国内電動自転車メーカー大手3社と言えば、ブリヂストンサイクル、パナソニック、ヤマハで、国内の電動アシスト自転車のほとんどは、この3社の自転車かと思います。
それぞれに電動子ども乗せ自転車のブランドを展開しています。
性能的には横並びというのが実際のところですが、それ以外の部分でそれぞれのブランドの特徴や違いについてまとめてみました。
ブリヂストンサイクル
ブリヂストンサイクルの子ども乗せ電動アシスト自転車の大きな特徴は、前後輪が動く「両輪駆動」と、下り坂などでは前輪のハブ部分にある発電機を利用して発電して「走りながら自動充電」する機能が備わっていたり、チェーンに比べてメンテナンスが圧倒的に楽な「ベルトドライブ」を採用したモデルがあることです。
これらの機能、性能を重要視したい場合には、ブリヂストンサイクルの自転車を選択することになります。
ブリヂストンサイクルの子ども乗せ自転車の特徴
両輪駆動
DUAL DRIVEと呼ばれる両輪が駆動する機構になっています。
一般的な自転車はご存知の通り、ペダルを踏むと後輪が駆動するような構造になっていて、一般的な電動アシスト自転車も、ペダルを踏むとモーターが後輪の駆動をアシストしています。
ブリヂストンサイクルのDUAL DRIVEはペダルを踏むと後輪が駆動するのは同じですが、モーターは前輪に備わっていて、前後輪の両輪が駆動する両輪駆動になっています。
これにより、前から引っ張ってもらうような感覚が得られます。
走りながら自動充電
走行中に、ペダルを踏むのをやめたり、左ブレーキをかけると、モーター部分が発電機の役割をすることで、発電した電気を充電する機能が備わっています。
この機能により、下り坂などを走行する際には、バッテリーに充電されることになり、自動充電機能のない電動アシスト自転車と比べるとバッテリーが長持ちすることになります。
ベルトドライブ
チェーンではなくカーボンベルトを使用しているので、チェーンオイルを使用する必要がないため、注油の必要がない、油で汚れない、錆びない、外れないなどのメリットがあります。
耐久性もチェーンよりもはるかに高いため、チェーンの自転車よりもメンテナンスがほとんど必要のないシステムです。
bikkeシリーズ
背が低いお母さんや、子どもを乗せた状態でも安定しやすいようにして、後輪は20インチで重心を低くしてあるのが特徴。
ハンドル部分にもシートを取り付けられる「三人乗り」にも対応しています。
bikke MOB
ダウンチューブが緩やかなカーブを描く形状になっていて、跨ぎやすいフレーム設計になっているのが最大の特徴。
例えば、スカートなどでも跨ぎやすくなるなどのメリットがあります。
メインのターゲットをお母さんに絞り込んだモデルですね。
姉妹機のbikke GRIとはフレームの形状に違いがありますが、自転車のスペックはほぼ同じです。
● 低重心
● 三人乗り対応
● 前輪24インチ 後輪20インチ
● 適正身長 142cm~
参考 bikke mob
bikke GRI
女性的なデザインのMOBに対して、お父さんでもお母さんでも性別を問わずに乗りやすいデザインなのがbikke GRIです。
● 低重心
● 三人乗り対応
● 前輪24インチ 後輪20インチ
● 適正身長 142cm~
参考 bikke gri
bikke POLER
前乗せや三人乗りを基本にした低重心タイプの電動アシスト自転車で、前後輪ともに20インチのタイヤが採用されています。
三人乗りでも適応身長が147cm〜と低いので、背の低いお母さんなどでも乗りやすくなっています。
MOB、GRIシリーズとのその他の違いは「両輪駆動」「走りながら自動充電」の機能が無い点です。
● 低重心
● 三人乗り対応
● 20インチ
● 適正身長 138cm~
参考 bikke poler
HYDEE II
ファッション&ライフスタイル誌「VERY」とコラボレーションした子ども乗せ自転車で、 おしゃれ自転車の子ども乗せバージョン的な自転車です。
