日頃はクロスバイクやロードバイクばかりに乗っている僕ですが、子育て世代ということもあり、電動アシスト付きの子供乗せ自転車を購入しました。
子育て世代で週末は主に家族サービスにあてられるため、クロスバイクやロードバイクはお預けの代わりに、電動アシスト自転車が僕の主な自転車になります。
さて、今回購入した電動アシスト付きの子供乗せ自転車が僕にとっての初めての電動アシスト自転車になるわけですが、乗ってみる前と後とでは随分と電動アシストに対する印象が違いました。
大変興味深かったので電動アシスト自転車に乗ってみて気づいたことなどをまとめてみたいと思います。
電動アシスト自転車はメチャクチャ重たい
電動アシスト自転車の重量
電動アシスト自転車が納品された時、最初の感想は「重い」でした。
兎にも角にもメチャクチャ重いんです。
例えばロードバイクの重量はカーボンフレームだと7kg~8kgが一般的な重さと思います。クロスバイクの場合は少し重くなりますが最近は10kgを切るモデルも増えました。
ところが電動アシスト自転車は26kg〜35kg程度の重さがあるのです。
僕が購入した電動アシスト自転車はその中でも軽い部類のもので26kg程度なのですが、持ち上げてようとしても持ち上がりません。持ち上がらないのでクロスバイクやロードバイクでよくやるようなサドルを掴んで後輪を浮かせてクルッと方向転換などという小回りが全く効きません。
そこまで重い理由は主にバッテリーと電動アシストシステムが搭載されているからです。
バッテリー容量が大きいものだとバッテリーだけで数キロもの重さがあるので仕方ないとは言え、まさかここまで重いとは想像もしていませんでした。
この重たい自転車を世の中のお母さんが乗り回しているなんて信じられないレベルの重さです。
ヤマハの電動アシストロードバイクのYPJ-Rが16kgとかで「非常に軽くなった」と言うニュースを初めて聞いた時には、とんでもなく重い自転車だと思っていましたが、こうして一般的な電動アシスト自転車の重さを知ってしまうと16kgというのは実は驚異的な軽さだったのだと今更ながらに気がつくのでした。
子供を載せると50kg!!
このメチャクチャ重たい自転車にさらに子供を乗せます。
子供は3歳児で15kg程度はありますから、僕の選んだ比較的軽い電動自転車でも40kg以上の重さになってしまいます。
これに加えて荷物などの重さが加わるわけですから最終的には50kgを超えるような重量になり、クロスバイクやロードバイクでは想像だに出来ないレベルの重量になってしまいます。
いや、軽量な原付バイクに匹敵するレベルの重さです。
電動アシスト自転車は本当に軽く走れる
電動アシスト機能は本当に軽かく自転車をこげる
上記のようにメチャクチャ重たい電動アシスト自転車ですが、乗ってみると噂に違わずで自転車を漕ぐのは非常に楽です。
坂道なんかでもアシスト機能のおかげで、平地とほとんど変わらない程度の負荷で涼しい顔をして登り続けることが出来ます。
アシストしてくれるのは坂道だけではなく、負荷の大きい漕ぎ出しもアシストしてくれるので非常に楽に走り出すことが出来ます。
ペダルを踏み込んだ時に電動モーターが回るような感じで、バイクに乗っている時にアクセルを少し回した時の感じに似ています。
初めて乗った時は勝手に走り出してしまいそうな感じで驚きました。
車体の重量は隠せない
しかし、漕ぐのが軽いのですが、車体の重さはどうしようもなく、ちょっとした方向転換や道を譲るために少し動きたい場合などは否が応でもその重さを実感することになり、少しでも車体が斜めになるとズッシリとした重力を感じバランスを崩しやすくなります。
このヘビー級な自転車だと、仮に走行中にバランスを崩すと立て直すのは難しいんじゃないかと思ったのと同時に、子供乗せ自転車が転倒して事故が起きるという事故が多いのも納得した次第です。
坂道は楽だけど基本的にはスポーツバイクの方が楽
電動アシスト自転車のコマーシャルなどで、ロードバイクなどと坂道を競争する映像などがあります。ロードバイクに乗っている人が苦しそうな表情を浮かべる傍で涼しい顔で電動アシスト自転車が登っていくという、分かりやすいイメージです。
本当にそうなのだろうかというところですが、山道など延々と続く長い長い上り坂に限っては、絶対的に電動アシスト自転車が楽だと思います。
しかし、街乗りレベルの坂道などであれば、個人的にはロードバイクやクロスバイクの方が楽だなと感じました。
電動自転車は何をとってもまずはその車体の重さがあるので、電動アシストがあると言っても急な坂道では多少なりに負荷を感じます。
坂道が延々続くのであれば電動アシスト自転車に分があるのですが、街なかによくあるレベルの数百メートル程度の坂道であれば車体の軽いロードバイクやクロスバイクの方が速く楽に上り切ることができると思います。
