2020年の初頭から始まった新型コロナウイルス騒動で、ロックダウンなどが世界中で敢行されるなど、経済活動ができなくなったり、消費マインドの縮小などで、経済的に多大な影響を受けた業種も多いかと思います。
かく言う私のいる業界でも影響は大きく、いわゆるコロナショックをもろに受けてしまっていたりします。
そんなわけで、自分の生活がまず心配なわけではありますが、自転車乗りの一人として、自転車業界はこのコロナ禍で一体どのような影響を受けたのか気になるところでもあったので、自転車業界のコロナ禍の影響について調べてみました。
自転車関連会社の業績
まずは代表的な自転車関連会社のコロナ禍の業績を確認してみます。
株式会社シマノ
Photo via:https://www.shimano.com/
2020年12月期の連結業績(2020年1月1日~2020年12月31日)
売上高3780億4000万円(前年比4.1%増)
営業利益827億100万円(同21.6%増)
純利益634億7200万円(同22.5%増)
https://www.shimano.com/jp/ir/library/cms/contents/FY2020-4Q.pdf
2021年12月期の連結業績(2021年1月1日~2021年12月31日)
売上高5465億5000万円(前年比44.6%増)
営業利益1482億800万円(同79.3%増)
純利益1159億3700万円(同82.7%増)
https://www.shimano.com/jp/ir/library/cms/contents/FY2021-4Q.pdf
コロナ禍初年度も、密を避ける手段として自転車通勤や通学が推奨されたり、アウトドア系に趣味がシフトしたこともあり、自転車や釣具を扱うシマノは業績を伸ばしましたが、さらに2021年は絶好調で、過去最高の利益を上げています。
シマノの純利益最高へ 22年12月期、自転車・釣り具好調|日本経済新聞
シマノは8日、2022年12月期の連結純利益が前期比1%増の1175億円と過去最高を更新する見通しだと発表した。新型コロナウイルス禍の中、感染リスクの低い屋外レジャーとして自転車や釣りの世界的な人気が続き、変速機など自転車部品や釣り具の需要は堅調に推移すると予想。売上高も6%増の5800億円と過去最高となり、3期連続の増収増益を見込む。事業別では自転車部品の売上高は7%増の4750億円を見込む。欧米での高級自転車向け、東南アジアなど新興国を中心とする普及価格帯の自転車向け双方で同社製部品への引き合いが高水準で推移しているという。
株式会社あさひ
Photo via:https://corporate.cb-asahi.co.jp/
2021年2月期の業績(2020年2月21日~2021年2月20日)
売上高694億5600万円(前年比16.6%増)
営業利益68億6300万円(同71.3%増)
経常利益73億2600万円(同72.5%増)
当期純利益47億1700万円(同84.4%増)
https://corporate.cb-asahi.co.jp/ir/library/%E7%9F%AD%E4%BF%A120210405.pdf
売上高、営業利益、経常利益、当期純利益ともの大幅にプラスになっています。
2022年2月期の業績(2021年2月21日~2022年2月20日)
売上高713億9800万円(前年比2.8%増)
営業利益52億2100万円(同23.9%減)
経常利益55億1200万円(同24.8%減)
当期純利益35億4100万円(同24.9%減)
https://corporate.cb-asahi.co.jp/ir/library/%E6%B1%BA%E7%AE%97%E7%9F%AD%E4%BF%A120220405(%E6%B8%9B%E7%9B%8A%E4%BF%AE%E6%AD%A3).pdf
2021年は減が目立ちますが、コロナ前と比べればプラスの結果となっていると思います。
自転車専門店「サイクルベースあさひ」が好調 “斜陽産業”のイメージ覆して急成長した理由|IT mediaビジネス
サイクルベースあさひを経営する、あさひの2021年2月期決算は、売上高694億5600万円(前年同期比16.0%増)、営業利益68億6300万円(同71.3%増)、経常利益73億2600万円(同72.5%増)と、まさに絶好調であった。
コロナ禍で非接触を求めるニーズが高まり、通勤・通学に自転車を使う人が急増。従来からの健康志向やアウトドアブームも、プラスに働いた。
コロナ禍でも自転車産業は好調
日本を代表する自転車関連会社である、シマノとサイクルベースあさひの業績を見る限りでは、自転車はコロナ禍でも業績を伸ばすことができている業種の一つと考えることができそうです。
実際のところで、2020年の自転車販売市場は2100億円超で、過去最高を記録したとの情報もあります。(帝国データバンクの調査)
好調の理由
コロナ禍でも、業績が好調の理由として、下記の3つが挙げられるようです。
● 三密を避けられ、感染リスクの低い通勤・通学の手段
● スポーツジムなどが閉鎖され、代替えのエクササイズとして注目
● 三密を避けられるレジャーとして注目
コロナ騒動の初期の頃には、営業自粛やロックダウンの影響もあり、出荷が停止したり、工場が稼働していないことにより、品薄などで業績の悪化もあったようですが、順調に稼働し始めてからは好調に転じたようです。
この動きは日本国内だけでなく、世界各国で新型コロナウイルスが流行し始めた春先ぐらいから、自転車が需要が高まるなどの動きが出始めたり、自転車の購入や修理に対して、補助金制度を導入するなどの動きもあり、自転車の需要を高める後押しになったと思われます。
新型コロナ対策で自転車補助金例
フランス
上限50ユーロ(約6500円)の「自転車修理」補助金支給
イタリア
モビリティー・バウチャー 上限500ユーロ。購入費用の60%の額の補助
イギリス
自転車の修理に使う50ポンド、日本円で約6700円分の補助金
参考 「新しい生活様式」を踏まえた国の取組と、企業の皆様、自転車通勤をされる皆様へのお願い|国土交通省
参考 新型コロナ禍における自転車利用についての調査| `PRwire