サイクルコンピューターを心拍計(心拍センサー・ハートレートモニター)などの外部センサーと併用すれば、より本格的なトレーニングにも活用できるようになります。
心拍数は運動の負荷の程度を知る目安にもなり、個人個人に適した負荷でトレーニングできる心拍トレーニングを取り入れることができます。
もし、心拍計に対応したサイクルコンピューターを使用しているのであれば、是非ともサイクルコンピューターと心拍計を一緒に使用しましょう。
この記事ではサイクルトレーナーなど、自転車系のフィットネス器具やデバイスのメーカーであるWahooのハートレートモニターTICKRx(ティッカー エックス)をサイクルコンピューターと併せて使用した様子をまとめています。
Wahooの心拍センサーTICKR X
Wahoo ハートレートモニターTICKRx 基本スペック
● 心拍数
● 消費カロリー
● ケイデンス(屋内サイクリング)
● Bluetooth 3つ同時接続 / ANT+
● メモリー機能(50時間)● 重量 48g(ストラップ込み)
● サイズ 長さ6.3cm x 幅 1cm x 高さ 3cm
● 電池 CR2032 / 500 時間
● 防水 IPX7
● 上部LEDでのインジケーター● 上下動感知 / 設置時間 / ケイデンス
● ドレッドミルでの走行距離とペースの計測
● Apple Watchとの連携
● Zwift、The Sufferfest、Pelotonなどに対応https://www.wahoofitness.com/devices/heart-rate-monitors?rfsn=5621158.055e13
Wahoo TICKRxはチェストベルトを使用して胸部に固定するタイプの心拍センサーです。
チェストベルトは付属品で、センサー本体とスナップボタンで固定して使用します。
Wahoo ハートレートモニターTICKR シリーズ
WahooのハートレートモニターTICKRはシリーズ化されていて2023年12月現在でのラインナップは下記の通りです。
● TICKR
● TICKR FIT
TICKRとTICKRxは現時点でなくなっていますが、TICKRと、ほぼ同じで、胸部にセットするタイプの心拍センサーです。
TICKRxには加速度センサーが備わっていて、ケイデンスや接地時間、上下動などが計測できるほか、トレッドミルモード、内蔵メモリなどの機能もあり、よりエクササイズやフィットネスに活用しやすくなっています。
TICKR FITは腕に固定するための心拍センサーで、光学式心拍計が採用されています。
光学式心拍計は胸部固定式の心拍センサーよりも気軽に使用できるというメリットがありますが、同じく光学式の心拍計を備えたマルチスポーツのELEMNT RIVALがあるので、現状ではTICKR FITに関しては役目が終了している感があります。
Wahoo ハートレートモニターTICKRx 外観・サイズ
切符サイズコンパクトな本体
Wahoo TICKR Xは非常にコンパクトなデバイスです。
サイズは「長さ6.3cm x 幅 1cm x 高さ 3cm」で、電車の切符くらいのサイズです。
ベルト込みで45g程度と軽量で「こんなに小さくて軽量なもので、本当に計測できるのだろうか?」と驚く軽さです。
薄型で装着時も邪魔にならない厚み
胸部にチェストベルトで固定するタイプのセンサーなので、デバイス自体の厚みも重要です。
TICKRxは約1cm程度の厚みなので、Tシャツを着れば全く目立ちませんね。
シンプルなデザインでボタン類はありません。
後述しますが、センサーの認識の状態を確認できる赤と青のLEDが本体上部に備わっているので、ちゃんと動作しているかどうかの確認はLEDで確認できます。
本体をダブルタップすることでスタートやストップなどの簡単な操作を割り当てることができます。
Wahooの心拍計 TICKRx の特徴や機能
Wahoo TICKRxはチェストベルト装着で動作が開始する
初めてTICKRxを見た際には、本体にはボタン類が無いので、どのようにすればスイッチを入れれば良いのか戸惑ってしまいました。
本体を振っても、叩いても何の反応も有りません。
最終的に「とりあえず装着してみよう」と思い、チェストベルトで胸部にセンサーを固定してみたところ、本体に備えられたLEDが点滅をはじめました。
どうやらチェストベルトの肌に触れる部分に電極パッドがあるようで、センサーをチェストベルトに接続して胸部にセットすることで自動的にスイッチがオンになるようです。
逆にスイッチをオフにする時には、チェストベルトを取り外せば自動的にオフになる仕組みです。