電動アシスト自転車はバッテリーが切れても動く
バッテリー切れでもバイクなどのように動かせなくなる訳ではない
電動アシスト自転車は上記のようにメチャクチャ重たいのでバッテリー切れでアシスト機能が使えなくなると尋常じゃなく重たいと言われます。
しかしながら、平地であれば多少の重たさは感じますが、普通の自転車と同じような感覚で走らせることが出来ます。漕ぎ出しや坂道では重さを感じますが、ある程度スピードが出れば、普通の自転車と変わりません。
僕が選んだ電動アシスト自転車は平均よりもバッテリー容量が少ないモデルを選んだので、バッテリー切れが不安要素ではあったのですが、アシスト機能無しで走ってみた感じからすれば、バッテリー切れをそれほど恐れる必要はないなと思いました。
加えてバッテリーが小さいと言っても省エネモードであれば100km以上は走れるようなので、きちんと充電さえしていればバッテリーで不安を感じることなんてないとは思います。
バッテリーが切れた状態での坂道は諦めるしかない
普通の自転車のように走れると言ってもそれは平地だけで、バッテリーが切れた状態だと坂道は諦めた方が良いでしょう。
電動アシスト自転車は立ち漕ぎが出来ない
電動アシスト自転車は立ち漕ぎが出来ません。
というのも、ペダルを強く踏み込むことで「坂道がキツくなった」と判断しているようで、立ち漕ぎのように一気に体重をかけるようなペダルの踏み方だと、電動アシスト機能が全開になってしまい、ペダルを踏むと空回りしてしまうような状態になってしまうのです。
チェーンが外れてしまったかのごとくなんの抵抗もなくなってしまうのでバランスを取ることが出来ず、立ち漕ぎ出来ないのです。
きっとこれはロードバイクのレースなどでも同じことが言えると思え、みんなが立ち漕ぎするほどの激坂でもシッティングで漕ぎ続けて鬼のように速い選手がいたりすれば、メカニカルドーピングを疑ってみても良いのかもしれません。
怪しさを隠すにはみんなと同じで立ち漕ぎした方が自然に見えるはずですが、それをしたくても出来ない事情があるのだろうなと思います。
坂道よりも逆風時に有り難い
電動アシスト自転車は坂道に強いというイメージがありますが、実際問題で毎日乗ることを考えると、意外と日常生活では坂道は少ないのではないかと思います。
例えば東京などは、関東平野ですから基本的には平野でキツい坂道はそれほど多く無いので、日常で乗る範囲ではあまり坂道に出くわすことが少ないのです。
そんなわけで個人的に電動アシストの恩恵を感じたのは逆風時の自転車です。電動アシストは傾斜ではなくペダルを踏み込む時の抵抗の大きさで判断しているため逆風でも動作してくれるのです。
なので、台風のような強風の中でも、スイスイと走ることができるのです。これは非常に気持が良いです。
電動アシスト自転車に乗ってみた感想まとめ
僕にとっての初めての電動アシスト自転車ですが、実際に乗ってみると、想像していたものとはちょっと違った乗り心地で、やっぱり何事も経験してみなければ分からないことって多いんだなと思いました。
実際に電動アシスト自転車に乗る前は、たとえ子供乗せ自転車でも軟弱で力の弱い女性のためのものという考えがありましたが、スポーツバイクとしても非常に良いモノなんだと思います。自動車で言えばMT車ではなくAT車のポジションですかね。
なので、ヤマハのY-PJなどのようにロードバイクやクロスバイクに電動アシスト機能がついた自転車も、他の自転車仲間と楽しくサイクリングを楽しむためには電動アシスト機能を使うというのは方法として全然アリだなと思いました。
現状で価格よりも重さがネック
電動アシスト自転車の価格は高めですが、電動バイクみたいなものですからそこはしょうがないとして、兎にも角にも重たさが気になるのでパーツ類がもう少し改良されてもっと軽量化されれば良いなと思った次第です。
せめて一般的な自転車の重量である16〜18kg程度まで落ちれば良いのになと思いました。
あと、リアにチャイルドシートを取り付けていると、思っている以上に車幅が出てしまうのと重量もあるので、車道を走るのは事故につながると感じたので、子供を乗せている時は歩道(自転車歩行者道)側を走るのが正解だろうと思います。
バッテリーの進歩で今後はますますe-bikeの時代
電動アシスト自転車が世の中に初めて登場したのは1993年ということですでに四半世紀が経っていますが、キーとなるバッテリーはこの数年で急激に大容量かつ小型化が進んでいるので、ここから先が本格的な普及の時代になるのかもしれません。
そんなこんなでまだまだ改良点もありそうな電動アシスト自転車ですが、自動車の多くがMTからATになったように、自転車も将来的には電動アシスト付きの自転車ばかりになるような気がします。
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