基本的な性能はbikkeシリーズと変わりませんが、車高が少し高いので、身長が高い人向けになっているので、男性や背の高い女性向けだと思います。
また、子どもを乗せる必要がなくなった後は、チャイルドシートなどを取り除けば、一般的なシティサイクルとしても乗れるようなデザインです。
ファッション&ライフスタイル誌 VERY
30代主務向けの生活情報誌で、主に子育て世代の女性にターゲットを絞った情報が掲載されている雑誌です。
参考 VERY
HYDEE IIの特徴
● 三人乗り対応
● 26インチ
● 適正身長 145cm~
ブリヂストン 電動自転車 2023年 ハイディ2 ブリジストン BRIDGESTONE 26インチ 9.9Ah 3段変速 HY6B43
参考 HYDEE II
ASSISTA スタンダード
最もスタンダードな子ども乗せ自転車で前後輪20インチのタイヤが採用されていて低重心で安定した走行ができます。
「両輪駆動」「走りながら自動充電」の機能はありませんが、他のモデルよりもメーカー希望小売価格で2〜3万円程度安くなっています。
ASSISTA スタンダードの特徴
● 三人乗り対応
● 20インチ
● 適正身長 144cm~
ヤマハ発動機
ヤマハは電動アシスト自転車を代表するPASシリーズを中心に子ども乗せ電動アシスト自転車を展開しています。
トリプルセンサーシステムと呼ばれる、三つのセンサーを活用してトルクやペダルの回転の速さ、自転車の速度などを計測して、自然な漕ぎ心地を維持できるようにアシスト力を調整する「スマートパワーモード」が搭載されています。
その他、スイッチ部分には「スマートクロックスイッチ」と呼ばれるできたる液晶を備えたスイッチが採用されていて、バッテリー残量はもちろんのこと、時計や、消費カロリーなどの情報も表示されます。
PAS Babby un SP
PAS Babby un SP
PASシリーズの子ども乗せ自転車の標準モデルで、前後輪が20インチの小型モデルで、低身長のお母さんでも楽に乗れる電動アシスト自転車です。
フレームのダウンチューブはU字型になっていて、スカートなどでも跨ぎやすい形状です。
● 三人乗り対応
● 20インチ
● 適正身長 142cm~
PAS Babby un SP coord.
基本的な仕様はPAS Babby un SPと同じですが、ハンドルグリップやシートなどが通常盤よりも少しオシャレになった感じです。
● 三人乗り対応
● 20インチ
● 適正身長 144cm~
PAS Babby un
基本的な性能は上記のPAS Babby un SPシリーズと同じですが、チャイルドシートが装備されていないモデルで、自身が好みのチャイルドシートを選択できるのが特徴です。
● 三人乗り対応
● 20インチ
● 適正身長 142cm~
参考 PAS Babby un
PAS Kiss mini un SP
フロント用の“繭型”チャイルドシート[コクーンルームプラス]を装備したモデルで、スペック的には、他の PAS Babbyシリーズと同じです。
後ろにもチャイルドシートを設置できますが、どちらかと言えばフロントシートを優先しているようです。
● 三人乗り対応
● 20インチ
● 適正身長 142cm~
PAS Crew
24インチタイヤが採用されたモデルで、男性でも乗りやすいサイズの子ども乗せ電動アシスト自転車です。
他のPAS Babbyシリーズなどに比べれば車高は高くなりますが、それでもヤマハの電動アシスト自転車は他のメーカーよりも適応身長が低く、跨ぎやすいフレーム形状なので、背の低い人でも乗りやすいサイズになっています。
● 三人乗り対応
● 24インチ
● 適正身長 145cm~
参考 PAS Crew
パナソニック
パナソニックの子ども乗せ電動アシスト自転車はGyuttO(ギュット) シリーズで展開されています。
「ラクイック」と呼ばれる電子キーで、物理キーを使用しないでサークル錠を解錠できるなどの特徴があります。
GyuttOシリーズ
ギュット・クルームシリーズ
