自転車のブレーキの種類は大きく分けて四種類(キャリパー/カンチ/ディスク/Vブレーキ)あります。クロスバイクで一般的なブレーキは、その中の一つであるVブレーキです。
もちろん僕のクロスバイクのブレーキもVブレーキです。元々はTEKTROというメーカーのRX1という種類のVブレーキが付いていたのですが、制動などを強化したいと考え、シマノのBR-R573(廃番)というロード仕様のVブレーキに交換しています。
すんなりとVブレーキの交換が出来たわけではなく、悩んだり失敗したこともあったので、僕がクロスバイクのVブレーキを交換する際に悩んだポイントや注意点などについてまとめてみました。
Vブレーキのアームの長さには種類がある
通常のVブレーキとコンパクトVブレーキ
Vブレーキと言えば、ロードバイクではなくマウンテンバイクなどのオフロード用ブレーキというイメージがありますが、ロード用として使用されるVブレーキも存在します。
ロード向けのVブレーキはマウンテンバイク用のVブレーキに比べてブレーキアームの長さが短いのが特徴です。俗にショートアームとかコンパクトVブレーキ呼ばれているタイプのVブレーキです。
● Vブレーキ 107mm前後
● コンパクトVブレーキ 90mm前後
ブレーキアームの長さの違いによる性能の違い
ブレーキアームの長さが短くなるとテコの原理で働く力が弱くなるので制動力が弱まると言われています。
ブレーキは制動力が高いほど良いと思いがちですが、スピードが出て車体重量が軽いロードバイクなどでは、ガッツリ効いてしまうブレーキだと反動で車体が浮いて転倒してしまったりして、逆に危険だったりするわけで、程よい制動力が求められるのです。
また一般的なVブレーキと、ロードバイクなどで採用されているキャリパーブレーキとでは、ブレーキレバーの引き幅が異なりますが、ブレーキアームの短いコンパクトVブレーキだとキャリパーブレーキやカンチブレーキなどと同じ引き幅で動作させられるようになるため、共通のパーツが使用できるというメリットがあります。
クロスバイクに採用されているVブレーキは、通常のVブレーキとショートアームタイプのVブレーキの半々といった具合ですが、ベストセラーのクロスバイクであるGIANT社のESCAPEシリーズなどにはコンパクトVブレーキが採用されています。
基本的にはどちらを選択しても良いと思いますが、ロードバイク寄りの改造カスタマイズがしたいのであれば、コンパクトVブレーキを選択したほうが良いと思います。
シマノのコンパクトVブレーキ
以前は沢山種類のあったVブレーキですが、ご存知の通りマウンテンバイクもロードバイクもディスクブレーキ化が進んでいて、少数派であるVブレーキはディスコンへの道を辿っているような気配があります。
2019年4月現在でシマノのVブレーキのラインナップの中でコンパクトVブレーキはBR-R353のみになっています。
以前は上位グレードのはBR-R573というモデルがあったのですが、市場在庫ももう無いようです。ちなみに価格的にはフロント用、リア用のいずれも6,000円前後、BR-R353の方はフロント用、リア用のいずれも2,000円前後になっていて、グレードの高いコンパクトVブレーキはも手に入らないと思った方が良いかもしれません。
シマノ以外のコンパクトVブレーキ
シマノのコンパクトVブレーキは上記のBR-R353だけになっていますが、他のメーカーで探せばコンパクトVブレーキはまだ見つけることができます。
Vブレーキにはフロント用とリア用がある
Vブレーキにはフロント用とリア用があります。商品紹介写真などで見ても、その違いが判らないため、僕は同じものと思っていました。
愛車のクロスバイクのESCAPE Airのブレーキを換装する際に、さんざん悩んだのもこの点です。幸いにしてAmazonに出品されている商品には、親切に商品名に(フロント用)、(リア用)の文字があったため、フロント用とリア用があることに気が付くことができました。
本当にフロント用とリア用で違いがあるのかと今でも疑問に思う点ではありますが、型番と思われる記号をよく見ると・・・
● BR-R573 ブラック フロント用 EBRR573FX11SLP
● BR-R573 ブラック リア用 EBRR573RX11SLP
というような感じで型番の一部がF(Front)とR(Rear)になっているのでした。細かい!こんなん買い間違えますって!
ちなみに同じ商品のシルバーとブラックで色違いの場合は
● BR-R573 シルバー EBRR573FX11SSP
● BR-R573 ブラック EBRR573FX11SLP
S(Silver)とL(える?)の違いです。
予備情報
コメントで頂いた情報によれば、フロント用とリア用の違いはブレーキシューのカードリッジの向きを示す矢印マークだけの違いのようで、左右を入れ替えて取り付けることでフロント用をリア用に、リア用であればフロント用にして使用することが出来るようです。ちょっとかっこ悪くはなりますが、全く無駄にならないということなので良しとしましょう。
ブレーキシューのタイプの違い
ブレーキとリムの部分のゴムのパーツであるブレーキシューには、ゴム部分だけを交換するカードリッジ式のものと、取り付け金具とゴム部分が一体になっていて丸ごと交換するものがあります。
ブレーキシューのタイプの違いについては下記の記事でまとめていますので参考にしてください。
Vブレーキの種類によって取付けられるブレーキシューのタイプが異なります。買い間違えると使用できない場合もあるので購入の際には注意が必要です。ロード用Vブレーキのブレーキシューは2種類で、M70R2とS70Tがあり、M70R2はカードリッジ式、S70Tは一体型のブレーキシューです。
シマノ(SHIMANO) ブレーキシュー M70R2(シビアコンディション用)ブレーキシュー&抜止めピン(ペア) Y8AA98200
ちなみに、ブレーキシューにはフロント用やリア用はありません。