クロスバイクやロードバイクで悩みのタネとなるのがチェーンの汚れです。いつも綺麗に保ちたいと思いながらも、気が付けば真っ黒く汚れてしまうのです。
頻繁に手入れしているはずなのに、何故だか僕のチェーンはすぐに真っ黒に汚れてしまいます。
そして汚れはチェーンだけにとどまらず、スプロケットやプーリー、チェーンリングなどにもおよび、固形になったチェーンオイルがこびりついたりもするのです。
自転車のチェーンとは基本的には汚れるものだとは思うのですが、街で見かけるロードバイクのチェーンやスプロケットに目をやれば、買ったばかりのようにピッカピカのチェーンを見かけることも少なくありません。
何も知らなかった僕は「どうすればチェーンをピカピカの状態に保てるのか」とても不思議に感じていました。
チェーンを汚さずにピカピカに保つ方法を調べてみたところ、使用しているチェーンオイルの種類が大切ということがわかりました。
自転車チェーンが黒く汚れてしまう理由はチェーンオイルにある
自転車のチェーンは常にピカピカにしておきたい
自転車のメンテナンスの基本中の基本と言えばチェーンへの注油です。
チェーンが錆び付いているなんてのは論外ですが、真っ黒に汚れてしまった状態のままにしておくと、抵抗が大きくなり、走行性能が落ちてしまうことになります。
チェーンは駆動系の重要なパーツであり、チェーンのコンディションはダイレクトに走行性能に影響する部分です。
なので、理想的にはチェーンは常にピカピカの状態にしておきたいものなのです。
また、対外的に見ても、チェーンが綺麗かどうかでその人が自転車を大切にしているかどうかも判断出来る部分なので「俺の自転車のチェーンはいつもピカピカだぜ!」と胸を張りたいというのが実際のところです。
手入れしても真っ黒に汚れてしまうチェーンの悩み
そんなわけで、いつでもピカピカにしておきたいチェーンですが、どんなに手入れをしていても何故か真っ黒になってしまうという悩みを抱えている人もきっと多いと思います。
かく言う僕もその一人で、僕のクロスバイクのチェーンは頻繁に手入れしているにも関わらず、すぐに真っ黒に汚れてしまうのです。しかも、その汚れがなかなか落ちなかったりして、ちょっとした悩みになっていました。
チェーンオイルにはいろいろなタイプがある
実は、チェーンの汚れやすさはチェーンルブ(チェーンオイル・潤滑剤)の種類によっても大きく変わるのです。
「チェーンを汚してしまう最大の原因はチェーンオイル」だというのは薄々感づいてはいましたが、今回それをきちんと理解するために、チェーンオイルにはどのような種類があり、それぞれにどのような特徴があるのか、そしてチェーンが汚れないチェーンオイルはあるのか?について調べてみることにしました。
ちなみに僕は、この記事を書いている今現在で、AZというメーカーの「チェーンルブ ロードレース用110ml B1-004 CH032」を使用しています。
クロスバイクのを購入した際に、チェーンオイルはメンテナンスに必須アイテムということで、何も考えず「安いから」という理由でAmazonで購入したものです。
しかし、このチェーンオイルを使用していると、チェーンがすぐに真っ黒になってしまうだけでなく、スプロケットやプーリーなども黒く汚れて、挙句の果てに汚れた油が固着したりして、ちょっとやそっとじゃ落ちない頑固な汚れになってしまうのです。
用途さえ間違えなければきっと良いチェーンオイルだと思いますが、チェーンを汚したくないという僕のような人には不向きなチェーンオイルだったようです。
自転車用チェーンオイルの種類は大きく3タイプある
チェーンオイルのタイプには用途に応じて
● ウェット
● ドライ
● ワックス
の3つのタイプがあります。
以下それぞれのタイプの違いと特徴の解説です。
ウェットタイプのチェーンオイル
ウェットタイプのチェーンオイルは、マウンテンバイクのように荒れた道を走る自転車用のチェーンオイルです。
オイルの粘度が高いので、泥や水などに対して強いという特徴があります。
要するに、泥水の中を走ったとしてもオイルが流れ落ちないような性質のチェーンオイルというわけです。
雨でも自転車に乗るような通勤通学向きのチェーンオイル
悪天候の中で走ってもチェーンオイルが流されないの、通勤や通学などでどんな天気でも自転車に乗るという人はウェットタイプを選択すべし。ということになります。
逆を言えば、雨天時に乗らない人や走行距離が短い人はウェットタイプを選択する必要がないと言えるでしょう。
粘土が高いのでゴミが付着してしまう
粘度が高いチェーンオイルは一度注油すれば効果は長持ちはしますが、ベタベタ系のオイルなので、土埃などの汚れを拾いやすいという特徴もあり、必然的にチェーンが汚れやすくなります。
ちなみに僕が使用している(た)チェーンオイルもウェットタイプのチェーンオイルでした。
ドライタイプのチェーンオイル
ドライタイプのチェーンオイルはサラサラしたチェーンオイルでウェット系のチェーンオイルとは逆の性質を持っています。
