十分だと思います。
今回の作業では、ステムやトップキャップのボルトを外す際に使用します。
工具類はこだわれば、ピンきりの世界です。
工具を探すと、高いものから安いものまでいろいろ見つかりますが、経験として工具類はあまり安いものではなく、それなりに有名なメーカーの工具を使用するのが良いでしょう。
値段が高くなりますが、有名なメーカーの工具は精度が高く、使い勝手が良いというのが最大のポイントになり、作業の失敗も少なくすることができます。
工具類は一度購入すると、一生使えたりもするので、頻繁に買い換えるものでもありませんから、後々まで気分良く使えるものを選んでおいた方が、後悔することも少ないと思います。
僕自身も、工具の世界では評価の高い「PB SWISS TOOLS」というメーカーの六角レンチを使用しています。
他の六角レンチと比べても非常に使い勝手が良く、とても気に入っています。
下玉押し(クラウンレース)取り外し用の道具
● 保護用メガネ
● 金槌
● カッターナイフ
これらの道具は、フォークコラムの根本に圧入されている「下玉押し(クラウンレース)」を取り外す際に使用します。
下玉押し(クラウンレース)の取り外し方は、カッターナイフの刃を、密着しているフォークの根元と下玉押しの間に押し当てて、カッターナイフを金槌で叩いて隙間を作って動かせるようにします。
カッターナイフの刃は、金槌で軽く「トントントン」と叩く程度なので、強く叩く必要はありませんが、刃が欠けたり飛んだりした場合に備えて、保護用眼鏡も準備しました。
自転車のメンテナンスや、改造カスタマイズでは、ケミカルを使うことも多いので、保護用眼鏡があれば、何かと重宝します。
同じ規格の下玉押しが入手できれば作業は省略できる
ちなみに、下玉押しは、ヘッドパーツで使用している「ワン」と呼ばれるパーツとの規格が合っていれば、下玉押しだけ購入して使用することもできます。
この場合は、下玉押しを取り外す作業は省略できますが、なかなか適合するサイズが見つけられないのが難点です。
GIANT社のESCAPEシリーズはGIANTストアから下玉押しを取り寄せられる
GIANTのESCAPEシリーズなどであれば、GIANTストアから、スペアパーツとして下玉押しを取り寄せることが出来るので、取り外しが面倒な人は、GIANTストアで注文するのも良いかもしれません。
下玉押しを取り外す専用工具もある
下玉押しを取り外す専用工具として「クラウンレースリムーバー」があります。
また、作業的に下玉押しを取り外す必要があるのは、フレームのヘッドチューブ内部に圧入されている「ワン」を、そのまま使用する場合に限られます。
「ワン」も交換する場合には、新しく「ワン」も購入することになりますが、「ワン」には下玉押しがセットになっているので、わざわざ古い下玉押しをフォークから取り外す必要がありません。
ちなみに、ワンの交換には別の作業と専用工具が必要になりますが、この記事ではその作業は行わないため割愛しています。
通情、フォークのコラムの規格が異なるフォークを使用したい場合などに、その規格に適合したワンへの交換が必要になります。同じ規格のコラムを使用する場合には、流用でも問題がない場合が多いかと思います。
下玉押し(クラウンレース)圧入用の道具
● 塩ビパイプ
● ゴムハンマー
パイプとハンマーは、下玉押しを、新しいフォークのコラムに圧入する際に使用するものです。
下玉押しを、コラムに通した後に、塩ビパイプを上から通してゴムハンマーで叩く作業で使用します。
上記もDIV工具で、本来は専用工具がありますが、クロスバイクの改造カスタマイズでは、このような方法がポピュラーなので、僕自信もこの方法で、作業を行っています。
パイプとハンマーの選定のポイント
パイプの太さはフォークのコラム径によって変わるので、パイプを購入する際には注意が必要です。
GIANT社のESCAPEシリーズであれば、コラム径は28.6mm(1-1/8インチ)になり、「PV-30」と呼ばれる、パイプ内径が約30mmの塩ビパイプを使用すると、下玉押しを圧入するのに丁度良いサイズになります。
ハンマーは、打面が大きなものでパイプを叩いた方が下玉押しが斜めに入ったりしづらいと思われるため、適当なものとしてゴムハンマーを選択しました。
下玉押し圧入用の専用工具クラウンレースセッター
下玉押し圧入用の専用工具としては、クラウンレースセッターなどがあります。
フォークのコラムをカットするパイプカッター
パイプカッターは、交換したフォークのコラムをカットするために必要になります。
アルミコラムの場合は、一般的に使用されるパイプカッターで問題ありません。
カーボンコラムをカットする場合
もしカーボンコラムのフォークであれば、パイプカッターではカーボン製のコラムはカット出来ないので、ソーガイドと糸鋸を使用することになります。
プレッシャープラグ
一般的にはスターファングルナットが使用される
コラムの内部には、フォークをフレームに固定するために必要な部品が圧入されています。
大抵の場合は「スターファングルナット」と呼ばれる、星型の部品が使用されています。
スターファングルナットは、一度コラムに圧入してしまうと、再利用ができなくなる点や、押し込みすぎると後戻りできなくなってしまうので、作業には注意が必要です。
再利用や調整が可能なプレッシャープラグ
僕は、そのような問題を避けるために、プレッシャープラグを使用することにしました。
プレッシャープラグは、スターファングルナットが使用できない、カーボンコラムなどで使用するためのもので、役割はスターファングルナットと同じです。
プレッシャープラグの中央にあるボルトを締めることによって、プレッシャープラグが広がり、コラムの内壁に圧着して固定させることができます。
スターファングルナットとは違い、ボルトを緩めればプレッシャーアンカーはフリーになるため、再利用や位置の調整が可能です。
スターファングルナットに比べると重量が重くなるなどのデメリットはありますが、斜めに圧入してしまったり、圧入しすぎてしまうなどの失敗がなく、作業がしやすいので、プレッシャーアンカーの方が圧倒的に楽です。
ブレーキ調整用のブレーキシューチューナー
フォークを交換する際には、ブレーキを取り外す必要があります。
また、ブレーキの取り付け位置は、フォークによって少しずつ違うので、改めてブレーキシューの位置調整をおこなう必要があります。
ブレーキシューの角度や位置の調整は、ミリ単位の作業になります。
左右のブレーキシューを同じようにセットする必要があるので、面倒な作業なので、馴れないと時間を要する作業にもなります。
そこで便利なのが「ブレーキシューチューナー」と呼ばれる道具です。
ブレーキシューチューナーを使用すると、面倒なブレーキシューの位置調整が簡単にできるようになり、一瞬で調整作業が終了します。
作業自体は、慣れの問題も大きいので、ブレーキシューチューナーがなくてもどうにかなるものではありますが、作業効率が格段に良くなるので、おすすめの道具です。
以上、クロスバイクのフォークをカーボンフォークに交換する際に使用する道具となります。