クロスバイクやロードバイクに乗っていると、時々、股間が痺れてしまうことがあります。
自転車乗車時の股間の痺れは、サドルで尿道が圧迫され、血行が妨げられて、血行不良になることが原因と思われます。
股間が痺れると、それはそれで何となく気持ち良かったりもするわけですが、そのままで放置しておくと、いわゆる「自転車ED」と呼ばれるような、自転車が原因のEDになってしまうとも言われていたりもします。
痺れるほど圧迫されるということは、股間への負担が大きいわけですから、ロングライドで長時間自転車に乗るような人などの場合は、股間へのダメージを考えるとEDの原因になったとしても不思議ではありません。
僕の場合は、長時間のロングライドをすることはほとんどありませんが、それでも股間が痺れることがあります。
大切な部分に負荷が掛かっていると思うと、安心してサイクリングを楽しむこともできません。
そんなわけで「どうすれば股間の痺れを解消できるか?」について調べてみたところ「サドルを変更すると改善されることがある」との情報を得たので、自転車EDの予防のために、股間の痺れ対策として新しくサドルを交換しました。
どのサドルにするべきか悩みましたが、サドルによる尿道の圧迫について調べた結果、サドルの一流メーカーでもあるFizik フィジークのVERSUS バーサスシリーズが良いという情報を得たので、早速「ARIONE アリオネ」と呼ばれるタイプのサドルで、バーサス仕様になっているサドルを購入して使用してみることにしました。
股間の痺れ解消には穴開きサドルと溝有りサドルがおすすめ
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股間が痺れてしまう理由は、前傾姿勢などで尿道がサドルによって圧迫され、血流が悪くなってしまうからと考えられています。
そんなことから、自転車EDが話題になった頃から、股間の痺れを解消するために、圧力のかかる股間部分に穴が開いていたり、溝が付けられていたりするサドルが多く出回るようになりました。
股間部分に穴や溝を作ることで、尿道を圧迫されないようにしたもので、これらのサドルを使用することにより、サイクリング時の股間の痛みや痺れから解放されたという感想を多く見かけます。
穴開きサドルと言えばセラSMPが代名詞的な存在ではありますが、価格が高いのと、デザインが独特なので、導入に躊躇してしまう人も多いかもしれません。
近頃は中国の聞き慣れないメーカーなどからも、穴開きタイプや溝有りタイプのサドルが販売されていて、価格も2,000円程度から選べるので、昔に比べると随分お気軽にお試しが出来るようになったと思います。
Fizikフィジーク溝有りサドルのVERSUS
個人的にはSMPの穴開きサドルのデザインも嫌いではないのですが、クロスバイクやロードバイク用のサドルと言えばFizik フィジークが一番カッコ良いと思っています。
なので、せっかくサドルを変更するのなら、これを機会に「憧れのフィジークのサドルにしてしまおう!」ということにしました。
幸いにして、フィジークのサドルのラインナップの中には「股間の痺れ対策用のサドル」があります。
特徴としては、溝有りのサドルになっている点で、「穴開きサドルのSMP」「溝有りサドルのフィジーク」というくらいに股間の痺れ対策サドルとしてはメジャーな存在です。
フィジークの股間の痺れ対策用のサドルはVERSUS(VS)バーサスシリーズとして展開されていて、スタンダードモデルよりも溝部分でクッション性を高めて尿道部分への圧迫を軽減して、より快適なサイクリングが出来るように設計されたサドルです。
FizikフィジークVERSUS ARIONE k:iumを購入
そんなわけで、一日も早く股間の痺れから解放されるために、溝有りサドルである「フィジークVERSUS ARIONE k:ium」を購入してみました。
今回は海外通販のWiggleで入手しました。
開封
化粧箱を開けた状態です。
吊るし販売用のボードも同梱されていた他、通常の取り扱い説明書や、フィジークならではのスパインコンセプトの説明書などが入っています。
重量は239gで、通常のサドルで考えれば軽量なモデルになるのかもしれません。
ちなみにVERSUS ARIONEは、中距離をメインに走るサイクリスト向けのサドルとのこと。
フィジーク的に中距離がどの程度なのかはよく分りませんが、恐らく100km未満ではないかなと思います。
サドルのノーズ部分には「ARIONE」の文字と、バーサスを意味する「VS」の文字がプリントされています。
バーサスシリーズ最大の特徴である溝
フィジークのVERSUSシリーズ最大の特徴は、サドル中央にある溝です。
この溝があるお陰で、尿道部分を圧迫せず、血行を妨げづらい構造になっています。
