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変速時のショックが気になったらスプロケットを換装してみるべし

公開日: スプロケット, 自転車メンテナンス・カスタマイズ

クロスバイクのスプロケットを換装

愛車であるクロスバイクのESCAPE Airの変速の際のガツンという衝撃が気になってしょうがなかったので、歯数の差が少ないクロスレシオなスプロケットを換装してみたところ、別の自転車みたいな走りになりました。

変則時の衝撃が気になる方や、クロスバイクでも、もう少しロードバイク寄りな走りを求めたい方などには、お勧めのカスタマイズだと思います。

本文では便宜的にクロスレシオと表記していますが、英語的な発音ではClose ratio(kloʊz réɪʃoʊ)となりクロウスレシオ、またはクロウズレシオとなります。英語のカタカナ表記も実際の英語に近いように変えて行きたいと思う今日この頃です。

変速時のガツンという衝撃が気になる

気になる変速時のガツンという衝撃

クロスバイクのESCAPE Airはロードバイクより多段なはずなのに変速時のガツンという衝撃が気になる

クロスバイクを購入して、最初はママチャリとの違いに驚いたものでした。
しかし、しばらく乗っているとやがて気になることが出てきます。

それは変速時のガツンという衝撃
徐々にスピードが乗って来て、段々とシフトアップしていくその時に、突然やってくるあの「ガツン」という抵抗感。ギアをチェンジした時の、シームレスじゃない感じがどうしても気になってしょうがなくなります。

最初は「こんなもんなのかな」と思って我慢していても、段々と気になって来るのです。ギアだけに段々と。

一旦気になり始めるとそれが次第にストレスになり「多段なんだから、もう少しスムーズな変速はできないものか?」などと素朴な疑問が沸いてきます。

だってクロスバイクのESCAPE Air(2013)はフロント3段のリア8段で合計24段もあるのです。ロードバイクなどで標準であるフロント2段、リア11段の合計22段と比べて、クロスバイクのESCAPE Airの方が2段も多いのに、どうしてスムースな変速が出来ないのか不思議で仕方がありませんでした。

変速時の「ガツン」の原因って何?

シマノ スプロケット CS-HG51 8S 11-28T 13579148 ECSHG518128

変速時に感じる「ガツン」の原因は一体何なのかを調べてみると、犯人はカセットスプロケットだと解りました。リアに付いているピラミッドを横にしたようなカッコ良い物体がそれです。

このカセットスプロケットがリアの段数になり、ギアの枚数が多いほどスムーズな変速ができるようにしやすいのです。つまり、リア11段のロードバイクにセットされているカセットスプロケットには11枚ものギアが組まれているのです。

ギアの組み合わせにもよりますが、基本的にはフロント3段のリア8段で合計24段のクロスバイクよりも、フロント2段のリア11段のロードバイクの方が、スムーズに変速できるというわけです。

リアのギア数で考えればわずか3段しか変わらないようにも思えますが、実は非常に差が大きい3段なのです。

もう少し踏み込んだ話になるとカセットスプロケットの歯数とフロントのチェーンリングの歯数の組み合わせでギア比というものが計算されます。このギア比という数字が大きいほど重たい(高速なギア)になるわけですが、隣り合ったギアとの数値の差が少ないほど、スムースに変速できるようになります。

例えばクロスバイクのESCAPE Air(2013)にはフロントで28/38/48T、カセットスプロケットには11-32Tというものが装備されています。

この11-32Tというのは歯数を表していて、TはTeeth(歯)のことで、つまりはギアのデコボコの山の数を表していて、最も小さなギアの歯数が11で最も大きなギアの歯数が32ということを表しています。ギア数は8枚ですから、この11と32の間には残り6枚のギアが挟まれていて、全体の構成は(11-13-15-18-21-24-28-32)となります。

これをギア比を計算してくれるサイト「自転車の多段ギア比|自転車探検!」で計算してみると下記のようになります。

これだけ見ると、何のことかよく解らないと思いますので、一般的なロードバイクで使用されているフロントギア34/50T、リア12-25T(12-13-14-15-16-17-18-19-21-23-25)(CS-6800 12-25T)と比較してみます。

ギア比の比較

ちょっと画像が小さくて申し訳ないのですが、8速と11速の2つのギアのギア比の比較です。
ピンク色の部分の数字は平地を走る際によく使うギアのギア比で8速と11速で近しいギア比が並ぶ部分です。

ギア比に関しては変速時の方法等で色々と難しい話があるのですが、今回はそれを無視してひとまずギア比の大きさのみに注目してみます。

段ごとのギア比の差が大きければ大きいほど、変速時にガツンという衝撃が大きくなるわけですが、数字を見てもらうと解る通り、8速11-32Tは、0.2〜0.5程度の刻みでギア比が変化しています。しかも不規則な感じです。

一方11速12-25Tの方は、スプロケットの歯並びも綺麗で、ギア比はほぼ0.2〜0.3刻みで変化していて変化の幅はほぼ一定です。

つまり8速よりも11速の方がギア比にムラが無く、スムースに変速できるということになります。

カセットスプロケットを多段なものにしちゃえば良い?

