日本の自転車メーカーであるRITEWAY(ライトウェイ)は子ども用自転車ブランド「ZITシリーズ」を展開しています。
そのZITシリーズの20インチ自転車ZIT 20を借りることができたのでレビューとしてまとめてみました。
RITEWAY キッズバイク ZIT ジット
RITEWAY(ライトウェイ)について
Photo via:https://www.riteway-jp.com/
ライトウェイプロダクツジャパンのキッズバイクブランド
ライトウェイプロダクツジャパンは、東京都豊島区に本社を置くスポーツバイクなどを手掛ける日本の自転車メーカーです。
アメリカの自転車メーカー「FELT」や「GT」「BOMBTRACK」などの自転車を取り扱うほか、自社ブランドの自転車も展開しています。
RITE WAT ZITシリーズについて
RITEWAYのZITシリーズは、ライトウェイプロダクツジャパンの子供用自転車です。
ZITシリーズには14インチ、16インチ、18インチ、20インチのサイズがあり、3歳〜9歳くらいまでの子供が乗るのに適したサイズで展開されています。
参考 RITEWAY
RITEWAY ZITのタイヤサイズと適応身長
● ZIT 14 14インチ
身長90~106cm 年齢3歳〜5歳くらい(年長)
5.8kg(ペダル・スタンド無し)
参考 ZIT 14● ZIT 16 16インチ
身長96~113cm 年齢4歳〜6歳くらい(小1)
6.3kg(ペダル・スタンド無し)
参考 ZIT 16● ZIT 18 18インチ
身長102~120cm 年齢5歳〜7歳くらい(小2)
6.8kg(ペダル・スタンド無し)
参考 ZIT 18● ZIT 20 20インチ
身長108~130cm 年齢6歳〜9歳くらい(小3)
8.6kg(ペダル・スタンド無し)
参考 ZIT 20
ZIT 14、ZIT 16、ZIT 18は就学前の幼児用、ZIT 20は小学校低学年用の自転車と考えることができます。
この中でZIT 20だけが「多段ギアの変速有り」になっていて差別化がされています。
この記事ではZIT 20についてのレビューをまとめていますが、ZIT 16についても、実際に乗車する機会があったので、感想などを下記の記事でまとめていますので参考にしていただければと思います。
RITEWAY キッズバイク ZIT 20の特徴
RITEWAY ZIT 20は小学校低学年に適したサイズの自転車
RITEWAY ZIT 20の適用身長は108~130cmで、小学校低学年である小1〜小3くらいの子が乗るのに丁度良いサイズです。
BMXタイプのスポーティな自転車です。
幼児向けのいかにも子供染みたデザインの自転車からステップアップするのに良い感じの自転車ですね。
サイズ以外は大人用の自転車とほとんど同等のスペックで、凛とした雰囲気のカッコ良い自転車です。
ZIT 20は6速の多段ギア
RITEWAY ZITシリーズの幼児用サイズである14インチ、16インチ、18インチはギアが一枚のシングルギアですが、ZIT 20だけは6速の多段ギアが採用されています。
シフトチェンジができるので、よりスポーティーに自転車を楽しむことができるような仕様です。
「小学校低学年用の自転車にシフト切り替えは付きの自転車は早いかも」と考える人もいるかと思いますが、スポーツタイプの自転車の場合、20インチ以上から多段ギアを採用したモデルが多く、むしろギアの無い自転車の方が珍しい感じです。
RITEWAY ZIT 20の外観
子供用自転車には思えないくらいの凛々しい見た目ですね。
RITEWAY ZIT 20の細部の印象
RITEWAY ZIT 20 フレーム周辺
ヘッドパーツ(ヘッドチューブ)
RITEWAY ZITシリーズの特徴の一つがヘッドパーツ(ヘッドチューブ)です。
ロードバイクなどのスポーツ系の自転車に乗る人であれば、上記の写真を見て「おや?」と思う人も居るかもしれません。
ヘッドチューブの端が広がった「テーパータイプ」になっていることからも察することができるように、ロードバイクなどでよく見かける「インテグラルタイプ」になっています。
