自転車を業務で利用している間の賠償事故を補償する自転車賠償責任保険『業務用自転車賠償制度』(一般社団法人自転車安全対策協議会)についてまとめています。
参考 事業者向け自転車保険を2021年8月2日から募集開始。フードデリバリー配達員も加入可能。
業務用自転車賠償制度とは
事業者向けの自転車保険
自転車の事故などでも高額な賠償請求がされるようになったことから、今では多くの自治体が自転車保険への加入を義務化するようになりました。
自転車の保険加入は、自動車やオードバイなどと同じく必須の時代になっています。
業務での事故の場合一般的な自転車保険では補償のの対象外
しかしながら、UBER EATSなどに代表されるフードデリバリーなど、仕事で自転車を使用して事故を起こした場合には、一般的な自転車保険では補償の対象から外れてしまうという問題があります。
自転車保険の多くは「個人賠償責任保険」のアレンジ版で、日常生活での事故の損害を補償する内容になっていて、フードデリバリーなどの業務で事故を起こした場合などには保険が効かなくなってしまうのです。
業務用の自転車賠償保険が少ない
一般的な自転車保険屋や、個人賠償責任保険では補償されないので、自転車を仕事で使用する場合には「業務用途での自転車を使用した場合でも補償される保険」に加入する必要があるわけです。
しかし、仕事で自転車に乗っていて事故を起こしても保障されるような保険が少ないのが実際のところなのです。
自転車を使用した業務と言えば新聞配達などが思い浮かびますが、新聞配達などは会社が雇用するので、業務中に事故が起きたとしても「労災保険」で保障されるため、業務用の自転車保険の必要性があまりなかったのかもしれません。
しかしウーバーイーツなどのフードデリバリーサービスの場合は、雇用という形態を取らずに、あくまで個人事業主の配送業として業務を請けているという扱いになるので、労災には入れないということになり、事故を起こしてしまった場合は、労災も、自転車保険も使えないという状態になってしまうのです。
そのうような問題に目を向けて、個人事業者、法人、各種団体向けの自転車を業務利用する際の賠償責任保険として『業務用自転車賠償制度』が商品化されるようになりました。
プランと年間掛金
プランA
賠償限度額1億円
年間掛金 自転車1台につき2,900円
プランB
賠償限度額3億円
年間掛金 自転車1台につき4,900円
詳しくは業務用自転車賠償制度のご案内から確認できます。
参考 パンフレット(PDF)
個人賠償責任保険との区別
自転車保険と言えば、その基礎となっている個人賠償責任保険が適用されることがほとんどですが、先にも書いたように、業務で使用している場合に起きた事故などについては、補償の対象から外れてしまう問題があり、業務で使用する場合には業務用自転車賠償制度に加入することになります。
区別としては、個人賠償責任保険は日常生活の中で起きた事故の保障する保険で、業務用自転車賠償制度は業務の最中に起きた事故を保障する保険ということになります。
例えば、個人の所有している自転車でも、業務で使用していた最中であれば、業務用自転車賠償制度に加入していないと保障がされません。
逆に業務用自転車賠償制度に加入していても、昼休みや退勤後に事故を起こした場合は業務用自転車賠償制度では保障されないということになり、業務中かそうでないかが保障のポイントになる感じです。
UBER EATSなどのフードデリバリーでは両方に加入が推奨される
個人的にも自転車保険と言えば個人賠償責任保険に加入していれば十分だと思っていましたが、業務中の事故では保障対象外となるというのは知りませんでしたが。
自転車を使用して何らかのビジネスをしようと考えているのであれば、個人賠償責任保険の他に務用自転車賠償制度にも加入しておいた方が良さそうですね。
ごめんじゃすまない! 自転車の事故 (GEIBUN MOOKS 暮らしの落とし穴から守る本)
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