クロスバイクをブルホーン化しようとする場合、どのような仕様でブルホーン化するのかをまず考えなくてはいけません。
クロスバイクのブルホーン化の基本的な形態は4つあり、それぞれにブルホーン化する際の難易度や、乗り心地などの特徴も異なります。
そこで、クロスバイクをブルホーン化するための基本的な4形態について、それぞれの特徴などについて解説してみたいと思います。
形態1.クロスバイクのハンドルだけブルホーン化する
オリジナルのブレーキレバーとシフトレバーを使用できる
ブルホーンバーハンドルを購入して、シフターやブレーキ等はクロスバイクに装備されているパーツをそのまま流用する改造カスタマイズです。
工数としては、ハンドルを換えるだけで良く、最も簡単なクロスバイクのブルホーン化になります。
機能よりも見た目の変化を求めてクロスバイクをブルホーン化したい人にお勧めの方法です。
握り径22.2mm クランプ径25.4mmのハンドルを選ぶ
留意点は一般的なクロスバイクに装備されているストレートハンドルのハンドル径はハンドル部分が22.2mmでクランプ径が25.4mmなので、選択するブルホーンバーハンドルも同じ径のハンドルを選択する必要があります。
しかしながら一般的はブルホーンハンドルのハンドル系はクランプ系がオーバーサイズと呼ばれるロードバイクで採用されているドロップハンドルなどの標準サイズと同じ31.8mmが多いのです。
31.8mmだとクロスバイクで使用しているオリジナルのステムではハンドルを固定できなくなるため31.8mmのブルホーンハンドルを購入してしまった場合はステムも購入し直す必要があるほか、ハンドル部分も23.8mmとなっていて、クロスバイクで使用していたブレーキレバーやシフトレバーを取り付けできなくなるので、実質全てを新調する必要があるので注意が必要です。
クロスバイクのブレーキレバーやシフトレバーをそのまま使用することを考えるのであれば、ハンドルサイズが22.2mm,クランプサイズが25.4mmという規格のブルホーンハンドルを選択するようにしましょう。
メリットとデメリット
メリット
ブルホーンハンドル以外のその他のパーツが流用できるため、ブルホーン化に必要な費用は5,000円程度と最もコストを低く抑えられるブルホーン化になります。
ブレーキレバーとシフトレバーがそのまま使えるということは、ブルホーン化で最も大きな問題となるブレーキの問題もクリアできるほか、シフトレバーの位置もフラットバーハンドルの時とほとんど変わらないのであれば、調整も必要なく、単にハンドルを換えるだけでブルホーン化ができます。
デメリット
ハンドルだけを交換してブルホーン化する場合、ブレーキレバーとシフトレバーの配置は基本的にハンドル中央部分になります。
つまり、ブルホーンバーの先端の部分を握っている時はシフターやブレーキレバーに手が届きません。
このブルホーン化に最も近いのが、フラットバーのサイドにバーエンドバーを取付けた状態です。
僕は以前にフラットバーの端にバーエンドバーを取り付けていましたが、バーエンドバーを握っているとブレーキを握れなくなるという問題があるためバーエンドバーを使用するのを結局やめてしまいました。
というのも、市街地などで走行している時にはすぐにブレーキを掛けられないというのが不安なので、バーエンドバーを握らずに走行することが多くなり、取付けている意味を感じられなくなったのです。
ですので、この方法でブルホーン化すると、見た目的には大きな変化が得られますが、ブルホーンの先端部分を握って走行しようと思った場合にはブレーキが掛けられないという問題があるため、市街地メインで走行する人にはあまりおすすめできません。
逆に、ほとんど信号がなく、人通りや車通りが少ない郊外をメインに走行する人や見た目を変えるのがメインの目的である人にとってははブルホーン化する意味も大きくなると思うので、チャンレンジしてみる価値はあると思います。
● ブルホーンバーハンドルがあれば簡単にブルホーン化できる
● ブレーキレバーとシフトレバーを流用できるのでコストが低くなる
● ブルホーンの先端を持つとブレーキに手がとどかない
形態2.エビホーン化する
ブルホーン化したハンドルの先にフラットバー用シフトレバーとブレーキを逆付けにして装着する改造カスタマイズです。
シフトレバー類を逆付けするためにワイヤーが前に飛び出した状態になりエビのヒゲのように見えるのでエビホーンと呼ばれます。
オリジナルのシフトレバーとブレーキレバーを流用するため、フラットバーハンドルと同じ径であるハンドル部分が22.2mmでクランプ径が25.4mmのブルホーンハンドルを使用する必要があります。
メリットとデメリット