インテグラルヘッドは軽量化や剛性アップなどの効果を期待して採用されることが多く、現在のロードバイクなどでは主流の規格です。
おそらくZITシリーズも軽量化などを意識してインテグラルヘッドを採用しているものと思いますが、子供用の自転車では珍しいかもしれません。
インテグラルヘッドのメリットとして、ヘッドパーツがヘッドチューブ内に収まるので、一般的な自転車にあるようなヘッドチューブとフォークの間にあるベアリングを受けるためのパーツが見えません。
そのため、ヘッドチューブとフォークがシームレスに繋がるので、なんとなく見た目の印象が他の自転車とは違って見えて、よりスポーティな印象になってカッコ良いのです。
このあたりは、開発者やメーカーの拘りが窺い知れる部分で「素晴らしいなぁ」と思わず感心してしまった部分でもあります。
おそらく自転車に興味がある人でなければ、ほとんどの人が気づかない部分だと思いますが、こういう細かい部分へのこだわりが多いほど「なんとなくカッコ良いな」「どことなく特別感があるな」と感じる部分にもなってくるんですよね。
そういうこだわりが、このヘッドパーツ(ヘッドチューブ)から感じ取ることができて、自転車愛好家としては嬉しくなるような仕様です。
塗装
RITEWAY ZIT のフレームの塗装からも、こだわりが感じられます。
塗装に関しても見た瞬間に「おや?」と気付く部分でした。
フレームの色のノリが非常に良いのです。
表現が難しいのですが、塗料が厚いというか、色に深みがあり、美しい塗装です。
これは写真では伝えきれないので是非、試乗会などで実物を見て欲しい部分ですね。
ちなみにカラーはブラック、ネイビー、ベージュ、スカイブルー、レッドの5色があります。
フォーク
フォークはストレートタイプのアルミ製。
肩口のワンポイントのマークが良い感じです。
フォークには泥除けとキャリアーを取り付けるためのダボ穴も備わっているので、オプションで前カゴなども取り付けることができるようになります。
あれこれ取り付けられるのは便利ですが、個人的にはシンプルな方が見た目もカッコ良いので、そのまま乗るのが一番良いかなと思います。
ボトルゲージ用ダボ穴
ダウンチューブにはボトルゲージ用のダボ穴も備わっています。
大人用のスポーツ自転車と同じでいっちょ前感がありますね。
いやぁ、それにしてもフレームの塗装の色が良い感じです。
溶接部
溶接部の具合はこんな感じです。
RITEWAY ZIT 20 ハンドル周り
ハンドル
ハンドルはアルミ製で握り径は22.2mm。
クランプ径25.4mmで一般的な大人用のクロスバイクなどで使用されているハンドルと同じ規格です。
ハンドル幅は520mmなのでジュニアサイズですね。
十分な幅がありバランスを取りやすいサイズだと思います。
グリップ
ストレートタイプのグリップが採用されています。
大人用だと幅広タイプのコンフォートグリップなども検討したいところですが、子供用の場合は握りやすさを考えた方が良いと思います。
そんなわけでストレートタイプがベストチョイスになりますね。
滑りづらい素材と加工がされてあるので、安心感もあります。
シフター
シフターはシマノ製の6速用 SL-TX30-6R。
シフトアップはトリガーを引く、シフトダウンはボタンを押して操作。
操作自体は簡単なのですぐに扱えますが、シフトチェンジの理屈を理解するのは小学校低学年には難しいので、好きなギアで適当に走ることにはなりそうですが、理屈は理解できなくても「ガチャガチャ」とシフトチェンジが楽しめるだけでも価値があると思います。
ブレーキレバー
手が小さな子供でも握りやすいショートタイプのブレーキレバーを採用しています。
ブレーキ
ブレーキは制動力の高いVブレーキ。
タイヤ
ブロックタイヤ
タイヤは太めのブロックタイヤなので、少々の段差などがあっても平気で走破できそうです。
十分オフロード向きなタイヤだと思いますが、さらに本格的なブロックタイヤもオプションとして選べるようです。
Photo via:https://www.riteway-jp.com/bicycle/riteway/media/9770989.html
英式バルブ