溝と言っても、極端に深いわけではなく、やんわりとした凹凸があるだけです。
但し、実際サドルに座ってみると、この程度の溝でもハッキリとフラットなサドルとの違いがすぐに体感出来ます。
前後に長さのあるサドル
フィジークのサドルには、いくつか種類があり、その中の1つが「アリオネ」と呼ばれるもので、前後で高低差が無くフラットで前後に長いデザインが特徴のサドルです。
僕が今まで使っていた一般的と思われるサドルと比べても、後ろに長い形になっています。
この長さがあることで、情況に応じてポジションを変えやすいなどのメリットがあると言われていたりしますが、裏を返せばきちんと乗らないとポジションが定まらないという不満も出てくるようです。
ARIONEはフィジークの提唱するスパインコンセプトで言うところの、脊椎が柔らかく骨盤を立てて乗ることが軽く出来る人向けのサドルなので、脊椎が硬い人などは、お尻が広報に滑ってポジションが固定しづらい可能性もあります。
サドルの背面下にはfizikの文字が入ったプレートが付いています。
こういう部分のデザインセンスの良さが、サドルメーカーとしての人気の理由かもしれません。
ちなみにこのプレートは取り外しできるようになっていて、代わりにfizik純正品のテールライトを装着することが出来ます。
同じメーカーの製品なので、しっかりとフィットする感じが素敵です。
K:ium キウム
商品名にもなったいる「K:ium」は、シリコンとクロムを含む軽くて強度の高い合金とのことでサドルのレールに使用されています。
チタンのように中空構造に出来るため、チタンに比べて8%軽量化できるそうです。
腐食性にも強く、かなり自慢の合金のようです。
サドルのレールには目盛りがふられていて、ポジション調整の際には重宝します。
サドルの裏側です。
中央部分に穴は開いていません。
サドルをFizikフィジークVERSUS ARIONE k:iumに交換
交換前
そんなわけで早速、クロスバイクのサドルをFizikフィジークVERSUS ARIONEに交換してみました。
上の写真はサドル交換前の今まで使用していたサドルです。
いわゆるS字型のサドルで、お尻のポジションが定まりやすいタイプのサドルでした。
交換後
こちらがFizikフィジークVERSUS ARIONE k:ium。
サドル全体がフラットな印象です。
以前使っていたサドルからほんの少し大きくなっただけなので、デザイン的にはあまり印象は変わらないかなと思ったのですが、いざ装備してみると、意外と変わるものだと思いました。
実際の見た目よりも大きくて、やや存在感のあるサドルです。
ただし、見た目のデザインが良いので、存在感があっても野暮ったくなったりカッコ悪くなったりしないところが、Fizik フィジークのサドルの良いところだと思います。
サドル下のfizikのロゴ入りプレートが良いアクセントになってカッコ良いです。
早速、サドルを変更したクロスバイクで近所を軽く走ってみましたが、尿道の圧迫解消にはかなり効果がありそうな予感です。
実際に乗ってみた感想
腰の位置が定まりづらい?
Fizik ARIONE VERSUS(フィジーク アリオネ バーサス)は、フラットなサドルのため、腰が滑って位置が定まりづらい感じがします。
この情報は、購入前の下調べの段階で散見出来た情報なので、同じような感想を持つ人も少なく無いと思います。
フィジークのスパインコンセプトというサドルのコンセプトでは、ARIONE アリオネは「脊椎と骨盤が柔らかい人向けのサドル」とのなので、難なく腰を曲げられる人が使用すれば、腰が滑るなんてことはあまり無いのかもしれません。
裏を返せば、身体の硬い人向けのサドルではないので、僕のような身体が硬い人が買ってはいけないサドルだったのかもしれません。
ポジション
サドルの取り付けの基本は座面を水平にするということではありますが、お尻の位置が定まらず後ろにズルズル滑ってしまうという問題がある場合は、少し前傾気味に取り付けた方が、後ろにお尻が滑るという問題は解決しそうです。
ただ。サドルを交換した際にありがちな、なかなか快適なポジションが見つからない時の感じにも似ているので、お尻とサドルが馴染めば改善される可能性もあります。
なので、早々に答えは出さずに、もう少し走りながら間微調整を繰り返して乗り心地の良いポジションを探してみようと思っています。
このあたり、それこそミリ単位の調整を繰り返す感じで調整するものなので、少しずつ変えながら調整していきたいと思います。
それと同時に、柔軟体操を繰り返して、ARIONE アリオネに見合う身体に近づけていくという作戦も実行していく予定です。
サドルの溝の両側の盛り上がりが痛い
