仕事でアメリカに行く機会が難度かあったので、そのついでにアメリカではどのように日常的に自転車が使用されているのか、また自転車の乗るための環境がどのように整備されているのかなどについて、実際に街を練り歩き、自転車乗りの目線で観察したことをレポートしています。
ネバダ州ラスベガスの自転車事情
メインストリートのストリップ周辺
世界的なギャンブルの街として知られているラスベガス。
御存知の通りラスベガスは元々は砂漠だったので、特に産業があるわけではなく観光業がメインの街でもあり、ラスベガスに滞在する人の多くは観光客か、ホテルなどの観光業に従事する人になります。
僕のようにビジネスや観光でラスベガスに訪れる人の多くは、ストリップと呼ばれる南北に5kmほど続く目抜き通り沿いを出歩くか、ストリップ沿いの巨大ホテル郡の中にあるカジノ施設やショッピングモールで買い物をして過ごすことになります。
そのため、ストリップ周辺に居る人の多くは観光客と思われ、主な移動手段はレンタカーかタクシー、バス、徒歩、モノレールとなり、自転車で移動する人は、ほとんど居ません。
もちろん現地の人のものと思われる自転車や、現地人と思われる自転車に乗るひとを見かけることもありますが、ごく少数でメインストリート沿いでは自転車は珍しい存在です。
例外なのが、警察官で、パトカーなどに乗っているよりは小回りが利くこともあり、現地の警察は自転車で巡回しているため、自転車に乗った警察はそこらで見かけることができます。
シーズンにもよりますが、メイン通りの中央部分では基本的には観光客で溢れているため、歩道を自転車で走るのも大変ですし、車道は車道で交通量が多く、スピードも出すので自転車にのっては、あまり良い環境ではないような気がします。
ラスベガス郊外
ラスベガスのメイン通りのストリップから離れた郊外の方に行くと少し様子が変わります。
郊外と言っても、あまり離れてしまうと治安が良くない地域も多いのでストリップと並行して走っている沿道あたりが、観光客が出歩ける限界になるので、そのあたりの状況です。郊外になると、観光客も少なく、自動車や歩いている人の姿も現地の人が多いです。
道路環境は広くて意外と整備されていて自転車にとっては走りやすい環境だと思いますが、やはり基本は自動車社会なので、自転車自体がとても少ない印象でした。
それでも、シェアバイクのステーションなどがところどころに整備されていたりして、自転車を利用する人も少なからず居ることが伺えます。
シェアサイクルは観光客がほとんど居ない場所に設置されていたりするので、おそらく現地の人が郊外から買い物に来るついでに利用したりしているのだろうと思われます。
道路自体は舗装もしっかりとされていて、とても走りやすそうな道がまっすぐ伸びているような場所なので、個人的には「自転車で走ると気持ち良いだろうな」と思うのですが、実際は砂漠地帯なので、メインの通りを過ぎると未開発の場所も多く、空気も感想しているため、あまり現実的ではないのかもしれません。
そんなラスベガスの自転車事情について観察してきた様子は下記の記事で詳しくレポートしていますので参考にしてください。
2019年のロサンゼルス訪問時
2018年のロサンゼルス訪問時
カリフォルニア州 ロサンゼルス ダウンタウンエリアの自転車事情
自転車の走行環境も整備されている
カリフォルニア州ロサンゼルスのダウンタウンエリアはリトルトーキョーなどがあるロサンゼルスの中心街で、高層ビルなどが立ち並ぶ近代的なエリアでもあります。
基本的はロサンゼルスは超の付く自動車社会ではありますが、しっかりと区画整理されている上に道路も広く、自転車レーンも整備されているので、自転車にとっても快適な環境が整っています。
どちらかと言えば街乗り仕様の自転車が多く、ロードバイクなどはあまり見かけないですが、シェアサイクルのステーションも徒歩で行ける範囲にいくつも設置されていますし、街なかで駐輪されている自転車を多く見かけるので、想像以上に自転車の利用者は多いと思います。
地下鉄への自転車の持ち込みが出来たり、バスでの自転車の運搬もしてくれます。またコンビニエンスストアなどへも自転車をそのまま乗り入れたりしても文句を言われることもなく、生活の中で自転車は当たり前のものとして受け入れている雰囲気がありました。
自転車レーンの整備もしっかりされている
ロサンゼルスの自転車事情で感心したのは、自転車レーンの設置されている位置でした。
東京でも自転車レーンが整備されつつありますが、肝心の自転車レーンに駐車されていたりして、通行の邪魔になるということがありますが、ロサンゼルスでは自転車レーンは車道の一番右側、駐車スペースは自転車レーンの左側、つまりは車道の通行側に整備されているので、自転車レーンは基本的に通行の妨げになるものがなく快適に走行できるのです。
