大分空港が昨今の自転車人気に目を付けて、大分空港を利用するサイクリストに快適なサイクリングを楽しんでもらう取り組みを2015年10月からスタートさせました。
サービス自体がどう変化したのかを確認するために、久しぶりに大分の自転車事情をチェックすると、以前よりもサイクリストを歓迎する感じが凄くなっているので記事を再編集してみることにしました。
大分はサイクリスト大歓迎!?
大分が実施するサイクリスト大歓迎な取り組みは、その入り口である大分空港からいきなり感じられます。
代表的な施設としてサイクリストが空港に到着した後すぐにサイクルウェアに着替えたり自転車を組んだり出来るように、サイクリストの為の更衣室「サイクル・ハブ」が整備されていたりするのです。
他にもサイクリストのための大分自転車ポータルサイト Cycling OITAが出来上がり、サイクリングコースや便利なサービスなども紹介され、自転車乗りが「大分に行ってみてぇ!」と思ってしまうような歓迎っぷりです。
大分がサイクリスト大歓迎な取り組みをする理由
まずは大分空港からサイクリストを歓迎する動きがある理由から。
施設利用者増加と観光アピールが狙い
大分県は、大分空港を利用する自転車愛好家に県内で快適なサイクリングを楽しんでもらう取り組みを10月から始める。空港に整備する専用更衣室で動きやすい服に着替え、沿道の店舗や旅館でパンクの修理や空気入れができる。全国的にも珍しい事業で、経営が苦しい空港の利用者を増やす狙いがある。
引用元:大分空港に自転車専用施設 修理や着替え、愛好家支援(2015.9.16 07:01 産経ニュース)
具体的な取り組みは
● 沿道の旅館やコンビニに、パンク修理の工具や空気入れの設置
● 専用サイトで観光アピール
僕は年に数回は空港を利用するのですが、空港内で自転車を輪行している人を見るたびに「いつかは自分も飛行機で輪行して知らない土地を走ってみたいな」などと考えてしまいます。
しかし、飛行機を使って輪行しようとした際に、空港に着いた後にどうやってサイクリングウェアへ着替えるのか?どこで自転車を組立てれば良いのか?などがまず最初に気になるところだと思います。
実際問題でどこの空港も、あまり自転車を担いでウロウロ出来るような場所は無いですし、着替えるにしてもトイレなどで着替えるしかありません。
そんな中で大分空港の取り組みは、全国的にも珍しく、一人の自転車乗りとしては、全国に普及すれば良いのになぁと思ってしまうくらい素敵な取り組みだと思います。
始めてこのニュースを知った時には、果たしてどうなるものかな・・・と思ったものでしたが、なかなか順調に取り組みが続けられている様子です。
上記の写真は大分の写真とは違います。
僕の故郷である高知空港で見かけたサイクリストとお遍路さん用の更衣室が空港に確保されていました。
残念ながら利用者はそれほど多くはない感じがしましたが(というか高知空港自体の利用者が少ない)、実際に自分がサイクリストとして降り立った時に、このような場所が確保されていると非常に安心しますし、リピートしたくなるのは言うまでもありませんね。
環境的には厳しい現状もあるようです
しかし、上記の記事の最後に気になる一文。
ただ、ほとんどのルートは自転車専用道がなく、安全確保が課題。
引用元:大分空港に自転車専用施設 修理や着替え、愛好家支援(2015.9.16 07:01 産経ニュース)
とのこと。
気になってtwitterで調べてみると、大分県在住と思われる方のツイートでは
大分空港に自転車専用施設 修理や着替え、愛好家支援 http://t.co/k6vgUdxlYu ほーん。でも空港から一歩出たら自転車殺しの道路しかねえぞ
— ばろん (@bal118) 2015, 9月 16
大分空港に自転車専用施設 修理や着替え、愛好家支援 http://t.co/hWPG1Zt0aD 自転車好きの人がワサワサ来られても道路が細いから困っちゃうと思うんだけどなぁ。まぁこねーだろうけどww
— 船越A二郎@チームフォアグラ (@f_eijirou) 2015, 9月 15
おやおや・・・
っと思ったので、こんな時に便利なGoogleマップで大分空港周りを確認してみると
大分空港近辺は流石に整備されていて綺麗な二車線の車道と広い自転車歩行者道があります。
大分空港近くの県道404号。
車道よりも歩道の方が広々して走りやすそうです。
空港から少し離れた場所の国道。
少々荒れた古い道路ですが、田舎によくある道だな、というのが素直な感想です。
Googleマップでその他の地域もいくつか確認してみましたが、他の道も似たり寄ったりな感じでした。
Googleストリートビューで見る限りでは車の量もそれほど多くはなさそうなので「言うほど走りづらいのかな・・・」と思ったりもするわけですが、延々と続く片側一車線の荒れた道を走るとなると、確かに厳しいものがあるかもしれません。
実際問題で、僕も日頃車道を走る時は、快適さを優先して基本的には二車線以上の大きな道を走ることがほとんどです。
それは何故か?
