アメリカのカリフォルニア州ロサンゼルスの市街地から最も近いビーチとして有名なサンタモニカビーチに行ってきました。映画「フォレスト・ガンプ」でも舞台として登場した街としても知られていますね。
サンタモニカは都市部のダウンタウンエリアやハリウッドとは違って、いかにも西海岸的な趣のある街で、ロードバイクやレンタサイクルでサイクリングを楽しんでいる人も多く、自転車愛好家であれば、一度は自転車で走ってみたい場所と言えるかもしれません。
そんなアメリカ カリフォルニア州ロサンゼルスのサンタモニカをブラブラして、自転車事情について観察してきました。
サンタモニカとは
都心から最も近いビーチリゾート
サンタモニカはロサンゼルスのダウンタウンエリアから西に約20kmほど離れた場所にある沿岸部の街で、サンタモニカビーチを中心に栄えている観光地でもあります。
サンタモニカビーチはおそらくダウンタウンエリアから最も簡単に訪れることのできるビーチなので、ハリウッド観光のついでに訪れる人も多いのではないかと思います。
サンタモニカの定番の観光情報については、多くの観光サイトで紹介されているので省略させていただき、自転車乗りの目線でブラブラとサンタモニカを散策した感想を書いてみたいと思います。
サンタモニカビーチまでの交通手段
地下鉄サブウェイでサンタモニカへ行くのが安くて便利
ダウンタウンエリアからサンタモニカビーチへ行くには地下鉄(サブウェイ)が便利です。
地下鉄はエキスポ・ラインと呼ばれる路線がレッドラインの7th St/Metro Ctr駅からサンタモニカまで直通で走っています。サンタモニカは終着駅なので電車の行き先表示もSANTAMONICAと出ているので迷うことも乗り間違うことも少ないかと思います。
ロサンゼルスの地下鉄は初乗り料金の1.75ドルでどこまででも行けるので非常に安くサンタモニカビーチまで行くことができます。所要時間は約1時間で電車は15分に1本ほどのペースで出ているのと、日本の電車ほど混まないというのも良い点です。
ちなみにUBERなどの自動車でダウンタウンエリアからサンタモニカまで移動した場合の所要時間は30分〜40分程度、料金はだいたい$30~45くらいになります。
地下鉄の乗り方は日本とは少し違うのとメトロカードというチャージ式の交通カードが必須(駅で購入できる)なので、多少戸惑うことはあるかもしれませんが、調べれば簡単に情報が見つけられると思うのであまり心配する必要は無いかと思います。
日中なら安全に移動できる
アメリカの地下鉄と言えば「治安が悪くてあまり利用したくないな」と思う人も多いかもしれません。僕自身もアメリカの地下鉄に対して危険なイメージを持っていました。
しかし、実際に地下鉄を利用してみた印象は思っていたよりも全然安全な感じでした。とは言いつつもそこはアメリカなので大音量で音楽を流す人やストラップなどを売ろうとする人など、日本では有り得ないような出来事や人物がいたりはしますが、治安が悪いという感じではありませんでした。
ただし、地下鉄は治安が悪いと言われている地域も通ります。そのような地域(窓ガラスに鉄格子などがハマっている)から乗り込んでくるような人は、それなりに危なさそうな印象ではありましたが、危害を加えられるわけでもありません。そのような危険な地域で降り立ったり、遅い時間に乗らなければまず安全というところだと思います。
ちなみに僕が訪問した6月のロサンゼルスの日没時間は20時くらいなので時間には余裕を持って行動できるかと思います。
地下鉄には自転車を載せられる
ロサンゼルスの地下鉄には自転車がそのまま乗せられます。地下鉄の駅構内に自転車を持ち込んでいる姿も見かけますし、僕が地下鉄に乗った際にも自転車を持ち込んでいる人も何人も見かけました。電車に自転車を乗せるということが「当たり前」のこととして受け入れられているようです。
なので自分の自転車で輪行したいと考えている人でも地下鉄を利用してサンタモニカまで自転車を運ぶことができます。
サンタモニカの自転車事情 基本
自転車のための環境は最高
自転車レーンがしっかりと整備されている
サンタモニカに降り立って、さっそく自転車はどのように利用されているのかを観察しつつ散策してみました。
駅からサンタモニカビーチまでは徒歩5分くらいです。駅前から上記の写真のような感じでしっかりと自転車道が整備されています。
アメリカは極端な自動車社会でありながらも自転車も利用されることを前提とした都市づくりがされていて素晴らしいなと思います。このあたりは単に土地が広いからという理由だけでは実現できないですからしっかりと計画されているのでしょうね。
