2017年に神奈川県川崎市で起きたスマホを見ながら運転する自転車に轢かれた女性が死亡した事故で、自転車を運転していた女子大生が書類送検されました。
情報によると、片手にスマホ、もう一方の手にドリンク、そして片耳にイヤホンという曲芸乗りの果ての事故だったようですね。
僕個人が今までに遭遇した、最も酷い曲芸乗りは、スマホ操作、両耳イヤホン、無灯火、逆走という、あらゆる危険行為を総合商社的なものでしたが、困ったことに、そのレベルの危険運転をする人は、実際では頻繁に見かけるレベルで遭遇するのですよね。
その危険行為の代表と言われるのが「スマホ操作」などのながら運転ですが、危ないと言われながらもいまだによく見かけます。
実際問題で、もっと危険でしっかりと取り締まりも行われている自動車ですら、未だにながら運転をする人が絶えませんから、スマホを見ながらの自転車の運転がなくなるのはまだまだまだ先のことなのでしょう。
しかしながら、今回の神奈川のように死亡事故が起きてしまえば、否応でも厳しく規制される方向に進んでいくんじゃないかと思われます。
そんなわけで、スマホを操作しながらの、ながら運転や、スマホを使用しながら自転車を運転する人にとって強い味方のスマートフォンホルダーなどについて考えてみました。
携帯電話(スマホ)の歴史は規制の歴史
携帯電話(スマホ)は規制の歴史
携帯電話が一般的に使われるようになって四半世紀が経ったくらいだと思いますが、一般に普及するのと同時に、様々な規制や、守るべきマナーが次から次へと出てきました。
なので、スマートフォンの歴史は規制の歴史と言っても過言ではないのかもしれません。
例えば、電車の中での通話やマナーモード。
2000年あたりの時代だと、ようやく多くの人が携帯電話を持つようになった時代で、マナーなんてものは存在せず、電車の中で通話する人は非常に多かったですし、そこいらで着メロが聞こえていたものでした。
自動車でも運転中に電話をかけるなんてことも当たり前にされていたように思います。
電車での通話なども、当初は多くの人が普通に行なっていたことですが、不快に思う人も多く、実際にトラブルや事故なども多発したため、規制やマナーを求められるようになり、徐々に電車の中で通話する人も少なくなり、マナーモードにするのも当たり前の世の中になってきました。
今は歩きスマホが圧倒的な迷惑行為
今で言えば、圧倒的に歩きスマホが迷惑行為の代表でしょう。
様々な場所で「歩きスマホはやめましょう」などの注意書きが見られるようになり、ニュースなどでも取り上げられるようになったので、やがて歩きスマホも路上喫煙と同じレベルに、一部のマナーを守れない人たちを除けば、次第に恥ずかしい行為として認識されていくのではないかと思います。
歩きスマホをしている人は、ほとんど前を見て歩いていません。
本人は人にぶつからないからちゃんと前を見て歩いているつもりなのでしょうが、ぶつからないのは多くの人が前もって避けてくれているからなのです。
しかし、ながら歩きをしている人はそのことには気がつきません。
また、周りを見ていないのでフラフラしながら歩いたり、人の流れに乗らなかったりするので、歩きスマホをしている人の後ろを歩くと、イライラさせられることが非常に多いです。
他人に興味がないのか、中毒なのか、ここまで世の中的に話題になっているにも関わらず、歩きスマホをやめられない人たちは、やっぱり罰則などで規制されない限りはやめないでしょうから、規制の方向に進んでしまうのは当然の流れかと思います。
スマホを見ながらの自転車運転
スマホを見ながら自転車運転
スマホを自転車に乗りながら見てしまう人たちがいます。
以前から危ないと指摘されていますが、歩きスマホ同様に、本人たちは危ないと思っていないので、平気でスマホを見ながら自転車を走らせます。
その結果、追突して人身事故を起こしてしまったり、自らが事故に遭ってしまったりするわけですが、残念ながら事故を起こすまでは聞く耳を持たないのも彼らの特徴です。
東京新聞の記事によれば、2018年にスマホを使用しながらのながら運転で警告を受けた自転車は、神奈川県だけで11,602件もあるそうなので、全国だとどえらい件数になるでしょう。
安全運転義務に違反した人への対処
自転車のながら運転は「安全運転義務違反」になります。
現状で、それらの違反者に対しては警告をして、それでも守られない場合は、交通切符を切るというような対処をしているそうです。
しかし、改正道路交通法が施行された当初に話題になった赤切符や講習を受けなくてはいけないような状況にならずに、警告だけで終わる場合がほとんどのようです。
警告だけでは何の罰則もないため、警告の際にもらう自転車指導警告票をもらっても全く意に介せず反省もしない人も多いのではないかと思います。
事故を起こした場合は責任を問われることもあるようですが、実際問題で自転車は交通弱者の立ち位置なので、歩行者でも跳ねない限りは基本的に罰則を受けるなんてことも滅多にありませんから、自転車での違反行為を軽く考えている人も多いと思われます。
実際にtwitterなどで自転車指導警告票で検索してみると、反省するどころか「処分も罰則もないからヘーキ」という考え方をしている人が多く見つかります。
要するに、まだまだ自転車の乗車へのマナーに対する意識が低い人が多いということなのでしょう。
スマホを見ながらの自転車運転の規制
2024年11月1日より、自転車を運転中にスマートフォンを手に保持して、通話や画面を注視する行為が罰則の対象となりました。
規制されたらスマホホルダーはどうなるか?
