自転車通勤・通学に最適な自転車といえば、シティサイクルでもなく、ロードバイクでもなく、まず候補に挙がるのがクロスバイクです。
シティサイクルよりもはるかに速く快適でありながら、ロードバイクほど構えずに気軽に乗れる──それがクロスバイクの魅力です。
クロスバイクはそのままでも十分に快適な自転車ではあるのですが、クロスバイクの特徴はカスタマイズ性が高いこと。
クロスバイクは、そのままでも十分に快適な自転車ですが、最大の特徴は「カスタマイズ性の高さ」。なので、用途に合わせたパーツや装備を選び、自分仕様にカスタマイズすることをおすすめです。
用途に合ったカスタマイズをすることで、通勤・通学を快適にすることができます。
そこで今回は、クロスバイクを自転車通勤・通学に最適化することを前提にした、おすすめのカスタマイズ方法について解説していきます。
クロスバイクを自転車通勤・通学に最適化するカスタマイズ

クロスバイクのハンドルはカットしよう
クロスバイクはフラットバーハンドルを採用しているため、ロードバイクのドロップハンドルと比べると幅が広めです。これはマウンテンバイクの要素を取り入れているためで、広いハンドルはバランスが取りやすく、安定した走行ができるように快適さが優先されています。
たとえば綱渡りのバランス棒と同じ原理で、ハンドル幅が広いほどふらつきにくくなるのです。
これは不安定な道を走るマウンテンバイクにとって重要な要素ですが、通勤・通学で市街地を走る場合には、そこまで幅広である必要はありません。
むしろ、ハンドル幅を少し狭くすれば空気抵抗を減らすことができ、スピードを維持しやすくなるというメリットがあります。そのため、市街地をメインで走るクロスバイクの場合は、より軽快な走りを求める人の間では、ハンドルをカットして幅を調整するカスタマイズがよく行われています。
目安としては、肩幅と同じ程度の50cm前後が最適です(購入したそのままの状態のハンドル幅は56cmくらい)。正面から見て腕が「ハの字」ではなく、まっすぐ縦に伸びる姿勢になる幅が理想です。
ただし50cmを下回ると安定感を損ない、グリップやレバー類の取り付けスペースも不足するため注意が必要です。
ハンドル幅を狭めるメリット
● 自動車との接触リスクが減る
クロスバイクのハンドルは購入時で56cmほどある場合が多く、狭い道や車列横をすり抜ける際に幅が気になることがあります。幅を詰めれば車との接触リスクが下がります。
アメリカのメッセンジャーが極端に狭いハンドルの自転車に乗ったりするのはファッション性だけでなく、車列をすり抜けやすいという実用面の理由もあります。
●空気抵抗が減る
幅広ハンドルでは脇が開き、走行時の空気抵抗が大きくなります。幅を詰めることで自然と脇を締められ、速度を出しやすく、長距離も楽になります。
ハンドルをカットする方法
クロスバイクのフラットバーハンドルは、パイプカッターがあれば簡単にカットできます。
購入時に56cmほどの幅があるなら、左右3cmずつ切って50cm程度に調整すると良いでしょう。
「たった6cm?」と思うかもしれませんが、ハンドルは1cm違うだけでもフィーリングが大きく変わります。6cmも詰めれば、まるで別の自転車に乗っているかのような違いを感じられるでしょう。
ただし、切り詰めすぎると以下のデメリットが出ます。
● ブレーキやシフトレバーの取り付けスペースが不足
● グリップが短くなり、手が滑りやすくなる
● 安定性が下がり、走行中に不意の転倒リスクが増える
そのため、56〜50cmの範囲内で調整するのがおすすめです。
また、一度に大幅にカットせず、1cmずつ削って試走しながら調整すると失敗を防げます。
クロスバイクのハンドルをカットする方法については、下記の記事でまとめているので参考にしてください。
クロスバイクのホイールの交換もおすすめ

ホイールを交換するだけで性能がアップする
クロスバイクのホイールを交換すると、走行性能が驚くほど変わります。
実際、ホイール交換による効果は、自転車パーツの中でも最も体感しやすいカスタマイズのひとつです。
ホイールを変えるだけで、「まるで別の自転車に乗っているみたい」と感じるほど走りが軽くなり、加速や巡航性能が格段にアップします。
そのため、ホイール交換は最初に取り組むべきカスタマイズとして多くのサイクリストからも推奨されているカスタマイズです。
クロスバイクにおすすめのホイール:シマノ RS500
クロスバイク用のホイールとして、価格と性能のバランスが非常に良いのが 「SHIMANO RS500」 です。
