車道を自転車で走っていると時々見かける「青い矢羽根マーク」の意味について解説しています。
青い矢羽は「自転車レーン」を示すものなのか、それとも単なる「自転車の通行場所をガイドする模様」なのか、自分の中でハッキリしない部分もあったので、青い矢羽根マークの意味について調べてみました。
青い矢羽根マークとは
自転車の走れる道路の区別は
自転車道
自転車専用通行帯
車道混在
の3形態があり、青い矢羽根マークはそのうちの車道混在と呼ばれる形態の道路に表示されるものです。
自転車道
まずは「自転車道」についての理解からです。
「自転車道」は、自転車だけが走れる道路で、縁石などにより自動車やバイクなどが入れないように物理的に分離されています。
いわゆるサイクルロードなども自転車道に分類される道路となります。
道路構造令第2条第1項第2号に規定される、専ら自転車の通行の用に供するために、縁石線又は柵その他これに類する工作物により区画して設けられる道路の部分をいう。
なお道路交通法上も自転車道として扱われる(第2条第1項第3号の3)。
自転車専用通行帯
次に「自転車専用通行帯」の理解です。
「自転車専用通行帯」は、自転車専用の通行領域。路面に「自転車専用」の文字が表示されていたり、青く塗装されているのが特徴で、自動車やバイクなどの車両は通行出来ない場所です。
一般的には「自転車レーン」とも呼ばれる道路です。
道路交通法第20条第2項の道路標識により、車両通行帯の設けられた道路において、自転車が通行しなければならない車両通行帯として指定された車両通行帯をいう。
車道混在
自転車の通行領域を青い矢羽根などで明示しながらも、自動車やバイクなども走行出来るような道路。
矢羽根などで通行部分を示したところを自転車走行指導帯と呼ぶ。
自転車走行指導帯とは道路交通法上、自転車が通行すべき「車道の左側端」を路面表示等により明示した部分をいう。
青い矢羽マークの意味とは?
上記の自転車の走れる道路の区別から判断すれば、青い矢羽マークは「自転車走行指導帯」を明確にするためのマークということになります。
要するに、通行区分としては「自転車でも。バイクでも。自動車でも走れる場所」ということで、矢羽マーク自体には何の拘束力もなく、単なる車道上の模様ということですね。
「だったら何の意味もないじゃない」ということになりますが、行政も無闇矢鱈に描いているというわけではなく、青い矢羽を車道に描くことで期待出来る効果もあると言われているので、どんどん青い矢羽マークを増やしているということのようです。
参考 安全で快適な自転車利用環境創出ガイドライン
参考 パシフィックコンサルタント
参考 安全な自転車通行空間の確保について
参考 自転車通行空間の種類と通行ルール
自転車の通行域を示す青い矢羽根で期待できる効果
青い矢羽根(ブルーウイング)の表示で期待できる効果
青い矢羽が道路に描かれることで下記のような効果が期待できます。
● 自転車やドライバーが自転車の通行する場所を認識しやすくなる
● 幅寄せなどの軽減
● 自転車を歩道から車道へ誘導できる
矢羽根の表示が無い場合に有りがちな交通情況
● 自動車の幅寄せ
● 通行域が不明になる
● 自転車の逆走
矢羽根がない車道混在の道路では、自転車が自動車に幅寄せされたり、交差点でどこを走行すべきなのかが判りづらかったりで危険な場面が多くなります。
また、車道を逆走してしまう自転車も多くいます。
それらの問題を少なくしようとする目的が青い矢羽にはあります。
矢羽根の表示が有ることで安全性が高まる
● 自転車の通行域が明確になり幅寄せが減る
● 通行域がはっきりするため予想外の場所を走らなくなる
● 矢印形にすることで逆走していることを意識させられる
矢羽根があると、自転車の走るべき通行域が明確になるので、自動車が幅寄せし過ぎることも少なくなることや、自転車が交差点へ侵入する際にも矢羽根の→の向きに従えばよく迷いづらくなります。
また、逆走自転車に関しても、矢印を見て直感的に反対方向を走っていると意識ができるなどの効果が期待できるというわけです。
全国各地で検証実験が実施されている
青い矢羽根マークの効果や表示方法・マークの大きさ等を含めた検証が全国各地で行なわれているようです。
参考 札幌都心部の西5丁目線で自転車通行空間の社会実験を実施
参考 自転車の車道左端通行が倍増 札幌、路面表示塗装で
参考 自転車走行空間路面表示設置実験結果について(新潟)
参考 宇都宮で実証! 自転車の車道通行には路面表示が効果的
青い矢羽根マークの導入に関する私の意見
青い矢羽根マークは既に導入が始まっている自治体などもいくつかあるようです。
しかし、色や大きさなどが全く統一されていない状態なのに加えて、そもそも矢羽根マークが一体何のマークなのかを、自転車に乗る人、自動車に乗る人ともによく理解していないなどの問題もあります。
実際問題で僕自身もこうして調べてみるまでは、青い矢羽根マークの意味を勘違いしていた部分もありました。
なので、全国的に導入され、全体に浸透するまでにはまだまだ時間が必要と思われます。
しかし青い矢羽根マークや自転車マークがあれば、自動車を運転する人もなんとく自転車の走行する部分ということが自然と意識できるので、自動車の風圧を感じるくらいの酷い幅寄せや追い抜きに遭遇することもかなり少なくなりそうです。
未だに「自転車は歩道を走れ」と思っている一部のドライバーもいますから、青い矢羽根マークがあれば「自転車も車道を走る権利が有るんだぞ!」と主張するような表示になるので、そのような無知なドライバーに対してアピールできたり、ドライバーの自転車に対する意識も変わることが期待できそうです。
そんなわけで、自転車にとって快適で安全な環境が整っていくのであれば反対する理由もなく、自転車マークなどと同じようにどんどん広がって、車道に自転車の走るスペースがあることが普通な状態にまでなっていけば良いのになと思います。
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