クロスバイクやロードバイクのコラムカットとは何か?
そしてコラムカットは必要なのか?
必要な場合はどのようにすれば良いのか?
など、クロスバイクやロードバイクのコラムカットに関する基本的な情報をまとめてみました。
コラムカットとは
完成車と呼ばれるクロスバイクやロードバイクの場合、最初からパーツが組まれた状態で販売されているので、ポジションは後から調整することになります。
初心者の場合は、自分にとっての適性なポジションは分かりませんし、スポーツバイク特有の前傾姿勢にも慣れないません。
お店側もそのあたりの事情を理解しているので、あまりハンドル位置を低くせずに、初心者でも安全に乗れるようにハンドル位置が高い状態で販売することが多いと思います。
僕の場合も、クロスバイクを購入したGIANTストアでは、サドルのポジションについては購入時に調整してもらいましたが、ステムの位置については何の調整もなく、一番高い位置にセットされた状態で納車されました。
スポーツバイクに慣れないうちは、その方が乗りやすくて調子が良いのですが、乗り馴れてくると「ステムの位置を低くしした方が乗りやすい」と感じるようになるため、コラムのスペーサーとステムの位置を入れ替えて、どんどんハンドルの位置を下げたいと思うようになります。
結果的に、タンコブのようにステムの上にコラムが飛び出してしまう状態になります。
この飛び出してしまったコラムの見た目がかっこ悪いため、コラムをカットして無くしてしまおうというのがコラムカットになります。
コラムカットは必要なのか?
ポジションを調整した結果、コラムがタンコブのように飛び出してしまったコラムはカットする必要があるのでしょうか?
結論を言えば、そのままの状態でも乗ることができますし、性能的にもほとんど影響が出ない部分だと思われるので、コラムカットをする必要はありません。
ただ、見た目が悪いということもあり、コラムが飛び出してしまった場合にはカットして無くしてしまうのが普通です。
コラムカットするメリット
● 見た目が良くなる
● 軽量化できる
● 空気抵抗が下がる
コラムカットをしてはいけない場合
ポジションが固まり、パーツ類を変更することが無いような時には、コラムカットしてしまうのが良いと思いますが、ポジション調整中や、改造カスタマイズを繰り返すような場合は、一旦保留した方が良いと思います。
例えば、フラットバーハンドルからブルホーンバーへハンドルを変更すると、ポジションが大きく変わってしまいます。その際に「もう少しハンドルが高い位置の方が良い」と感じても、コラムをカットしていると、元に戻すことが出来なくなってしまうのです。
実際問題で、クロスバイクのハンドルをフラットバーからブルホーン化した際には、ポジションがあまりに変わってしまったので、慣れるまでの間はステムをコラムの一番上にセットしなおして乗ることになりました。
幸いコラムをカットしていなかったので、困るようなことはありませんでしたが、ゴラムをカットしていた場合には、最悪の場合フォークを新しく買い直す必要があります。
また、適切なポジションが出せている場合でも、使用するパーツ(ハンドルやステム)を変更する予定がある場合は、コラムカットせずに様子を見たほうが良いと思います。
同じように見えるステムでも、コラムと結合する部分のサイズが微妙に違っていたりするので、ギリギリの長さでカットしていると、せっかくのステムを取り付けられないなどの問題が出る可能性があるからです。
コラムカットをする方法
1.サイクルショップに持ち込む
クロスバイクやロードバイクのポジションは、乗り慣れるとともにハンドル位置が下げたくなるなどで調整するのが普通です。
特に、初心者の場合は、最初に納品された状態ではコラムの一番上にステムが乗せられていると思われるので、半年も乗っていれば必ずポジションの変更をしたくなると思います。
自転車屋さんも、そのあたりは折込済みなので、コラムカットをお願いすれば、ごくごく当たり前のように作業をしてくれるものと思います。
工賃的には数千円程度は必要になると思いますが、購入したお店であれば、お店によってはサービスの範疇でおこなってくれる場合もあるかもしれません。
