クロスバイクやロードバイクは大切に乗っていても、埃や砂利などで、いつの間にか汚れてしまうものです。
あまり汚いままで走るのも気分が良く無いので、自動車などと同じく時々洗浄してあげることでいつまでも気分良く乗れる綺麗な状態を保つことができます。
さて、自転車の洗浄方法でベストなのは、走った後には必ず洗浄する、という作業を行なえば、いつもピカピカに保てるわけですが、実際問題でなかなか難しいですよね。
僕の場合もクロスバイクは屋外の駐輪場で保管していますから、埃で汚れるのは仕方が無いことだと思っています。
とは言いつつも、やっぱりピカピカな自転車は気持ちが良いので、時間がある時にはなるべく洗浄して綺麗にしてあげたいと思うのです。
そこで、クロスバイクやロードバイクのフレームの洗浄をする際に使用する洗剤は何が良いのかとメンテナンスブックなどに目を通すと、頻繁に出てくるのが中性洗剤と呼ばれる種類の洗剤です。
しかし、そもそも中性洗剤とは何なのか、そしてクロスバイクやロードバイク専用ではない洗剤でも中性洗剤があるのか?などという素朴な疑問が沸いたので、中性洗剤について調べてみることにしました。
中性洗剤って何?
中性洗剤はpH6.0以上~8.0以下の洗浄剤
中性洗剤とは、pH6.0以上~8.0以下の洗浄剤、との事。
と言われても良く分かりません。
phはペーハーと呼び、中学時代の理科で習った覚えがありますが、洗剤の場合は、家庭用品質表示法で規定されていて、酸性かアルカリ性かを0〜14の数値で表す必要があります。
この数字が少ないほど酸性で、数字が大きいほどアルカリ性となり、phが6〜8のものが中性洗剤となります。
phによる分別
● 0~5 酸性
● 6〜8 中性
● 9〜14 アルカリ性
容器に表示がある
実はそんな事を知らなくても、洗剤の裏側に書かれている注意書きを見れば、大抵の場合、酸性だの、アルカリ性だのの表示がされているはずなので、使用している洗剤が一体何性なのかをすぐに知ることが出来ます。
ちなみに、一般的な家庭用の台所用洗剤は、ほとんどの場合が中性洗剤とのことで、クロスバイクやロードバイクを洗浄する際に使用して問題無いようです。
調べてみたところ、我が家で使用している「花王 ファミリーキュキュット」や「バスマジックリン 泡立ちスプレー」も中性洗剤でした。
中性洗剤の特徴は?
自転車の場合、ゴムや樹脂、金属などいろいろな素材が使われています。
それを酸性の洗剤で洗浄するとワイヤーなどは錆びやすくなってしまいますし、油汚れに強いアルカリ洗剤ではアルミフレームや樹脂が腐食してしまいます。
なので、酸性やアルカリ性の洗剤は使用する場所を選ばないと却って自転車にダメージを与えてしまうことになるのです。
そんなわけで場所を問わずで安心して使用できるのが中性洗剤で、どんな素材に対しても素材を痛めず優しい洗剤というわけです。
いろいろな素材が使用されている自転車の洗浄に中性洗剤が用いられるのは、そんな理由があるわけですね。
● 酸性は金属を腐食させる
● アルカリ性は油汚れに強いがアルミや樹脂を腐食させる
自転車用洗剤と一般的な家庭用の台所要洗剤との違い
自転車用の洗剤は防錆剤などが含まれている
自転車用洗剤と一般的な家庭用の台所要洗剤との違いについてですが、汚れを落とす、という点では共通のようです。
しかし、自転車用洗剤は成分に防錆剤などが含まれていたりして、洗浄することで錆びづらくなる、コーティングが出来るなど、洗浄のついでに何かができる一石二鳥的なものが多いです。
ちなみに、色々なメーカーのクリーナーを調べてみたところ、フレーム用の洗剤は、中性洗剤の他、弱アルカリ性のものも多く有りました。
自転車は必然的に油汚れが多くなってしまうため、油汚れに強いアルカリ性にしているのではないかと思われます。
中性洗剤を使った自転車のフレームの洗浄方法の基本
中性洗剤を使ったクロスバイクやロードバイクのフレームの洗浄方法の基本です。
- 200倍程度に中性洗剤を薄めた洗浄液を用意する。
- 洗浄液にウェスを浸して固く絞る 。
- フレーム全体をまんべんなく拭いて汚れを落とす。
- ウェスを水で洗って、固く絞る。
- フレーム全体を綺麗に拭く。
- 乾いたウェスでフレームを乾拭きする。
というような流れで洗浄作業を行います。
拭き掃除が終わったら、ワイヤー類のグリスを落としてしまっている可能性があるので、ワイヤー類へのグリスの塗布も忘れずに行ないましょう。
中性洗剤を使った自転車のフレームのまとめと注意点
洗浄部分の材質によって洗剤を使い分けよう
ざっくりと中性洗剤を使ったクロスバイクやロードバイクのフレームの洗浄の方法を調べてみました。
クロスバイクやロードバイクの洗浄をする場合のポイントは、部分部分で洗剤を使い分ける必要があるということ。
自転車洗浄用の洗剤だからと言って、全てを丸洗いできるというわけではなく、チェーンなどの酷い油汚れを落とすには中性洗剤ではなく、ディグリーザーなどの強アルカリ性のものを使用するのが基本です。
逆にいくら油で汚れたからと言ってディグリーザーでフレームをゴシゴシなんてしてしまうと、フレームやその他のパーツを痛めてしまうことにもなりかねないのでフレームへのディグリーザーの使用は控えるようにしましょう。
また、メンテナンスブックなどで頻繁に出て来るパーツクリーナーも基本的には脱脂用のアルカリ性洗剤なのでフレーム用では使用しない方が良いでしょう。
わざわざこんなこと当たり前のを書くのは、クロスバイクを購入したころの僕は、自転車用洗剤なら全て同じだと思っていて、洗剤について調べなければきっとパーツクリーナーなどでフレームも洗浄していたでしょうし、同じような人もきっといるはずです。
幸い、フレームなどをディグリーザーやパーツクリーナーで洗浄するということはありませんでしたが、知らずに使用していると、自転車を大切にしているつもりが逆に自転車を痛めていたなんてこともあり得るので、洗剤類を扱う場合は用途をよく理解して、部分部分で使用する洗剤は区別して使うようにしたいものです。
ちなみに、ディグリーザーやパーツクリーナーなどで油汚れを落とした後は、ディクリーザーをよく拭き取った後、乾燥させてからオイルアップするのが基本です。乾かないうちにオイルアップしても流れてしまいます。
何はともあれ、クロスバイクやロードバイクを綺麗にしてあげると、その後は特別な気分で乗ることができるので、汚れたらきちんと綺麗にしてあげる、ということをメンテナンスの一環として習慣づけたいものですね。
ちなみに洗浄の際に使用するウェスですが、Amazonオリジナルのウェスや、自転車乗り御用達のワイプオールが調子良く使えています。