自転車乗りの交通マナーの悪さやルール違反については常日頃からや「取締すべき」「ひどすぎる」などの意見が多く見られます。
全ての自転車乗りが悪いわけではありませんが、自転車に乗っている人の数が多いので目立ってしまうというのもあるでしょうが、確かに自転車の乗車マナーや交通ルール違反は日常的に目にするくらいに酷い状態です。
自転車に乗るのに免許が必要ないので子供から大人まで乗れるため交通ルールを理解していないので知らずに違反してしまうこと(と言ってもルールを守っていないのはほぼ大人です)、自転車に対しての厳しい取り締まりが行われていないことなどから、自転車は交通ルールを違反し放題で、取り締まりに関しても野放し状態というのが実際のところです。
個人的に最悪だと思う自転車のルール違反は「自転車マナーが最悪と感じるルール違反7つ」にまとめてありますが、その中でもダントツに迷惑なのが、自転車に乗りながらスマートフォンを操作することでしょう。
自転車のながらスマホの社会問題化
上記は独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター 製品安全広報課による「ながらスマホ」の危険性を知らせる啓発動画です。
自損事故ならまだ良いですが、歩道でも車道でもスマホを見ながら自転車に乗っている人は多く、人身事故に繋がっても全く不思議ではありません。
実際問題で、スマホのながら運転が原因の重大事故も多数起きていて、総務省がわざわざインターネットを巡るトラブルでの事例で自転車でのながらスマホを例にしたページを作るくらいです。
ながらスマホの自転車事故としては川崎市麻生区で女子大生が起こした死亡事故(*1)が全国的にもニュースになり、かなり注目されたはずですなので、まともな思考ができるのであれば、絶対にやらないことだと思うのですが、今でも外を歩けば結構な頻度で遭遇するような状況があります。
*1 左耳にイヤホンをつけて音楽を聴きながら飲み物を持った右手で右ハンドルを握り、左手でスマホを操作しながら走行という、狂気じみた走行で、、禁錮2年執行猶予4年(求刑禁錮2年)の判決(横浜地裁)がくだされました。
自転車であっても、死亡事故に繋がるわけですから、社会的にも問題視する動きが強まってきています。
ながらスマホの厳罰化
自動車のながらスマホは厳罰化
ながらスマホが原因の死亡事故などが相次いだことがから、自動車の場合は、既にながらスマホは厳罰化されています。
携帯電話を保持して通話したり画像注視したりした場合(保持)
● 6月以下の懲役、10万円以下の罰金
● 反則金18,000円(普通車)
● 違反点数3点
携帯電話の使用により事故を起こすなど交通の危険を生じさせた場合(交通の危険)
● 1年以下の懲役又は30万円以下の罰金
● 刑事罰(懲役刑または罰金刑)の対象
● 違反点数6点(免許停止処分)
ながらスマホが原因で事故を起こした場合は一発免停もあり得るので、かなり重たい罰になっていますが、重大な事故に繋がる可能性が高い違反なので、当然のことと思われます。
罰則等(令和元年12月1日施行)
(1) 携帯電話使用等(交通の危険)
罰 則 1年以下の懲役又は30万円以下の罰金
反 則 金 適用なし
基礎点数 6点
(2) 携帯電話使用等(保持)
罰 則 6月以下の懲役又は10万円以下の罰金
反 則 金 大型車2万5千円、普通車1万8千円、二輪車1万5千円、原付車1万2千円
基礎点数 3点改正道路交通法の条文(令和元年12月1日施行)
(運転者の遵守事項)
第七十一条 車両等の運転者は、次に掲げる事項を守らなければならない。
五の五 自動車又は原動機付自転車(以下この号において「自動車等」という。)を運転する場合においては、当該自動車等が停止しているときを除き、携帯電話用装置、自動車電話用装置その他の無線通話装置(その全部又は一部を手で保持しなければ送信及び受信のいずれをも行うことができないものに限る。第百十八条第一項第三号の二において「無線通話装置」という。)を通話(傷病者の救護又は公共の安全の維持のため当該自動車等の走行中に緊急やむを得ずに行うものを除く。同号において同じ。)のために使用し、又は当該自動車等に取り付けられ若しくは持ち込まれた画像表示用装置(道路運送車両法第四十一条第十六号若しくは第十七号又は第四十四条第十一号に規定する装置であるものを除く。第百十八条第一項第三号の二において同じ。)に表示された画像を注視しないこと。
自転車のながら運転の場合の罰則
自転車のスマホのながら運転についても、当然のように道路交通法違反となります。
2024年11月1日より、厳罰化され、自転車を運転中にスマートフォンを手に保持して、通話や画面を注視する行為が罰則の対象となりました。
主に交通事故を発生させるなど、交通の危険を生じさせた場合
1年以下の懲役又は30万円以下の罰金
上記以外で、手で携帯電話等を保持して、通話や表示された画像を注視した場合
6月以下の懲役又は10万円以下の罰金
ながらスマホの事故では高額な賠償金や懲役刑もある
相手に怪我を負わせた場合は重過失傷害罪に問われる可能性もあります。
上記の女子大生が起こした事故では重過失致死罪、禁固2年、執行猶予4年(求刑禁固2年)の判決がくだされていますし、ながらスマホに限らずで自転車の人身事故などでは高額な賠償命令がくだされることも増えているので、万が一ながらスマホで事故を起こした場合には当たり前のように高額な賠償金が請求されることになります。
保険の過失割合も多くなる
自転車のながら運転で事故を起こした場合は、自転車側の「スマホを操作しながらの運転」が著しい過失と判断された場合に過失が上乗せされることが考えられます。
例えば、一般的に自転車と自動車の事故であれば、交通弱者である自転車の過失割合が低くなる傾向がありますが、ながらスマホをしていた場合などは、自転車側にも過失があるとして過失の割合が高くなるなどのケースもあるようです。
少なくとも自転車保険への加入をしていないと、とんでもないことになってしまうのは間違いなさそうです。
ながらスマホは若者に多い
データを撮ったわけでも調査したわけでもないので実際は違うかもしれませんが、自転車のながらスマホは圧倒的に20代以下が多いような気がします。
実際、ながらスマホで事故を起こしたニュースなどを見てもその世代です。
これは若者のマナーが悪いのではなくて、単純に歳をとると、いろいろと鈍ってくるので、自転車に乗りながらスマホを弄るなどという器用なことが出来なくなってしまうからではないかと思います。
歩きスマホでも若い世代が圧倒的に多いのはそのせいなのかなと思っていたりします。
スマホホルダーの場合は?
現状で、スマホホルダーにスマホを設置して自転車に乗る場合は、問題がないとされています。
このあたりは自動車などと考え方が同じで「ハンズフリー」であれば良いとされている感じです。
しかし、スマホの操作などをすることは駄目なので、操作する場合は停車してから操作するのが基本というのは徹底したいところですね。