バルブは最も馴染みのある英式バルブなので、一般家庭にあるような空気入れが使えます。
RITEWAY ZIT 20 サドル周り
サドル
スポーティな形のサドルですが、クッションは厚めなので、子供にとっては快適なサドルだと思います。
シートクランプ
シートクランプはクイックリリース付きです。
子供用自転車はサイズ調整を頻繁に行うのでレバー付きクランプは便利ですね。
RITEWAY ZIT 20 コンポーネント
クランクセット
クランクのチェーンリングの歯数は36T。
重すぎず軽すぎずで、子供には踏みやすいと思われます。
チェーンガードが備わっているので、チェーンとチェーンリングで指を挟み込むなどの事故も防げそうです。
リアディレーラーとスプロケット
リアディレーラーはシマノのTOURNEYで、子供用自転車によく装備されているグレードです。
自転車の転倒時にディレーラーを守ってくれるディレーラーガードと、チェーンがホイール側に落ちないようにするためのスポークプロテクターも備わっています。
いずれも大人用の自転車ではあまり装備しないものですが、子供用の自転車では必須です。
RITEWAY ZIT 20に子供を乗せてみる
小学校1年生(115cm)にピッタリのサイズ
RITEWAY ZIT 20に6歳の子供を乗らせてみました。
小学校1年生で身長は115cm程度です。
このサイズの自転車に乗ったのは初めてでしたが、サドルを一番低くした状態にすると、両足がしっかりと地面に届くので、怖がらずに乗ることができました。
それまでは16インチの幼児用の自転車に乗っていたので、大きな自転車にいきなりチャレンジするのは難しいだろうと思っていたのですが、特にフラつくこともなく、今まで乗ってきた自転車のようにスムーズに走り出しせたので「乗りやすい自転車なのかな」と思います。
ZIT 16とZIT20のサドルの高さ比較
サイズ的にも16インチのZIT 16のサイズを目一杯高くした状態と、20インチのZIT 20のサドルを目一杯下げた状態だとサドルの高さもほぼ同じになります。
自転車のサイズが変わっても違和感なく乗り換えが出来たのだろうと思います。
たとえばZIT 16から ZIT 20にサイズアップで乗り換えたとしても、スムーズに移行ができそうです。
小学校低学年(3年)までは余裕で乗れる
サイクリングがてら少し離れた公園まで行きました。
少し離れた場所にある公園だったので、いきなり大きな自転車に乗るのは不安だったことともあり、公園までは弟(小1 115cm)がZIT 16に乗り、兄(小4 135cm)がZIT 20に乗りました。
兄はさすがにZIT 20に乗るにはやや窮屈な感じではありましたが、無理して乗るというレベルではなかったので、小3くらいまでだと余裕で乗れるサイズになると思います。
小学校1年から3年まで乗ることができれば、次の買い替えのタイミングは小学校4年から6年まで乗れるサイズの自転車(24インチ程度)を探せば良いので、乗り換えるには最高のタイミングです。
RITEWAY ZIT 20のまとめ
冒頭でも紹介したように、RITEWAY ZITシリーズは「自転車が大好きになる」というコンセプトで、軽量さと乗りやすさが特徴の自転車です。
実際に子供に乗らせてみると、すぐにそのコンセプトの狙いが理解できると思います。
一般的に子供が新しい自転車に乗ると、フラついたり、上手く扱えなかったりするのですが、RITEWAY ZITシリーズの場合は、まるで今までずっと乗ってきた自転車のようにスイスイと乗り始めてしまうのです。
このあたりは、子供の乗りやすさを考えた安定しやすいフレームの設計だったり、軽量なので扱いやすさがあるのだと思います。
本当に「よく考えて作られているなぁ」と思います。
RITEWAY ZITシリーズ自体は2020年8月から発売になった自転車なので、まだ若いブランドですが、開発期間4年でフレーム設計の変更を重ねてきた後のリリースだけあって、完成度が非常に高い自転車だと思いました。
小学校低学年用の自転車を探せば、いろいろなメーカーの自転車が見つかりますが、その中でも、かなりおすすめの自転車になるのではと思います。