自転車用のヘルメットを新調しようと、あちこち物色していると「JCFマーク付き」などの文言をよく見かけることに気が付きました。
どうやらJCFマークが付いていると、自転車用ヘルメットとしてのグレードが高くなるようなのですが、果たしてこのJCFマークとは何なのか?そもそもJCFとは何なのか?そして、JCFマークの有無で何が変わるのか?などの素朴な疑問があったので、JCF公認について調べてみることにしました。
JCFマークとは
Photo via:http://jcf.or.jp/?page_id=247
JCFとは
JCFとは日本自転車競技連盟(JAPAN CYCLING FEDERATION)のことで、JCFは日本における自転車競技界を統括し代表する公益財団法人。
JCFマークとは
1990年に前橋と宇都宮で開催された世界選手権で使用されていたマークを1995年に日本自転車競技連盟(JCF)が発足した際に採用したもので、日本自転車競技連盟のシンボルマークとなっている。
JCF公認ヘルメットとは
自転車競技の安全と競技としての特質を考慮し,自転車競技連盟および加盟団体の主管する自転車競技大会に使用が認められたヘルメットのこと。
公認ヘルメットとは別に、自転車スポーツの安全な普及振興を図るための推奨ヘルメットというものがある。
JCF公認ヘルメットとは
Photo via:http://jcf.or.jp/wp2012/wp-content/uploads/downloads/2014/11/helmet15-web.pdf
公認ヘルメットとは、自転車競技連盟競技規則などに適合していて、「ヘルメットの性能およびその試験基準」に適合しているか、SG、CEまたはCPSCマークの表示を持つものという条件があり、一定の品質をクリアしていないと公認ヘルメットにはなりません。
また、公認ヘルメットになると日本自転車競技連盟および加盟団体の主催する競技大会指定のヘルメットとして使用できるようになります。
つまりレース等に出場する際には公認ヘルメット以外の使用は許可されていないとのことなので、レースに出る際には必ず公認ヘルメットを準備しておく必要がある。ということです。
価格も公認ヘルメットの方が推奨ヘルメットに比べると幾分高いようです。
JCF推奨ヘルメットとは
Photo via:http://jcf.or.jp/wp2012/wp-content/uploads/downloads/2014/11/helmet15-web.pdf
推奨ヘルメットとは、自転車競技連盟競技連盟の定める「ヘルメットの性能およびその試験基準」に適合しているか、SG、CEマークの表示を持つものという条件がある。
日本自転車競技連盟および加盟団体の主催する競技大会での着用はできない。
SG、CE、CPSCとは
SG
Photo via:http://www.sg-mark.org/
SGマークは安全な製品の目印として、誰もが一度は目にした事があると思われるほど広く認知されたマークだと思います。
どんな製品にも付けられるわけではなく、検査を通過して認証されたものにだけしか付けることができません。
CE
Photo via:https://ec.europa.eu/growth/single-market/ce-marking_en
全EU加盟国の基準を満たすものにつけられるマーク。フランス語の「Conformité Européenne(英語:European Conformity)」の略。
CPSC
Photo via:https://www.iprcenter.gov/about-us/consumer-product-safety-commission-seal/view
米国消費者製品安全委員会。
国消費者製品安全法。
詳しい基準の違いについてはよく分りませんが、公認ヘルメットと推奨ヘルメットとの差の一つがCPSCの表示が有るか無いかでもあるので、CPSCの基準の方がSGマークなどよりも厳しいのかもしれません。
JCF公認/推奨ヘルメットを選ぶメリットは?
JCF公認/推奨ヘルメットマークは、JCFへの登録申請がされて、かつ検査などの条件をクリアした製品に付けられるものということで、ある一定の品質を確保している安全な製品であると言えると思います。
しかし、JCFマークが付いてないヘルメットが品質の劣る製品かと言えばそういうわけではなく、たとえJCFマークが無くても、SGマークやCEマークが付いているヘルメットであれば、JCF公認・JCF推奨ヘルメットと品質的には同等と考えることができると思います。
レースに出たい人は迷わずJCF公認シール付きを選択
レースに出たい、あるいはレースに出ようと考えている人は、JCF公認ヘルメットを着用しないとレースには出場できないため、必ずJCF公認シールが貼ってあるヘルメットを選択する必要があります。
ここで注意したいのが、JCF公認マークは、あくまで日本の団体が決めた品質をクリアしたかどうかを示すシールなので、ヘルメットをWiggleなどの海外通販で個人輸入した製品にはJCF公認シールは貼付されていません。
つまりJCF公認シールが貼られたヘルメットを手に入れたい場合は、日本のお店から購入する、というのが基本のようです。
そんなわけでJCF公認ヘルメットを選ぶメリットとしてはレースで使用できるということのみになりそうです。
レースに出ない人は推奨ヘルメットで十分・・・か?
上記のように自転車レースに出場する人以外にとってはJCF公認であっても、公認じゃなくてもSEやCEマークさえ付いていれば品質や安全面では全く問題が無いと言えるもののようなのでJCF公認シールが貼られていなくても何も気にする必要は無いようです。
推奨ヘルメットも同様で、SGマークやCEマークが付いていれば性能的には十分だと思われます。
要するに、JCF公認シールも、推奨マークも、それがあるからと言って他のヘルメットと比べて厳しい基準をクリアしたより安全なヘルメットというわけでは必ずしもないようで「マークがあればJCFのお墨付き」くらいのモノだと思っていて良いのではと思います。
なので、ヘルメットを購入する際に、推奨マーク、SEマーク、CEマーク、CPSCマークのいずれかが入っているかだけを確認すれば、基本的には同等の安全基準をクリアしたものと考えられると思われるので公認シールや推奨マークが貼られているかどうかにこだわる必要はなさそうです。
JCF公認/推奨ヘルメットまとめ
● 公認と推奨とでは基準が違う
● レースで被るヘルメットはJCF公認じゃないと駄目
● JCF公認を受けた同じモデルでも個人輸入されたヘルメットはJCF公認では無いためシールが貼られない
● SGマークかCEマークが取得されていれば推奨ヘルメットと同等の品質がある
● 公認、推奨、SGマークなどいずれも取得していないヘルメットは検査されていない可能性が高いので避けた方が良さそう
というような感じでした。
結論としてJCF公認/推奨ヘルメットにこだわる必要は無いと思いますが、逆に何のマークも無いようなヘルメットも避けたほうが良さそうです。
ヘルメットは自分の命を守るために大切なアイテムなので数千円の出費をケチらずにしっかりとした品質保証がされたヘルメットを選んだほうが良いと思います。
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