チタンは強度と耐腐食性に優れ、さらに軽量な金属なので自転車のフレームなどでも使用されています。
最近はカーボンフレームが主流になっているのでチタンはマニアックな素材になっている感じがありますが、それでも金属フレームの中では軽量なので、別格な存在として根強いファンのいる人気の素材です。
なんと言ってもチタン=軽量というのが人気の理由で、フレーム以外でもチタン製の自転車用パーツがあるに違いないと思い調べてみることにしました。僕自身が自転車で使用しているチタン製パーツもあるので、それについても紹介してみたいと思います。
チタン製自転車パーツ
チタンボルト
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自転車用のチタン製パーツと言えばチタンボルトかと思います。
自転車の軽量化を突き詰めれば、最終的には数グラム単位の軽量化のためにボルトをチタンボルトにしたりするのです。
チタンボルトは1本で数百円しますし、1本あたりで軽量化できるのは1g程度だと思われるので、全てチタンボルトにしたとしても投資する金額に見合った大幅な軽量化はできないと思いますが、1gでも2gでも軽くしたいと思う場合にはチタンボルトを使用することになります。
例えば自転車でよく使われるボルトのサイズの一つであるM5/16mmというサイズのボルトで重量を比較した場合、ステンレスボルトで3.5g程度なのに対してチタンボルトは1.9g程度と考えると1本で約1.5gの軽量化が出来るという計算になります。
自転車全体で20本のボルトがあると考えるとボルトをチタン製にするだけで30g程度の軽量ができるというわけです。
● ステンレスボルト:3.5g程度
● チタンボルト:1.9g程度
自転車でよく使われるチタンボルトについては下記の記事で詳しく解説していますので興味のある方は参考にしてください。
参考 → ロードバイクやクロスバイクの軽量化で使用するチタンボルトの種類や特徴など
チタンチェーン
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YBN(ヤーバン)という台湾メーカーが製造している11速対応のチタンチェーンがあります。
チェーンの寿命が一般的には3000kmと言われている中で、このチタンチェーンは6000〜8000km程度で非常に耐久性が高いということがわかります。
また、チタンチェーンにすることで軽量化できるようになり、重量の比較としてDura-Ace 9000 11スピード(116リンク)で243g、YBN チタンチェーン11スピード(106リンク)が207gなので、1リンクあたりで計算すると、Dura-Aceは2.09g、YBNチタンチェーンは1.95gとなり、かなり軽いチェーンです。
さらにチタンチェーンの良いところは耐腐食性が高い素材なので非常に錆びづらいという特徴があります。チェーンの悩みの一つとして錆の問題がありますが、チタン製のチェーンにすればそれらの悩みは一気に解決されそうです。
強度、重量、錆対策の点からチタンはチェーンに適した素材と言えるかもしれません。
● Dura-Ace 9000 11スピード(116リンク):243g 2.09g/1リンク
● YBN チタンチェーン11スピード(106リンク):207g 1.95g/1リンク
チタンクイックリリース(スキュワー)
実際に僕が使用しているものです。
海外の自転車パーツ通販サイトのWiggleのオリジナルのLifelineというブランドのチタン製クイックリリースです。
シャフトの部分がチタンで、レバー部分はカーボンの非常に軽量なクイックリリースになります。
● 一般的なクイックリリースの重量:80g〜140g
● Lifelineチタンクイックリリース:44g
このチタン製クイックリリースについては詳しくは下記の記事で解説しています。
参考 → チタンとカーボンアロイレバーの軽量クイックリリーススキュアー
チタンスポーク
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チタン製のスポークもあります。
性能的には疑問符も付くようですが、重量だけを考えると一般的なスポークを使用するよりも前後で150g程度は軽量化できるようです。
一般的とは言えないレベルのパーツになるので国内で取り扱っているショップおよびメーカーはかなり限られている感じです。
どうしても欲しい場合はアリババなどの中国製品を紹介するサービスなどで探すことになりそうです。
ペダル(チタンシャフト)
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ペダル全体がチタン製のペダルは残念ながら見つけられませんでしたが、シャフト(ペダルの軸部分)でチタンを使用しているものは沢山見つかります。
チタンシャフトを使用したペダルで有名なところはヴィンディングペダルのスピードプレイのZEROやTIMEのXPROなどが挙げられます。フラットペダルの場合は選択肢が限られてWELLGOなどが候補になると思います。