つまり、チェーンが水のようにサラサラしているので、汚れが付着しづらく、チェーンが汚れづらいという特徴があります。
ただし、チェーンの効果が切れるのはウェット系のオイルよりも早く、こまめな注油が必要になります。さらに水濡れなどにも弱いので雨などに降られてしまった後はそのまま洗い流されてしまうので、必ず注油が必要になります。
ただし、頻繁に注油する必要があると言っても、一日のうちに何度も注油する必要はなく、100kmに一度くらいの頻度で十分かと思います。
ワックスタイプのチェーンオイル
ドライタイプのチェーンオイルよりもさらにチェーンが汚れづらいのがワックスタイプのチェーンオイルです。
ドライタイプのチェーンオイル同様に、水等で流れ落ちやすく長持ちしないので雨の日に走行するような人には不向きですし、こまめな注油が必要です。
僕の知り合いでもこのワックスタイプのチェーンオイルを使用している人が何人かいますが、相当な距離を走ってもチェーンが汚れずピカピカな状態をキープできるようで、非常に調子が良いようです。
ウワサを聞いて僕自身も使用するようになったチェーンオイルで、これを使用してみるとすぐに理解できますが、ほとんど水のようなサラサラしたチェーンオイルで、ドライ系のオイルとは全く性質が異なります。
ワックスタイプのチェーンオイルを使用する場合は、日頃のメンテナンスの一環として、走行後にチェーンの汚れをササッと拭き取るついでに注油する、という感じで日常的な作業にしてしまうのが良いかと思います。
チェーンオイルのタイプの違いと用途の違い
WET(ウェット系)オイル
● 粘度が高い
● 効果が長持ちする
● チェーンが汚れやすい
DRY(ドライ系)・ワックス系オイル
● 粘度が低い
● 効果が持続しない
● チェーンが汚れづらい
用途や目的に応じて使い分けるのが正解
ウェット系のオイル、ドライ系のオイルそれぞれに特徴があり、一長一短です。なので、用途に応じて適したチェーンオイルを使い分けるというのが正しいということになります。
そして、今回のゴールである「チェーンを汚さず綺麗な状態で保ちたい」場合には、ドライ系のチェーンオイルを使用するというのが正解になります。
チェーンが汚れないドライ系オイル8選
チェーンを汚したくないのであれば、ドライタイプのチェーンオイルを選択するのが良いというわけで、有名メーカーのドライ系チェーンオイルをピックアップしてみました。
AZ エーゼットのDRY系オイル
AZ B1-003
チェーンオイルメーカーとして有名なAZ(エーゼット)のDRY系オイルのAZ B1-003。
WAX・PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)が配合されているので、摩擦係数が少なく、腐食性を少なくする効果があるそうです。
チェーンが滑らかに滑るようになり、錆などの発生も抑えられるチェーンオイルです。
一般的にドライ系のチェーンオイルは油膜が薄く、すぐに錆が発生してしまうというイメージがあるので、防錆効果があるのはポイントかと思います。
KURE(呉工業) のドライ系チェーンオイル
ドライ No.1602
KURE556で有名な呉工業が製造販売しているドライ系チェーンオイルです。
ナノセラミックスとPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)が配合されています。
Muc-Offのドライ系チェーンオイル
ドライセラミックルブ
Muc-Offはロードレースチームとして世界的に有名なTEAM SKYとチェーンオイルを共同開発するなどしているイギリスのメーカーです。
他のチェーンオイルと比べると少々高価なオイルになりますが、ブラックライトに反応して光る特殊なオイルになっているという特徴があります。
注油した個所をブラックライトで照射すると、オイルの注されていない部分やオイル切れになっている部分が光らないので、注油が必要な個所を確認したりするのに便利です。
EVERSのドライ系チェーンオイル
カーボン チェーンスプレー ドライ
EVERSはというブランド名から勝手に外国産かと思っていたのですが、実は宝商株式会社という会社が作る潤滑剤で、国産のチェーンオイルです。
フッ化カーボン潤滑剤配合で優れた潤滑性と耐摩耗性があるとのこと。もちろんロードバイクやクロスバイクなどの自転車用に開発されたチェーンオイルです。
使用した人のレビューを見ても、意外と評価が高かったので次に使ってみたいチェーンオイルでもあります。
ORONTASのドライ系チェーンオイル
BikeCare Lubricant Dry (TYPE:A)
ORONTASはカナダのチェーンオイルメーカーです。
一般的な自転車オイルの概念とは異なるボトルデザインが良いと思います。カナダ産と言われるとメープルシロップかと思ってしまうようなボトルデザインですね(笑)
こちらも個人的には馴染みの薄いメーカーでしたが、使用した方の評価は高いようなので、機会を見て使ってみたいチェーンオイルのひとつです。