専用工具を買い揃えるお金があれば、自転車屋さんで作業してもらえますし、それが最も確実で最も楽な方法になりますので、特に改造カスタマイズに興味の無い人は、お店に相談するのが良いと思います。
きっとポジションまで出した状態で調整してくれるでしょう。
2.自分自身で作業する
コラムカットは自分自身で行うことももちろんできます。
ただし、コラムの内部に圧入されているスターファングルナットを押し下げる作業などが含まれるため、改造カスタマイズの難易度のレベルとしてはやや高くなるかもしれません。
作業自体は単純なので、経験としてチャレンジしてみるのも良いと思います。
コラムカットをする手順の基本
1.コラムからスペーサーを外す
まずはステムが適当な高さであることを確認します。
おそらくコラムをカットしたい人は、ステムはコラムの一番下の位置にセットされているのではないかと思いますから、ステムの上に乗せられている不要なスペーサーを取り外します。
ステムをコラムにしっかりと固定するためには、ステムの上には5mmのスペーサーを一枚挟む必要があるので、5mmのスペーサーをステムの上に乗せておきます。
5mmのスペーサーを残すのは、単に見た目が良くなるという理由なので、10mmでも20mmでも、好きなサイズのスペーサーを残せば良いと思います。
2.コラムをカットする位置にマーキング
コラムをカットする位置にマーキングします。
マーキングする位置の目安は、スペーサーの一番上の部分から約2~3mmほど低い位置になります。
コラムの長さよりもスペーサーの方が長くないとうまく固定できなくなります。
3:スターファングルナットを圧入する
コラムの中に圧入されているスターファングルナットをさらに圧入します。
圧入しないでコラムをカットしてしまうと、スターファングルナットも一緒に外れてしまいますから、カットする位置よりも、下の位置にスターファングルナットを圧入してからコラムをカットするようにします。
スターファングルナットはコラムの上から棒で叩けば下がっていきますが、ドライバーなどテキトーな物で圧入しようとすると、スターファングルナットが斜めになってしまうことがあります。
斜めになると、コラムキャップのボルトが差し込めなくなりますし、元に戻すことが出来なくなるので注意が必要です。
フォークの叉の部分から長ネジを差し込んで、長ネジをスターファングルナットと結合して下から引っ張る方法が安価でお勧めの方法として取り上げているサイトも多いです。
僕自身も実際にその方法で作業をしたことがあります。
作業の様子は記事にまとめていますので参考にしてみてください。
実際のところ、スターファングルナットを圧入するには、スターナットセッターという専用工具があるので、作業の際には長ネジなどのDIY工具を使用するよりも、専用工具を使用した方が、ストレス無く確実に作業ができると思います。
スターナットセッターは頻繁に使う工具ではないですが、買っても数千円ですので、失敗するリスクや、作業の労力を考えればけして高くないと思います。
僕が次回コラムカットする際には長ネジを使用した方法ではなく、スターナットセッターを使用するでしょう。
4.コラムをカットする
コラムはやや太めで肉厚なパイプですが、アルミコラムの場合は、ハンドルをカットする時に使うようなパイプカッターを使えばカットできます。
少し時間は掛かるかもしれませんが、焦らず根気よく作業すれば10分ほどでカット出来ると思います。
コラムをカットした後は、切断面をヤスリがけをしてバリを取りましょう。
バリを取らないままだとステムやスペーサーがスムーズにはめられなくなる場合があります。
ステムやスペーサーをコラムにセットして、しっかりと固定した後は、念のためシフトレバーやブレーキ類の確認をしましょう。
位置が変わるとワイヤーを再調整しないと調子がおかしくなる場合があります。
なので、このタイミングでシフトワイヤーとブレーキワイヤーを交換してしまうのも良いと思います。
コラムカットの作業内容としてはこんな感じなので、初めての作業でも一時間程度で作業できるようなものだと思います。
長ネジを使用したコラムカットの方法をまとめたのが下記の記事となります。
作業の際の参考にしてください。