クロスバイクやロードバイクなどのスポーツバイクのフレームサイズを選ぶ時、身長を基準にしてフレームサイズを決定するのが普通かと思います。
フレームの対応サイズを調べると、自分の身長が大きなサイズと小さなサイズ両方のフレームサイズに適応していることが万々あります。
そんな時、大きめのフレームを買った方が良いのでしょうか?それとも小さめのフレームを買った方が良いのでしょうか?
僕が初めてGIANTストアにESCAPE Airを買いに行き、最初に悩んだのがこの問題で、結果として間違った認識でフレームサイズを選んでしまったために、後々後悔する原因にもなりました。
結構有りがちな問題だと思うので、フレームサイズの選択の際の参考になればと思いフレームサイズについて調べたことをまとめておきます。
フレームサイズについての店員さんのアドバイスと僕の選択
クロスバイクのESCAPE Airのサイズと適応身長
便宜的に僕の愛車であるクロスバイクのESCAPE Airをベースに話を進めさせていただきまと、GIANTの公式ページによると、ESCAPE Airのフレームサイズが対応している身長は下記のようになります。
370(XXS):145〜160cm
430(XS):155〜170cm
465(S):160〜175cm
500(M):170〜185cm
僕の身長は175cmなので、上記を参考にすると465(S)と、500(M)の二つのサイズから選べることになります。こういった場合、Sサイズを選ぶべきなのか、Mサイズを選ぶべきなのか選択を迫られることになるのです。
店員さんのアドバイスでは小さいフレームサイズが良い
店員さんのアドバイスに依ると「お客様の身長の場合は、SサイズとMサイズどちらのフレームでも乗っていただけると思います。ただロードバイクやクロスバイクなどのスポーツバイクの場合は、小さめのフレームにして、その他のパーツで後から調整するのがセオリーですね」とのことでした。
つまり「小さい方のサイズの465(S)を買った方が良いよ」と言ってくれていたのですが、当時の僕には店員さんの言っていることがよく解りませんでした。
僕の選択したクロスバイクのフレームサイズは500(M)でした
せっかくの店員さんの「小さい方のフレームを選んだ方が良いですよ」というアドバイスが理解出来なかった僕は、店員さんのアドバイスを無視して、500(M)のサイズのフレームを買う事に決めました。
どちらのサイズのフレームを買ったとしても間違いではないのですが、何故、店員さんのアドバイスを無視して500(M)サイズのフレームにしたかの理由は下記の通り。
数字上ジャストなサイズが500(M)だった
465(S)と500(M)の二つのサイズで適応してはいましたが、それぞれの適応身長の数値を見る限り、465(S)は160〜175㎝でギリギリ適応サイズなのに対して、500(M)の方は170〜185cmなので適応サイズのど真ん中でした。
小さめを買ってキツキツだとどうしようもないけど、余裕のあるサイズならば間違いないだろうと、大きい方のフレームを選択したのでした。
大きい方が良いだろう的な考えがあった
フレームが大きい方が素材(アルミ)を沢山使っているはずです。
貧乏根性丸出しなんですが、素材の量が増えて値段が同じなら、素材の量が多い方が割安じゃないか!という素人ならではの発想もあり、大きなサイズのフレームを選んでしまいました。
Sサイズ?(服なら)小さいよね?