メリット
フラットバーで使用していたシフトレバーとブレーキを流用できるのでブルホーン化の費用が安く抑えられるのと、改造カスタマイズも比較的容易に行なえます。
デメリット
ワイヤー類がエビのヒゲのようになり、とにもかくにも見た目が悪くなります。
見た目が悪いだけなら良いのですが、伸びたワイヤー類が何かに引っ掛かってしまうことも考えられるため、安全面においてもやや不安を残す改造カスタマイズになるかと思います。
● 簡単にブルホーン化できる
● シフトレバーとブレーキを流用できるのでコストが低くなる
● 見た目がとにかく悪い
形態3.ブラケット付きブレーキレバーを使用してブルホーン化する
ブルホーンバーハンドルへの交換とともに、フラットバーハンドル用のシフトレバーとブレーキレバーは捨てて、ロードバイクなどで使用されているブラケット付きブレーキレバー使用する改造カスタマイズです。
本来ならばブレーキレバーとシフトレバーが一体型になったSTIレバーを使用したいところですが、Vブレーキ対応のSTIレバーが無いため、ブルホーン化でSTIレバーを使用することはスペック的には出来ないということになります。
ロードバイクなどで使用されるキャリパーブレーキとマウンテンバイクなどで使用されるVブレーキのブレーキワイヤーの引き量の違いがあり、互換性が無いというのがその理由です。
しかし、クロスバイクで使用されている短いブレーキアームのミニVブレーキであればキャリパーブレーキなどと同じ程度のブレーキワイヤーの引き量になるため、実際は使用できるという考え方もできるようです。
個人的な見解としては、メーカー的に互換性が無い場合でも、時速10kmで走行中にブレーキを掛けて3メートル以内で停車させられる制動力があれば違法ではないので調整次第というところかと思います。
ブラケット付きブレーキレバーにした場合、ロードバイクと同じような感覚で操作できることもあり、クロスバイクをロードバイクに近づけたいと考えている人などに向いている改造カスタマイズになると思います。
見た目や乗り心地だけを求めるのであれば、Vブレーキに対応しているブラケット付きのブレーキレバーであるテクトロのRL520あたりか、DIA-COMPE 287Vを使用して、シフトレバーはバーコントローラーやWレバーを使用するのが良いかもしれません。
DIA-COMPE 287V 2個(ペアー) ダイアコンペ ロングアームカンチブレーキ対応 ブレーキレバー ROAD・RACING用
メリットとデメリット
メリット
操作の感覚がロードバイクに近い。
デメリット
Vブレーキとの互換性が無いので対応させるには工夫が必要。
STIはフラットバー用のシフターやブレーキと比べると高価なものが殆どなので必然的に改造カスタマイズの費用が高くなります。
ブラケット部分が目立って存在感が出てしまうので、見た目の好みが分れます。
● 操作感覚がロードバイクに近い
● コストが高くなる
● STIの存在感が大きく見た目の好みが分れる
● Vブレーキとの互換性の問題がある
形態4.エアロブレーキとサムシフターでブルホーン化する
ブルホーンバーのバーエンドにエアロブレーキとサムシフターを装着した改造になります。
この仕様は僕自身がクロスバイクをブルホーン化する際に採用しました。
メリットとデメリット
メリット
エアロブレーキとサムシフター自体がコンパクトなので、バーエンドに取付けてもSTIレバーのような頭でっかちな印象にならず、ブロホーン化する中では理想的な組み合わせになると思います。
アーバンスポーツバイクとして設計されたシマノのMETREAでも同様の仕様になっている通り、都会的でスタイリッシュな見た目にすることができます。
デメリット
その他の仕様と比べると、デメリットと思われる部分が少ないブルホーン化です。
● 見た目がスッキリとする
● コストが高くなる
クロスバイクをブルホーン化するための基本4形態まとめ
クロスバイクをブルホーン化する際の基本的な仕様は上記の4形態になると思いますが、どのパーツを選ぶか、どのように取付けるかでも差は出るものと思われます。
いずれの仕様にしても一長一短があり、どれが優れているかの判断は個人の価値観や改造カスタマイズの方向性によって変わってくると思われるので、それぞれの予算や乗り方と相談しつつ検討してみるのが良いと思います。
とりあえず「ブルホーン化ってどんな感じだろう?」というのであれば、安いブルホーンバーを購入してハンドルだけ交換して取付けるだけ取付けてみるというも1つの方法だと思いますし、バーエンドバーを使用するのもブルホーン化した際の乗り心地の体験はできると思うので、1つの選択肢として考えてみるのは有りだと思います。