毎年6月後半から開催されるツール・ド・フランスには、その年のレースで優秀な成績の選手だけが着用できる特別なジャージがあります。
ジャージの種類は4種類で、それぞれにサイクルジャージの色が異なり4賞ジャージなどとも呼ばれます。
黄色ジャージ Maillot jaune マイヨ・ジョーヌ
個人総合1位の選手が着用できるジャージ
黄色いジャージはマイヨ・ジョーヌと呼ばれ、ツール・ド・フランスで個人総合成績一位の人が着用できるジャージです。
ツール・ド・フランスは21ステージに分かれて開催されていますが、ポイントは前のステージで1位を取った人ではなく、そのステージが開始される時点でのそれまでのステージの総合所要時間が最も短い（タイムが速い）人が着用できるという点。
要するに、第1ステージではまだタイムが出ていないので、マイヨ・ジョーヌを着用している人は居ませんし、後々のステージで10位などになったとしても、それまでのタイムが良くて総合所要時間がトップであれば、次のステージでも黄色ジャージを着用できます。
もちろん、総合所要時間が誰かに抜かれた場合は、次のステージからは新しくトップに立った人が黄色ジャージを着用することになります。
つまりは、黄色ジャージを着ている選手をチェックすれば、その選手が現時点での個人総合で一位の選手（一番速い選手）だということがすぐに判るというジャージで、マイヨジョーヌ用の黄色ジャージが用意された理由がまさにトップが誰であるかが判るようにするためだったようです。
緑色ジャージ Maillot vert マイヨ・ヴェール
スプリントポイント一位の選手が着用できるジャージ
緑色のジャージはマイヨ・ヴェールと呼ばれ、ポイントを一番獲得している選手が着用できるジャージです。
スプリントポイント
ポイントとは「中間スプリントポイント」と呼ばれるポイント（各ステージに1個所）と各ステージ（チームタイムトライアルを除く）のフィニッシュラインの通過順に上位15人に分配されるポイント。
中間スプリントポイントは一律なのに対して、フィニッシュラインポイントは、コースの難易度に応じて上限が変わり、起伏の少ない平坦なコースほどポイントが高くなるように設定されています。
要するに、平坦な地形でのスピードが速い人ほどポイントを獲得しやすくなるので、スプリント賞とも呼ばれたりします。
つまりは、緑色ジャージを着用している選手は、総合タイムはともかくも、平地走行に関しては一番速い選手（スプリンター）というわけですね。
赤い水玉ジャージ Maillot à pois rouges マイヨ・ブラン・ア・ポワ・ルージュ
山岳ポイント一位の選手が着用できるジャージ
赤い水玉ジャージはマイヨ・ブラン・ア・ポワ・ルージュと呼ばれ、山岳ポイントを一番獲得している選手が着用できるジャージです。
山岳ポイント
ツール・ド・フランスのコースは平坦な場所ばかりを走るわけではなく、各ステージで峠と呼ばれる起伏の大きな場所も走ることになります。
山岳ポイントは、この峠の頂上付近に設けられていて、山岳ポイントの通過順にポイントが分配されます。
要点としては、山岳ポイントは一つのステージに複数設けられていて、難易度の高さによってポイントの分配が異なり、起伏が激しいコースほどポイントが高くるように設定されています。
つまりは、坂道が得意な人ほどポイントが獲得しやすくなるので山岳賞とも呼ばれ、赤い水玉ジャージを着用している選手は、坂道を登るのが一番速い選手（クライマー）ということになります。
白いジャージ Maillot blanc マイヨ・ブラン
25歳以下で総合成績が一位の選手が着用できるジャージ
25歳以下の選手の中で、総合成績が一位の選手が着用できるジャージで、言い換えれば25歳以下の選手のマイヨ・ジョーヌと言えるかもしれません。
25歳以下なら何度でも受賞できる
一般的に新人賞はその年にデビューした人のみが受賞できて、翌年からは受賞できない場合が多いと思いますが、ツール・ド・フランスの場合は、25歳以下であれば、受賞した翌年でも受賞するような複数回の受賞や、複数年レースに参加している選手でも受賞することができます。
ツール・ド・フランス2021の情報
2021年6月26日〜7/18日まで開催
参考 ツール・ド・フランス公式