定価はおよそ52,000円ですが、実売価格は40,000円前後と、クロスバイクの価格帯とのバランスも取りやすいモデルです。
RS500はホイール全体で見ると決して高価な部類ではありませんが、初心者にとっては少し勇気がいる価格かもしれません。
それでも、勇気を出して踏み出してほしいのが、ホイール交換の世界です。
僕自身も初めてホイールを購入する際には思い切る気持ちが必要でしたが、いざホイールを購入した後は「どうしてもっと早く買わなかったんだろう」と逆に後悔してしまったほどです。
走りが軽快になり、乗り心地が良くなっただけでなく、スピードも3〜4km/hほどアップするなど、まったく別の自転車と思えるくらいの変化に感動したものです。
ホイール交換は、「お金をかけるだけで性能を大きく変えられる」非常にコスパの高いカスタマイズです。
クロスバイクの楽しさをさらに広げる第一歩として、ぜひ検討してみてください。
注意:リアエンド幅によってはホイールが装着できないことも
RS500はロードバイク用ホイールのため、クロスバイクに装着する際には「リアエンド幅(OLD:Over Locknut Dimension)」に注意が必要です。
このリアエンド幅は、キャリパーブレーキのロードバイクでは130mmが標準なので、ロードバイク用のホイールのハブ部分はこの規格に合わせたサイズになっています。
ところが、多くのクロスバイクはマウンテンバイクの規格である135mmが採用されていたりして、ロード用のホイールに交換しようと思うと、そのままでは取り付けることができません。
この場合は、5mmスペーサーを入れるなどの調整が必要になります。
一般的なリアエンド幅
ロードバイク(キャリパーブレーキ):130mm
クロスバイク(Vブレーキまたはディスク仕様):135mm
既にクロスバイクを所有している方は、まずは自身の自転車のスペックをチェック。リアエンド幅を確認してからホイールを選ぶようにしましょう。
もしまだ購入前であれば、最初から130mm規格のクロスバイクを選ぶのがおすすめです。
リアエンド幅130mmの代表的なクロスバイク
リアエンド幅が130mmのクロスバイクの定番と言えば、ジャイアント社の「エスケープシリーズ」や「ビアンキのカメレオンテ」「ジオスのミストラル」あたりですが、これらのクロスバイクの他にも見つけることができます。
● GIANT(ジャイアント):「Escape(エスケープ)」シリーズ
● Bianchi(ビアンキ):「Camaleonte(カメレオンテ)」
● GIOS(ジオス):「Mistral(ミストラル)」
詳しくは下記の記事でまとめていますので参考にしてください。
通勤や通学で使用するクロスバイクのタイヤはパンク耐性の高いものを選ぼう
28Cや32Cタイヤなら通勤・通学でも安心

ホイールを交換したら、ぜひタイヤも見直したいところです。
走行性能を重視するなら、ロードバイクで標準的に使われる25Cタイヤが定番です。
しかし、通勤や通学で使用することを考えると、クロスバイクの定番である700×28Cや700×32Cタイヤの方が安心です。
太めのタイヤのメリット
タイヤが太くなると、内部に入る空気量が増えるためパンクしにくく、衝撃吸収性も向上します。
多少の段差や荒れた路面でも安心して走れるので、通勤・通学のような日常使いにはとても相性が良いです
● 700×28Cや700×32Cなら空気の抜けが遅く、1週間に1回程度の空気入れでOK
● 段差も乗り越えやすく、シティサイクルに近い安定感
● 路面状況をあまり気にせず走れるため、ストレスが少ない
一方、25Cのような細いタイヤは軽くて転がりが良い反面、段差などでは慎重な走りが求められます。
日常的に気を使わずに乗りたい場合は、28C〜32Cが最もバランスの取れたサイズです。
パンク対策も忘れずに
自転車通勤や通学で最も困るのは、パンクによる遅刻。
そのため、タイヤ選びでは「パンク耐性」を重視することが大切です。
おすすめは、信頼性の高い 「シュワルベ・マラソン(Schwalbe Marathon)」シリーズ。
その名の通り長距離走行を想定して設計されており、耐久性とパンク防止性能に優れた定番タイヤです。
やや重量がある点はデメリットですが、ロード向けの「マラソン・スプリーム」を選べば、軽快さと快適さを両立できます。
シュワルベ SCHWALBE【正規品】マラソン 700×28C クリンチャータイヤ [ツアー・ツーリング・街乗り] 111001...
