電動アシスト自転車(e-Bike)事情についてまとめています。
電動アシスト自転車と言えば、日本では子乗せ自転車やシティサイクルが主だった種類という印象ですが、欧米ではマウンテンバイクやロードバイクなどのスポーツサイクルでも電動アシスト自転車が多く販売されていて、大手のロードバイクメーカーでも当たり前のようにe-Bikeのカテゴリが存在します。
とは言え、スポーツサイクルで電動アシスト自転車のパイオニア的な存在と言えば、ヤマハのYPJシリーズで、新しいスポーツサイクルの価値観を提供する自転車として2015年にセンセーショナルに登場しました。
しかしながら、第一弾として発表されたYPJ-Rは多くのサイクリストから酷評の嵐で「ロードバイクに電動アシストなんて意味が分からない」「ヤマハが馬鹿なものを発売した」などと全く受け入れられる感じはありませんでした。
そんな酷評とは裏腹に、ヤマハはしっかりとマーケティングをしていたようで、ガチなサイクリストを除いた多くの自転車愛好家に受け入れられたようで、その後も順調にクロスバイクやマウンテンバイクなどをリリースしてYPJは電動アシストスポーツバイクを代表するシリーズとして展開されています。
その後は、世界的にもスポーツバイクでの電動アシスト自転車の需要があったのでしょう、ヨーロッパの老舗ロードバイクメーカーを含む多くの自転車メーカーが続々と電動アシストスポーツバイクを展開するようになるなど、電動アシスト自転車(e-Bike)は一台ジャンルとなりました。
このページでは、そんな電動アシスト自転車(e-Bike)事情についてまとめています。
電動アシスト自転車(e-Bike)に関する記事一覧
参考 海外の電動自転車の上限速度など
参考 電動自転車に乗って気づいたこと
参考 e-bikeの素晴らしさを語る
参考 ヤマハのYPJってどう?
参考 メカニカルドーピング事情
参考 VIVAX assistについて
参考 電動アシスト自転車のバッテリー容量と走行距離の目安
参考 電動アシスト自転車のバッテリー容量Ahと電圧Vとワット時定格量(Wh)について
ヤマハ YPJシリーズについて
まずは、電動アシスト自転車(e-Bike)のパイオニア的存在のヤマハの電動アシスト自転車についてまとめています。
先にも書いたように、発表当初はガチなサイクリストから酷評の嵐でしたが、いざ蓋を開けてみると、体力差のある人とのサイクリングでも一緒に自転車を楽しめたり、坂道などの辛い部分の負荷を軽減して、純粋に自転車に乗る楽しさを追求できる新世代の自転車として多くの人に受け入れられているようです。
2024年現在ではロードバイクからマウンテンバイク、シクロクロスなど4ジャンルもの横展開がされるほどの人気のスポーツバイクになっています。
それ以前まではスポーツバイクに電動アシスト機能を付けるという発想すらも無かったと思われますが、その後はヨーロッパの老舗メーカーを筆頭に、様々な自転車メーカーから電動アシスト付きスポーツバイクが開発されるようになり、今では一大ジャンルとして自転車メーカーの稼ぎ頭として君臨するほどにまで成長しています。
現在のような状況が訪れることになろうとは、YPJ-Rが発売された当初は誰一人として予想していなかったでしょう。
現在、世界的にも電動アシスト機能付きのスポーツバイクが広く普及してしる状況があるのは、きっとYPJシリーズがあればこそという気がしないでもありません。
YPJシリーズは-Bikeを語る上では避けては通れない存在です。
下記の記事ではそんなヤマハ YPJシリーズについて解説しています。
海外の電動アシスト自転車について
海外の電動アシスト自転車事情は日本の電動アシスト自転車事情とは大き異なっている部分があります。
日本では、電動アシスト自転車と言えば親子自転車やシティサイクルと言えるくらいにママチャリが主流になっていますが、海外ではスポータイプの自転車に電動アシスト機能が備わっていることが多いなと感じています。
ドイツやアメリカに訪問した際に立ち寄った自転車の量販店でも電動アシスト付きのスポーツバイクが大量に陳列されていて、その種類の多さに驚かされたりします。
さて、そんな海外の電動スポーツバイク事情ですが、日本とは性能的な部分で異なります。
その代表的な違いの一つがアシスト機能の上限速度です。
道路交通法の関係上、日本では24km/h以上になるとアシストが切れる仕様になっているのですが、海外のほとんどの国では25km/h以上になっているのです。
電動アシスト自転車を世界で一番最初に開発したのがヤマハで、24km/h規制も同じ時期に出来ているので、25km/h規制は単なる偶然と思われますが、この規制があるために、海外メーカーの電動自転車は日本には輸入しづらい状態になっているのは間違いないでしょう。
結果的に日本の電動アシストメーカーを助ける形となり、ガラパゴス化しているような感じさえあります。
海外には様々なタイプの電動アシスト自転車があり、価格も日本の電動アシスト自転車と比べると安いものが多いように思えるんですけど、24km/h規制があるために、そのまま輸入できないという事情が絡んでいたりするのですよね。
いっそ24km/h規制を改正して25km/hにした方が、海外の電動アシスト自転車もそのまま輸入させられるようになるので、調子が良いのではと、個人的には思ったりもするのですが。。。
そんな海外の電動アシスト自転車事情について、下記の記事でまとめていますので参考にしてください。
電動アシスト自転車ってどうなの?