今回Fizik ARIONE VERSUS(フィジーク アリオネ バーサス)に交換した最大の目的は、サドルによる尿道圧迫のために起きる股間の痺れを解消する、ということでした。
その効果は如何なものかと期待してサドルに跨がったところ・・・・い、痛い。
Fizik ARIONE VERSUS(フィジーク アリオネ バーサス)の特徴でもある中央の溝の両側にある盛り上がり部分、がお尻に刺さるような感じで痛いのです。
見た目的にはそれほど大きな盛り上がりではないのですが、サドルに跨ってみると「こんなに盛り上がって感じるものなのか」と驚いてしまうほどです。
別名三角木馬と呼ばれるサドル
購入した後で分ったことなのですが、一部では「三角木馬」などとも呼ばれていサドルで、この盛り上がり部分が痛いと感じる人は多いようです。
「もしかしてこのサドル、俺に合ってないかも・・・。」
そんなことも頭をよぎりましたが、痛いからすぐに「サドルとの相性が悪かった」と見切ってしまうほど安い買い物でもないですし、時期尚早な感じがしていて、まだもう少し痛いのを我慢しつつ乗り続けてみようと考えています。
というのも、クロスバイクに乗り始めた頃もそうでしたが、ESCAEPE Airに装備されていた純正の柔らかくてクッションの厚いサドルでさえ痛いと感じていた時期がありました。
しかし、その痛さを我慢して乗り越え、お尻を鍛えることで、いつしかお尻の痛みが消えているという経験をしています。
また、今回購入したFizik ARIONE VERSUS(フィジーク アリオネ バーサス)は、今まで僕が使用してきたサドルとは違ったタイプのサドルなので、お尻が全く鍛えられていない部分に盛り上がりが当たり、痛いと感じてしまうのではないかと思ったりもするので、もう少し我慢しながら乗り続けてみて様子を見ようというわけです。
レーシングパンツを履けば、お尻が鍛えられるのを待つまでもなく問題は解決しそうですがレーシングパンツを着用するとなると気軽なサイクリングからはまた1つ遠ざかってしまうので、最終手段として考えています。
尿道部分の圧迫感は無し
痛さのせいで思わず本題を忘れそうになってしまいましたが、肝心の「尿道の圧迫」に関しては、ほとんど圧迫される感じがありません。
実際問題で、まだそれほど長い距離と時間を乗り込んだわけではないので、答えを出すには時期尚早だとは思いますが、尿道への負荷は軽減されている感じは明らかです。
なので、きっと長距離乗ることがあっても、股間が痺れるということは無いのだろうなと思います。
Fizik ARIONE VERSUS まとめ
Fizik ARIONE VERSUS(フィジーク アリオネ バーサス)にサドルを換えて、最初に跨がった時の感想は、あまりに痛くて「あれ?失敗したかな?」というのが正直なところでした。
次に、お尻の位置がなかなか定まらず、なんだか安定しない感じなのも、快適さからはほど遠く、ポジション調整を繰り返したりしています。
自転車関連のパーツは、大抵の場合は高価なパーツを買っておけば、快適さは増すものですし、後々も買って良かったと思えるものですが、サドルだけは特別かもしれません。
サドルの違いによる乗り心地は、お尻との相性の問題が大きく、高価なサドルを買ったからと言って、乗り心地の良さが約束されるものではありません。
サドル選びは旅だ。という名言があるくらいで、抜群の相性のサドルに出会うまで、ひたすらサドルを探し続けるなんていう人も居るくらいです。
プロスショップなどでもお試し用のサドルが必ず置いてあるくらいで、自転車パーツとしては珍しい、お試ししてから買っても良いよ!的なスタンスのサドルでもあります。
そんな僕は、今まで僕が使用してきたサドルで言えば、クロスバイクのESCAPE Airの純正サドルも、その後に換えたサドルも特に乗り心地が悪い思いをした事が無かったので、今回のFizik ARIONE VERSUS(フィジーク アリオネ バーサス)のような経験は、実は初めてだったりします。
安い買い物ではないので「もしも相性が悪いままだったらどうしよう・・・」というような不安もうっすらとはありますが、きっと乗り続ければお尻が慣れてくるだろうと信じて、しばらく乗り込んでみることにしています。
自転車のパーツは少しでも変われば、新しい自転車になったかのように感じることができます。
実際問題で、今回サドルを新しく換えてみて、改めて「自転車ってパーツ次第で随分変わるんだなぁ」と感じることができました。
後はこのサドルに乗り続けて、しっくりと馴染むようになれば良いのですが・・・もしも相性が悪くても、股間の痺れる以前のサドルには戻らないでしょうし、もしかしてサドル選びの旅に出てしまうのでしょうか・・・。
Fizik(フィジーク) VERSUS EVO ARIONE R3 kiumレール 345510001 レギュラー BK(70A4SOSA13041)