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自転車の盗難対策として、防犯性の高い鍵を選ぶならU字ロック(Uロック)は有力な選択肢の一つです。
チェーンロックやワイヤーロックと比較すると、太い金属製のシャックルを使用したU字ロックは切断や破壊に強く、クロスバイクやロードバイクなどのスポーツバイクにもよく使用されています。
ただし、どれだけ防犯性の高いU字ロックを使っていても、施錠する場所や方法を間違えると、自転車を盗まれてしまう可能性があります。
例えば、前輪だけに鍵を掛けていても、前輪を取り外せば自転車本体を持ち去ることができます。
そこで今回は、クロスバイクやロードバイクなどを中心に、U字ロックを使った効果的な自転車の施錠方法について考えてみます。
まずは、スポーツバイクでやってはいけない施錠方法から紹介します。

クロスバイクやロードバイクの施錠方法として、特に避けたいのがフロントホイールだけに鍵を掛ける方法です。
自転車ショップによっては購入時に説明するくらいの基本中の基本ですね。この状態は施錠していないのと同じです。
この場合、フロントホイールのクイックリリースを外してしまえば簡単に持ち去られてしまいます。手慣れていれば、20〜30秒程度で外すこともできるでしょう。
この方法は地球ロックをしていたとしても全くの無意味で「ご自由にお持ちください」というような状態で自転車を置いているのと変わりがありません。
実際問題で、僕の友人はラックに入れると前輪にロックが掛かるタイプの駐輪場にロードバイクを駐輪していて、前輪だけ残した状態で盗難されてしまいました。

リアホイールだけに施錠する方法も、十分とは言えません。
フロントホイールへの施錠に比べると取り外しが面倒な分、防犯効果も高くなりますが安全な施錠とは言えないでしょう。
フロントホイールと同様にリアホイールも手慣れていれば取り外すのは数十秒でできてしまいますし、地球ロックをしていても結果は同じです。

ホイールだけ外されないようにスポークとフロントフォークに施錠する方法は、ホイールだけに施錠するものと比べればかなりマシですが、スポークを切断したり、クイックリリースを抜いてしまえばすぐに外されてしまいます。
スポーク一本程度の破断であれば走行できたりもするので、U字ロックだけ外してまたホイールを付け直してそのまま走り去ることも出来るかもしれません。
そのため、できるだけホイールだけではなく、強度の高いフレーム部分をU字ロックで固定するのが基本になります。

ホイールとフレームを一緒に施錠すると盗難防止効果の高い施錠方法になります。
例えばフロントホイールとダウンチューブ、またはリアホイールとシートチューブという感じです。
個人的には、可能であればリアホイールとフレームを一緒に施錠する方法がおすすめです。
リアホイールには変速機などの高価なパーツが近いため、可能であればリアホイールとフレームを一緒に施錠するのがおすすめです。

さらに安全な施錠方法は、「地球ロック」と「U字ロック」と「ダブルループワイヤー」と呼ばれる両端が輪っかになったタイプのワイヤーを併用する方法です。
地球ロックは持ち去り対策にもかなり有効ですが、大きめのU字ロックでないと難しい場合もあります。
しかしダブルループワイヤーを使用する方法であれば地球ロックをしやすくなるほか、前後ホイールも施錠できるようになるのでかなり盗難防止対策としてはレベルが高くなります。
という使い方ができ、U字ロック単体では前後ホイールとフレームを同時に固定するのが難しい場合でも、ワイヤーを併用すれば、より広い範囲をカバーできます。
難点と言えば、太めのダブルループワイヤーは持ち運びの際に嵩張るところですね。ワイヤーの太さ=切断されづらさでもあるので、どの程度の太さのワイヤーにするかは持ち運びやすさと防犯性の兼ね合いになると思います。
感覚的にはワイヤーの太さが8mmを超えてくるとワイヤーのコシが強くなるので嵩張るようになります。
通常のワイヤーロックだとなるべく太いワイヤーのものが安心ですがU字ロックとの併用の場合は補助的な用途なのでそこまで太いワイヤーでなくても十分かもしれません。
自転車本体を固定物と一緒に施錠すると、持ち上げて運び去られる盗難への対策になります。
ただし、フェンスや柵、公共物などへの施錠については、施設や駐輪場ごとのルールを確認する必要があります。
施設によっては、指定された駐輪場以外への施錠や、フェンスなどへの自転車の固定が禁止されている場合があります。
自転車を施錠する場合は、
を確認しておきましょう。

