自動車には死角があります。
自動車を運転する際には、死角の存在を意識しておくというのは当然ですが、車道を走る自転車も、自身の安全を守るために、自動車の死角について知っておいた方が良いとでしょう。
自動車の死角について知っておけば、自転車と自動車の事故で突出して多い「左折巻き込み」や、幅寄せなどの危険な目に遭う情況を避けられるようになると思います。
そんなわけで、自転車から見た、自動車の死角に対する考え方などをまとめています。
自動車には死角がある
自動車には見えない部分(死角)がある
自動車には死角があります。
自動車の死角とは、自動車の運転席からは確認できない場所で、自動車のピラーやボンネットなどで遮られて、見えなくなってしまう部分です。
この死角が原因で、すぐ近くに自転車や歩行者などがいることに気が付かずに、事故を起こしてしまうというケースが非常に多いのです。
自動車に死角があるというのは、教習所で必ず習うことですから、自動車免許を持っている人であれば、誰でも知っていることだと思いますし、自動車を運転しない時でも自動車の近くを通る際には、死角を意識するはずです。
しかし、免許を持っておらず、自転車しか乗らない人だと、自動車に死角があることを知らない人もきっと多いでしょう。実際問題で僕自身が自動車の免許を取るまでは、自動車の死角を意識したことなんてありませんでした。
一般的に大きな自動車ほど死角も大きくなる
一般的に、自動車が大きくなればなるほど、死角もまた大きくなります。
つまり、一般的な乗用車よりも、バスやトラックなどの大型車の方が死角が大きくなるのです。
しかし、大型トラックやバスの死角に関しては、どの程度死角が大きくなるのか、自動車の免許を持っている人ですら、よく知らないというのが実際のところかと思います。
交通安全のためには自転車も自動車の死角について知っておく必要がある
自転車が車道を安全に通行するためには「自動車には死角がある」ということを知って置く必要があると思います。
しかし、いろいろな交通安全のパンフレットを見ても、死角について注意をうながすものはあまり見かけません。
死角の存在を知らないと、迂闊に自動車の死角に入ってしまって、左折巻き込みや幅寄せなどの事故にもつながると思うので、自動車の死角については、自動車を運転する人だけにとどまらず、道路を共有する自転車に乗る人などにも、もっともっと周知されたほうが良いんじゃないかと思います。
自動車と自転車の事故と死角
自動車の死角に入ったために起きたと思われる事故は多い
自動車の死角に入ったことが原因と思われるような事故はとても多いです。
例えば、自動車と自転車との間で起きた死亡事故などのニュースを見ると、交差点で左折する大型車に巻き込まれる、いわゆる「左折巻き込み事故」が非常に多いです。
トラックやバスなどの大型車は内輪差が大きいので、左折巻き込み事故は起きやすものではあるのですが、内輪差が大きいことは運転する人も当然知っていますから、内輪差を計算して運転していると思われるので、普通なら事故は起きません。
何故、事故が起きるかと考えると、自動車の死角に入ってしまったために、存在に気が付かれずに巻き込まれてしまうということがあるかと思います。
信号待ちで大型車の左側に入っていく自転車が多い
日頃、自転車に乗っていてよく見かける光景として、信号待ちをしているバスやトラックなどの大型車の左側に入って行く自転車は非常に多いです。
わざわざ、大型車が左側に詰めて停車しているにも関わらず、その狭い隙間を入っていくんですよね。
自動車の側面は死角になりやすい部分なので、自動車の死角の存在を知っていれば、絶対に大型車の左側をすり抜けるようなことはしないわけですが、平気ですり抜けようととする人が非常に多いのです。
逆に言えば、自動車の死角の存在を知らないからこそ、平気で大型車の左側に入り込んでいくのでしょう。
このような事故は、自殺行為のような感じですし、起こるべくして起きているものだと思います。
子供は特に注意
自動車による自転車の左折巻き込み事故のニュースを調べると、子供の事故が多いのが目に付きます。
子供の事故だからこそニュースになりやすいというのもあるとは思いますが、子供の事故が多いのは、自動車の死角について、よく知らないために、自動車の死角に入ってしまうというのがまずあると思います。
さらに、子供は大人に比べて小さいため、余計に死角に入りやすくなるというのも、事故が多い原因になっているのだろうなと思います。
自動車、バス・大型トラックの死角について
一般的な普通自動車と、バスやトラックなどの大型車の死角について、イラストでまとめてみました。
車両の斜め後ろにある死角に注意
普通自動車の死角
普通自動車にも死角があります。
運転席から見えない、車両のすぐ前方や後方、、ピラーの影で見えなくなる部分などがありますが、特に注意が必要なのは、運転席から見て斜め後ろにある死角です。
4ドアの自動車なら、丁度前後のドアの間くらいの位置ですが、自転車でこのあたりの位置で並走していると、運転席からは死角になり、見落とされてしまう、危険な場所となります。
この場所はミラーでは確認できないため、自動車の運転手は目視で確認する必要がある場所ですが、自転車は自動車やオートバイなどと比べると小さいので、見落とされやすくなるので、基本的にはこの場所には入らないようにするのが良いということになります。
バスやトラックの死角
バス・大型トラックの死角派も、車両のすぐ前方や後方、ピラーの影などいくつか存在しますが、その中で最も大きい死角が車両の斜め後ろにある死角です。