服のサイズとフレームのサイズを一緒の感覚で判断してはいけませんが、そこは素人ならではの思い込みで「Sサイズ」「Mサイズ」などという言葉を聞くと、どうしても洋服のサイズを思い浮かべてしまうのでした。
そして、僕の普段着ている服のサイズが、LサイズかLLサイズ。
なので日頃のサイズ感覚だと「Mサイズでも小さい」と思ったくらいなので、店員さんから「適応フレームはSサイズかMサイズですね」と説明された時にも「Lサイズはないのか・・・自転車って小さいんだな」と思ってしまったほどでした。
洋服のサイズのSサイズから想像するのは「女性用のサイズ」なので「そんな小さな自転車には乗れない」と思った僕はMサイズを選択したのでした。
しかし全ては無知故の間違いばかりだったのです。
自転車を買う時は小さいフレームを選ぶと良い理由
小さなフレームの方が前傾姿勢がとれる
ポジションを調整する際に、ハンドルやサドルの高さを変更したりします。
一般的に、スポーツバイクに乗り馴れてくると、ハンドルは低く、サドルは高くなってきます。
しかしいずれにしても限界があるわけです。
サドルの高さの基本はサドルに跨がった時に、シューズを履かない状態で足を真っすぐに伸ばしてカカトがペダルに着くか着かないかくらいの高さだと言われています。
なのでサドルの高さはフレームサイズではなく、足の長さによって決まるのでフレームサイズが違っても調整される位置は同じ高さになります。
さて、より深い前傾姿勢を取りたいと思った時には、サドルの高さとハンドルの高さの高低差を出せば良いわけですが、ここでフレームサイズの違いが出てきます。
フレームサイズが小さいと、上のイラストの赤丸で囲んだ部分、トップチューブの長さが変わってきます。
GIANT ESCAPE Airの場合、トップチューブの長さはSサイズとMサイズとではSサイズの方が25mmも短いのです。
ハンドルの高さを低くしようとした場合はこのトップチューブの長さが影響しますから、トップチューブが短小さなフレームの方がハンドルをより低い位置に調整できるのです。
上のイラストを見て頂くと分かると思いますが、青い線で描かれた小さなフレームの方が、赤い線で描かれた大きなフレームよりもハンドル位置が低くなるのです。
つまり、より深い前傾姿勢を取ろうと思うと、小さなフレームの方がハンドルとサドルの高低差を出しやすいというわけでより深い前傾姿勢をとりたい場合は、小さいフレームを選んだ方が良いということになります。
小さなフレームの方が重量が軽い
フレームサイズが大きくなると、材料も多くなるので大きなフレームの方が小さなフレームよりも重くなってしまいます。
クロスバイクやロードバイクの場合は「軽量」であることが非常に重要だったりすることもあり1g単位で軽量化に挑戦する人も居るくらいです。
なので、重量重視の視点から考えると、僕の考えていた「素材の量が多いからお得!」というのは、ものすごくトンチンカンな視点であり、本来ならば「素材が少ないから重量が軽くなる!」という発想をした方が良かったのです。
軽量化命!な人は軽くする為なら1g数千円もかかるコストを惜しまなかったりするくらいですから、最初から軽いフレームを選択しておいた方が断然お得と言えるでしょう。
スポーツバイクのフレームは小さいフレームを選ぶのがセオリーな理由とまとめ
購入当初は理解できなかった店員さんのアドバイスも、スポーツバイクに乗り続けているうちに、その意味がなんとなく理解できるようになるとともに、小さめのフレームの方を買っておけば良かったと、後悔してしまうこともしばしばでした。
それほど大きな後悔ではありませんが、今の時点で僕が改めてクロスバイクを買うのであれば、間違いなくSサイズを購入するはずです。
自転車の場合は小は大を兼ねるというわけで、細かな部分はステムやサドルでポジションや位置の調整をしてあげれば良いのです。まさしくGIANTストアの店員さんが説明してくれた通りになるのです。
小さめのフレームにすると、ペダリングがし易くなったりするという話もありますし、近年のプロの自転車選手は小さめのフレームを選択している人が多いというのも、小さめのフレームを選択した方が良い、という理由に挙げられるかもしれません。
いろいろと調べているうちに、同じ問題に言及した記事があったので一部引用させていただきます。
カタログなどを見ると対応身長表が載っているので、それを参考にすればよいのだが、Sサイズが身長170cmまで、Mサイズが同165cmからだった場合、身長が165~170cmの人はどちらにすべきか悩むことになる。
(中略)
また、使い方によってもフレームサイズは多少変わってくる。例えばフレームサイズが大きくなると、シートチューブばかりでなくトップチューブなども長くなるので、バイク全体が大きくなる。ゆったり、あるいは飛ばして走りたい人にはちょっと大きめが向いている。逆に機敏に走りたい人はちょっと小さめ、というチョイスになるわけだ。(正しいポジションで自転車をこぐ ――サドルとハンドルの基本の高さ)
ふむふむ。
こういう記事を読んだりすると、店員さんが小さめのフレームを選ぶのがセオリーと言っていたのは、前傾姿勢に慣れてゆくゆくはもっと深い前傾姿勢を取りたくなる、というところまでを見越していたのだろうと思います。
無理に小さめのフレームを選択する必要は無いでしょうが、僕のようにどちらのサイズでも適応できる場合は、後々のことを考えると「小さめのフレームを選択した方が良いかもしれませんよ」というおはなしでした。なかなか奥が深いですね。