ロードバイクやクロスバイクで頻繁に調整が必要なパーツの一つがブレーキシュー。
ブレーキは使用しているうちにワイヤーが伸びたり、ブレーキシュー自体が摩耗してワイヤーの引き量と合わなくなったりして、徐々にブレーキの制動が悪くなっていきます。また、ブレーキシューは消耗品でもあるので、ある程度摩耗すれば、交換することにもなります。
そんなわけで、ブレーキシューの調整は自転車のメンテナンス項目の中でも頻繁に行わなければいけないパーツでもあるのですが、ブレーキシューの取り付け位置や取り付け角度は微妙な調整が必要で、慣れないと意外と手こずってしまい時間を要する作業でもあります。
そんなブレーキシューの調整作業を効率化できるのがブレーキシューチューナーで、僕自身もBIKE HANDのブレーキシューチューナー(YC-193)を使用してブレーキシューの調整をしていたりします。
ブレーキシューチューナの使用方法については下記の記事でまとめていますので興味のある方は参考にしてください。
そんな便利なブレーキシューチューナーですが「Vブレーキでは使用できない」というような情報を得たので、その真偽や理由について調べてみました。
BIKE HANDのブレーキシューチューナー(YC-193)はVブレーキで使用できない?
Vブレーキや太いタイヤでは不具合がでることもある
ある日、「BIKE HANDのブレーキシューチューナー(YC-193)は、キャリパーブレーキでは使用できるけど、Vブレーキとは使用できない」というようなコメントをいただきました。
「え?そうなの?BIKE HANDのブレーキシューチューナーはVブレーキに使用できないの?」と少し驚いてしまいました。
というのも、僕自身が乗っているクロスバイクはVブレーキが搭載されていますし、そのクロスバイクのブレーキシューの調整には、このBIKE HANDのブレーキシューチューナー(YC-193)を使用していたので「そんなはずはないだろう」と思ったからでした。
不思議に思って、Amazonのレビューに目を通すと、確かに「Vブレーキで使用するには工夫が必要」「Vブレーキでは役に立たない」「太いタイヤでは使えなかった」「子ども用自転車では使えない」などの情報が散見されます。
使用に不具合がある例
ブレーキシューチューナーで使用に不具合が出るケースは下記のような場合が多いようです。
● 小径車
● 太いタイヤ
● Vブレーキ
参考 Amazonレビュー(BIKE HANDのブレーキシューチューナー)
メーカーサイトの情報
BIKE HANDの商品ページに何か情報は無いか確認してみたものの、情報は見つかりませんでした。説明書すらないのですね(笑)
というわけで、どうして不具合が出てしまうのか、その理由について情報を集めて原因を考えてみました。
ブレーキシューチューナーの不具合が出る原因を探る
小径車・子ども用自転車で不具合が出る原因
BIKE HANDのブレーキシューチューナーはホイールのリムに沿わせることでブレーキシューの位置調整ができるようになるツールです。
そしてこれは、ロードバイクなどで使用されることが多い700Cと呼ばれる径のホイールサイズに合うように設計されているものと思われます。
そのため、ホイールのリムが小さな小径車の場合、円弧のカーブがきつくなるので、リムにブレーキシューチューナーがフィットしなくなるため、使用に不具合が出る原因になっているようです。
なので、ミニベロや子供用の自転車などの小さなホイールを装備した自転車のブレーキシューの調整には適していないと言えるでしょう。
太いタイヤで不具合が出る原因
マウンテンバイクなどの太いタイヤを使用した自転車の場合にも不具合が出るという情報が見られました。
ロードバイクでは25Cなどの細いタイヤが使用されるため、タイヤがリム幅とほとんど同じくらいなので、ブレーキシューチューナーをリムに沿わせてもタイヤと干渉するようなことは基本的には無いと思われます。
しかしマウンテンバイクのような太いタイヤやブロックタイヤの場合タイヤがリムから迫り出す量も大きくなります。
そのため、リムにブレーキシューチューナーを引っかけようとすとタイヤと干渉してしまうようになり、うまくブレーキシューチューナーをセットできなくなるということが原因になるようです。
Vブレーキで不具合が出る原因
ブレーキシューチューナーの使用で不具合が出るという情報で最も目立ったのがVブレーキに関するものでした。情報をまとめると、キャリパーブレーキとVブレーキの構造の違いが原因になっているようです。
キャリパーブレーキは支点がブレーキシューよりも上方になり、ブレーキをかけると上方向に抑え込むような力が働くので、ブレーキシューチューナーが理想の位置で固定されるようです。
一方のVブレーキの場合は、支点がブレーキシューよりも下方向になるため、ブレーキをかけると下方向に抑え込むような力が働くので、ブレーキシューチューナーが下方向にズレてしまい、上手く位置調整ができなくなる、ということのようです。
まとめ
あくまでロードバイク用のブレーキシュー調整ツール
いずれの問題も「工夫すればなんとかできる」レベルの問題のようなので、全く使い物にならないというレベルのものではなく、メーカー的にも「キャリパーブレーキ専用」などの注意書きは必要ないというような判断をしているのではと思います。
また、拾い集めた情報から判断すると、BIKE HANDのブレーキシューチューナーは、あくまで「ロードバイクのブレーキシューの調整のためのツール」だと考えた方が良さそうですね。
なので、Vブレーキでは不具合が出るという情報は間違いではないでしょうし、僕のVブレーキを装備したクロスバイクで特に問題なく使用できているのは、23Cという細いタイヤを装備していることや、僕自身がブレーキシューチューナーを簡単な位置決めのためのツールとして使用していて、あまり細かい部分を気にしていなかったからだと思われます。
クリップタイプのブレーキシューチューナーの方が使いやすい
また「使いづらい」「落ちてしまう」「左右の位置調整が難しい」などの使いづらさを挙げる意見も多く見られました。
このあたりの問題を解決した、クリップタイプのブレーキシューチューナーもあるので、より効率的に調整をしたい人はクリップタイプのブレーキシューチューナーを選択するのが良いと思います。