ペダルの形状によって重量は大きく変わるので一概に言えない部分がありますが、同じような形状のペダルの場合はチタンシャフトを使用したペダルの方が重量は軽くなります。
チタンヘッドキャップ
実際に僕が使用しているものです。
カーボン製のヘッドキャップを使用していましたが事情があって金属製のヘッドキャップを使用しなければいけなくなったのをきっかけにチタン製のヘッドキャップを購入しました。
無名メーカーですがしっかりと加工されている感じでなかなか良いと思います。
チタン製のヘッドキャップの交換については下記の記事で解説しています。
基本的にヘッドセット周りは黒いパーツで統一しているためヘッドキャップだけチタンというのはコーディネート的にどうかなという不安がありましたが、実際に使用してみるとワンポイントアクセントになって意外と悪くない感じで気に入っています。
チタンコラムスペーサー
チタン製のコラムスペーサーも見つかりましたが、あまり一般的なものではないようです。
実際問題でカーボン製のスペーサーの方が安価でチタン製よりも軽量ですから当然と言えば当然ですね。
チタンシートクランプ
チタン製のシートクランプもありますが、やはり一般的なものではないようです。
コラムスペーサーと同様に軽量化を考えるのであればカーボン製が主流になるためだと思われます。
チタンボトルゲージ
チタン製のボトルゲージもありました。
チタンにこだわる自転車メーカー一覧
チタンフレームの自転車と言えばパナソニックのPOS(パナソニックオーダーシステム)(通称パナチタン)やイタリアメーカーの老舗であるDE ROSA(デ ローザ)のTITANIOやANIMAなどが挙げられまが、世界にはまだまだ沢山のチタンフレームを使用した自転車メーカーが存在しています。
日本
● パナソニックPOS
● Light-Cycle 東京都江戸川区
アメリカ/カナダ
● TI CYCLES FABRICATION
● MOOTSCYCLES
● LITESPEED
● Merlin Bikes
● Lynskey Performance Designs.
● Dean Cycle Works LLC
● Bearclaw Bicycle Co.
● Sage Titanium Bicycles
● Seven Cycles
● Holland
● ERIKSEN
● Spectrum Cycles
● Why Cycles
● Alchemy bicycles
● Firefly Bicycles
● Engin Cycles
● STINNER
● Bearclaw Bicycle
● Honey
● No. 22 カナダ
ヨーロッパ
● VAN NICHOLAS オランダ
● Jguillem オランダ
● De Rosa イタリア
● LEGEND イタリア
● NEVI イタリア
● Titanium Bikes イギリス
● Reilly Cycleworks イギリス
● Snowdon Bike イギリス
● J.LAVERACK BICYCLES イギリス
● ENIGMA イギリス
● Dolan Bikes イギリス
● Ribble イギリス
● ENIGMA
● nuA BIKES スペイン
● Kingdom Bikes デンマーク
● Rapid-Titan ロシア
● TRITON BIKES ロシア
中国/台湾
● Titan Super Bond 台湾
● TiTo(アリババ) 中国
● Fuji-ta Bicycle(BATTLE) 中国
● TITANcycles 中国
● Waltly 中国
チタンフレーム以外のチタン製自転車パーツのまとめ
チタン製の自転車パーツを探してみると、いろいろなチタン製パーツがあることに驚きました。意外と充実しているものですね。
上記のパーツについては日本国内のショップ等で入手できる範囲のものをピックアップしていますが、チタン製のシートポストやハンドル、ステムなどなど、海外のサイトを探せばいくつも見つかるので、徹底してチタンにこだわりたい人は海外からの入手も視野にいれると良いでしょう。
軽量化を目的にチタンを選択するのは強度や剛性が必要とされるボルトやクイックリリースに限られて、他は全てカーボン製の方が軽くて安く手に入るような状況があるかと思うので、軽量化目的でチタンを選択する時代はもう既に終わっているのかもしれません。
しかしチタンは独特な鈍い色合いが魅力だったりすることから、チタンフレームにこだわるような人は全てのパーツをチタン製に統一したいと考えるようで、そのような人たちにとっては価格よりもチタン製のパーツの存在自体が重要なポイントになるのでしょうね。
僕自身もいくつかのパーツでチタン素材のものを使用していますが、素材に対する特別感というのはカーボン以上のものがあるように思います。
チタンフレームのロードバイクについて調べていたら、次に購入するロードバイクはチタンフレームかなぁと考えるようになってしまいました。