サイクルコンピューターはロードバイクやクロスバイクなどの自転車でサイクリングを楽しむための必須アイテムの一つです。
サイクルコンピューターも時代とともに進化してスマートフォンと連携するなどで、速度や走行距離だけでなく様々なデータを記録できるようになりました。
そんな多機能なサイクルコンピューターの中で必須とも思われるのがGPSによるロガー機能やナビゲーションかと思います。
この記事ではGPSが搭載されたサイクルコンピューターの特徴や選び方についてまとめています。
GPS対応サイクルコンピューターの位置精度
GPSの精度は受信出来る衛星の数で変わる
GPS対応のサイクルコンピューターで最も重要なのはGPSの精度かと思います。せっかくGPSが搭載されていたとしても精度がいい加減では、その価値も半減するというものです。
GPSの精度に違いが出る原因は様々ありますが、位置情報の信号を受信出来る衛星の数が精度に大きな影響を与えているというのはよく知られているところかと思います。
受信出来る衛星の数が多ければ多いほど位置情報が正確に計測出来るようになりますし、信号が遮断されやすい高層ビルが多い場所や建物内などでも位置を計測しやすくなるという特徴があります。
一般的に4機以上の衛星が捕捉できていれば正確な位置情報が得られるようですが、より精度を求めるとなると8機以上が必要と言われています。
しかしGPSのシステムだけでは地球の裏側にある衛星の電波が受信出来ないなどの理由で多くても6機程度しか受信できないのが現状のGPSシステム事情のようなのです。
GPS以外のシステムとの併用で測位が高精度になる
GPS(Global Positioning System)とはアメリカの衛星測位システムの名前で、まさしく代名詞的な存在です。
しかしながら上にも書きましたが、ちゃんとした精度で位置情報を得るためには8機以上の衛星が捕捉されている必要がありますが、現状でアメリカのGPSだけではなかなかその数に達することが出来ないという情況があるようです。
そこで足りないGPSを補い、より多くの衛星から受信して正確な位置情報を得るために、GPSと同様のその他のシステムを併用するという方法がとられています。
その代表的なシステムとしてロシアのGLONASS(グロナス)や日本の「みちびき(QZSS)」、中国のBeiDou、欧州のガリレオ、インドのNAVICなどがあります。
日本だけで考えた場合は日本の衛星である「みちびき(QZSS)」のシステムを併用すると、みちびきだけで常に衛星が3機以上捕捉できるようになり、より高精度な測位が出来るようになるようです。
みちびきのシステムを利用している製品としては日本製品のカーナビや、ガーミンのサイクルコンピューターやスマートウォッチ、AppleウォッチやiPhoneなどがあります。
そんなわけで、高精度なGPS付きサイクルコンピューターは複数のGPSシステムを併用して位置情報を得るようにしていて、その多くはGPS/GLONASSが使用されています。
※衛星の数は今後もどんどん増やされていくようなので、複数のシステムを併用しなくても良い時代も来るものと思われます。
GPS対応サイクルコンピューターを使用するメリット
GPS対応のサイクルコンピューターならスピードセンサーが不必要になる
サイクルコンピューターには通常、速度や走行距離を測る為のセンサーとマグネットが必要です。
例えば、キャットアイのサイクルコンピューターだと、本体の他にセンサーとマグネットが付属していて、センサーをフォークに取り付けて、前輪のスポークにマグネットを取り付けることで、ホイールが一回転する速さと回数を計測して、速度と走行距離を計測するような仕組みになっています。
センサーもマグネットも物事態は小さいのですが、意外と自転車の見た目を損ねている部分でもあります。
しかしながら、GPS対応のサイクルコンピューターの場合は位置情報から速度や走行距離を計測するので、センサーもマグネットも必要ありません。
GPSで走行ログが記録できる
GPS対応のサイクルコンピューターを使用すると、自分が走行した場所を記録できるようになり、STRAVAなどのフィットネス系のサービスと連携させて、走行ログを保存することができます。
ログを記録することで、特定の区間での速度の計測や、その他のユーザーの情報等と比較できるようになり、今までに無い楽しみを得ることで、自転車に乗るモチベーション維持にもつながります。
