スポーツバイクと呼ばれるクロスバイクやロードバイクに乗り始めると、どうしても速度を意識してしなるべく速く走りたくなります。
平均速度50km/hなどで走るプロ選手のレベルは夢のまた夢としても、クロスバイクやロードバイクに乗っている人なら誰しもができるだけ速く自転車を走らせたいと考えると思います。
僕自身も速いスピードで自転車を走らせることに少なからず憧れがありますし、同じ距離を走るのであれば、スピードが速い方が目的地に早く到着することができるわけで、早く目的地に辿り着くことができれば、それだけ自転車を乗る理由や価値も高くなってきます。
しかし市街地を走る場合は必死になって自転車を走らせてゆっくり走る時とあまり時間が変わらないんじゃないか?と思うようになったのです。そんなわけで検証してみた結果をまとめてみます。
どれだけ早く辿り着けるかを通勤で試してみた
通勤距離29kmとその所要時間
僕がこの検証をしようと思った切っ掛けは、自転車の通勤時間が電車に比べてあまりに長く、このままだと自転車通勤をするのが困難だと感じていたため、どうにか通勤時間を短縮する方法が無いかを考えたかったからです。
僕の通勤距離は、道のりで約29km。単純計算で平均30km/hで走ることができれば、1時間以内に会社に着くことができます。
しかし、実際は計算通りにはいかず、郊外から都心に向けての走行になるので、信号待ちなどでストップ&ゴーを繰り返すことや、安全を意識して無理をしない余裕のある走行をするため平均速度は22km/h〜24km/hくらいになります。
そうすると、所要時間は1時間30分程度になる計算ですが、実際には信号待ちなどで完全に停止してしまうことも多いので、所要時間は約1時間50分程度になります。
この所要時間を、どうにか短くできれば、僕が本格的な自転車通勤をできるかできないか検討する余地がでてきます。現実問題で今の通勤時間は電車の方が圧倒的に短く、自転車通勤を続けるのにはちょっと無理があるのです。
電車通勤から自転車通勤へ切り替える際に、最も重要なポイントは所要時間だと思います。自転車の方が速ければ、すぐにでも自転車通勤を開始してもよいくらいの動機になりますが、電車の方が速ければ、自転車通勤にはなかなか踏み切れません。
電車の中だと読書等いろいろできますが、自転車だと自転車に乗るしかできませんから、時間短縮というメリットが有るか無いかが自転車通勤をするのかしないのかの大きなポイントになるのです。
さて、僕が電車通勤した場合の通勤時間は約1時間10分です。つまり、自転車で通勤する距離の29kmを、平均速度30km/hで走ることができれば、電車の乗り継ぎのタイミング次第によっては、自転車の方が早くなるため、自転車通勤を考慮してみる価値がグッと高まるというわけです。
自転車で通勤時間のタイムアタックにチャレンジしてみた結果
さっそく自転車で職場へのタイムアタックにチャレンジしてみました。
全ての道で全力で走ってしまうと途中で力尽きてしまうので、道路が整備されていてスピードを出しやすく道路幅にも余裕のある甲州街道などを中心に、できるだけ頑張って走ろうと考えました。
例えば、日頃は27km/h前後で走っている道を、頑張って33km/hくらいで走るわけです。そうすれば、きっと所要時間は20分くらいは縮められるのではないかという目論見です。
そんなわけで早速職場までの道を必死で走らせて、息も絶え絶えで最後の最後まで頑張った結果は・・・
1時間45分
息も絶え絶えになりながら必死で自転車を漕いで辿り着いた結果は、いつもと比べてたった5分の時間短縮という、全く予想もしていない結果になりました。ちなみに、平均速度も普段とほとんど変わらない23km/h程度になりました。
この結果に納得がいかず、その後も何度かタイムアタックにチャレンジしてみたものの、結果はいずれも似たり寄ったりでした。
急いでも急がなくても所要時間がほとんど変わらない理由
所要時間が変わらない一番の理由は信号待ち
通勤で一番の時間ロスの原因になっているのは、間違いなく信号待ちです。
特に環八や環七などの大通りの信号にタイミング悪く引っかかってしまうと、それだけで数分は待たなくてはいけませんし、こまごまとした信号が、僕が通勤に使っている道には50個以上もあるのです。
全てに引っかかるということは有りませんが、全てに引っかからないということもありません。アバウトな計算として半分の25個の信号に引っかかったとして、それぞれの待ち時間が1分ならば、それだけで25分もロスをすることになります。
実際問題で信号無視を繰り返しながら、のんびり走っているボロチャリのおっさんにも負けました。
ストップ&ゴーが多いと平均速度も下がる
信号が多いとストップ&ゴーも多くなります。つまり一度停車して再び走り出す回数が多くなります。いくら30km/hを超えるようなスピードで軽快に走っていても、数回のストップ&ゴーを繰り返すだけで、平均速度は一気に下がります。
その結果、必死で自転車を走らせても、余裕をもってゆっくりと走らせても、最終的な平均速度はほとんど変わらない状態になるのです。平均速度が同じということは、所要時間にもほとんど差が出ないということでもあります。
つまるところ、信号に引っかかる回数次第では、余裕を持って走った方が早く目的地に辿りつく、なんてことも有り得るのではと思います。
みんなの意見も同じでした
急いでも急がなくても結局のところ所要時間に大差がないという結論をとりあえず出してみたのですが、もしかして僕だけだったりすることもよくあるお話。
そこで同じようなコースと距離を走る人の意見を聞いてみたところ「急いでも急がなくても所要時間に差はほとんど無い」という答えが返ってきました。
みんな同じようです。
必死で走るとデメリットが多く、余裕を持って走るとメリットが多い
急いで走ることのメリットは無い
自転車を速く走らせることの最大のメリットは、目的地に早く辿り着けることだと思いますが、信号の多い市街地を走る場合、このメリットはほとんど感じられません。
逆に、急ぐことにより周りが見えなくなったり、判断を誤ったりして危険な思いをすることが多くなります。周りの景色を楽しむなどということも出来なくなってしまいます。また、連続して信号に引っかかるなどがあると、いちいちストレスを感じることにもなります。
つまり、信号の多い市街地を走る際に、無理に急いだとしても時間の短縮にはならないどころか、危険な思いをすることが多くなり、ストレスも大きくなるだけで、メリットがほとんどないのです。
であれば、余裕を持ってゆっくり走りながら、安全に景色を楽しみつつサイクリングをした方が断然楽しくて気持ちが良いなと思うようになってきました。
急いでもゆっくり走っても時間は変わらないので安全第一で走りましょう
自転車も乗り物である以上、スピードを追い求めるのは確かに魅力的ではありますが、それはレースなどで追い求めれば良いことで、公道を走る上で、何より大切なのは安全に運転することだと思います。
スピードへの誘惑を断ち切って、余裕のある安全運転を忘れないためにも、市街地を走る時は、「急いでも急がなくても、所要時間はほとんど変わらない」ということは、知っておいて損はないことだと思います。
というわけで、みなさん安全運転を心がけましょう。