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スプロケット交換でギア変速時の衝撃を軽減してスムーズなシフトチェンジを実現する|クロスバイク・ロードバイク

クロスバイクのスプロケットを換装

クロスバイクやロードバイクで変速をしてギアが切り替わった瞬間の「ガツン」とか「ガチン」といった衝撃を解決するために、歯数の差が少ないクロスレシオなスプロケットに交換してみたところ、別の自転車と思えるほどスムーズな変速ができるようになりました。

そんなわけでスプロケットについての基本情報やスプロケットを交換するとどうなるのか、そしてスプロケットの交換方法などについてまとめてみました。

ギア変速時の衝撃の原因

気になる変速時のガツンという衝撃

ギア変速時のギアが切り替わった瞬間の衝撃が気になる

クロスバイクやロードバイクで変速してギアが切り替わった瞬間の「ガツン」という衝撃が気になっていたので、その理由と「もっとスムーズにギアチェンジできるようにならないか」を考えました。

スピードが徐々に上がり、段々とシフトアップしていくその時に、突然やってくるあの「ガツン」というギアをチェンジした時のシームレスじゃない衝撃はノリノリの気分を一気に萎えさせるものです。

一度気になり始めるとそれが次第にストレスになり「多段ギアなんだから、もう少しスムーズな変速はできないものか?」などと不満と素朴な疑問が沸いてきます。

ギア変速時の衝撃の原因

ギア変速時の衝撃の原因はスプロケットのギアの歯数の並び

ギア変速時衝撃の原因はカセットスプロケットのギアの歯数の並びでした。

カセットスプロケットは後輪のハブに取り付けられているギアの集まりになります。一般的なクロスバイクであれば8段〜9段、ロードバイクであれば10枚〜11枚のギアで構成されたパーツです。

カセットスプロケットには歯数の小さいものから大きいものへ順番にギアが組まれているわけですが、基本的にはスプロケットのギアの枚数が多いほど一段一段の歯数の差が小さくなり、スムーズなシフトチェンジが行えるようになります。

つまりは、ギア変速時の衝撃は、隣り合ったギア同士の歯数の差が大きいほど衝撃が大きくなり、なるべく歯数の差を少なくすることで衝撃を小さくすることができるというわけです。

クロスバイクのESCAPEのギア構成

GIANT社のクロスバイクESCAPE Airのギア構成

クロスバイクのESCAPE Air(2013)のギア構成を参考にしてギア比を見ていきましょう。

● フロントのチェーンリング:28/38/48T
● スプロケット:11-32T

28/38/48Tや11-32Tなどの数字は歯数で、数字の後ろのTはTeeth(歯)のこと。つまりは11-32Tというのは、スプロケットに装備されている最も小さなギアの歯数が11Tで、最も大きなギアの歯数が32Tということを表しています。

クロスバイクの基本的なギアの枚数は8枚(8段)なので、全体のギアの構成は(11-13-15-18-21-24-28-32)となります。

クロスバイクのESCAPEのギア比と標準的なロードバイクのギア比の比較

もう少し踏み込んだ話になるとカセットスプロケットの歯数とフロントのチェーンリングの歯数の組み合わせでギア比というものが計算されます。

このギア構成をもとに歯数の比率を計算してくれるサイトでギア比を計算した結果が下記の表になります。

参考 (外部)自転車の多段ギア比|自転車探検!

ギア比の比較

ギア比の比較

ギア構成

■クロスバイク
フロント28/38/48T
リア11-32T(11-13-15-18-21-24-28-32)
■ロードバイク
フロント34/50T
リア12-25T(12-13-14-15-16-17-18-19-21-23-25)

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上記がGIANT社のクロスバイクのESCAPE R3のギア比と一般的なロードバイクで使用されているギア比との比較です。クロスバイクとロードバイクいずれもフロントをアウターにした時のギア比で比較をしてみます。(ピンクの背景)

8速のクロスバイク11-32Tは0.2〜0.5程度の刻みでギア比が変化しています。しかも変化の幅は不規則です。それに対して11速のロードバイク12-25Tは0.2〜0.3刻みでギア比が変化し、変化の幅もほぼ一定です。

ギア比とギア変速時の衝撃の関係

このギア比が大きいほど重たい(高速な)ギアになり、小さければ軽い(低速)ギアになります。そしてギア比の差が小さく均等になればなるほど、変速時ののギアが切り替わった瞬間の抵抗も小さくムラがなくなるというわけです。

つまりギア比の数値の変化が少なく安定している11速の方が変速時の抵抗も少なくズムーズに変速できるということを表しています。

もちろんクロスバイクでもフロントギアと併せて上手に変速すればスムーズなギア比も可能になりますが、街乗り程度だとシフトチェンジを頻繁におこなうのはあまり現実的ではありませんし、全てのギア比を頭に入れるのも大変です。