FINISH LINE(フィニッシュライン)のドライ系チェーンオイル
DRY BIKE LUBRICANT
チェーンオイルの世界的メーカーの一つであるフィニッシュラインのドライ系チェーンオイルと言えば赤いラベルのDRY BIKE LUBRICANTです。
セラミック ワックス ルーブ
僕自信がチェーンを綺麗に保つために選んだチェーンオイルはFINISH LINE セラミック ワックス ルーブです。
ひたすらドライなチェーンオイルなので、100km程度の走行で注油が必要になるチェーンオイルですが、「チェーンが汚れない」という点だけを考えればチェーンオイルで考えれば抜群に評価が高く、チェーンを汚さないことだけを考えるのであればFINISH LINE セラミック ワックス ルーブ一択になるのではないでしょうか。
当然、ロングライドや雨天走行には向かないチェーンオイルになりますが、僕のように一日の走行距離が50km程度で晴れの日しか乗らないような人であれば充分でしょう。
勿論、全く汚れが付着しないわけではないので、チェーン洗浄はしないとチェーンは汚れてしまいますが、ササッとウェスなどで拭き取ってしまえば簡単に汚れを落とすことができます。
その作業の流れでクルッと一回り注油してあげるのを乗車前の習慣とすれば大して面倒なことではありません。
タクリーノのドライ系チェーンオイル
オイルinクリーナー
ドライ系のチェーンオイルとは少し違いますが、タクリーノというメーカーが販売している洗浄剤とチェーンオイルが一緒になったリンスインシャンプーのようなハイブリッドなチェーンオイルです。
チェーンの洗浄剤とチェーンオイルは水と油のような関係なので混在するのは賛否両論あるようですが、週イチライダーなどのライトユーザーであれば十分な性能が発揮できるチェーンオイルかと思います。
ちなみにタクリーノのドライ系オイルと言えば「タクリーノ チェーンオイル マホウ」で、こちらは本格的なロードレーサーからも評価の高いチェーンオイルです。
いずれも粘度の低いチェーンオイルなのでチェーンの汚れを気にする人にはおすすめできるチェーンオイルになると思います。
自転車用チェーンオイルの注油の方法と頻度
自転車用チェーンオイルの注油方法
自転車用チェーンオイルを注油する基本的な手順は下記の通り。
1.チェーンの清掃
パーツクリーナーなどでチェーンの油汚れや埃などを落として綺麗にします。
この作業を行わずに注油すると、汚れの上に注油することになるので、繰り返すうちに汚れが層となって固着してしまい落ちなくなります。
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2.チェーンの乾燥
パーツクリーナーなどの油汚れを落とすケミカルが残った状態で注油しても流れてしまって無駄なので、清掃した後はしばらく放置&ウェスでよく拭き取ってからチェーンを乾燥させます。
3.注油
チェーンの継ぎ目継ぎ目に少量を落とすようにして注油していきます。
余分な油があると、スプロケットやクランクを汚してしまうので、注油した後は必ずウェスで余分なオイルを拭き取ります。
チェーンの内部に油が浸透していれば十分なので、表面は別に油が残っていなくても大丈夫です。
自転車用チェーンオイルを注す頻度
走行後は必ずチェーンを清掃して注油しなおすという作業ができればベストだと思います。
これをきっちりやればチェーンもスプロケットも、その他のパーツもピカピカを維持できるはずです。
しかしながら、毎日乗っていたりするとそこまでなかなか出来ないので、100kmとか200kmなど適当に走行距離を決めて定期的に注油するようにするのが良いようです。
どのタイプのオイルを使用するかで頻度も変わりますが、ドライ系、ワックス系のチェーンオイルの場合は、水に弱いので雨に降られた後などには必ず注油が必要ですし、なるべくこまめな注油すが基本になります。
自転車チェーンを汚さないチェーンオイルまとめ
自転車のチェーンやスプロケット周りを汚さないようにするためには、ドライタイプ、ワックスタイプのチェーンオイルを選べば間違いないという感じです。
その上で、しっかりと日頃からチェーンの清掃と注油をすることでチェーンをピカピカに保つことができるというわけです。
ドライタイプ、ワックスタイプのチェーンオイルはウェットタイプのチェーンオイルに比べて油切れが早いという問題がありますが、注油する作業はそれほど大変な作業ではないので、日頃の走行前点検の中に組み込んでしまえば良いのではと思います。
多少の手間が増えたとしても、いつでもピカピカなチェーンの方が気分が良いですからね。
チェーンオイルメーカーの各社ドライ系オイルを1〜2種類製造販売していて、ドライ系の中でもメーカによって粘度が違うなど、それぞれに異なる特徴になっていいるようなので、それぞれのドライタイプのチェーンオイルを比較しながらいろいろ試してみるのも楽しそうです。
こうして自分に最適なチェーンオイルを探していくのも、道楽としての自転車の楽しみ方の1つかもしれませんね。