「だったらカセットスプロケットを8段から11段に交換しちゃえば良いじゃない?」「おーい!11段のカセットスプロケット持って来い!」ってことになりそうなのですが、カセットスプロケットの交換はそんなに簡単な話ではありません。

リアディレーラーの動く幅は段数によって決められていますし、変速をコントロールするシフターの引き幅も違ってきます。さらにはチェーンの幅も違ってくるため、リアの段数を変更するということは、コンポーネント一式を換装するという大改造になってしまうのです。

さらにはホイールもその段数に対応していなければ、対応したものに換える必要があります。

つまりは、カセットスプロケットをより多段なものに換えちゃえばいいじゃない!というお話ではないのです。

しかしながら諦めるのはまだ早い。
スプロケットは段数が同じであれば、カセットスプロケットのみの換装ができます

つまり、もう少し歯数がスムースに並んだカセットスプロケットを選べば、他のパーツを換えなくても、スムースな変速が出来るようになる、というわけです。

スプロケットの歯数のおはなし

さて、もう一度ESCAPE Airに標準で付いているスプロケットの歯数を見てみます。11-32Tという歯数でした。

11-32Tというのは、ワイドレシオと言われるギアで、ギアの歯数の構成がトップの11からローは32Tまでのワイドな歯数で構成されているカセットスプロケットなのです。

まだピンとこないと思いますが、注目したいのはロー側のギアの32Tという数字です。じつはとても大きな数字なのです。

ロードバイクなどではロー側の数字が28T以上になると非常に軽いギアになり、坂道を乙女でもラクラク登れるため「乙女ギア」などと揶揄されたりするくらいで、カセットスプロケットのギア構成を考える時に、最大ギアが28T未満なのか28T以上なのかで1つの区切りとして考えることができます。

もちろんフロントの歯数によっても左右されますが、クロスバイクの場合は一般的なロードバイクのに採用されている歯数よりも少ない歯数なので、さらに軽くなるのです。(※フロントのギアは歯数が少ないほど軽いギアになります。)

平地メインで走るロードバイクなどの場合は、このハイとローの2つの数字があまり開いていないギアが好まれていて、それをクロスレシオなギアと呼びます。

11-23Tなどというかなり数字が詰まったカセットスプロケットも存在していますが、あまり小さいと今度は坂道に遭遇した時に困ってしまうので、よく選択される標準的なカセットスプロケットは12-25Tとなるようです。

実際問題でシティライドの場合、少々の坂道が出て来てもそれほど大変な坂道ではなく25Tもあれば充分余裕で登れるはずで、最悪の場合でもフロントギアをインナーに落とせばまず困ることはないと思われます。

マウンテンバイクのようにダウンヒルでもしない限り、クロスバイクのESCAPE Airに最初から付いて32Tという数字は明らかに大き過ぎる歯数なのです。

それに加えてフロントも3段で歯数の少ないギアだったりするわけで、シティライドメインで考えたならば、32Tなどというギアは使うシチュエーションが出て来ないようなものすごく無駄なギアなのです。

こんな無駄なギアはやめてしまって、ギアの段飛びを小さくしてスムーズな変速ができるようにした方がよっぽど幸せになれるはずです。

変速時の段飛びの衝撃が気になるならクロスレシオなものに換装しよう

変速時の段飛びの衝撃がストレスになっていたので、もっとスムースな変速ができるようにクロスバイクのESCAPE Airのカセットスプロケットをワイドレシオなものからクロスレシオなものへ換装することにしました。

カセットスプロケットの換装はフリーホイールリムーバーなど専用工具が必要になりますが、カセットスプロケットの清掃の際など意外と使うシーンも多いので、スポーツバイクを乗り続けるのであれば、購入しておいて損は無い道具だと思います。ちなみにシマノ用とカンパ用があります。

8段のクロスバイクの為に歯数の差が小さいスプロケットを探す

シマノ CS-HG51 8S 11-32T 13581482 ECSHG518132
クロスバイクのESCAPE Airに標準で付いているスプロケットのギア数は8枚で歯数は11-32T。構成は(11-14-17-20-23-26-29-32)。

一般的な8速、9速のクロスバイクもだいたい似たような構成になっていると思われます。

スムースな変速ができるようにするためには、この並んだ数字の繋がりが良いものを探せば良いというわけです。そして早速Amazonで物色して見つけたのがこのギア。

歯数は12-23T。
ギアの構成は(12-13-14-15-17-19-21-23T)となって、なかなか綺麗な繋がりです。
トップが11Tから12Tになり、最もスピードが出るハイの部分のギアの歯数が大きくなってしまい少し残念な気がするかもしれません。

