中国製の激安商品をネットショップでよく見かけます。
自転車用品はもちろん、自転車用品以外でも激安な中華製品が沢山見つかります。
相場からすると、信じられないくらいの安い値段で販売されていたりするので、気になった製品は僕自身も購入することがよくあります。
以前は「中華製の激安製品=粗悪品」という感じで、ひと目で低品質な製品と判るゴミのようなものが多かったと思います。
しかし、2016年くらいを境にして激安中華製品全体の品質が向上し、有名メーカー製の製品と比べても遜色ないように見える製品が増えてきました。
そんなわけで一時期は「もう有名メーカー製にこだわらなくても良いな」「激安中華製でも十分だな」「このままだと激安中華メーカーに追いやられて日本メーカーヤバイな」と考えるようになりました。
しかし、しばらく使用してみると「やっぱり中華製の品質だな」「値段相応だな」と思わされてしまうこともあり、ただ安いからという理由だけで購入するのはやめたほうが良いなと思うようになりました。
そんな激安中華製品にまつわる僕の経験を踏まえながら思うことを書いてみたいと思います。
激安中華製品について
あらゆるジャンルで見かける無名メーカーの激安商品
アマゾンなどのネットショップで欲しいものを探していると、激安な中華製の製品がたくさん見つかります。
自転車用品でも激安中華製品がズラズラと表示されます。
例えば、自転車用ライトやワイヤーロック、サイクルコンピューターなどで検索すると、ものすごい数の激安中華製品が表示されるのです。
● 自転車ライト
● ワイヤーロック
● サイクルコンピューター
以前は、自転車用ライトと言えば「CATEYE」や「LEZYNE」「GENTOS」「knog」あたりが定番メーカーでした。
サイクルコンピューターなら「CATEYE」や「GARMIN」「POLAR」あたりが定番メーカーで、それ以外のメーカーはほとんど見つかりませんでした。
しかし、2016年くらいからネットショップには聞いたこともないようなメーカーやブランド名の中国製と思われる製品がズラズラと表示されるようになりました。
いまでは激安中華製の方が、有名メーカー品よりも多く表示されるようになっているほどです。
激安中華製品の特徴
そららの激安中華製品は下記のような特徴が挙げられます。
● 聞いたことがないメーカー名やブランド名
● メーカー名やブランド名で検索してもメーカーサイトが無い
● メーカー名やブランド名が違うけど同じようなデザインの製品が多い
● 商品説明の日本語がどこか変
● 価格が異常に安い
その他
● やたらとレビューが多い
● 日本語がどこか変。
● レビューの内容が似通っている。やたらと「コスパ」を強調する。
なども特徴として挙げられるかもしれません。
「本当にこんな値段で大丈夫なのかな」と、購入する側が逆に不安になるくらいの低価格で販売されているものが多く、一般的な製品価格の相場に比べて、非常に価格が安いというのが最大の特徴です。
中国企業や個人が日本のネットショップへ進出したことによる氾濫
これらの激安製品の販売元は、中国企業や中国の個人が、日本で製品を販売するために日本のネットショップに出店しているものと思われます。
それらの出店者の多くは、製造メーカーではなく、小さな企業や個人レベルの「セラー」が、何かネットで売れそうなものを適当に見繕って、販売しているような感じです。
中国の工場として有名な「深セン」などに行けば、有象無象の電化製品などを大量に扱うセラー向けの市場があり、そこらで仕入れた製品に適当なメーカー名やブランド名を付けて販売するということが簡単に出来るようなシステムが存在します。
簡単に言えば「OEM」ですが、大手メーカーが絡むような大規模なものではなく、個人レベルのセラーでも出来てしまうような小規模なOEMも存在するわけです。
例えば、製品にブランドロゴを印字したりするのは当たり前で、パッケージに関してもデザインテンプレートがあり、メーカー名や製品名だけを差し替えられるようになっていて、あたかもオリジナル製品のように販売できるというわけです。
そのため、製品の見た目や性能が同じにも関わらず、メーカー名やブランド名が違う製品がズラズラと並ぶような現象が起きてしまうのです。
そのようなシステムがあること自体は悪いことではありませんし、仕入先の製品がしっかりとした品質であれば全く問題もありません。
むしろ、中国から激安な製品が押し寄せてくるのは、消費者としては選択肢が増えるということで歓迎すべきことなのかもしれません。
激安中華製品を買い続けた結果
私は今までいろいろな激安中華製品を買ってきました。
その結果、いろいろと思わされることもあったので、その点について書いてみようと思います。
製品の質感は良くなったが詰めが甘い
製品の質感やデザインなどは、一昔前のあからさまな中華製品に比べれば、飛躍的に良くなっていると思います。
プラスチックの成形ムラもあまり見られなくなりましたし、粗悪なものだとひと目で判るレベルの製品に出会うことも少なくなりました。
化粧箱などは、Appleの製品を思わせるような、キレイな化粧箱に入ってくることも少なくありません。
たかが製品を入れる箱と言っても、箱の形や組み立て方によってコストが大きく変わったりもするので、メーカーとしてはコストを掛けたくない部分ではありますが、激安商品なのに、コストのかかる化粧箱が使用されていたりすること珍しくありません。