アメリカンプロダクツらしい、合理的で割り切った仕様だと思います。
LEDインジケーター
センサー本体上部のLEDはインジケーターになっていて、点滅するLEDの色や点滅パターンによって、センサーがどのような状態なのかを知ることができます。
インジケーターの点滅パターンは下記の通り。
● 青色 遅い点滅 TICKRが復帰して検索中
● 青色 4回点滅 デバイスを発見
● 青色 速い点滅 デバイスに接続済み
● 赤色 心拍数に対して点滅
ちなみに、電池の消耗を抑えるため、常時点灯ではなく30秒を過ぎれば自動で消灯されるようになっています。
Wahoo TICKRxの設定はフィットネスアプリで
Wahooの心拍センサーのTICKRxは、本体にボタンが無いので、センサーの設定はWahooのフィットネスアプリである「Wahoo Fitness」でセンサーを認識させてから設定します。
ランニングや、サイクリング、トレッドミルなどワークアウトごとに簡単な設定ができ、ワークアウトもこのアプリで記録と管理ができます。
Wahoo TICKRxはメモリー機能搭載で単体でも動作する
Wahooの心拍センサーのTICKRxを使用するまで知らなかったのですが、Wahoo TICKRxはセンサー単体でも動作してワークアウトを記録することができます。
個人的なイメージではWahoo TICKRxのような心拍センサーは、サイクルコンピューターやスマートフォン、サイクルトレーナーなど、他のデバイスのアクセサリー的なもので、常にそれらの機器と一緒に使用するものだと思っていました。
実際問題で一般的な心拍センサーの多くはワークアウトを記録することができないので、母艦となるデバイスのアクセサリーとして使用するのが基本的な使い方かと思います。
しかし、Wahooの心拍センサーのTICKRxは内蔵メモリを備えているので、これらのデバイスと併用しなくても、単体で動作してワークアウトを記録することができます。
ランニングやウォーキングの際にはなるべく身軽な状態が好ましいので、スマートフォンなどの大きくて重たいデバイスと併用しなくて良くなるだけで大きなメリットを感じることができますね。
ダブルタップの設定でスタートやストップなどの単純な操作ができる
TICKRxを単体で使用した場合に、ボタンも無い、スマートフォンでの設定も出来なくなるので「操作はどうすれば良いのか?」というところになりますが、センサー本体を「トントン」とダブルタップすることで、センサーの一時停止や再開、ラップタイムの記録、音楽の再生などのいずれかの操作をあらかじめ割り当てることができます。
ただし、この機能に関しては、加速度センサーを使用して操作を判断していると思われるので、動作中の操作などには不安定さを感じることもあると思うので「無いよりは有った方が便利な機能」くらいの感じになるかと思います。
ちなみに、スイッチのオンオフに関しては、前述したようにセンサーの着脱でおこないます。
TICKRシリーズのような胸部心拍センサーの特徴
Wahoo TICKRxは胸部に固定する心拍センサーです。
計測方式はスマートウォッチなどのような光学式の心拍計とは異なります。
計測方式の違いによる計測値の正確さの違いは、手首に装着する光学式の計測方式よりも、胸部に設置する心拍計の方がより正確に計測できるという情報が多いです。
ただし、医療用とかでない限りは、どちらの計測方式でも正確さにそれほど大きな差は無いというような情報もあります。
また、計測方式よりも、きちんと装着されているかどうかの方が正確さへの影響が大きいようです。
ワークアウトの種類によって使い分けるのがベスト
TICKRxのような胸部センサーか、スマートウォッチのような手首に装着する光学式心拍センサーかは、ワークアウトの種類によって使い分けるのがベストのようです。
例えば、負荷トレーニングなどでは、腕時計で血管が圧迫されていると正確な計測ができなかったり、ワークアウトの邪魔になるので、胸部センサーの方が適しているというような考え方ができます。
Wahoo TICKRxは多彩なスポーツに対応
Wahoo TICKRxはランニング、トレッドミル、自転車、インドアサイクリング、エクササイズバイク、ウォーキングに対応していて、幅広いエクササイズ・フィットネスで活用できます。
加速度センサー搭載
Wahoo TICKRxは加速度センサーを搭載しているので、一般的な心拍センサーのように心拍数だけを計測するものではなく、ランニングなどのトレーニングで重要になる、上下動、接地時間、ケイデンスなどが計測できてランニングフォームの確認などでも活用できます。