自転車の盗難対策では、「どんな鍵なら絶対に盗まれないか」ではなく、「盗むのに時間と手間が掛かる状態を作る」という考え方が重要です。
一般的に鍵は、破壊や切断、工具の使用などによって突破される可能性があります。
U字ロックの盗難防止効果をさらに高めるにはU字ロックがどのように破壊されるかということを知ることが大切です。
例えば画像検索で「U字ロック 破壊」などのワードで調べるとU字ロックが切断された画像や歪んで壊れた画像が見つかります。
U字ロックの切断に使用されるのはグラインダーやボルトクリッパーと呼ばれる切断工具で自転車撤去の際にも使用されたりするようです。
バイクに乗る方などはU字ロックを紛失した場合に自分でグラインダーを購入して切断したりしたという話もよく聞きます。
金属を切断するわけですからグラインダーなどだと火花が散ったり音もそれなりに出たりしますが、数分程度で素早く切断されるようです。
夜中にそんなものを使うと怪しさ満点ですが、日中に作業着などを着て堂々とやられていたりすると「撤去作業かな」と思ってしまいますから、そのような工具を使用して自転車を盗む人たちは意外と白昼堂々と作業をしているのかもしれません。
U字ロックを歪ませて破壊する方法では、ジャッキで無理やりこじ開けるようです。
自転車の盗難にはなかなか使われないと思いますが、音が出づらい、火花が出ないなどで夜中などに粛々と作業するのに向いているのかもしれません。
ミニサイズでも1トン近い圧をかけられたりもするので、一般的なU字ロック程度であれば曲げてしまうのも難しくはないと思われます。
可能であれば、U字ロックは地面に接地するような位置ではなく、少し高い位置で施錠する方がよいと言われています。
グラインダーやボルトクリッパー、ジャッキにしても切断や破壊をするにはU字ロックを何かに押し付けて固定させておく必要があります。
地面などを利用して工具に力を掛けられる状態よりも、空中に近い位置の方が作業しにくくなる場合があるためです。
例えば、U字ロックが地面に接地するような低い場所で施錠されている場合、地面に押し付けて作業できるようになるため、切断や破壊がしやすい状態と言えます。
固定するものがなければ体重もかけられませんし、上手く作業ができなくなるので、U字ロックはなるべく高い位置で施錠するのが良いということになります。
U字ロックと言っても、やはりピンきりです。
U字ロックにも価格や防犯性能の違いがあります。
お手頃価格で有名なのはPALMYやPanasonicのU字ロックになると思いますし、通常の盗難対策であればそれで十分でしょう。
高価なロードバイクを長時間駐輪する場合には、より防犯性能を重視した製品を検討した方がよいでしょう。
そのような高価な自転車にふさわしいセキュリティレベルのU字ロックとしては、Kryptonite(クリプトナイト)やABUS(アブス)などが挙げられます。
窃盗を専門とする者も、そのあたりの知識はあるでしょうから、強固な盗難対策がされている自転車は諦める可能性があります。
それらのセキュリティレベルの高いU字ロックはそれなりの価格がしますが、よく言われるように車両価格の1/10程度を盗難対策費用として考えるべしというのがあるように、それなりの鍵を考えておいた方が安心です。
上記のメーカーは、高いだけあってボルトクリッパー程度ではなかなか切断できないレベルの硬度になっているようです。
目安としては次のように考えると分かりやすいと思います。
| 使用状況 | おすすめの鍵 |
|---|---|
| 短時間の駐輪 | コンパクトなU字ロック |
| 通勤・通学 | 標準サイズのU字ロック |
| クロスバイクの長時間駐輪 | U字ロック+補助ワイヤー |
| 高価なロードバイク | 高強度U字ロック+補助ロック |
| 前後ホイールも守りたい | U字ロック+ダブルループワイヤー |
重要なのは、自転車の価格に見合った盗難対策をすることです。
数十万円するロードバイクに簡易的な鍵だけを使用するよりも、多少費用が掛かっても防犯性の高い鍵を選んだ方が安心できます。
逆に、鍵が大きすぎたり重すぎたりすると、持ち運ぶのが面倒になって使わなくなる可能性もあります。
防犯性能だけでなく、毎回きちんと使用できる携帯性や使いやすさも重要です。
U字ロックを使用した自転車の盗難対策で重要なのは、単純に高価な鍵を買うことではありません。
どこに、どのように鍵を掛けるかが非常に重要です。
基本的には、フレーム+ホイールを一緒にU字ロックで施錠することをおすすめします。
さらに防犯性を高めたい場合は、U字ロック+ダブルループワイヤーのように複数の鍵を組み合わせると、前後ホイールまでカバーしやすくなります。
人目の少ない場所に長時間放置しないことや、安全性の高い駐輪場を利用することも重要です。
結局のところ、最も大切なのは、「盗むのに時間と手間が掛かる自転車」にすること。
高価なU字ロックを一本使うだけで安心するのではなく、施錠方法や駐輪場所も含めて盗難対策を考えることで、自転車を盗まれるリスクを下げることができます。
大切なロードバイクやクロスバイクを守るためにも、ぜひ一度、自分のU字ロックの使い方を見直してみてください。