東京都の車道を自転車で走っていると、やたらと路面が明るいなぁと感じることが多くなりました。
というのも、整備された道路のアスファルトが従来までの黒色ではなく、明るいグレーになっているからです。
意識しながら走ってみると、都心部を中心に、かなりの地域で車道のアスファルトの色が黒色からグレーに変わっているようです。
路面が明るくなった影響で、日中の日差しの強い時間などは路面からの照り返しもあり、自転車に乗っている際に眩しいと感じることが増えたように思います。
実際問題で今まで眩しさ対策としてサングラスの必要性をあまり感じなかった僕ですが、グレーの眩しいアスファルト道路が増えてしまっては、サングラスが必要だなぁと思わされるようになりました。
しかし何故、黒いアスファルトをわざわざグレーのアスファルトににしているのでしょうか?
疑問に思ったので車道のアスファルトの色がグレーになっている理由について調べてみました。
車道がグレーのアスファルト舗装になっている理由
ヒートアイランド現象への対策
都心部では、緑や川などが少なく、大部分がアスファルトやコンクリートで覆われているために、熱がこもりやすい状態になっています。
日中に日光を受けると、黒いアスファルトなどは熱を溜め込んでしまいます。
熱を溜め込むと地面が熱くなってしまったり、溜め込んだ熱を夜にも放出しつづけるため、都心部では郊外に比べて気温が高くなったり、熱帯夜などが多くなる、いわゆるヒートアイランド現象の原因になっています。
ヒートアイランド現象への対策は、屋上の緑化などが代表的な対策例として挙げられますが、実は車道をグレーのアスファルトで舗装しているのも、ヒートアイランド現象への対策の一つのようです。
アスファルトはヒートアイランド現象の主な原因の一つ
夏の日中のアスファルトは手では触りたくないくらいに熱くなります。
熱せられたアスファルトの熱は、大気の温度を上げる原因になりますし、日中に蓄えた熱はなかなか抜けずに夜中になっても熱を放出し続けるわけですから、熱帯夜の原因にもなります。
また、自転車乗りにとっても、大きな問題であるゲリラ豪雨の原因にもなるようです。
ご存知のように車道は基本的に黒いアスファルトが使用されており、その面積もかなり広くなるため、アスファルトに対してヒートアイランド現象の対策を施していけば、大きな効果が得られるということにもなります。
そんなわけで、ヒートアイランド現象対策として保水性舗装と遮熱性舗装と呼ばれる舗装がされているようで、これらの対策がされたアスファルトは従来の黒色ではなくグレーになっているようです。
もともとの骨材(アスファルトの混合物)の色がグレーであることや、通常のアスファルトのような黒色よりも明度の明るい舗装の方が反射率が高くなり、路面温度の上昇を抑制できるなどの理由でグレーになっているようです。
保水性舗装と遮熱性舗装
保水性舗装
アスファルトの内部に軽石のように隙間があり、雨が降った場合などにアスファルト内部に水分を保留できる構造になっている舗装です。
晴天時などには、水分が蒸発する気化熱でアスファルト表面の温度上昇が抑えられるというもの。
ただし、路面の水分がなくなってしまうと効果は持続しなくなるため、効果を持続させるためには、定期的な散水などのメンテナンスが必要になります。
遮熱性舗装
舗装表面に赤外線を反射させる遮熱性樹脂を塗布し、通常のアスファルトの道路などに比べて蓄熱量が少なくなる。
保水性舗装が水分が無い場合はあまり効果が見られなくなるのに対して、水分が無い状況でも温度上昇を抑制できるのが特徴です。
効果自体も保水性舗装よりも高いという調査結果もあるので、ヒートアイランド現象対策として現在施行されている舗装のほとんどは、遮熱性舗装だと思われます。
保水性舗装と遮熱性舗装の効果
国土交通省が平成28年7月に発表した実験結果によると、いずれの舗装も路面温度上昇抑制の効果はあったようで、散水有り無しの結果を見ても遮熱性舗装の方が安定して高い効果が出ていたようです。
2020年東京五輪・パラリンピックの準備の一貫でよく見かけるように
ヒートアイランド対策として、保水性舗装や遮熱性舗装が効果的というのは随分前から実験や検討がされ、全国各地で導入もされているようですから、決してここ最近で出てきた技術などではないようです。
それが2018年あたりから、いろいろな場所で見かけるようになったのは、2022年に東京で開催された東京五輪・パラリンピックの整備の一環として行われていたようで、メインの会場となる都心部を中心に、急ピッチで整備が進められました。
●ヒートアイランド現象対策
●熱帯夜対策
●オリンピックの整備
グレーのアスファルトの課題と対策
グレーのアスファルトの課題
日中の地面から焼かれるような暑さや、寝苦しい熱帯夜が緩和されるのは良いことですから、どんどん整備を進めて欲しいところではありますが、問題点や課題もいくつか挙がっているようです。
自転車乗りとしてちょっと気になるのが、冒頭にも書いたように「道路が明るくなった」ことで「眩しいなぁ」と思うことが増えた気がする点です。
グレーのアスファルト舗装が眩しいと感じているのは僕だけではないようで、2020年の東京五輪・パラリンピックの試走会などでも遮熱性舗装の施された道路の改善課題として眩しさは課題の一つとして指摘されているようです。
グレーの遮熱性舗装に対する問題点
●路面が反射して眩しい
●汚れると効果が薄まる
●カラー舗装などでは効果が薄まる
●弱視者にとっては視認性が悪くなる
●遮熱材が剥がれやすい
課題解決のための新たな材料などの開発
遮熱性舗装で使用されている材料は、一種類だけではなく、いろいろな会社がそれぞれに開発を行なっているようで、上記の課題を踏まえて高反射性がありつつも、色の濃い舗装にするなども出来るようになってきているようです。
自転車乗りはスポーツサングラスで対策
夜間走る分には全く影響の無い部分なので、自転車乗りとしてはサングラスなどを使用して対策をするのが一番の解決策かもしれませんね。
最近は安くて性能もデザインもそこそこなサングラスもたくさん見かけるようになったので、自転車用にひとつ購入してみようかなと思います。
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