このあたりは土地が広く十分な道路幅があるからこそ実現できるものだと思いますが「日本でもこのような環境があれば」と羨ましく思うものでした。
ロサンゼルスの自転車事情については下記の記事で詳しくレポートしていますので参考にしてください。
2019年のロサンゼルス訪問時
2018年のロサンゼルス訪問時
カリフォルニア州 サンタモニカビーチの自転車事情
ロサンゼルス中心部から地下鉄で行けるビーチスポット
サンタモニカビーチは映画「フォレスト・ガンプ」でも登場した場所でもあり、ロサンゼルスの中心地から地下鉄で1時間程度で訪れることのできる最も近いビーチということで人気の観光スポットでもあります。
ザ・西海岸的な開放的な雰囲気がある場所でとても気持ちが良いことや、年間の晴天が300日を超えるなど、基本的にはいつも晴れているような場所でサイクリングを楽しむには最高の場所の一つでもあります。
ロサンゼルスの地下鉄は自転車の積み込みも大丈夫なので、もし自分の自転車を持っているのであれば、中心部から電車に乗ってサンタモニカまで持ち込むことが出来ます。距離的にはダウンタウンから20km程度なので自転車で移動することも出来ると思いますが、危険な地域も通ることになるので、地理に詳しくなければ電車での移動が良いかと思います。
最高のサイクリングスポットの一つ
ビーチ沿いにはサイクリングロードが整備されていて、サイクリングを楽しむ人も多いです。都市部ではほとんど見なかったロードバイクに乗るようなサイクリストも数多く居て、アメリカ西海岸のサイクルスポットであることが伺えました。
ビーチ沿いに数キロに渡ってサイクリングロードが整備されていて、有名なヴェニスビーチまで行くこともできますし、ちょっと特別な気分を味わうには最高のスポットです。
レンタサイクルで旅行者もサイクリングを楽しめる
観光地なので、ふらりと立ち寄った人が楽しめるように、レンタサイクルのショップもいくつもあり、ビーチクルーザーなど気分を盛り上げてくれるような素敵な自転車が借りれたりします。
ただ、旅行者がレンタサイクルを借りるにはパスポートを預ける必要があるので、不安な部分がありますし、盗難の多い場所でもあるので、自転車を盗まれたりすると現金で弁償をする必要があるなどリスクも考えなければいけません。実際、知り合いが自転車を盗まれて現金で数百ドル弁償しろと言われて、現金を卸せる場所が見つからず危うく飛行機に乗り遅れそうになるという事態がありました。
昔ながらのレンタルサイクル屋さんも良いですが、観光地にありがちな「ちょっとボッタクリな殿様商売」的な雰囲気があることも否めず、個人的にはスマホの登録だけで利用できて盗難のリスクも殆どないシェアサイクルをおすすめしたいと思います。
ビーチ以外も素敵な場所
サンタモニカと言えばビーチなので、ビーチばかりが注目されてしまいますが、ビーチから少し離れた場所にはショッピングストリートがあります観光地独特の擦れた雰囲気ではなく、ちょっと落ち着いた雰囲気のストリートなので、観光地嫌いな僕としてはとても気に入った場所でした。
人気のハンバーガーを楽しむなど、街歩きスポットとしても楽しい場所なので、ロサンゼルスに訪れた際には是非訪問して欲しい場所でもあります。
サンタモニカの自転車事情については下記の記事でレポートしているので是非参考にしてください。
カリフォルニア州 ハリウッド周辺の自転車事情
ハリウッド中心部は歩行者のための場所
ロサンゼルスの最大の観光地と言えばハリウッドストリートかと思います。
せっかくロサンゼルスまで来たのであれば、一度は訪れたいと思い、訪問してみましたが、想像以上に観光地の雰囲気が凄くて、観光客が多くて個人的には二度と行かないと思います(笑)。観光地って日本でもそうですが、レストランもお店も、エンターテイメントも同じような雰囲気になってつまらないんですよね。
そして、基本的に歩いていいる人は観光客ばかりで、現地の人は基本的に立ち寄らない場所でもあると思われるので自転車に乗っている人はほとんど見かけません。
有名なハリウッド・ウォーク・オブ・フェームあたりも、とりあえず歩行者で溢れているので、自転車で移動するには不便過ぎる場所でした。そのため自転車レーンも整備されていないような状態で、駐輪する場所にも困ると思うので自転車で訪れるような場所ではないと思います。
メインストリートをはずれ外れれば自転車も乗りやすくなる
チャイニーズ・シアター周辺はとてもじゃないですが自転車で走れるような場所ではないですが、少し離れれば道路も広くなるのと、人通りもかなり少なくなるので自転車での移動もしやすくなります。