ちなみに僕が使用している「コンチネンタル・グランプリ5000」も非常に高性能で、パンクしにくいタイヤとして定評があります。
使用していてパンクしたことは一度もありません。
Continental(コンチネンタル) GRAND PRIX 5000 グランプリ5000 (700×25c) [並行輸入品]
一般的な自転車タイヤと比べると、これらの高品質タイヤは少々価格が高く感じるかもしれません。
しかし、快適さと安心感を買う投資と考えれば十分に価値があります
● ロードバイクの標準的なタイヤの太さ 25C
● クロスバイクの標準的なタイヤの太さ 28Cか32C
クロスバイクのスプロケットは10速以上だと変速時のストレスが少ない

フロントギアよりリアのギアの枚数が重要
クロスバイクの標準的なギア構成は「7速×3」や「8速×3」という組み合わせで、現在も最も一般的な仕様です。
この構成は、スプロケット(後ろのギア)が7枚または8枚、フロントギア(クランク側)が3枚で構成されています。
もともとはマウンテンバイクの流れを汲んだ構成で、起伏の激しい山道を登るには非常に有効です。
しかし、市街地を走るクロスバイクではそこまでの軽いギアを使う場面はほとんどなく、フロント3枚のうち最も内側のギアは実質的に使わないという人が多いと思います。
実際のところで、フロント三速のうちの一番内側にあるギアは、どんな坂道でも使うことがありません。
最近ではそのあたりのユーザーの声を反映してかクロスバイクでも9速x2や10速x2などのモデルも見られるようになりました。
街乗りには8速や9速でも十分
最近では、ユーザーの使用環境を考慮し、**「9速×2」や「10速×2」**のクロスバイクも増えてきました。
リアのギアが多いほど、変速時のつながりが滑らかで、シフトチェンジのストレスも少ないのが特徴です。
ただし、自転車通勤や自転車通学レベルであれば、10速までは必要なく、8速や9速でも十分すぎるといえます。
長い登坂がほとんどない街中では、むしろシンプルなギア構成のほうが使いやすく、トラブルも少なくなります。
長い坂道やキツイ坂道が無いなら大きなギアは要らない
クロスバイクで採用されているギアの標準構成は、とんでもない坂道を上るのでないかぎり絶対に必要のないギアが全体の半分くらいを占めています。
たとえば、クロスバイクの定番モデル「GIANT ESCAPE R3」では、
フロントが 28/38/48T、スプロケットが 11-32T の組み合わせになっています。
しかし、実際の街乗りでは32Tのような大きなギア(=軽すぎるギア)を使うことはまずありません。
また、フロントインナーの28Tも、ペダルを踏んでも空回りしているような感覚になるほど軽いため、使う場面はほとんどないでしょう。
市街地の緩い坂であれば、スプロケットの25T程度でも十分対応できるので、フロントのインナーギア(28T)を外して2枚構成にしてしまうのも良い方法です。
クロスレシオのスプロケットに交換するのもおすすめ
平地メインの通勤・通学コースであれば、ギアの歯数の差が小さい「クロスレシオ」のスプロケットに交換するのがおすすめです。
たとえば、最大ギアの歯数が25T以下のスプロケットを選ぶと、歯数の並びが均等になり、変速時のギャップが少なく、スムーズで快適な走りが得られます。
スプロケットの交換作業は少し頑張れば自身でも行なえますが、専用工具やワイヤー調整が必要になるため、初心者には少し難易度が高めです。
カスタマイズを楽しみたい方はチャレンジしてみても良いですが、自信がない場合は、無理をせず自転車ショップに相談するのが安心です。
スプロケット交換に関する詳細は、別記事でまとめていますので参考にしてみてください。
以上、自転車通勤や自転車通学を快適にするクロスバイクのカスタマイズについての情報をまとめてみました。
クロスバイクはカスタマイズすることで自分の用途や目的に最適化させることができるので、快適な自転車通勤や自転車通学ができるようにカスタマイズしていくのが正しい道だと思います。
自転車通勤や自転車通学は毎日自転車に乗れる、通勤時間を運動に変えられるなるなどメリットも多いので、いろいろと試して快適な自転車通勤や自転車通学を実現させてください。
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