ヤマハYPJが発売になった当初、ガチなサイクリストからは「バカバカしい」というような感想が溢れました。
かく言う僕自身も、電動アシスト機能を備えたロードバイクなどに対して否定的な考えを持っていました。
スポーツバイクはおろか、一般自転車でさえ「電動なんかに頼らなくても良いだろうに」と思っていて、アシストの必要なのは老人などの足腰が衰えた人だけで十分だと思っていたのでした。
そんな我家にも、子供を保育園や習い事に送迎するために自転車が必要となり、どうせ購入するのであれば「電動アシスト自転車が良いだろう」ということで、電動アシスト自転車を購入しました。
そんなこともあり、それまで乗らず嫌いだった電動アシスト自転車に乗ってみたわけですが、実際に電動アシスト自転車に乗ってみると、今までの否定的な気持ちが「あれ?電動アシスト自転車って意外と楽しくて良いかも」と思えるようになりました。
まず、電動アシストが効くと言っても、原付バイクなどのように自動で走るものではなく、ペダルを踏まなければ走行できないので、アシストがあると言っても普通の自転車で平地を走行しているくらいの負荷があるわけです。
坂道でもそれなりに踏み込まなければいけないので「電動アシスト自転車=完全楽ちん自転車」ではないわけです。
長い坂道になれば、それなりに息切れしたりもするので、運動にも使えます。
電動アシスト機能付きの自転車は、自転車に乗る人の体力差をアシスト機能で埋めることが出来るので、体力差のある人たちが一緒にサイクリングを楽しむことができる自転車なのです。
体力とある人と、体力に余裕が無い人とが互いにハンディを付けながら一緒に同じコースのサイクリングを楽しめるというのは、非常に価値があるものと思います。
そんなわけで、電動アシスト自転車に実際に乗った結果として、電動アシスト自転車のメリットに気がつくことができたので、電動アシスト自転車を否定する気持ちはなくなり、「これはこれで必要な自転車のジャンルだな」と思うようになりました。
下記の記事では、僕が電動アシスト自転車に乗って気づいたことや、素晴らしいと思ったことなどについてまとめています。
メカニカルドーピング
電動アシスト自転車の進歩とともに、問題となり始めたのが、自転車レースで電動アシストを使用した違反であるメカニカルドーピングです。
その名の通り、電動アシストする動力源をフレーム内部などに組み込んで表向きには分からない状態にした電動アシスト自転車を自転車レースで使用することをメカニカルドーピングと呼びます。
一般的な電動アシスト自転車の場合、バッテリーをダウンチューブかシートチューブに収めたりすることが多いので、極端にフレームが太くなったりして見た目が不自然になりますし、ドライブ部分も特徴的な形状になるので、外観からもすぐに電動アシスト自転車だと判別できます。
さすがにそのような自転車はレースに使用することができません。
レースなどでメカニカルドーピング用として使用される自転車は、フレームの中に駆動部とバッテリーを組み込んでいて、見た目からは全く判断できないようなものが使用されます。
特に有名なのがVIVAX assitと呼ばれるもので、実際にこのシステムを使用したメカニカルドーピングが行われたケースもあります。
メカニカルドーピングについては下記の記事で詳しく解説しています。
技術の進歩など、なかなか面白い部分もあるので、是非読んでみてください。
スポーツバイクメーカーの電動アシスト自転車最新情報
ヤマハが電動アシスト自転車YPJ-Rを発売して以来、YPJシリーズとして順調に種類を増やしていることからも察することが出来る通り、今では電動アシスト機能付きのスポーツバイクは、新しいスポーツバイクのジャンルの一つとして確固たる地位を確立しています。
そして、有名スポーツバイクメーカーも競うように電動アシスト機能付きのスポーツバイクを販売していますし、近年ではオートバイのような見た目の新しいジャンルの自転車も街なかで見かけることが多くなり、どんどん進化をしているのが伺えます。
電動アシスト自転車は、もはやママチャリやシティサイクルだけではなく、自転車業界的にも今後最も注目と期待を集めるジャンルだと思います。