ロサンゼルスのダウンタウンエリアでも自転車の環境は良いなと感じるレベルでしたが、サンタモニカはそれに輪をかけたくらい自転車に乗るには最高の環境が整っていると感じました。
自転車レーンは広いですし、自動車からのプレッシャーも少なさそうです。道路も整備されていて走りやすそうな道ばかりでした。
区画整理もしっかりとされているので、基本的に全ての道路は碁盤状になっていて、どの道も真っ直ぐに伸びて気持ちが良いです。
自転車向けのシグナルや標識が多い
自転車向けの標識
サンタモニカに限りませんが、アメリカでは自転車と自動車は全く別の乗り物として区別されているものと思われます。そのため自転車向けのシグナルや標識が多く目に付きます。
こちらは自転車用の信号で、車道の自動車用信号や横断歩道の歩行者用の信号とは区別されていました。
自転車向けのマーク
標識だけでなく、道路の上にも自転車に関する指示マークなどがペイントされています。
上記はシェアサイクルなどを駐輪するためのパーキングスペースです。
こちらはスクランブル交差点にペイントされていたディスマウントゾーンを示すマーク。このマークがある場所では「自転車から降りてください」ということですね。
こうした海外でしか見られない標識やマークを観察するのもまた楽しいと思います。
車道で自転車が信号待ちする場合は車列の先頭
基本的には自転車のルールは日本と同じかと思われますが、日本と大きくルールが違っていそうなのが、信号待ちの間、車道の自転車は車列の一番先頭まで出て、車道の真ん中で待つためのスペースがあります。右側のレーンだけでなく全てのレーンに緑地に白い自転車マークが描かれたペイントがされてます。
サイクリングを楽しむ人が多い
ロサンゼルスのダウンタウンエリアでも「意外と自転車が走っているんだなぁ」という印象でしたが、サンタモニカは郊外のためか、自転車に乗っている人の数はダウンタウンエリアよりもさらに多いです。
特にロードバイクやクロスバイク、マウンテンバイクなど、明らかに自前の自転車でサイクリングを楽しみに来ている人の姿を多く見かけることができました。
幹線道路には余裕を持ったスペースで自転車レーンが整備されていて走りやすそうですし、、天気も年間で晴天が300日以上ということで、基本的にはいつも気候も良いという最高のロケーションです。
心地よい湖風を浴びながらサイクリングをするなんてことは自転車愛好家にとっては夢のような環境なわけですから、近くに住んでいればそりゃあ自転車に乗りたくもなりますよね。
個人的にはアメリカは治安が悪くて物価も高いし、食べ物も美味しくないし、日本ほど気の利いたサービスも設備もないのであまり好きではないのですが、このような環境を目の当たりにすると「アメリカに住みたいなぁ」などと思ってしまいますね。
サンタモニカの自転車事情 ビーチ周辺
サンタモニカビーチ
サンタモニカビーチはカリフォルニア州でも屈指の有名なビーチがあります。綺麗な白砂の海岸が5キロほどに渡って続いていて、同じくロサンゼルスで屈指の有名なビーチであるベニスビーチまで繋がっています。
時期的なこともあってか、海水浴を楽しむ人は少なかったですが、ビーチでスポーツを楽しんだり、日光浴をする人は多いです。
サンタモニカピア
サンタモニカビーチの中央にはサンタモニカピアと呼ばれる桟橋があり突堤状になっていてサンタモニカに訪れたなら必ず行くべき観光地になっています。
遊園地 パシフィックパーム
サンタモニカピアにはPSIFIC PARMと呼ばれる昔ながらの小さな遊園地もあります。完全な観光地なので週末になると人でごった返すようです。
典型的な観光地
サンタモニカピアは「サンタモニカに訪れたら必ず立ち寄るべき場所」としてどこのガイドでも紹介されていますが、基本的には典型的な観光地なので、観光客向けのお土産を売る出店が並んでいたりで、まぁ、どこにでもある観光地風情な感じです。
ビーチ自体もカリブ海のように「すごい綺麗!」というわけではなく、至って普通の海辺の景色なので、それほど感動することもありません。
悪く言えば場末感のある少し時代遅れな観光地、よく言えばちょっと懐かしい、いかにも西海岸の雰囲気を残した場所とも言えるでしょう。そういうものに感動できなければただの古臭い遊園地が併設された何もなくただ人が多いだけの突堤です(笑)
なので再びサンタモニカに訪れる機会があったとしてもわざわざ立ち寄ることはない場所ですね。
ビーチと言えばレンタサイクル!