ベビー用品メーカーの「コンビ」と共同開発した乗せ下ろしなどがしやすいベビーシート「クルームシート」が採用されたシリーズで、パナソニックの子ども乗せ電動アシスト自転車の定番モデルです。
ベビーカーなどで定評のあるコンビが手がけたシートなので、安全性や快適性では、絶対的な信頼がありますね。
前乗せモデル
● ギュット・クルーム・EX
● ギュット・クルーム・DX
後ろ乗せモデル
● ギュット・クルームR・EX
● ギュット・クルームR・DX
● 三人乗り対応
● 20インチ
● 適正身長 142cm~
参考 Gyutto クルーム
Gyutto アニーズ
基本的な性能はGyutto クルームシリーズと同じで、チャイルドシートが「プレミアムリヤチャイルドシート」と呼ばれるパナソニック製のシートが採用されているモデルです。
● 三人乗り対応
● 20インチ
● 適正身長 142cm~
参考 Gyutto アニーズ
Gyutto アニーズ DX 26
基本的な性能はGyuttoアニーズと同じで、タイヤが26インチになったモデル。
タイヤは大きいものの、乗り降りしやすいフレーム形状になっているのも特徴です。
子どもを乗せる必要がなくなれば、チャイルドシートを取り外して、シティサイクルとして乗れるなど、長い間使用できるメリットがあります。
● 三人乗り対応
● 26インチ
● 適正身長 146cm~
参考
子ども乗せ電動アシスト自転車のまとめ
バッテリーや走行距離は横並び
バッテリー容量や走行距離などの性能に関しては、各社横並びなのと、一年ごとに少しずつアップデートされる感じなので、あまりこだわる必要がなく、バッテリー容量にさえ注目しておけば「どれを選んだとしても同じ」という程度のものになると思います。
要するに、性能で選ぶと「どれを選んで良いのか分からない」状態になるので、性能にはこだわらず、見た目やチャイルドシート、ベルトドライブなど、その他の性能に注目して選ぶのが良いでしょう。
ちなみに、バッテリー容量に関しては、大は小を兼ねるということで、容量の大きな方を選んでおいた方が失敗は少ないと思います。
バッテリーの容量が大きければ、充電する頻度も減りますから、手間が省けるだけでなく、バッテリーの寿命も長くなるというメリットがあります。
実際問題で、バッテリーの充電は電動アシスト自転車の最大の面倒な部分ですからね。
20インチと26インチ
いずれのメーカーも基本的には大きく二種類のモデルを展開しています。
タイヤが20インチの低重心モデルで、子どもを乗せた時に安定して運転しやすいタイプと、24〜26インチの大きめのタイヤで、男性でも乗るやすいタイプです。
子ども自転車の転倒事故なども頻繁に起きるので、低重心の方が安心感がありますが、一方で子どもを乗せる必要がなくなると、普段使いするにはちょっと乗りづらい自転車になってしまうという問題があります。
実際問題で、子どもを乗せる期間は長くても6年くらいなので、高価な電動アシスト自転車だけに、乗る頻度が少なくなってしまうのは、勿体無い気がします。
その点で、大きめのタイヤを装備した自転車であれば、子ども乗せの時期が終われば、チャイルドシートを取り外して、通常の自転車と同じように乗ることが出来るので、長い期間、乗り続けることができるというメリットがあります。
26インチを選ぶなら他の選択肢もたくさんある
26インチの自転車を選ぶのであれば、お買い物自転車やシティサイクルなどとして展開されている他のモデルにもチャイルドシートを取り付ければ子ども乗せ自転車として乗ることができるので、選択肢はかなり広がります。
背が低いお母さんなどが乗るのには不向きになりがちですが、ある程度身長があって、子どもを乗せる期間が数年などの短い期間なら、シティサイクルにチャイルドシートを取り付ける方向で考えてみるのも良いでしょう。
チャイルドシートが必要なくなれば、通常の自転車として乗り続けられるというメリットがあります。
子ども乗せる電動アシスト自転車の選ぶポイント
● 20インチか26インチか
● チェーンかベルトドライブか
● 26インチならシティサイクルにチャイルドシートも検討