この点については、やはりスプロケットのギア数が多いコンポーネントの方がより細かなギア比の違いで構成できますから、スムーズな変速という点では有利になります。

なので変速時のギアが切り替わった瞬間の抵抗を少なくしたいのであれば、ギア比の変化が少ないスプロケットにするというのがもっとも簡単な解決方法になると思います。

クロスバイクの非実用的なギア構成が最大の原因

さて、もう一度GIANT社のクロスバイクのESCAPEに標準で付いているスプロケットの歯数を見てみます。11-32Tという歯数でした。

注目したいのはローギアの歯数32Tという数字です。実は32Tという歯数は壁のような激坂でも走らない限りは必要のないとてもとても軽いギアなのです。

実際に使用してみると判ると思いますが、32Tという歯数は街乗りレベルだとチェーンが外れて空転しているんじゃないかと思うくらいのもので、実際問題で使用する場所がない無駄なギアなのです。

実用的なギアで考えれば最大で25Tもあれば余裕だと思います。

それに加えて大抵のクロスバイクにはフロントギアが3枚(3段)もあるので、軽いギアが欲しい場合はフロントギアを落とせば良いだけですから、どう考えても32Tという大きな歯数のギアは必要がありません。

そんなわけでクロスバイクをより快適に走らせたいと思うのであれば、もっと歯数の差が少ない実用的なギア構成になるようにスプロケットを交換した方が良いということになります。

つまるところ変速時のギアが切り替わった瞬間の衝撃もこの意味不明なギア構成が原因になっているのです。

快適な走りを実現するスプロケット選び方のヒント

ギア選びの目安

ロードバイクなどではスプロケットの歯数が28T以上であれば非常に軽いギアとされています。28T以上のギアを使用すれば乙女でも坂道をラクラク登れるため「乙女ギア」などと揶揄されたりもするくらいです。

なので、カセットスプロケットのギア構成を考える時にはまずギアの最大歯数に注目してください。

自分が実際に走行する道を想定して、坂道を登ることが多いようであれば最大歯数が28T以上のものを選べば坂道が楽に走行できて良いでしょうし、坂道が少なければ28T以上のギアは無駄になってしまうので、25T以下で構成されたスプロケットを選べば良いでしょう。

もちろんフロントギアの歯数との兼ね合いもありますから一概に言えるものではありませんが、スプロケット選びの一つの基準として28Tという数字は頭に入れておくと良いと思います。

● 坂道が多い 最大歯数28T以上のスプロケット
● 坂道が少ない 最大歯数25T以下のスプロケット

坂道に対応した構成か平地メインの構成かで考える

歯数が多く軽いギアは脚力が弱い人用のギアというわけではありません。スプロケットは個人の体力や用途に応じて変えるものです。

基本として平地メインで走る場合は、最小歯数と最大歯数の2つの数字があまり開いていないクロスレシオなスプロケットが適しているでしょうし、坂道などを多く走る場合は最大歯数が大きな軽いギアが使えるワイドレシオなスプロケットが適していると言えます。

そんなわけでロードバイクの場合、基本的には平地を快適に走れるような構成の12-25Tあたりのスプロケットが標準的なものとしてよく選択されますし、ヒルクライムなどで坂道をガンガン上るような人は28Tや32Tなどの大きな歯数のギアが含まれたスプロケットを選択します。

スプロケットの選択の注意点

スプロケットのギアの枚数は増やせない

クロスバイクよりも多段なロードバイクの方がギア比の変化が少なくスムーズなシフトチェンジができます。

例えば同じ11T-25Tという表記のスプロケットであったとしても、8段のスプロケットと11段のスプロケットでは3枚のギアの枚数の差がありますから、3枚ギアが多く使える11段のスプロケットの方がよりスムーズなシフトチェンジが可能になります。

単純に考えればカセットスプロケットは8段よりも11段に交換した方が良いということになるのですが、ギアの枚数の異なるカセットスプロケットへの交換はそんなに簡単な話ではありません。

ギアを切り替えるリアディレーラーの動きを制御するシフターのワイヤーの引き幅はそれぞれのギアで決まっていますから、スプロケットのギアの枚数が変わればシフターも変更する必要があります。リアディレーラーの動きも変わりますし、チェーンの厚みも違ってくるので、互換性がありません。

さらにはホイールもギアの枚数によって非対応にもなったりするので、スプロケットを交換する際には同じギアの枚数のスプロケットと交換することになります。

要するにスプロケットのギアの枚数を変更するということは、コンポーネント一式を変更する大改造になってしまうのです。

ギアの枚数が同じであればスプロケットの変更は簡単

スプロケットのギアの枚数が変わると大改造が必要になりますが、ギアの枚数が同じで、歯数の構成がことなるスプロケットに交換する場合は簡単に行なえます。

スプロケットのギアの枚数が同じであれば変更は簡単

実は、スプロケットはギアの枚数が同じであれば、特に難しいことはなくスプロケットのみで交換ができます。

スプロケットの組み合わせは8段、9段、10段などのギアの枚数組み合わせだけではなく、同じ段数でも様々な歯数の組み合わせが用意されていて、用途に応じて適切なスプロケットを選択できるようになっているのです。

