ロードバイクやクロスバイクのホイールは700Cで、一般的なシティサイクルのタイヤは27インチや26インチです。
27インチのタイヤは700Cのタイヤとサイズが非常に近いため「互換性があるのかな?」という単純な疑問が湧いたりします。
そこで700Cと27インチタイヤの間に「どんな違いがあるのか?」「互換性はあるのか?」などについて調べてみました。
700Cタイヤ
700Cはロードバイクやクロスバイクなどのスポーツバイクで採用されることの多いタイヤです。
700Cの名前の由来
700
700Cの700はタイヤの直径サイズを表していて700mm前後になるというのが由来のようですが、近年はタイヤの幅がオリジナルから細くなっているため、実際は700mmよりも小さくなっていることがほとんどです。
例えば、ロードバイクやクロスバイクで標準的な700x23Cタイヤの場合の直径は670mm程度で700mmと比べると30mmも小さくなり、40Cの場合で700mm程度になるようです。
C
700CのCは単純に規格の種類を表す記号で、それ自体には意味がありません。700Cの他にも700Aや700B、700Dなどの規格のタイヤも存在していた中で700Cのみが残った状態です
それぞれにタイヤのサイズが異なっているものの、タイヤを含めた直径は700mm程度で統一されていたためフレームに対しての互換性があり、ロードレーサーなどはその時々の状況や目的に応じてタイヤをホイールごと交換して調整をしていました。
ただし、リムの位置が異なるため、毎回ブレーキの位置を調整する必要があるなどで、利便性に関しては一長一短といった感じだったようです。
そして、いつからか700Cのタイヤが主流となり、その他のタイヤはなくなってしまったという経緯があります。
27インチ
27インチタイヤはシティサイクルで採用されることの多いタイヤのサイズです。タイヤの外径は27インチでミリに換算すると685.8mm(1inch = 25.40mm)となります。
700X23Cタイヤと比べるとわずか15mm程度の差になるため「700Cと27インチタイヤは互換性があるんじゃないか?」と考えたりすることになるわけです。
実際問題で、現在は27インチタイヤはシティサイクルで使用されることがほとんどですが、1980年代前半はロードバイクにも27インチタイヤが使用されていたようです。
ETRTOで判る700Cと27インチの互換性
タイヤに互換性があるかどうかはタイヤの内径を示すETRTOの値から判断できます。
ETRTOの値はそれぞれ
● 700C 622mm
● 27インチ 630mm
となっていて700Cと27インチでは互換性がありません。
ETRTOとは
タイヤ内径(リム径)を示す数値
ETRTOは(European Tyre and Rim Technical Organisation)の略で欧州におけるタイヤとリムの標準規格です。
実はタイヤのサイズは現在では一般的なシティサイクルに採用されている26インチやロードバイクやクロスバイクで採用されている700Cが主流ですが、この他にも様々なサイズのタイヤがあり、乱立している状態です。
そのため、ひと目では、どのタイヤとどのタイヤが互換性があるのかの判断ができません。
そこでタイヤサイズをわかりやすく統一するために、タイヤの内側のビート部分の直径(リム径)を基準にした規格としてETRTO(エトルト)が出来上がりました。BSD(Bead Sseat Diameters)とも呼ばれることもあります。
ETRTOはタイヤ表面に表記されている文字から知ることができます。
例えば23Cの700Cだと23-622などの表記がされていてタイヤ幅23Cでビート部分の径が622mmということを表します。
肝心なのは、ETRTOの値が同じであれば規格の違うタイヤでも互換性があると判断できるというところです。
リム径が同じでも互換性があるとは限らない
ただし、リム径が同じでもタイヤをリムに固定する方式の違いもあるため、リム径が同じだからと言って一概に互換性があるというわけではないようです。
例えばウンテンバイクなどで使用される29erと呼ばれる29インチサイズのタイヤのETRTOは700Cと同じ622mmですが、タイヤを固定する方式が異なるため、ホイールがそれぞれの固定方式に対応しているかどうかで使用できるかどうかが決まります。
ETRTOについてはサイクルコンピューターメーカーのキャットアイが公開している「タイヤ周長ガイド」が詳しいです。
タイヤの固定方法の規格の種類
●WO規格
Wired-On(ワイヤードオン)と呼ばれる規格でロードバイクやクロスバイクなどで多く使用されています。700CタイヤなどはWO規格の場合がほとんどです。
●HE規格
Hooked-Edge(フックドエッジ)と呼ばれる規格でマウンテンバイクやBMXなどで多く使用されています。29erタイヤなどはHE規格の場合がほとんどです。
700Cと27インチタイヤの違いと互換性のまとめ
タイヤサイズは近いけど互換性無し
タイヤの直径が700Cでは700mm、27インチでは685.8mm程度が一つの基準になっていてサイズ的に非常に近い二つのタイヤですが、互換性に関してはビート部分の径が異なるため、互換性はありません。
タイヤサイズは名前に一致しない
700Cも27インチタイヤもタイヤの外径サイズが名前の由来のようですが、いずれのタイヤもホイールやタイヤ自体の技術革新などもあり、必ずしもそのサイズを表すものではなくなっていて、現在では単純にタイヤの種類を表す規格名の一種という扱いになっているようです。
バルブの種類とチューブのサイズ
700Cは仏式バルブ、27インチは英式バルブが一般的ですが、タイヤ径が近ければタイヤチューブに関しては互換性があるようで、700Cタイヤに27インチ用の英式バルブのチューブを使用することもできるようですし、700C用でも英式や米式バルブのチューブもあるので、必ずしもバルブの形式は限定されるものではありません。
まとめ
● 700Cと27インチは互換性が無い
● 700CのCには意味が無い(cmのCではない)
● 27インチタイヤはかつてはロードバイクでも使用されていた
● タイヤ内径は700Cは622mm、27インチは630mm
● タイヤチューブは共用できる
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