定番のビーチクルーザーやタンデム自転車
気候も良いわけですから自転車愛好家でなくてもサイクリングを楽しみたいと考えるのは自然なことです。というわけでサンタモニカビーチのいたるところにレンタサイクルのお店があり、ビーチクルーザーやタンデム自転車などが軒先に並べられていて多くの人で賑わっています。
レンタサイクルの価格はどこのお店も似たような感じで1時間で$7くらい、1日借りて$20くらいと思っておけば大きく計算が違うことはないと思います。
レンタサイクルに並べられている自転車の多くはビーチクルーザーやタンデムバイクでした。シティサイクルのような普通の自転車もありますが西海外でせっかく自転車の乗るのであればやっぱりビーチクルーザーに乗りたいですよね。
レンタサイクルの借り方
自転車を借りるためには身分証(ID)が必要です。旅行者の場合は必然的にパスポートになります。問題はパスポートを見せるだけでなく預けなければいけない点で、預り証なども特に発行してくれないというザックリとしたサービスなので、返却時に間違って手渡されたり紛失したりするリスクも考えないといけませんから、旅行者にとっては少しハードルが高いかもしれません。
ちなみに僕の知人はそのあたりを何も考えずにパスポートをお店の人に手渡して自転車を借りたようです。後になって「よくよく考えたら不用心だよね」と反省していました。
レンタサイクルが盗難された場合
ビーチには上記の写真のように駐輪場があり、多くの人が駐輪場に自転車を駐めてビーチで遊んだりしているようですが、自転車の盗難は警戒する必要があります。
わざわざこんな場所でしかもレンタサイクルを盗難する人なんて居ないと思いたいところですが、あちこちに自転車泥棒は居るようで盗難被害に遭う人も多いようです。実際にレンタサイクルを借りた僕の知人が見事に盗難されました。
知人から話を聞くと、自転車でしばらく走った後、ビーチの写真を撮ろうとして、自転車を駐めて5分ほど自転車から離れたスキに盗難されたとのこと。もちろん駐輪場に駐めて地球ロックもしっかりしていたようですが、それでも盗まれてしまったようです。
自転車を盗まれてしまったことをお店の人に伝えるとレンタサイクルのお店の人が言うには施錠していても切断して盗んでいくとのことです。
落ち込む知人に対してお店の人は「あなたのせいじゃない。悪いのはあなたではなくてこの国なのだから」と慰めてくれたようです。なかなかの名言ですね。
ちなみにレンタサイクルを盗難された場合には弁償をしなければいけません。払いたくないお金ですがパスポートを返してもらえないということもあり、知人は現金で$250を支払ったとのこと。もちろん領収書はもらえなかったみたいです。
レンタサイクルよりもシェアサイクルの方がおすすめ
サンタモニカビーチにはレンタサイクルだけでなくシェアサイクルも沢山あります。動画サービスのhuluが買収したBreeze Bike Shareなどはサンタモニカでは最もポピュラーなレンタサイクルかと思います。
Breeze Bike Shareは旅行者であってもスマートフォンにアプリをダウンロードしてクレジットカード情報や暗証番号などを登録すればすぐに利用できます。サンタモニカ周辺にはかなりの数のポートがありますし、シェアサイクルであればしっかりと乗車解除さえすれば盗難のリスクもゼロになります。
そしてBreeze Bike Shareの良いところは、借りたポートに戻す必要はなくてどこのポートに戻しても問題ないということ。そして追加料金(数ドル)を支払えば乗り捨てもできるということでかなり利便性が高いサービスなのです。
「ビーチクルーザーに乗りたい!」とか「タンデム自転車の乗りたい!」とかでなければ、圧倒的にシェアサイクルを利用するほうが良いでしょう。
サイクリングロード
海岸沿いにはサイクリングロードが整備されていて、レンタサイクルやシェアサイクルでサイクリングを楽しむ人が大勢います。
青い空に海風。サイクリングをするには最高ですね。サイクリングを楽しむ人が羨ましいです。
親子でタンデム自転車を楽しむ人も多かったです。意外とカップルでは乗らないみたいです。サイクリングロードを南に走ればベニスビーチまで辿り着きます。片道2キロくらいなので自転車に乗って行けばすぐですね。