そんなこともあって「十分に品質が整っているな」と感じることも多くなったので「メーカー品にこだわらなくても良いかも」と思うようになったわけです。
しかし、そんな製品でも「あぁ、やっぱり中華製品だな」と思わされる部分があります。
せっかく製品本体の質感は良くても、付属品でガッカリさせられることが非常に多いです。
ボルトや留め具、ブラケットなどの「付属品」になると途端に質感が悪くなり、以前の粗悪な中国製品でよく見られた質感だったりするのです。
アパレル製品の場合だと縫製のほつれがあったり、細部までのこだわりが感じられません。
激安中華製品は壊れる率が非常に高い
見た目では、ずいぶん改善された感じのする激安な中華製品ですが、日常的に使用していると、ほんとによく壊れます。
僕の経験だけでも下記のようなことがありました。
● ライトが点かなくなる
● スマートウォッチのバンドの留め金が簡単に折れる
● 工具が折れる
● パーツが取れる
電子製品で動作不良が起きるのは「しょうがないな」と思ったりもするのですが、アナログ製品でも何度か使用していると有り得ない部分がポロリと取れたりするのです。
恐らく、まともな製品検査はされてないんじゃないかと思えるレベルの壊れ方をするのです。
この中華品質の理由については、以前、中国で安い製品を製造する会社の方と話す機会があったのですが、その時に伺った話では「激安な製品の場合はほとんどは検査らしい検査は行われていない」とのこと。
また、生産が終了して価格が下がったたり、廃棄されるような電子部品を大量購入して、新しい製品を製造するようなやり方をするので、最初に確保したパーツが尽きてしまえばそれで生産終了となり、増産することはハナから考えられていないものがほとんどとのこと。
つまり、そのような製品は全て「ファーストロット」になるわけですが、一般的にファーストロットの場合は不良率がかなり高くなります。
ファーストロットの場合の不良率は「1/10程度を目安に考えた方が良い」とも言われました。
つまり、10個に1個は不良品というわけです。
もちろん不良率は製品の種類や複雑さによっても変わってくるものと思いますが、サイクルコンピューターやスマートウォッチなど、精密機器になれば、もう少し不良率は高くなのではと思います。
そんなわけで、激安な中華製品は「壊れやすい」というか、「元々の不良品」が多く流通しているのかなと思います。
激安製品には理由がある
ただし、このあたりは仕方ない理由もあります。
通常「セカンドロット以降」は、不具合の修正なども行われることから、製品の不良率もかなり低くなるようです。
しかし、激安製品を製造する側の都合もあります。
セカンドロット以降を増産できるような体制を整えるには「型落ち品」「製造停止品」ではなく現行の電子部品を使用する必要があります。
そうすると、安く部品を買い集めることができなくなりますし、一般的な検品をしたりすると、その分コストが高くなるわけですから、安く供給することができなくなります。
そのため、検査はしないという選択肢を選ぶことになるのでしょう。
製品サービスへのポリシーの違い
製品を販売する立場からすると、不良品率が高いと、クレームや製品評価の低下=ブランドの失墜が怖いと思うのが日本の感覚です。
なので、いい加減な製品を販売している中国方式が不思議でしょうありません。
そのあたりの事情に関して、中国製品の輸入ビジネスをやっている方に聞いたことがあります。
実は、激安な製品の場合は、クレームはほとんど無く、クレームが来た場合は「交換」か「返金」すれば解決するのだそうです。
この点については、製品管理のポリシーの違いも関係してきます。
日本メーカーであれば、出荷前に問題がないように、事前に検査するのが普通ですが、中国の場合は、出荷後に文句を言われてから対応するような文化があるのです。
実際問題で、ユーザーが使用している際に不具合が発生しなければ不良品ではないですから、検査して無駄に不良品を発見したりする必要はないと考えることもできます。
また、製品に不良が見つかった場合も、「どのような状況で壊れたのか?」などを聞かれることはなく、すぐに返品交換対応をしてくれる場合がほとんどです。
日本のメーカーの場合は、よほどのことがない限り、返品をする習慣はあまりありませんが、外国の場合は文化的に使用済みのものでも「気に入らなかった」などの理由でも、平気で返品を要求したりもするというのがあるので、日本的なやりかたをしているとうまく行かないケースが多くなります。
信じられないような理由でもまかり通ってしまうので、返品に対するハードルは低く、中華メーカーに限らずで返品の対応自体もゆるい場合が多いです。
なので、不具合があった場合には、すぐに販売元に連絡すれば、柔軟な対応をしてくれるものと思います。
激安中華製品のスペックはあまり信用できない
激安な中華製品でも、ハイスペックな製品が多く見つかります。
しかし、残念ながら「スペックは信用出来ない」と思って間違いないでしょう。
例えば、自転車用ライトを例に挙げてみると、どう見ても同じ製品なのに、メーカーやスペックが違っている製品が多く見つかります。
或る製品のスペックは700ルーメンなのに、別の同様の製品では1300ルーメンなどと表記されていたりするのです。