普通自動車と同じ場所ではありますが、注目したいのはその範囲の広さです。
この死角は、バックミラーに映らない死角になる場所なので、ドライバーは左折しようとする際には目視確認が必要な場所となります。
さらに、大型車の場合は車高が高くなるため、隣の車線を走る普通自動車ですら隠れてしまうような大きな死角になってしまいます。
そのため、背が低く小さな自転車などは見落とされやすくなり、結果として、左巻き込み事故や幅寄せされやすくなる危険な場所となります。
バス・大型トラックの前方の死角と注意点
大型車の場合、車両のすぐ前方も死角になります。
普通自動車にも、もちろん同じく死角はあって、乳幼児の存在に気が付かないまま自動車を発進させて起きてしまう事故も多いですが、自転車くらいの大きさであれば、資格に隠れてしまうことは基本的には無いと思います。
ところが、大型車の場合には、自動車の前方(正面)であっても、余裕で人が隠れてしまうくらいの死角があるのです。
信号待ちなどで車列が出来ている際に、間をすり抜けていくような人は、大型車の前をすり抜けてたりもすると思いますが、運転手から見落とされている可能性があるということを知っておいた方が良いでしょう。
バス停に停車しているバスを追い越す際の死角
バス停に停まっているバスを追い超す時は、車両の右側から追い超さなければいけません。
しかし、運転手の視点で考えると、自転車は基本的には車道の左側を走っているものですから、意識的には左側に注意を払います。
そのため、右側から追い越しをかけている自転車を見落としてしまう可能性が大きくなると思われます。
また、バスは車長が長いため、右側から追い越しを掛けている最中に発進の合図が出てバスが動き出してしまうという危険もあります。
バスと併走するような形になってしまうと、ずっと死角に入ったような状態にもなり、大変危険です。
慌てて追い抜こうとすると死角から飛び出すような形でバスの前方に現れることにもなるので、運転手を驚かせてしまい、思わぬ事故を招くことにもなりかねません。
なので、バス停で停まっているバスが居た場合、自動車などと同じ様に追い越しをかけようとせずに、発車するまで後方で待つようにした方が良いでしょう。
自動車の死角に入らないために
自動車の斜め後ろを並走するような状態の時に、急な幅寄せや、交差点で巻き込まれそうになるなどの危険な目にあった経験がある人は、もしかしたらドライバーの死角に入ってしまっていたせいかもしれません。
渋滞などで自動車の速度が遅くなると、自動車と併走するような感じで走ることも少なからずありますが、そんな時にはなるべく、上記の図のような死角の位置には入らないように意識をした方が良いでしょう。
実際問題で、信号待ちや渋滞等で車の列が出来ている際に、車の隙間の縫うように走る人を時々見かけますが、非常に危険で迷惑な行為であることを自覚するべきでしょう。
特に、バスや大型車の横をすり抜けは、非常に危険な行為だということを知っておく必要があると思います。
バスや大型トラックなどの場合は死角に入ってしまう可能性が高いだけでなく、車長が長いので、死角から抜け出すにも時間が掛かります。
前へ前へと急ぎたい気持ちもわかりますが、信号待ちの列をすり抜けて前に進んでみたところで、目の前にあるのは赤信号ですし、そこで頑張って前に進んだところで、目的地にたどり着く時間が大きく変わることもありません。
危険を犯してまで前に出るほど大きなメリットは全くないわけですから、交差点手前の信号などで車列が出来ていたとしても、隙間を縫って前に出たりはせずに、列の後ろで止まって待った方が良いでしょう。
特に、大型車が停まっている場合には、必ず後方で待ついという気持ちでいた方が良でしょう。
自動車の死角と自転車についてのまとめ
自転車が安全に車道を走行するための基本は、相手に自分の存在を知って貰うことです。
同じく車道を走る小さくて見落とされがちな存在としてバイクがありますが、バイクは日中でもライトを点灯させたりすることで、相手に自分の存在を教えていたりします。
なので、自転車も、ライトを点灯点滅させてみたりするというのは、相手に自分の存在を知らせるのに有効な手段となるはずです。
しかし、それですら死角に入ってしまっては意味がなくなってしまいますから、「自動車には死角がある」ということをしっかりと頭に入れておくことも大切だと思います。
「自動車の死角に入らない「相手から見えやすい場所で走る」ということを、常日頃から意識して心掛けるべきでしょう。
自動車やバス・大型トラックの死角に気をつけるポイント
● 自動車、バス・大型トラックの斜め後ろを走らない
● バス・大型トラックなどの前方は横切らない
● 交差点付近では大型車に近寄らない
これらの点を気をつければ、左折巻き込みや、幅寄せなどで危険な目に遭うことも少なくなると思います。
自転車は自身が小さくて見落とされやすい存在であることを自覚して、自動車の死角を意識しながら走行することを是非心がけるようにしてください。
點せつ巻き込み事故などの死亡事故は、本当に子供の事故が多いです。
僕の子供も自転車に乗り始めるようになりましたし、他人事ではないと思っています。
車道を通行させるのはまだまだ怖いので、自転車歩行者道を走るように指導して車道を通行させるようなことはさせませんが、一緒に出かけた際には、車道を走ることを前提に、自動車の左折巻き込みなど、危険なポイントポイントを説明して、しつこいくらいに繰り返し話すようにしています。