昔も自転車の事故がなかったわけではないでしょうが、近頃は、自転車の事故でも高額な賠償命令が出るなどで、自転車の保険についても注目されるようになりました。
そんな中で自治体が自転車購入時の自転車保険の加入を義務化する動きも出ているようで、兵庫県が全国で初めて自転車の購入者に保険の加入を義務付ける条例案を可決し、2015年10月1日に施行されるようになったのを切っ掛けに、全国各地に自転車保険の加入の義務化が広がっているようです。
全国初の自転車保険の義務化は兵庫県
兵庫県会が自転車保険加入を義務化
全国初、自転車保険加入を義務化 兵庫県会が条例案可決
兵庫県議会は18日、本会議を開き、自転車保険の加入を義務づける全国初の条例案を可決した。学校や事業所による交通安全教育の充実で事故減少を図るとともに、事故を起こした場合の多額な損害賠償にも備える。4月1日に施行し、10月1日から保険加入を義務化する。(引用元:神戸新聞NTE)
参考 自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例(案)の概要
義務化に伴い安価な自転車保険が整備された
さて、保険への加入が義務づけられると気になるのが掛け金です。一般的な自転車保険の掛け金が4,000円〜5,000円/年程度のものがほとんどです。
義務化となれば子供の居る家庭は自転車に乗る人数が多いので、負担増に繋がるため嬉しくないおはなし。
自転車は子供からお年寄りまで免許無しで乗れる最も身近な移動手段なだけに、義務化に対して反対の意見も少なからずあるようです。
そんな反対意見への対応策として兵庫県が打ち出したのが損害保険会社(損保ジャパン日本興亜他3社)と連携した新たな保険制度。
参考 「ひょうごのけんみん自転車保険」
この保険では1,000円/年の掛け金で最大5千万円の対人・対物補償が受けられ、年齢制限無し、示談交渉サービスも付くほか、上限が1億円になる2,000円や3,000円のプランがあり、非常に加入しやすい掛け金になっています。
努力義務とは
日本の法制上「〜するよう努めなければならない」などと規定され、違反しても罰則その他の法的制裁を受けない作為義務・不作為義務のこと
個人賠償責任保険との兼ね合い
自転車保険の加入が義務となった場合、気になるのが既に個人賠償責任保険に加入している場合の扱いです。
ご存知の方も多いかと思いますが、個人賠償責任保険は自動車保険や火災保険に付帯していたりオプションで加入できる保険で、補償の範囲は自転車保険とほとんど同じなので、個人賠償責任保険に加入している場合は自転車保険に加入する必要はない場合がほとんどです。
で、気になったので調べてみたところ、個人賠償責任保険に加入している場合は自転車保険に加入しているものとして認められるようです。
そんな中で、盗難等の被害に対する車両保険や故障した際にピックアップしてくれるロードサービスが付随した自転車保険であれば、個人賠償責任保険ではなく自転車保険を選択する余地がありそうです。
個人賠償責任保険については下記の記事で詳しく解説しています。
自転車保険の義務化 個人的に思うこと
日頃クロスバイクに乗っている身としては「危ないな」と思うことも多々あるので、自転車でも保険の加入はしておいた方が良いと思います。1,000円/年程度の保険で、家族を含めた対人・対物補償がされるのであれば、負担増よりも安心感の方が大きいので、個人的には喜んで加入したいレベルです。
自転車はどちらかと言えば交通弱者なので、歩行者にぶつかるなどして怪我を負わせない限りはなかなか加害者にはなりづらいので、保険に入らなければいけないという意識は弱いとは思いますが、高額な賠償金の判例も増えていることを思うと、今までのような無保険でも大丈夫という認識は改める必要があるのかもしれませんね。
ちなみに我が家では火災保険に入ったついでに個人賠償責任保険も入っています。家族の全員に適用されるので誰が事故を起こしてもとりあえず安心という状態になっています。