● 路面が整備されていて走りやすい
● 車の通行の邪魔をして渋滞を作ってしまう可能性が無い
などなどで、狭い片側一車線の道と比べると、二車線以上の広い道路は圧倒的に快適に走れてストレスが少ないのです。
それを考えると、この延々と続く荒れた一車線の道を見ると「あー、確かに走りづらいかも・・・」とtwitterのつぶやきの内容も納得かな、と思うのです。
そんなこんなで、なかなか理想からは遠い現実もあるようですが、サイクリスト大歓迎な取り組みはやはり嬉しいものです。
大分の基本情報と自転車
大分をサイクリングするのに素晴らしいだろうと思われるポイントをいくつか挙げてみたいと思います。
温泉
ご存知、大分には別府や湯布院といった日本屈指の温泉郷があります。
大分空港から別府温泉までは約40km。海沿いを走ることが多いため基本的には起伏も少なく、初心者でも気楽に走れる距離で有名温泉まで行けるのは嬉しいですね。
湯布院までだと約60km。後半はひたすら激しい上り坂が続くのでそれなりの覚悟が必要かと思いますが、空港から数時間で有名温泉までたどり着けるのはポイントが高いと思います。
大分名物
周辺の主要スポットまでの距離
● 中津 約75km
● くじゅう高原牧場 約100km
● 北九州市 約130km
● 熊本空港 約140km
主要なスポットまでの距離も遠すぎず近すぎずでサイクリストにとっては嬉しい距離感です。
多数のサイクル・ハブでサイクリストに優しい
飲食店などでのバイクスタンド・バイクラックなどが備わったサイクリストが立ち寄りやすい施設や店舗などがサイクル・ハブとして登録されています。
空気入れや工具の貸し出しなども行なっている施設もあるようで、トラブルにも対処できそうで数もすごく多いのが安心ポイントが高いです。
参考 サイクル・ハブ
大分空港の施設が充実
大分空港にはサイクル・ハブの本拠地とも言うべきくらいにサイクリスト向けの設備が整ったサイクル・ハブがあります。
● 更衣室 3部屋
● バイクラック
● フロアポンプと工具の貸し出し
参考 大分空港サイクル・ハブ
タンデム自転車も乗れる
前後に座る2人乗りの「タンデム自転車」の公道走行は自治体により判断がまちまちですが、大分は2017年3月14日より県内全域で解禁となりタンデム自転車が行動でも乗れるようになったようです。
大分と自転車関連
参考 大分県自転車競技連盟
参考 おおいた自転車マップ
参考 OITAサイクルフェス
参考 大分県道713号弁天横瀬自転車道線
参考 レンタル自転車のエクスペリエンス大分
サイクリスト大歓迎な大分まとめ
自転車ブームに注目して、サイクリストを歓迎する取り組みは全国いろいろなところで行なわれていると思いますが、サイクル・ハブの圧倒的な数の多さなどを考えると、ここまで熱心に取り組んでいる地域も珍しいのかなと思います。
僕はかつて下関で暮らしたこともあるので、福岡県の北九州市や中津あたりまではよく遊びに行っていましたし、学生時代の修学旅行も九州だったので、九州には良い思い出も多く、こういった取り組みを知ると、なおさら「いつか輪行してゆっくり大分の地を走ってみたいなぁ」という思いにさせてくれます。
気になる道路の問題も「おおいたの道構想 2015」の資料に目を通すと、自転車走行空間整備と確保の推進が掲げられていたり、観光地などでは自転車が走りやすい路面表示や路肩整備も進んでいるようです。
特に大分市では「は「大分市自転車走行空間ネットワーク整備計画」」が策定され、自転車誘導サインの整備など具体的に自転車走行空間の整備が始まっているようです。
そんなわけで、いつか自転車旅行を考えているという方は、サイクリスト大歓迎な感じのする大分県の輪行計画を立ててみるのも良いかもしれませんね。その際はくれぐれも無理な運転をして滑って転んで大分県にならないように、安全運転で走行しましょうね。