自転車チェーンの洗浄は自転車メンテナンスの基本であり、ロードバイクやクロスバイクなどのいわゆるスポーツサイクルの世界への第一歩です。
シティサイクルに乗っていた頃はチェーンへの注油すらほとんどする事がなくキュラキュラと軋むチェーンの音こそが自転車の奏でるメロディとさえ思っていた僕ですが、クロスバイクに乗り始めてからは、メンテナンスの一環としてチェーンの洗浄もマメに行なうようになりました。
ピカピカのチェーンで走ると、いつでも新車のような気分で乗ることができますし、チェーンの手入れ具合は自転車への愛情バロメーターでもありますから、面倒くさがらずにしっかりと手入れをしてあげたいものですよね。
そんなわけでロードバイクやクロスバイクのチェーンの洗浄方法をサラリとまとめてみます。
ロードバイクやクロスバイクのチェーン洗浄の準備物
新聞紙などを床に敷き詰める
ロードバイクやクロスバイクのチェーンの洗浄の準備として、まずは新聞紙などを床に敷き詰めておきます。
チェーンを洗浄しているとクリーナーやオイルが飛散したり、泥汚れや油汚れが結構出るんです。ケミカルなので飛び散らかしたりするフローリングのオイルも落としてしまうため、シミになったりして残念な思いをしてしまうことになるので、しっかりと対策をして作業を始めるようにしましょう。
古新聞などを使えば使い捨てポイで済みますし、100円ショップでブルーシートなどを購入すれば何度も使えるかと思います。
メンテナンススタンド
メンテナンススタンドがあれば作業が捗ります。
僕自身はシャフトをサンドするタイプのメンテナンス台とディスプレイ用のフックが付いスタンドを所収していますが、チェーン洗浄の際にはフック式の自転車スタンドを使用しています。
メンテナンススタンドよりもフック式のスタンドの方が、ゴシゴシと擦った時にも安定していて扱い易いのです。
パーツクリーナー
チェーンの汚れを落とすにはパーツクリーナーを使用します。僕が使用しているパーツクリーナーはWAKO'SのパーツクリーナーBC-8です。
以前は別のメーカーの安いディグリーザーを使用していたのですが、あまりに汚れが落ちないので評判の良いWAKO'Sのパーツクリーナーに変えてみたところ、驚くほど汚れを落とすことができ、それ以来、チェーン洗浄にはWAKO'Sのパーツクリーナーを使用するようになりました。
ちなみにWAKO'SのパーツクリーナーのBC-8は中乾性なので、固着して少々頑固な汚れもパーツクリーナーを吹き付けて少し時間を置けば、しっかりと油汚れに浸透して綺麗に落とすことができます。
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ウエス
チェーンにめがけてパーツクリーナーをそのままプシューッ!とやってしまうと、パーツクリーナーが飛び散ってしまうのでウエスでカバーします。
ウエスは使い勝手が非常に良い日本製紙クレシアの不織布であるワイプオールを使用しています。丈夫で何度も使用できるほか、毛ぼこりなども出ないのでチェーン洗浄では非常に便利です。
チェーン洗浄の方法
パーツクリーナーを吹き付ける
汚れたチェーンにパーツクリーナーを吹き付けます。
注意点は、そのまま吹き付けてしまうと周囲に飛び散ってしまいます。パーツクリーナーはアルカリ性なのでフレームの塗装などに対して攻撃性がありますから、パーツクリーナーが飛び散らないようにチェーンの奥にウエスをセットするなどして対策した方が良いでしょう。
室内作業であれば、換気も大切ですし、僕がやってしまった失敗としては、フローリングの上にパーツクリーナが垂れてしまいそのままにしてしまったことです。フローリングのワックスも油分なのでパーツクリーナで落ちてしまい、結果としてフローリングを傷めてしまいました。
ウエスで汚れを拭き取る
パーツクリーナーを吹き付けると、チェーンがあまり汚れていないように見えても、ウエスはみるみる黒くなっていきます。
軽度な汚れの場合はパーツクリーナーを吹き付けてすぐに拭いても落ちますが、固着してしまった油汚れなどはパーツクリーナーを吹き付けてから5分ほど後に拭き取るのが良いかと思います。
チェーンの汚れを完璧に落とそうと思うと、灯油を入れたペットボトルの中にチェーンを入れてシェイクするなどの方法がありますが、灯油の処分の手間がありますから個人的にはやったことがありません。
一通りゴシゴシしてチェーンの汚れを落としたら、しばらく放置してパーツクリーナーを乾かします。パーツクリーナーは揮発性のものがほとんどなので、しばらく放置しておけば気化します。(温度によっても変わります)
作業尾注意ポイント
パーツクリーナーは樹脂や塗装を傷めてしまう性質があるので、いくら油汚れが落ちるからと言ってフレームをパーツクリーナーで洗浄してはいけません。フレームはフレーム用の洗剤か、食器などを洗う中性洗剤を使うのがベストです。ブレーキシューなどに対してもパーツクリーナーの使用は厳禁です。
潤滑油(チェーンルブ)で仕上げる
パーツクリーナーが乾いたら、チェーンは油分が無いカラカラの状態なので注油します。
僕はパーツクリーナーと同じくWAKO'Sの浸透性チェーン用防錆潤滑剤であるチェーンルブを使用しています。
チェーンルブの「ルブ」は潤滑油の意味で、通常はlube oilなどで表記します。つまりはチェーンオイルってことで、チェーンオイルもチェーンルブも同じ潤滑油ということになります。
メーカーや製品によって成分は違ってくるとは思いますが、基本的には、潤滑油の他に防錆材や酸化防止剤などが含まれていて、チェーンに優しい成分になっています。
チェーンルブ、チェーンオイルの選び方のポイント
チェーンルブ、チェーンオイルには粘度に違いがあり、粘度の違いでチェーンの汚れ方も変わってきます。
粘度の高いチェーンルブ、チェーンオイルを使用すると効果が長持ちするので、それほど頻繁に注油する必要はありません。
しかしながら粘着度が高いので、砂埃やゴミが付着しやすく、すぐにチェーンが真っ黒になってしまいます。しつこい汚れの場合だと固形化して固着してしまうこともあります。
逆に粘度の低いチェーンルブ、チェーオイルを使用するとゴミが付着しづらくなるので、チェーンを綺麗な状態で保ちやすくなります。ただし、潤滑効果は長続きしないので100km程度の走行でマメに注油をする必要があります。
粘度の低いチェーンルブで代表的なものはフィニッシュラインというメーカーのセラミック ワックス ルーブかと思います。
チェーンを拭き取る
チェーンに注油をした後は、オイルが飛び散ったり、滴ったりしないように余分な油をウエスで拭き取ります。
これでチェーン洗浄に関する基本的な作業は終了します。
チェーンはマメに洗浄して注油してあげることで、チェーンの性能もしっかりと発揮されるようになりますし、チュラララと心地よい音色を奏でてくれるようになります。
新車のような気分が味わえるのもメンテナンスする喜びだったりするので、自転車メンテナンスの基本としてしっかりと励行していきたいですね。
コスパのことを気にしなければPARKTOOL(パークツール)のサイクロン式チェーンクリーナーなどもしっかりと汚れが落とせるのでおすすめです。
PARKTOOL(パークツール)のサイクロン式チェーンクリーナーについてのレビューは下記の記事を参考にしてください。