自転車に乗って車道を走っていると、時として風圧を感じるほど近くまで幅を寄せて猛スピードで抜き去って行く自動車に遭遇します。
ヒヤッとするどころか、死さえ頭をよぎる瞬間です。
そういう乱暴な自動車の運転手は日頃のニュースを見ないのか、はたまた勉強しないのか、未だに自転車が車道を走ることが大嫌いなようで「邪魔だから歩道を走れ!」と言わんばかりに幅寄せをしてすれすれを追い抜いて行くものと思われます。
僕も自動車の運転をする身ですから判るのですが、常識的な感覚で自動車を運転していれば例え狭い道でも自転車のスレスレを走って抜き去るなんてことは絶対にしません。要するに故意で自転車に対して嫌がらせをしているのは間違いがないわけです。一歩間違えば死亡事故にもなりかねない危険な好意をするドライバーからは免許を取り上げてしまえば良いのにと思うほど腹が立つ行為なのです。
そこで車の幅寄せ対策として考えたのがGoProやDJI OSMO アクションなどのアクションカメラをサイクルレコーダーとして使用して自動車の幅寄せを抑止できないか、ということ。
ちょうど手元に中国メーカーのシャオミのアクションカメラがあったので、自動車の幅寄せ対策として効果があるかを試してみた結果を報告したいと思います。
自動車の幅寄せ対策にアクションカメラは使えるか
自転車に搭載できるアクションカメラ
アクションカメラと言えば、GoPro(ゴープロ)がその代名詞的なカメラですが、その他のメーカーでもアクションカメラはいろいろと販売されています。
アクションカメラと自転車を使った一般的な使用方法は、どちらかと言えばオフロードバイクやMTBなどの方がロードバイクなどよりは使われていて、ヘルメットに装備したりしてアクロバットな映像を撮影したりして楽しまれています。
また、アクションカメラの多くはループ撮影機能を持ったものがほとんどなので、SDカードがフルになったとしてもドライブレコーダーのように古い映像を消して、繰り返し繰り返し延々と撮影出来るようになっています。その機能を利用して自転車にアクションカメラを装備してドライブレコーダーならぬサイクルレコーダーのように使用している人も多いかと思います。
おすすめのアクションカメラ
いろいろなメーカーからアクションカメラが販売されていますが2019年8月現在ではGoProかドローンで有名なDJI OSMOアクションの2択で間違いないと思います。
他のメーカーでもっと安いものもありますし画質も大差はありませんが、GoProとDJIのクションカメラには強力なスタビライザー機能が備わっているので、ブレが補正されて映像の見やすさが段違いに良いのです。
アクションカメラを自転車に取り付ける
僕は中国メーカーの格安なxiaomi Yiと呼ばれるアクションカメラを入手してクロスバイクのシートポストに取り付けてみることにしました。本来アクションカメラはハンドルなどに取り付けて進行方向を撮影することが多いと思いますが、今回のアクションカメラ設置の目的はあくまで自動車の幅寄せ対策として使用したいため、自動車が幅寄せしてくる瞬間を撮影するためにシートポストに取り付けて後方を撮影するようにしています。
多少不格好にはなりますが、ひとまず実験というところで適当なマウントスタンドと自由に角度を調節できる雲台を購入して取り付けました。GoProなどの場合はマウントアクセサリーもいろいろな種類が揃っているので、もっと見た目が良く取り付けられると思います。
アクションカメラをサイクルレコーダーにして撮影した結果
アクションカメラをシートポストに取り付けて後ろ向けに設置してドライブレコーダーのように撮影しながら走行してきました。本来ならば動画をアップしたいところですが、自動車のナンバーのモザイク処理などが面倒だったため、映像から切り出した画像を数枚アップしておきます。
撮影したのは日没間もないくらいの時間だったのでかなり薄暗かったのですが、意外と綺麗に映ります。
一般的にアクションカメラは日中の明るい時間に撮影されることを前提としたカメラなので暗い場所では画質が悪くなると言われていますが、ドライブレコーダー代わりの使用目的であれば、完全に暗くなった後でも街灯のある車道くらいの明るさであれば問題なく使用できるものと思います。
一応念の為ですが、後ろ向きに撮影しているので画面下に映っているタイヤは後輪で走行している車道は左側です。
撮影された映像を確認すると車種はもちろん自動車ナンバーなどもハッキリ確認できます。
ちなみにこの道路は自動車二台が行き交うのがギリギリの狭い道ですが、後ろに映っていた自動車はきちんと自転車との距離を開けて追い抜きをしてくれました。常識的な感覚では、たとえ狭い道でもこれくらいは距離を取りますよね。
アクションカメラは一般的なカメラに比べて広角に撮影できるので、自転車の後輪のあたりまではしっかりと映ります。カメラの向きを真後ろではなくてやや車道寄りに向けていれば完璧ですね。
なので自動車がどの程度の幅寄せをしてきたかも後から確認することができるので、万が一事故に遭ったと時にも、証拠映像として提出できるものになると思います。
ちなみに最後の写真の現場は、ロードバイクを趣味にしていたことで有名なロックミュージシャンの忌野清志郎さんのファンならピンと来るであろう、たまらん坂のお参りスポットです。
自転車にアクションカメラを取り付けてドライブレコーダーとして使えるか?
思っていたよりも鮮明に撮れる
アクションカメラは小さなカメラなので、画質にあまり期待することはできませんが、日中の明るい時間はもちろん、日没後の暗い道でもドライブレコーダーとしては十分な画質で撮影できると思います。
また最近は4K撮影できるアクションカメラが主流にはなっていますが、1080pなどの低解像度でも十分に自動車のナンバーなどは記録できるので、収録時間の長さやカメラへの負荷を考えればHDでの撮影がおすすめだと思います。高解像度だとバッテリーが一気に消費されてしまうので注意が必要です。
長時間撮影するためにはバッテリーの問題だけが気になりますが、満充電して1080p程度の解像度で撮影すれば2時間程度は撮影できるので、街乗り程度の利用であれば必要十分な撮影時間だと思います。
自動車の幅寄せ対策の効果?
今回は自動車の幅寄せ対策を考えて自転車にアクションカメラを搭載してサイクルレコーダーとして使用してみたわけですが、心なしかいつもよりも距離を開けて追い抜いていく自動車が多かったように思います。
実際問題で自動車からアクションカメラの存在ははっきりと確認できるはずですから、幅寄せ対策としては効果はあると思って間違いないでしょう。万が一幅寄せされて危ない目に遭った場合は証拠として使用できるはずです。
自転車にもドライブレコーダーが必須の時代が来る?
昨今は自動車のドライブレコーダーが普及したこともあり、煽り運転などの悪質なドライバーなどへの晒し上げて罰してもらうなどの動きも多々あります。また事故に遭った時にも証拠映像があれば有利に話を進められることも増えたのではないかと思います。
自転車も自動車から幅寄せさせられて事故を起こしてしまうなんてことも十分考えられますから、自己防衛手段としてドライブレコーダーを使用するというのはやっぱり重要だなと思います。
まして今回のテストの結果のように自動車がカメラを気にして距離をあけて追い抜いてくれるようになったりすることを考えると、自転車へのドライブレコーダーの搭載は本気で考えた方が良いかなぁと思ったのでした。
アクションカメラではなくサイクルレコーダーカメラも製品化されています。流石によく考えられていてリアライトを兼ねている点、7時間の長時間録画が可能な点など魅力的なスペックです。