さて、もしも自転車乗車中のスマホの使用が現状より規制が強化されたとしたら、スマホホルダーの扱いはどうなるのか気になるところです。
街なかで見かける自転車にも、スマホホルダーを装備している自転車を多く見かけます。
もしも規制されたらそれらは一体どういう扱いを受けるのでしょう。
規制されないかも
自動車やバイクなどでも運転中の通話やスマホ操作は禁止されています。
しかし、ダッシュボードなどに固定して、ナビとして使用するのは特に問題が無いようです。
ということは、自転車の場合も直接手に持って操作するのは違反行為として処罰されたとしても、ステムやハンドル部分に固定して使用する場合には特に問題視されないのかもしれません。
規制されるかも
スマホをハンドルやステムに取り付けていたとしても、走行中に動画を見たり、操作したりするようなことをするような人が出てくるかもしれません。
いくら手持ちでなくても、それらの行為が危険なのは変わりがないので、自転車に乗車中は操作させないようにするためにスマホホルダーにも規制がかかるかもしれません。
改正道路交通法が施行された際に、関西で人気だった傘を自転車に固定する器具の「さすべえ」なども槍玉に上がり、たとえハンドルに固定して使用するにしても、安全運転義務に抵触する可能性があったため、さすべえ自体が「どこでもさすべえ」と名前を変えています。
用途を自転車用と限定しないようにぼかしたものにしたんじゃなかと思ったりもします。
個人的には傘を固定する器具は違反かなと思っていますが、まだまだAmazonなどでも自転車で使用することが前提の製品として、類似品も多々販売されているので、イヤホンの使用と同じくグレーゾーンなのかもしれません。
サイクルコンピューターも気をつけよう
サイクルコンピューター自体は全く規制されるようなものではありませんが、最近はサイクルコンピューターの高機能化とともに、様々な項目を多数表示できるようなサイクルコンピューターも出てきたました。
表示項目が増えていく中で、画面もごちゃごちゃした感じになり、シンプルな表示のサイクルコンピューターと比べると、視認性は確実に悪くなっていると思われます。
視認性が悪くなると、それだけサイクルコンピューターを見る時間が長くなります。
また、ステムなどにサイクルコンピューターを取り付けた場合、確認のためには真下を見るようになり前方不注意になりがちです。
あまりサイクルコンピューターの数値ばかり気にして走るようになると、事故を起こしてしまうことも考えられます。
僕自身も最初はステムにサイクルコンピューターを取り付けていましたが「ちょっと危ないかも・・・」と感じることが多かったので、サイクルコンピューターをハンドル前方に取り付けられるようなアクセサリーマウントを購入しました。
アタッチメント自体は10cmも満たない小さなものですが、サイクルコンピューターが前に出ることでかなり見やすくなるだけでなく、前方の視界を確保しつつサイクルコンピューターも確認できるようになり、非常に良い買い物をしたなと思っています。
アクセサリーマウントはキャットアイの製品ならキャットアイ専用のものがありますし、その他の類似のアクセサリーマウントでも十分だと思います。ちなみに僕が使用しているのはミスターコントロールというメーカーのものです。
工夫次第で、より安全に自転車に乗ることもできるようになるので、是非検討してください。
以上、自転車を運転しながらのスマホのながら運転についてのまとめでした。