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サンタモニカの自転車事情 ストリート周辺
サンタモニカはビーチだけではなく、ショッピングストリートも発展していてなかなか楽しい街です。ビーチ自体に興味がない人は街歩きの方がよっぽど楽しいかもしれません。それほど大きなストリートではないですが、飲食店も充実していますし、街な気も西海岸の雰囲気があってなかなか楽しいです。
ロードバイクやシングルギアの自転車が多い
アメリカの自転車はマウンテンバイクが多いという印象でしたが、サンタモニカではマウンテンバイクよりもロードバイクやシングルギアのオシャレバイクを多くみかけました。
地球ロックが基本
ビーチを含めた街のいたるところにはガードレールのような鉄柵が整備されています。自転車はかならずこのガードレールのようなものに地球ロックして駐輪されているのが印象的でした。アメリカでは自転車を駐輪する際には地球ロックが当たり前のようです。
少し良いスポーツバイクなどになると地球ロックとホイールなどをダブルループワイヤーでロックするなどでかなり厳重にロックされています。
厳重にダブルロックをしていないといけない理由は、スキがあればすぐにでも盗難されるからだと思われます。上記は散策している中で見つけた前輪ホイールの無いロードバイクです。フレームはしっかりと支柱に地球ロックされているのですが、残念ながら前輪はロックされていなかったようで持ち去られたものと思われます。
このような自転車はインターネットで見かけたことはありますが、半ば冗談のようなものかと思っていたので実際に目の当たりにするとは思いませんでした。
サイクリングを楽しむのにはきっと最高のサンタモニカ
サンタモニカビーチから離れた市街地の方でも上記の写真くらいに道路も広く、交通量も少ないので自転車にとっては非常に快適な環境になっています。
快適な自転車環境があるだけでなく、湿度も少なく、年間で晴天の日が300日を超え、冬でも最低気温が10度程度で一年を通じて過ごしやすい気候というわけで、自転車に乗ることだけを考えれば、これ以上ないような場所と言えるかもしれません。
サンタモニカに訪れるまでは、自転車の環境がここまで整っているとは思っていませんでしたし、サンタモニカやダウンタウンあたりの環境を見ても、自動車大国でありながらも自転車にも優しい交通環境が整備されているアメリカの都市計画は本当に素晴らしいなと思いました。
自転車の環境で言えば日本は後進国だというようなことをよく耳にしますが、海外の自転車環境を観察すればするほど「確かに日本の自転車環境は恵まれていないなぁ」と思うのでした。
エネルギー補給と言えばハンバーガー
余談になりますがエネルギー補給のおはなしも。
基本的にアメリカの料理は大味でケチャップとマスタードとチーズの味しかしないものが多いので、アメリカに行くたびに食べ物には困るのですが、そんな中でハンバーガーだけはアメリカで別格な食べ物だと思っています。
日本よりもハンバーガーチェーン店の数も多いですし、小さなハンバーガーショップもよく見かけます。そして、それぞれに特徴のあるハンバーガーで、ミートパティへのこだわりなど「もっと他の料理にも気を配ればアメリカでも美味しいものができるだろうに」と思うほど、ハンバーガーへの並々ならぬ情熱が感じられるのです。
今回のアメリカでもいくつものハンバーガーを食べましたが、いずれもハズレがない美味しいハンバーガーでした。Umami BargerやS ShakeShakeなど現地でも人気で日本にも進出してきているハンバーガーショップもありますが、やっぱりボリューム感や味付けが違うように思うのですよね。
なにはともあれ、自転車目線で見るとなかなか素晴らしい場所だったのでサンタモニカにまた訪れる機会があれば今度は自転車を借りてサイクリングを楽しんでみたいと思います。
世界の自転車情報関連記事一覧
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