トレッドミルモードが秀逸
Wahoo TICKRxにはトレッドミル専用のモードが備わっていて、トレッドミルで速度や距離を測定できるので、ジムなどでトレッドミルでトレーニングした情報も、持ち帰るなんてことができそうです。
Wahoo TICKRxは複数のBluetoothデバイスに対応
Wahoo TICKRxはBluetoothで最大3つまでのBluetoothデバイスと接続ができます。
サイクルコンピューターのWahoo ELEMNT ROAM、マルチスポーツウォッチのWahoo ELEMNT RIVAL、室内サイクルトレーナーのKICKRなどを同時に使用することもできそうで、Wahooの製品を使用した総合的なトレーニングが出来るのも大きな特徴かと思います。
もちろん、Wahooの製品以外でも接続ができます。
例えば、Apple Watchで心拍数を表示させるなんてこともできるようです。
WahooのサイクルコンピューターELEMNTシリーズと接続
サイクルコンピューターで心拍数を表示できるようになれば、心拍トレーニングなどの本格的なトレーニングにもサイクルコンピューターを用いることができるようになります。
自転車でも心拍トレーニングを取り入れたい人にとっては、Wahoo TICKRxなどの心拍センサーはサイクルコンピューターには必須のアクセサリーになるでしょう。
Wahoo TICKRxはWahooのサイクルコンピューターELEMNTシリーズに接続できますし、ケイデンスセンサーの「RPMケイデンス」も併せて使用すれば、心拍数とケイデンスを参考にするLSDトレーニングもできるようになります。
このあたりは、最新のサイクルコンピューターなどのデジタルデバイスの素晴らしいところで、対応したアクセサリーを接続することで、どんどんその利便性や価値を高めることができますよね。
サイクルコンピューターと心拍センサー、ケイデンスセンサーは、自転車のトレーニングにおいては必須の組み合わせです。
複数のデバイスと併用するメリットについては下記の記事で解説していますので参考にしてください。
Wahoo TICKRxのバッテリーはボタン電池でも長寿命
Wahoo TICKRxはボタン電池のCR2032を使用しています。
CR2032はコンビニや100円均一などでも売られている標準的な電池なので利便性は高いです。
電池式のデバイスで気になるのが電池の消耗量です。
電池の消耗量次第ではランニングコストが馬鹿にならなくなってしまいますから気になる人は気になるでしょう。
実は僕は以前、ボタン電池式の自転車ライトを使用していたのですが、そのライトの電池の消費が激しいもので、新品の電池に交換しても20時間くらいで電池が切れてしまうようなものでした。
あまりに頻繁に電池を交換する必要があり、電池代だけで本体の価格を簡単に超えてしまうような製品だったため、すぐに使わなくなってしまいました。
なので、それ以来、ボタン電池式のデバイスは電池の消費がどれくらいなのかを必ずチェックするようになったのですが、Wahoo TICKRxの場合は500時間という長寿命なので、週末の土日で10時間使用したとしても1年間は心配が要らなということで、ランニングコストは気にしなくても良さそうです。
Wahoo 心拍センサーTICKRxの使用レビュー
Wahoo TICKRxのチェストベルトの着け心地
Wahoo TICKRxに付属しているチェストベルトは伸縮性のあるゴム素材のバンドです。
チェストバンド式の固定方式は、使用している最中にずり落ちてくるという問題があったりします。
自転車のトレーニングの場合はあまり考えなくて良いですが、ランニングなどの場合は上下の動きもあるため、意外とありがちな問題です。
そのため、しっかりとタイトに固定する必要があります。
Wahoo TICKRxのベルトは伸縮性の高いチェストベルトなのとサイズ調整ができるので、しっかり固定させることができます。
フロントでのボタンの固定式で簡単に着脱できるので、胸に固定するタイプの心拍センサーでよく言われるような着脱が手間というのもあまり感じません。
チェストベルトのメンテナンスについて
チェストベルトは肌に直接触れるものなので、汗をかけば当然汚れてしまいます。
洗濯はできるようですが「手洗い」なのと、電極パッドの部分は劣化させないように気をつけた方が良さそうです。
いずれにしてもチェストベルトについては消耗品とも言えるので、劣化すれば新しいベルトに買い換えることになると思います。