日々の生活の中で自転車に乗っていると、それほど多彩なコースを走れるわけはなく、毎日同じようなコースを走るようになってしまい、必ずマンネリ化することになります。
僕自身もそんなマンネリを体験していたわけですが、GPSで走行ログを記録するようになると、同じ場所を走行する場合でも意味が大きく変わってきます。
普通のサイクルコンピューターの場合、その時その時の単純なタイムや走行距離しか測ることができませんが、GPS対応のサイクルコンピューターの場合は、同じ区間内で速度やタイムを計測して比較できるようになるので、同じコースを走ることにも意味が見出せるようになるのです。
GPS対応サイクルコンピューターはナビゲーションとして使用できる
GPSを搭載したサイクルコンピューターを選択する最大のメリットはナビゲーション機能が利用できることです。
サイクルコンピューターに目的地を入力するとルートを検索したり、進行方向を示してくれたりと、カーナビならぬサイクルナビとしてサイクルコンピューターを使用できるようになります。
自転車の速度や走行距離を計測するために使用されてきたサイクルコンピューターでしたが、スマートフォンが登場してからは、スマートフォンをサイクルコンピューター代わりに使用する人が増えてきました。
その理由はやはり地図を使用したナビゲーション機能があったからだと思われます。多くの人が自転車にもナビゲーションを必要としていたわけです。
実際問題で、ナビゲーション機能こそがGPSを搭載したサイクルコンピューターの最大のメリットでしょうし、GPS対応のサイクルコンピューターのを選ぶ理由でもあります。
GPS対応サイクルコンピューター選びのポイント
GPS対応サイクルコンピューターはナビ機能で選ぶ
サイクルコンピューターの機能は横並び
サイクルコンピューターも年々進化を重ねていて、以前と比べると驚くほど高機能&多機能化しています。
昔は、速度計測や走行距離計測くらいしかできなくて、バックライトさえ点かないサイクルコンピューターがほとんどでしたが、今ではレーニングの指標になる様々な数値を計測できるようになっていますし、室内バイクトレーニング機器などと連携したり、スマートフォンと連携したり、以前からは考えられないほど便利になっています。
とは言え、どのメーカーも開發できることの内容に大差はないので、機能面ではどのメーカーも同じで横並びになっていて大差がありません。
そんな中でナビゲーション機能だけはメーカーによって性能が大きく違いますし、同じメーカーでも世代での性能差が大きいのです。
このナビ機能の性能によって、GPS対応サイクルコンピューターの選び方も変わってきます。
ナビ機能は地図表示可能でカラー液晶がベスト
ナビ機能のあるサイクルコンピューターはいくつかありますが、地図表示が出来るタイプを選択するのがベストです。
実はサイクルコンピューター界では2020年あたりにブレークスルーのようなものが起きていて、2020年降に発売になったサイクルコンピューターは、それ以前のサイクルコンピューターと比べると劇的な性能アップがされています。
サイクルコンピューターに地図が搭載されるようになったのもちょうど同じ時期で、地図搭載とともに、ナビゲーション機能も大幅に強化されています。
液晶モニターもカラー化されたり、大型化していて視認性が非常に良く、ナビゲーション用モニターとしても優秀になってきています。
全ての機能において、2020年以前と以後では全く別のサイクルコンピューターが登場しているのです。
なので、今サイクルコンピューターを買うのであれば、2020年以降に発売された地図搭載のサイクルコンピューター一択で間違いありません。
GPS対応サイクルコンピューターはGARMINかそれ以外か
2021年5月現在のサイクルコンピューターの市場状況を観察してみると、GARMINとBRYTONの2強になっていて、その他のメーカーはサイクルコンピューターから撤退か、ほとんど更新がなくなっているような状態です。
上にも書いたように、サイクルコンピューターを選ぶポイントとして「地図表示機能」があり「カラーモニター」という新世代のGPS対応サイクルコンピューターで候補を考えると、GARMINか台湾のBrytonだけになるという状態です。
絶対王者のGARMINと安価なBryton
