雨の日や、寒い季節などでも自転車のトレーニングを欠したくないと考える人にとっては自宅での室内トレーニングは非常に重要になってきます。
室内トレーニングのためのベストな選択は「三本ローラー」だと思いますが、賃貸マンション暮らしの身にしてみれば、三盆ローラーを導入したくても、置き場所の問題や、騒音の問題などで、なかなか導入できないものだったりします。
そこで、三本ローラーほどの本格的な乗り心地はないにしても、もう少し気軽にトレーニング出来るものとして候補に挙がるのが、後輪が固定された状態になった「固定ローラ」だと思います。
一般的な固定ローラーと言えば、固定台に後輪ホイールのハブを固定して、タイヤと設置している回転台を回転させて負荷を得るものがほとんどかと思いますが、最近は新しいタイプの固定ローラーとして、後輪のホイールやタイヤを使わない固定ローラー(ダイレクトドライブ)が増えつつあります。
後輪のホイールやタイヤを使用しない変わりに、固定台にはスプロケットが取付けられるようになっているもので、固定台のスプロケットにフレームを固定して「インドアトレーナー」として使用できるというものです。
一般的な固定台だと、タイヤ自体の摩耗、タイヤの摩耗に伴う部屋の汚れ、騒音が気になりますが、この方法だとそれらの問題が一気に解消される!・・・かもしれない、画期的な固定台なのです。
今回はそんな、後輪要らずで画期的な固定ローラーであるインドアトレーナーについてまとめてみます。
後輪を使わない固定ローラー台
Wahoo KICKR
サイクルコンピューターのメーカーとして知名度の高いWahooの固定ローラー「Wahoo KICKR」。
KICKRはインドアサイクリングシステムのシリーズで、インドアサイクリングながら勾配をシュミレーションできるなど、本格的なサイクリングと同等のトレーニングができるようになっています。
関連機器
Photo via:https://jp.wahoofitness.com/devices/indoor-cycling/bike-trainers
例えば、ヴァーチャルライドは、想定した実際のコースの起伏の情報から負荷なども調整されるようになっている他、昇降機能を持った前輪用の「KICKR CLIMB」などと併せて活用することで、実際に坂道を上っているような感覚でトレーニングできるようになっています。
さらに「KICKR HEADWIND BLUETOOTHファン」は送風用のファンで、サイクリストの姿勢と身体の位置に反応して作動などをもとに風量を調整してくれるもので、より実践的な気分でライディングができるなど、全てを揃えてしまうと、わざわざ外にサイクリングに行かなくても良いのではないかと思うほどの充実したインドアサイクリングができそうです。
サブスクリプションのwahoo X
Photo via:https://jp.wahoofitness.com/devices/indoor-cycling/bike-trainers
固定ローラーに連動した「wahoo X」と呼ばれるサブスクリプションサービスが有り、ライディング、トレーニング、レースなど、目的に応じたメニューが選択できます。
トレーニングアプリの「SYSTM」ではプロのトレーナーの指導や、あらゆる数値を参考に効率的なトレーニングができるほか、ヴァーチャルレーシングアプリ「wahoo RGT」では、レースやヒルクライムなどで、楽しみながらトレーニングを行うことができます。
参考 wahoo X
ELITE
イタリアのサイクススポーツ関連製品を手掛ける老舗メーカーのインドアトレーナー。
関連機器
固定ローラーにはいくつかの種類があり、その中の「JUSTO」「DIRETO XR-T」は、Wahooと同じく、昇降機能を持った「RIZER」と併用することで、勾配を趣味レーションできるようになります。
トレーニング系のアプリもあるようですが、Zwiftなどの自転車系のアプリと連動させて使用する感じになりそうです。
Tacx
Tacxは1957年創立のオランダでの老舗メーカーです。
2019年にガーミンによって買収され、ガーミンのグループ企業となり、Tacxの製品はガーミンのショップで販売されるようになりました。
Tacxのダイレクトドライブトレーナーのハイエンドモデルは「NEO 2T Smart」です。
Zwiftなどのサイクル系のプログラムと連動させて、起伏や勾配に合わせた負荷を体験できるようになり、より本格的なインドア作リングが出来るようになっています。
wahoo、ELITEと比べると、日本での販売に関しても積極的なのと、ガーミンのネームバリューもあり、日本でインドアサイクリングのシステムを導入する場合はTacx社の製品が一番人気があるのではと思います。
JET BLACK VOLT EMS Smart Trainer
オーストラリアの自転車関連製品メーカーのインドアトレーナー。
残念ながらまだ日本には代理店は無いようです。
参考 https://www.jetblackproducts.com/product/jetblack-volt-ems-smart-trainer/
関連機器
専用のプレートと前輪用の固定台が関連製品としてあります。
プレートは可動式でい、いわゆる「もがく」動作や、コーナーで体重を傾けるなどの動作が自然に行われるようになり、自転車を左右に振る動作ができるようになります。
前輪用の固定台は回転するようになっていて、ハンドルが固定される問題を解決しています。
いずれも、実際のサイクリングに比べて違和感を感じる部分を解決するためのアイテムで、よく考えられていますね。
参考 JetBlack Trainer Rocker Plate
参考 JetBlack Turn Riser Block
ダイレクトドライブ式インドアトレーナーについて
ロードバイクの後輪のホイールを使用しない「ダイレクトドライブ式インドアトレーナー」について調べてみました。
旧式のタイプは以前からありましたが、インターネットや最新の技術とも相性の良いトレーニング機器なので、トレーニング系のアプリなどと共に、どんどんリアルなサイクリングに近づくような進化をしているようで、今後の進歩も非常に楽しみな分野でもあります。
気になる静音性ですが、いずれも60db程度と一般的な会話レベルらしいので、この手のトレーニング用具で考えると、かなり静かなものになるでしょう。振動や音の質なども問題無いようであれば、集合住宅でも導入したくなるくらい魅力的です。
ダイレクトドライブ式の固定ローラーは、従来式の「固定ローラー」や「三本ローラー」と比べると、タイヤを使わないので、タイヤの摩耗にともなうホコリや、ランニングコスト、それから集合住宅では最も大きな問題である騒音問題をクリアする可能性のあるトレーニング台と言えるかと思います。
問題はいずれも20万円を超えるような価格なので、導入にはなかなか勇気が必要ですね。
実際問題でそれだけの費用を出せば、そこそこのスペックの新しい自転車を買えてしまうので、購入するかどうかを非常に悩むところだと思います。
とは言え、本格的なインドアサイクリングが毎日楽しめるようになることを思えば、出せない金額ではないのかもしれません。
最近はロードバイク指向なフィットネスバイクも増えているようではありますが、やはり実際のロードバイクフレームに跨がった方がより実践的なトレーニングが出来るでしょうし、モチベーションも上がるのではと思います。
今の時点でも、ここまでインドアサイクリングが進化してしまうと、エクササイズ目的に自転車に乗っている人だと「もう外に出なくても良いよいのでは?」と思ってしまいますね(笑)
もちろん、上記以外のもので最新型でなければ、ダイレクトドライブ式でも格安なものも見つけることができます。
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