ロードバイクやクロスバイクに乗り始めて以来の僕の悩みはチェーンが真っ黒く汚れてしまうことでした。
チェーンが汚れてしまうのはある程度は仕方がないものだと諦めていましたが、周りのロードバイクを見ると、新品のようにいつもピカピカなチェーンだったりするのです。
僕よりもずっと長距離を走っているはずなのに、どうしてチェーンがいつもピカピカで綺麗な状態なのかとても不思議でした。
チェーンを綺麗なままに保つにはちょっとしたことに気をつけるだけで良いのですが、誰かに教えてもらえるわけでもありませんし、メンテナンスブックなどに書かれているわけでもないので、独学ではなかなか気付くことができない部分かもしれません。
そこで、チェーンを綺麗な状態に保つ方法について解説しておきます。
自転車のチェーンは汚れるのが普通
ロードバイクやクロスバイクのチェーンはどうしても汚れます。道路を走れば否応無しに埃やゴミが付着します。チェーンが汚れてしまうのは仕方ないことと諦めるしかありません。
なので、いかに汚れが付かないようにするか、どのように汚れを落とすかというところが重要になってきます。
チェーンを綺麗な状態に保つためにできること
● チェーンを汚れづらくする
● チェーンの汚れを落とす
自転車のチェーンを汚さないための工夫
自転車のチェーンが汚れてしまう原因にはチェーンオイルの質が大きく関係しています。
実はチェーンオイルは一種類だけではなく、用途に応じて使い分けるために性質の違うオイルが数種類あるのです。
チェーンを汚さないためには粘度の低いドライ系のチェーンオイルを使用する
チェーンを綺麗に保つために注目したいチェーンの特徴として「粘度」があります。
粘度が高いとチェーンオイルはトロみのある性質があり、逆に粘度が低いとサラサラとした水のような性質になります。
いずれも、チェーンの潤滑を良くするためのものではありますが、この粘度の性質の違いがチェーンの汚れに大きく関わってきます。
粘度が高いウェット系チェーンオイルだとゴミを拾い集める
粘度が高いウェット系チェーンオイルだと、チェーンにしっかりと留まって潤滑効果が長続きする特徴があるので、注油する回数が少なく済むなどのメリットがありますが、反面、ベトベトした性質なので汚れを拾い集めてしまうという特徴もあります。
そのため、チェーンがすぐに黒く汚れてしまう原因になります。
また、チェーンだけではなく、スプロケットやチェーンリング、プーリーなどの他のパーツも汚してしまい、汚れと一緒に固着してタール状の頑固な汚れに変わってしまうこともあります。
僕は過去にチェーンオイルに粘度の違いがあることを知らずに粘度の高いチェーンオイルを使用していたことがありますが、たった数十キロの距離を走っただけでもすぐにチェーンが真っ黒になります。
固着したチェーンオイルが原因で異音が出るなどの不具合が発生したり、大変な思いをしました。
粘度の低いドライ系のチェーンオイルを使用する
粘度の低いドライ系のチェーンオイルを使用すると、埃やゴミが付着しづらく、チェーンも綺麗な状態に保ちやすくなります。
もちろん全く汚れないというわけではないですが、ウェスで軽く拭き取る程度で汚れを落とせるので、ウェット系のチェーンオイルを使用するよりもずっと楽に清掃ができます。
ドライ系のチェーンオイルについては下記の記事でまとめているので参考にしください。
ちなみに僕が使用しているのはフィニッシュラインのセラミッワックスループです。
自転車の保管場所を考える
自転車の保管場所もチェーンを汚れには大きく関係してきます。
屋外で雨ざらしは論外ですが、屋根付き駐輪場でも屋外で保管する場合はどうしてもホコリが多くてチェーンが汚れてしまいます。
可能ならば自転車は室内保管するが理想です。