しかし実際問題で11Tという歯数は普通は踏まない。いや、重くて踏めないようなギアだと思われます。

むしろ8速という限られたギア数の中で変速のスムースさを求めるなら、12Tを削って、さらに間を埋めるようなギアが有った方が良いと思うくらいです。

ギア比

ギア比で見ても、良い感じで変化しているのが分かります。

もう少し繋がりの良いスプロケットであるならば13-23Tも良いと思います。
ギアの構成は13-14-15-16-17-19-21-23。

9速用のクロスレシオなスプロケット

9速用のクロスレシオなギアは大きく2種類。

標準タイプと思われる12-25T。
ギアの構成は12-13-14-15-17-19-21-23-25

更にスムースな変速を求めるなら14-25Tがお勧め。
トップを14Tまで落としていますが、シティーライドでは充分かと思います。
ギアの構成は14-15-16-17-18-19-21-23-25

10速用(11速用)のクロスレシオなスプロケット

CS-6800 11-23T。
ギア構成は11-12-13-14-15-16-17-18-19-21-23。

スプロケット交換手順

スプロケットの交換手順は、ネットで調べればいくらでも情報が出て来るのでサクッと説明しておきます。

1.後輪を取り外す
2.ロックリング回しをセット。
3.フリーホイールルムーバーでギアを固定してスパナで回す。
4.古いスプロケットを外して新しいスプロケットを取り付ける
5.逆の手順で締める

初めての作業の時はどの程度に力を加えれば良いのか分からず、ホイールを壊してしまうかも・・・と、かなりビビってしまいましたが、ホイールはそんなに簡単に壊れないと思われますので、そこそこ体重をかけて回すようにしないと外れないと思います。

どの程度丈夫なのかわかりませんが、とりあえずきちんとネジが回るように加重できさえすれば、タイヤが壊れるなんてことはなかなか無いと思います。だって、日頃から人を乗せて走ってるわけですから、体重をかけたくらいで壊れるようだと問題ですよね(笑)

交換するついでに、クロスバイクのESCAPE Airの後輪に付いていたチェーン脱落防止のためのプラ版も外しました。

これが無いと、ホイール側にチェーンが脱落してしまう危険性があり、スポークを折ってしまうなどにも繋がるそうですが、巷を走っているロードバイクに装着している人は居ませんし、発進時は2速から発進してローギア(ホイール側のギア)は使用しないので「必要ない」との判断です。

クロスレシオなスプロケットに換装したクロスバイクのESCAPE Airに乗ってみた感想

結論から言えば、スプロケットを変えると、全く新しい自転車になります。それくらいに大きな変化が得られます。

正直なところ、こんなに変わるとは思ってもみなかったのでかなり感動しました。ここまで乗り心地が違うのであれば、スプロケット自体はそんなに高いパーツでもないので、いろいろ試してみたくなるほどです。

シフトチェンジの際のガツンガツンは解消されたのか?

肝心の乗り心地ですが・・・かなり良くなりました。少なくとも理想には近づいたと思います。まだ少し気になる程度のガツンはありますが、純正のものと比べれば幅広くギアを使えるようになったので変速の楽しさも増えましたし、かなり快適になりました。

ここから先は9速なり10速なり、あるいは11速なりの多段にしていかないと解消されないレベルのものになると思います。

そんなこんなでESCAPE Airのスプロケットを交換したお話でした。

自転車の走りが全く変わる改造・カスタマイズと言えばコンポーネントの交換ですが、作業も大変で出費も多い為簡単には実行できませんが、スプロケットの交換は、比較的手軽に出来て、自転車の性能の変化もすごく感じられる改造・カスタマイズなので、かなりおすすめです。

1つ注意点として、スプロケットを換えるとチェーンの長さを調整する必要が出て来ます。ワイドレシオなものからクロスレシオなものに換装するとチェーンが余ってしまうので、切り詰めた方が良いでしょう。理想はスプロケット換装とともにチェーンも換えてしまうのが良いようです。

Comment

  1. 石丸 順三 より:

    貴殿のブログ、いつも楽しく読ませていただいていますし、いろいろ参考になることが満載です。

    ただ、本ブログでの「クロスレシオ」は間違った表現です。
    「クロスレシオ」ではなく、正しくは「クロウスレシオ」です。
    「クロスレシオ」を英語にするとCross ratio となり、「交差した比率」で意味不明。
    「クロウスレシオ」を英語にすると Close ratio で「接近した比率」と正しい意味になります。

    これからも長く掲載が続くことを祈り、また希望します。

    • escape air より:

      石丸さま コメントありがとうございます。
      英語発音、気になるポイントかと思います。
      メジャーリーグも本来はメイジャーリーグであるべきですし、ラジオもレイディオが正しいかと思います。最初にメディアが報じたとこで一般的になっているのでしょうが、日本人の英語が苦手なのはカタカナが原因という話もありますし、今後改めなければいけない問題だと私自身も感じています。

      ただ、検索した際にクロスレシオが一般的ですので、本文はそのままにし、コメントを参考に注意書きを追記させていただきましたので、ご容赦いただければ幸いです。

      今後ともよろしくお願いいたします。

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