しっかりとしたチェストベルトなので、それなりに耐久性はありそうですし、交換用のベルトも意外と安くて助かります。
Wahoo TICKRxとスマートフォンアプリとの接続性
Wahoo TICKRxをスマートフォンアプリに認識させるためには、Wahoo TICKRxを装着してWahooのフィットネスアプリを立ち上げることで接続できます。
初回はデバイス自体を認識させるために少し設定が必要ですが、以降はスイッチがオンになると半自動的に接続されるので、ストレスを感じることは、ほとんどないと思います。
接続の持続性に関しては、時々接続が切れることもあって、折角のワークアウトが途中で途切れて記録されていないこともあったりはしますが、この類のセンサーはどのメーカーも同じような技術が使用されているので、そういうものと思って使用する必要があるかと思います。
基本的にはパッと装着して、パッと認識されて、すぐに使用できるようになるので十分満足できるレベルです。
サイクルコンピューターやマルチスポーツGPSウォッチとの併用
Wahoo TICKRxは、単体でも使用できるデバイスフリーが魅力の製品でもあるのですが、基本的には心拍数はリアルタイムで確認したいものでもあるので、心拍数を表示できるサイクルコンピューターやマルチスポーツウォッチと連携させて使用するというのがベストな使用方法になると思います。
マルチスポーツウォッチとの併用はランニングなどで活きる
マルチスポーツウォッチとの併用の場合は、心拍の計測方法が異なるものの、マルチスポーツウォッチも心拍計も備えているので、自転車用途での併用はあまりメリットを感じる部分は少ないのかなと思います。
ランニングの場合は、加速度センサーで得られる上下運動やケイデンス、接地時間などの情報が重要になるので、マルチスポーツウォッチのWahoo ELEMNT RIVALの併用は価値があるものと思います。
正規輸入品 Wahoo ELEMNT RIVAL ワフー エレメント ライバル コナホワイト GPSマルチスポーツウォッチ
サイクルコンピューターとの併用とマルチスポーツウォッチとの違い
心拍トレーニングに取り組むには心拍計が必須になりますし、リアルタイムで確認も必要なので、サイクルコンピューターと心拍計の併用はとても価値があるものになると思います。
自転車の場合は上下運動などの情報は不要になるので、加速度センサーで得られる情報はあまり重要ではないため、マルチスポーツウォッチでも十分ということにもなってしまいます。
結果として、Wahoo TICKRxかWahoo ELEMNT RIVALのどちらかを使用すれば良いという感じになると思いますが、2つのデバイスでは価格が結構違うので、価格的にはWahoo TICKRxの方が導入しやすいというメリットがあります。
また、Wahoo TICKRxは室内サイクルトレーナーとの併用で、ケイデンスなどの情報も得られるようになるので、屋外のサイクリングとは違ってWahoo TICKRxを併用するメリットは大きくなりそうです。
いずれにしてもサイクルコンピューターと心拍センサーの併用は必須とも言えるので、Wahoo TICKRx、またはマルチスポーツウォッチのELEMNT RIVALのどちらかを準備するのが良いと思います。
心拍センサーのWahoo TICKRxまとめ
心拍センサーは自転車やランニングなどのエクササイズやフィットネスでは必要不可欠なものだと思いますが、スマートウォッチなどで心拍数も計測できるようになった今の状況を考えると「わざわざWahoo TICKRxのような心拍センサーを使用する必要性は無いな」と、正直なところ思っていました。心拍センサーの役割は既に終えた、さえ思っていました。
しかし、Wahoo TICKRxのように、メモリー機能や加速度センサーが備わっている心拍センサーを使用してみると、スマートウォッチではまかないきれない部分の機能をカバーできるなど、まだまだ重要な役割を担っていて、従来までの僕の知っている心拍センサーとは別モノということが理解できました。
また、Wahoo TICKRxは、従来までの胸部心拍センサーにあった、着脱が面倒、ズレる、接続が不安定などの問題に対するストレスも少ないですし、実際に使用してみて、なかなか良いものだと感じました。
特にランニングやトレッドミルなどでは重要なデータが計測できるということもあり、マルチスポーツウォッチなどと併用することで、よりその価値が高まるものなのだなと思います。
サイクルコンピューターとの併用はもちろんですが、ランニング系のエクササイズやフィットネスをする人には、特におすすめのデバイスですね。