つまり、8段なら8段で様々なタイプのスプロケットの組み合わせがありますから、歯数がスムーズに並んだスプロケットを探して交換すれば良いのです。

例えば8段のスプロケットで歯数の差が少なく数字の繋がりが良いスプロケットを下記にピックアップしてみました。

歯数の差が小さいスプロケット

8速

SHIMANO CS-HG50 8S CSHG508

■歯数:12-25T
■ギア構成:12-13-15-17-19-21-23-25T

トップの11Tが無くなってしまうので少し残念な気もしますが、実際問題で11Tという歯数は普通は必要ないと思われるので、個人的にはこの構成が最もスポーティで街乗りには適していると思います。

ギア比

ギア比で見てもうまい具合に変速出来れば良い感じでつながっていきそうな感じです。

SHIMANO CS-HG50 8S 13-26T

■歯数:13-26T
■ギア構成:13-14-15-17-19-21-23-26T
■グレード:Claris

基本的にはゆっくり走り、あまりスピードは出さない、そして坂道でも余裕のあるギアが欲しい人向けの構成です。

9速

SHIMANO CS-HG400 9S 11-25T

■歯数:11-25T
■ギア構成:11-12-13-15-17-19-21-23-25T

標準的なギアながら、よりスポーティに走るためのギア構成。

SHIMANO CS-HG50-9 12-25T

■歯数:12-25T
■ギア構成:12-13-14-15-17-19-21-23-25T

標準タイプの12-25T。
ギアの構成もきれいに並んでいて25Tがあれば街乗りレベルの坂道も余裕です.

10速

SHIMANO ULTEGRA CS-6700 11-23T

■歯数:11-23T
■ギア構成:11-12-13-14-15-16-17-19-21-23T

平地使用でスポーティに走るためのもの。
坂道にはかなり弱くなりますがとことん高速志向なら間違いのない選択です。

SHIMANO(シマノ) CS-6800 11S 11-23T

SHIMANO(シマノ) CS-6800 11S 11-23T

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SHIMANO ULTEGRA CS-6700 11-25T

■歯数:11-25T
■ギア構成:11-12-13-14-15-17-19-21-23-25T

ちょうど中間の16Tが抜けているのは少し気持ち悪いですが、高速走行や坂道走行でも対応できるオールマイティーな構成です。


SHIMANO ULTEGRA CS-6700 12-25T

■歯数:12-23T
■ギア構成:12-13-14-15-16-17-19-21-23-25T

クロスレシオでありながら、ちょっとした坂道にも対応できる構成です。

11速

SHIMANO 105 CS-5800 12-25T

■歯数:12-25T
■ギア構成:12-13-14-15-16-17-18-19-21-23-25T

気持ち良いくらいのクロスレシオでバランスも良い構成です。
流石に11速になると隙きのない並びになりますね。

SHIMANO CS-R8000 14-28T

■歯数:14-28T
■ギア構成:14-15-16-17-18-19-20-21-23-25-28T

山登り用とも言えるクロスレシオな構成。
トップを14Tで良いと割り切れば、坂道の多い場所でもスムーズにシフトチェンジ出来る構成です。

シマノ CS-R8000 11S 14-28T 45678901358 ICSR800011428

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スプロケットの交換に必要な工具

スプロケットの交換にはフリーホイルリムーバースプロケット外しなどの専用工具が必要になります。

スプロケットの交換や取り外しは自転車をメンテナンスする際に頻繁におこなうことも多いので、これらの工具は揃えておいて損はないものだと思います。

スプロケットの交換手順

スプロケットの交換手順です。

1.後輪を取り外す
2.ロックリング回しをセット。
3.フリーホイールルムーバーでギアを固定、ロックリング回しを回す。
4.古いスプロケットを外して新しいスプロケットを取り付ける
5.ロックリング回しとスパナを使って締める

初めての作業の時は力加減がわからずに、ホイールを壊してしまうかも・・・と恐る恐る作業しまうかもしれません。結構な力が必要になります。

日頃からライダーの体重を支えられているホイールですから、思い切り体重をかけてみたところでホイールはそんなに簡単に壊れるものではありません。

なのでスプロケットを外す際には思い切り体重をかけた方が良いと思います。そこそこ体重をかけて回すようにしないとスプロケットは外れないでしょう。

クロスレシオなスプロケットに交換したクロスバイクに乗ってみた感想

スプロケットを変えると別の自転車に変わる

スプロケットを交換すると、全く新しい自転車になったかと思えるほどの違いを体感することが出来ると思います。

特にクロスバイクの純正スプロケットからクロスレシオなスプロケットに交換した場合、その変化の差は大きいので「スプロケット一つでこんなにも変わるのか!」と驚くくらいの違いを体感できるでしょう。

僕自身、スプロケット一つで性能が大きく変わるとは思ってもみなかったので、スプロケットを交換したあとの走りの違いに驚いて感動したのを今でも覚えています。

違いがわかるといろいろな歯数のスプロケットを試してみたくなりますし、平地をひたすら走る用、日常の街乗り用、坂道用など用途に応じていくつかの組み合わせを持っていても良いかなと思ったりもします。

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