自動車の運転免許証の更新で更新講習を受けてきました。
優良運転者講習だったのでサラッと30分ほどの講習でしたが、印象として以前よりも自転車に対する注意を促す内容が増えた感じがありました。
交通死亡事故を減らすというのは、ずっと以前から目標として掲げられているのはご存知の通りで、講習の内容自体も死亡事故を起こさないよう「ルールを守って気をつけて運転して下さい」という内容がほとんどでした。
そんな中で、自転車に対する注意を促す内容が増えたということは、単純に自転車の事故が増えているのだろうということが想像出来ます。
講習の際に受け取る「安全運転のしおり」などに、都内の自転車事故の特徴などについての情報もいくつか記載されていたので、それらの情報をもとに自転車の交通安全について考えてみたいと思います。
都内の交通死亡事故の5人に1人以上は自転車乗車中
自転車乗車中の死亡事故数
東京都交通安全協会の発行する「安全運転のしおり」によると、平成28年中の交通死亡事故の割合は下記の通り。
● 歩行中 59人(37.1%)
● 二輪乗車中 40人(25.2%)
● 自転車乗車中 36人(22.6%)
● 自動車乗車中 23人(14.5%)
引用元:安全運転のしおり/東京都交通安全協会
自転車は、歩行者、二輪に次いで3番目の死亡事故の多さになっています。
「死亡事故の数」なので、分母の多い歩行者が圧倒的に多くなるのは必然的なのと、やっぱり「バイクは危ないな」という印象を受ける数値ではありますが、自転車の死亡事故もそこそこ多く、割合にすると交通事故での死亡者のうち、自転車に乗車していて死亡した人は「全体の5人に1人以上」となります。
自転車乗車中の事故の内容
36人の死亡事故のうち、半分が65歳以上の高齢者で、事故発生件数だと30代〜40代の事故が多いようです。
高齢者に死亡事故が多いのは、バランス感覚や運動能力、判断能力が衰えているなどが事故を起こす原因と言われているようですが、個人的にはこの世代の方々は、交通ルールのユルい時代の感覚のままの人も多く存在して、横断不可の道路を横断したりなど、無茶な運転をする人が多い印象があり、それも原因の1つではないかなと思います。
例えば、フラフラしながらの逆走や、横断歩道の無い場所での横断、道路の中央を走るなど常識はずれの無謀な運転をしているのは高齢者が多いような印象で、地方でも都内でも同じような感じです。
「安全運転のしおり」の中でも「高齢者に多い死亡事故の例」が3つ挙げられているのですが「横断禁止場所での横断」「赤信号を無視して横断」「交差点での安全不確認」で、いずれもルールを守らないことが原因と考えると「やっぱりね」という感じです。
事故の発生件数では30代〜40代が多くなっているのは、ロードバイクやクロスバイクを趣味とする人達が多い年齢でもあるので気になるところではありますが、この世代は親子自転車の方も多いです。
子供を乗せていたら安全運転をしそうな気もしますが、意外と信号無視や逆走、自転車歩行者道を速いスピードで走り抜けて行く姿などをよく見かけます。それを思うと、親子自転車の事故も多いのではないかと思われます。
自転車が事故に遭うシーン
交差点などでの出会い頭での事故
都内での自転車の死亡事故で最も多いのが、交差点などでの出会い頭での事故だそうです。
どのような状況が大体想像がつくかと思いますが、信号無視や一時停止無視などの自転車側の安全不確認や、ルールを守らない行動が原因となっているようです。
高齢者の死亡事故と同じですが、自転車の場合にも事故に遭うのは、基本的に「ルールを守らない」からというのが大きな原因だと考えられます。
実際問題で、信号や一時停止マークを無視する自転車は非常に多く存在します。
一時停止マークに至っては「守らなきゃいけないモノ」という認識すら無いのかもしれません。
自動車を運転する立場から考えると「ルールは基本的にみんなが守っている」という前提で運転していますから、一時停止場所での飛び出しや青信号での飛び出しなどは予期せぬ事態となり対応が遅れてしまいます。
ルールを守らないのであれば、事故に遭うのは必然的なことでしょう。
自動車の左折時に巻き込まれる事故
次に多いのが、自動車の左折時に巻き込まれる事故。
自転車に乗っていると、誰しも一度は巻き込まれそうになった経験があるだろうと思われるくらい身近にある危険だと思います。
巻き込み事故の原因は「自動車のドライバーの不注意」と言ってしまえばそれまでですが、自転車を運転する側も少し気をつければ、かなり危険は回避できるのではと思います。
例えば
● 信号待ちの車の列の左側を無理に進んで前へ出ようとしない
● 交差点へは車と併走して入らない
● 昼間でもライトを点ける
などが主な防止策になるかと思います。
左折する自動車は、必然的に交差点が近づくと速度を落としますから、自転車と併走してしまうような状況が多くなります。
そうすると、自動車の死角にちょうど入ってしまい、巻き込まれる危険が高くなるわけです。
交差点付近で車と並んでしまったら、ブレーキを掛けて速度を落とし、自動車の真横に入らないのが無難でしょう。
また、二輪バイクなどがしているように、昼間でもライトの点灯をすることで、自分の存在を自動車の運転手にアピールすることができるので、それだけでも事故の防止に繋がるはずです。
小さな自転車などは、自動車から認識されづらいので、昼間でも前照灯の点灯や点滅を励行した方が良いんじゃないかと思っています。
自転車の交通事故の原因についてのまとめ
講習の内容は、「自転車の新しい罰則規定」などについて時間を割いて解説したり、封筒にも「自転車への思いやり五則」が大きく印刷されていたりして、かなり自転車乗りを意識した内容になっていたと感じました。
この5年の間で、自転車の危険運転に対する罰則が定められたり、車道を走ることが周知されたりで、自転車関連の環境が大きく変化していますから、そういったことも考慮されての対応なのかもしれませんね。
個人的には、安全運転のためには、ルールを守る、無理な走行はしない、譲り合うということができれば、それだけで随分事故が減らせるんじゃないかと思っています。
でもそれが出来ていないのが実際なんですよね。
何はともあれ、怪我をしたり命を落としてしまっては、自転車ライフも台無しになってしまいますから、交通安全を意識したライドを心掛けたいと思います。