シェアサイクルのステーションも設置されていたりで、自転車に乗れば乗ったで、気持ち良さそうではありますが、基本的には市街地ですし、あまり雰囲気の良い地域でもないので、自転車での移動は楽しさよりも不安の部分が大きいかも知れませんね。
ダウンタウンエリアまでは5〜7キロの範囲なので自転車でも移動はできますが、通過する地域には治安の悪い場所もあるので、あまり考えない方が良さそうです。
徒歩や地下鉄での移動の方が圧倒的に便利なエリアなので、自転車での移動が逆に不便に感じてしまうと思います。
ハリウッド周辺の自転車事情については下記の記事でレポートしています。
カリフォルニア州オレンジカウンティの自転車事情
オレンジカウンティのニューポートビーチはロサンゼルスから100kmほど南下した場所(観光地として有名なディズニーランドのちょうど真南に位置する)にある海沿いの街です。
居住者の年間平均収入が2,000万円を超えるとも言われる高級住宅地でもあり、ロサンゼルスのダウンタウンのゴミゴミとした街並みとは対象的に、新しく綺麗な建物が立ち並び、とても落ち着いた雰囲気で、リゾート風溢れる優雅な場所でもありました。
広々とした道路に対して、交通量は非常に少なく、ロードバイクなどの自転車で走りやすそうでしたし、近くにはビーチも有るので、自転車で走るには最高のロケーションです。
僕はどちらかと言えばアメリカの雰囲気はあまり好きではなく、アメリカに行くと「早く日本に帰りたいなぁ」などと考えてしまうのですが、このオレンジカウンティのニューポート・ビーチに関しては「ずっとここで暮楽しても良いなぁ」と思えるほど、全てがキラキラした場所でもありました。
実際、この場所で何も考えずに自転車の乗る生活が出来れば、ロケーション良し、道路良し、空気良し、天気良しで、これ以上はないのではと思います。
興味深かったのは、これほどまでに自転車に乗るのには最高のロケーションでありながら、ニューポートビーチのすぐ近くにあるモールの中にエアロバイクに特化したフィットネスクラブがあり、現地の主婦と思われる方々が熱心にフィットネスに取り組んでいたこと。
「せっかくのロケーションだから外を走れば良いのに!」と思ってしまうのですが、現地に住んでいる人からするとまた違ったものなのかもしれませんね(笑)
よっぽど時間に余裕のある旅行でなければなかなか立ち寄るような場所ではありませんが、機会があればまた行きたい場所でもありますね。
アメリカは区画整理がきっちりとしていて、ディズニーランドから目抜き通りを直線で南下すれば辿り着くことができます。自転車だと1時間くらいで辿り着けそうなのでチャレンジしてみたいなぁ。
オレンジカウンティのニューポートビーチの自転車情報については下記の記事でレポートしています。
アメリカのシェアリングサイクルについて
日本でも少しずつ普及しつつある自転車シェアリングですが、アメリカでは2019年くらいから普及が始まっている感じです。
公共交通機関であるメトロが運営するシェアリングバイクのメトロバイクを筆頭に、ウーバーが運営するLime BIKEなど、いくかのサービスがあります。
元々は自転車がメインでしたが、現在はいろいろとサービスが多様化していて、電動キックボードタイプやスクーターなどもサービスとして加わっているようです。
ただ、中国などと同じく、どこでも適当に放置してしまう人も多いため、景観を損ねるなどで社会問題化もしていて、いろいろと規制が強まるのではと思っています。
そんなアメリカのシェアリングバイクについて下記の記事で少しだけレポートしています。
世界の自転車情報関連記事一覧
世界の自転車事情関連記事
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参考 中国の深センの自転車事情
参考 中国と日本のシェアサイクルで思うこと
参考 東南アジアの自転車ブームが熱い
アメリカの自転車事情関連記事一覧
参考 サンタモニカビーチの自転車事情
参考 ロサンゼルスの自転車事情 2019
参考 ロサンゼルスの自転車事情 2018
参考 オレンジカウンティの自転車事情
参考 ラスベガスの自転車事情 2019
参考 ラスベガスの自転車事情 2018
参考 アメリカのバイクシェア
日本国内の自転車事情関連記事一覧
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参考 東京の自転車事情
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