中でもGPSを利用したスポーツデバイスの先駆者でもあるGARMINは流石に頭一つ抜けている感じで、GPS対応サイクルコンピューター界隈ではGARMINかGARMIN以外かという選択肢になってしまいます。
ただ、ご存知のようにGARMINのGPS対応サイクルコンピューターの価格は高価なため、そう簡単に手が出せないというところで、半額程度で購入できるBrytonの製品が候補に挙がるという感じです。
その他ならどれも同じ
現状でGARMINとBryton以外のサイクルコンピューターを選ぶのであれば、有名メーカーの製品を選んでも、激安な中華メーカーを選んでも大きな違いは無いと思われます。
GPS対応で簡易ナビに対応したサイクルコンピューターも今となっては旧世代なので、今更数万円を出して購入する価値は無いでしょう。
下記の記事ではGPSを搭載したサイクルコンピューターのメーカーとそれぞれのモデルについて比較解説しています。サイクルコンピューター選びの参考にお役立てください。
GPS対応サイクルコンピューターの現状
各メーカーの新製品が鈍化
2021年5月現在で、多くのサイクルコンピューターメーカーの新製品の発売が鈍化しているような印象があります。
新世代のサイクルコンピューターと言えるような、地図表示やカラーモニターに対応しているサイクルコンピューターはGARMINかBryton以外になく、その他のメーカーの製品は旧世代のサイクルコンピューターのまま、2019年〜2020年前半から新製品が発売されていないような状態です。
スマートウォッチの台頭
各メーカーのサイクルコンピューターの新製品が鈍化している理由は定かではありませんが、個人的にはアップルウォッチなどのスマートウォッチの台頭が背景にあるのではと思っています。
というのも、GARMINやPolar、Wahooなどのサイクルコンピューターのメーカーの多くがスマートウォッチの開發に力をいれているような動きを感じ取れるからです。
各メーカーのホームページのトップでフィーチャーされているのも全てスマートウォッチですし、新製品も続々と投入されていることからも伺い知れるかと思います。
実際問題で、サイクルコンピューターは自転車に乗っている時しか活用できないですし、高価なサイクルコンピューターは盗難される恐れもあるので、毎回着脱して持ち歩く必要があります。さらに、心拍計など別のセンサーを持つ必要があります。
一方でスマートウォッチはランニングやウォーキング、日頃の体調管理など、サイクリング以外でも活用することができます。いつも身につけるものでもあり、心拍計も兼ねることができるのでサイクルコンピューターよりも活用できる場面が多く、煩わしさも少ないのです。
当然、自転車愛好家以外にも販売することができるので、メーカー的にもサイクルコンピューターよりもスマートウォッチの方に注力していくというのは必然的な流れでもあると思います。
僕自身、アップルウォッチを購入し、サイクルコンピューター代わりに使用してみた結論として「スマートウォッチで十分だ」と思うようになり、自転車からサイクルコンピューターを取り外してしまいました。
個人的にはサイクリングにサイクルコンピューターがあると、サイクリングが一段と楽しくなる必須アイテムだと思っていて、今までもずっと使用してきたわけですが、時代の変化とともに、サイクルコンピューター自体が淘汰される時が来たのかなと感じですね。
モニターの視認性の良さにこだわらなければスマートウォッチで十分
もちろん、サイクルコンピューターにはサイクルコンピューターの良さがあります。
リアルタイムで情報を確認したい時には腕時計を見るよりもハンドルに設置されたモニターの方が情報を見やすいのは間違いありませんから、情報を拾いつつサイクリングに集中したい人にとっては、まだまだサイクルコンピューターの方が便利と考える人も多いと思います。
そのような人にはサイクルコンピューターをおすすめしますが「情報は後から確認すれば良い」と考えるような人であれば、サイクルコンピューターよりもスマートウォッチの購入を検討した方が良いだろなと思います。
個人的にはiPhoneユーザーであれば、アップルウォッチ一択で良いと思いますが、GARMINやWAHOO、POLARなどからもスポーツやフィットネスに特化した魅力的なスマートウォッチが出ているので、使い分ければ良いかななどと考えていたりします。
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