室内保管ができれば、チェーンや自転車自体が汚れづらくなるだけでなく、注油などのメンテナンスもしやすくなりますし、自転車の盗難のリスクも下げられるので、室内保管が可能な人は是非、自転車の室内保管をおすすめします。
室内保管では、スペースが問題になりますがスペースをとらない縦置きタイプのスタンドがあるのでおすすめです。
サイクルロッカー(CycleLocker) 室内用縦置き自転車スタンド クランクストッパースタンド CS-650 (BLACK)
自転車チェーンの汚れを落とす
走行後のチェーン清掃
ドライ系のチェーンオイルを使用したり自転車を室内保管したとしてもチェーンは汚れてしまいます。
また、汚れは放置しておくと落ちづらくなってしまうので、こまめにチェーンを清掃することがチェーンを綺麗に保つポイントになります。
理想的にはサイクリングから帰宅したら、ウェスでチェーンを拭き取ることができれば最高です。それをするだけでもチェーンの汚れ方が大きく変わります。チェーンへの注油ついでの作業でできることだと思うので、習慣付ければかなり有効です。
毛ぼこりの出ないウェスを使用する
チェーンを清掃する際に気をつけたいのが、毛ぼこりなどが出るような布で清掃してしまうと、逆にチェーンを汚してしまうことにもなります。
そこでおすすめしたいのが、使い捨てできる紙でできたウェスのワイプオールです。丈夫で何度も使えて経済的ですし、毛ぼこりも出ないので自転車のメンテナンスでは大活躍してくれると思います。
ワイプオールについてのレビューは下記の記事で詳しく記事化していますので参考にしてください。
定期的なチェーンの清掃
自転車チェーンの基本的な清掃は走行後に「ささっ」と拭く程度で良いと思いますが、チェーンの奥まで入り込んだ汚れなどは取れません。
なので、定期的にパーツクリーナーなどを使用してしっかりとクリーニングすると良いでしょう。
パーツクリーナーのメーカーとして有名なのはWAKO'SでBC-8かSUPER JUMBO PLUSが良いと思います。
WAKO'Sのパーツクリーナーの種類や特徴については下記の記事でまとめています。
ワコーズ BC-8 ブレーキ&パーツクリーナー8 中乾性タイプのブレーキ・パーツ洗浄スプレー A188 650ml A188 ...
チェーンの丸洗い
チェーンを清掃する際は、チェーンを自転車から外した方が圧倒的に清掃しやすくなるので、ミッシングリンクやクイック・リンクなどと呼ばれるチェーンのコネクターを使用するとチェーンの着脱がしやすくなります。
チェーンを自転車から外せばチェーンの丸洗いができるようになります。
昔から行われているポピュラーな方法は、2リットルのペットボトルの中にチェーンとパーツクリーナーや灯油などを入れてガシャガシャと振ることで汚れを洗い流す方法です。見た目からは信じられないくらいの真っ黒い汚れがチェーンから出てくるので、とても気持ち良い方法でもあります。
また、チェーンを丸洗いするチェーンギャングのような専用の道具もあるので、チェーンを綺麗に掃除したい場合はおすすめです。
チェーンギャングについては下記の記事で解説しています。
自転車のチェーンを綺麗な状態に保つ方法まとめ
ロードバイクやクロスバイクの走りを快適に保つためには、日頃のメンテナンスが非常に大切になってきます。
そのメンテナンスが行き届いているかのバロメーターとも言えるのがチェーンの状態で、街で見かけるロードバイクやクロスバイクのチェーンを見た時にピカピカだと「ちゃんと手入れされてるなぁ」と感心しますし、真っ黒だったり、赤く錆びついてキュラキュラと不快な音を立てていたりすると「勿体ないなぁ」と思ったりもします。
実際問題で、チェーンの状態はピカピカで気分が良いだけでなく走行性能に大きく影響するので、しっかりと日頃からメンテナンスをしておきた方が良いでしょう。