明らかに光量が低いにも関わらず、スペック的には明るく表記されている製品が沢山見つかります。
ライトの明るさのように、調べる方法によって基準が変わってしまうようなものや、個人で調べるのが難しようなスペックについては、全く信用出来ないと思った方が良いかもしれません。
ちゃんとした製品は中華製でもそこそこな値段になる
中華製品が全て品質が悪いかと言えばそうでもありません。
世界の製品のほとんどは中国で生産されていますから、一般的なメーカーの製品のように品質管理をしっかりとすれば、ちゃんとした製品も製造できるのです。
最近では日本メーカーも驚いてしまうような、高品質な製品を製造する中華メーカーもちょこちょこと登場しています。
例えば、ドローンのDJIなどはその代表でしょうし、カメラ機材のleofoto(レオフォト)などは日本メーカー以上に品質にこだわった製品を製造するメーカーとして知られるようになってきています。
大手メーカーがやらないような細かい部分にまでこだわっていたりして、一般の製品よりも遥かに品質が良くなっていると感心させられることも多くなりました。
しかし、ちゃんとした製品は中国製でも高くなるんですよね。
上記のLeofotoの製品を例に挙げると、価格はスタンダードな三脚で5万円近くします。
これは三脚のトップブランドであるGITZO(ジッツォ)などとも肩を並べる高価格帯です。
つまるところ、中国製でもこだわれば日本製と同様のクオリティ、あるいはそれ以上のクオリティの製品を作ることが出来るというのが実際のところではありますが、素材や製法にこだわり、精度が高い製品を造ろうと思うと必然的に製造コストも高くなります。
もちろん歩留まりも悪くなるので、中国製と言っても価格は日本製と同様、あるいはそれ以上になってしまうのです。
逆を言えば、中華製でもそれなりの価格の製品であれば、ある程度の品質は約束されていると言えるかもしれません。
やっぱり値段相応、安かろう悪かろうの世界なのです。
まとめ
いろいろなジャンルの激安中華製品を購入してきた結果として、実際に購入いsた結果、ものすごくお買い得なものもあるのも事実ですし、全ての製品でトラブルがあるわけではなく、何のトラブルもなく使用し続けられるものももちろんあります。
なので、一概には言えないところはありますが、「安かろう悪かろう」「安物買いの銭失い」というのは否定できないところかと思います。
なので、以前は、良い製品があると人に勧めたりもしていましたが、今では一切におすすめしたりしなくなりました。
特に、ここ最近購入したものに関しては立て続けに不具合が出てしまったので、愛着を持って使用し続けるものや、精度や品質が求められるものに関しては定評のあるメーカー品を購入するようにして、あまりこだわりのない消耗品的なものを購入する時だけ激安中華製品を選ぶようになりました。
買っても良いもの・買わない方が良いもの
そんな感じの中華製品なので、買って良いものと、買わないほうが良いものがあります。
メーカー品でも激安中華製品でも、ワイヤーロックなど構造が単純なものに関しては、特に品質に不安を感じることは少ないように思います。
むしろメーカー品よりもしっかりした印象の製品が見つかることも珍しくありません。
逆に、精密機器や精度がもとめられる製品、耐久性を求めるようなものは絶対に手を出してはいけないものだと思います。精度や耐久性は激安中華製品の対局にあるものだと思います。
そういう意味では。激安中華製品には「買って良いもの」と「買わない方が良いもの」がハッキリしているので、製品の特徴を踏まえつつ購入を検討するのが良いと思います。
買って良いもの
● 精度や品質は問わないもの
● 使い捨て、消耗品
● アパレル系(ウェアやバッグなど)
● ワイヤーロック
買わない方が良いもの
● 命を預かるもの(ヘルメットやメインパーツ)
● 精度が必要なもの(工具類)
● デザイン性を求めるもの
● 耐久性が必要なもの
私、個人の意見としては、激安中華製品を完全否定するものではなく、激安製品は激安製品でその存在価値がありますから、壊れやすい、精度が無い、品質が安定しない、などの製品の特徴さえ理解していれば利用価値は十分あるものだと思っています。
例えば、「スマートウォッチ」が自分にとって必要かどうかよく分からなくて悩んでいるならば、3,000円程度のスマートウォッチを購入してみればよいのです。
安価なものでもそこそこまともに動作してくれると思いますから、高価なメーカー品が自分にとって必要か不必要かを判断するには十分だと思います。
そんな感じで試用目的で購入するのには、激安中華製品は活用しやすく大変ありがたい存在です。
結論を言えば、ほとんどの製品は値段相応で「お値段以上」ということはあまりありません。
要するに、用途と品質を理解していれば、故障や不具合があったとしても、許容範囲として受け入れることが出来ますし、過度な期待をしなければそれなりの使用できるものも多いですから、選択肢の一つと考えて、上手に付き合って行くのが良いかなと思います。
個人的にはサイクルウェアなどはブランドロゴがデカデカと入っているものや、派手なデザインは苦手なので、激安中華製品のもののほうが無地だったりして、選択肢も多くて好きだったりします。
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