自転車関連で勘違いしやすい交通ルールについてまとめてみました。
自転車の交通ルールについて調べようと思った事の発端は、自転車ベルのknog Oiについて調べていた時のこと。
スポーツバイク専門店として有名な、とある大手自転車チェーン店のブログでもknog Oiが紹介されているのを見つけました。
そこでの紹介の内容が「カッコ良いknogのベルを装備して、見通しの悪い曲がり角や交差点で鳴そう!」的なことが書かれているのを見つけました。
それを見た僕は「おや、おや、自転車屋さんのスタッフでもそうか・・・」と思ってしまったのでした。
というのも、僕自身も勘違いしていたのですが、自転車のベルは危険防止のためやむをえない場合か、警笛鳴らせの指示がある場所以外では鳴らしてはいけないので、いくら見通しが悪いからと言っても、無闇矢鱈にベルを鳴らしてはいけないということになっています。
なので、上記のブログで書かれていた「カッコ良いknogのベルを装備して、見通しの悪い曲がり角や交差点で鳴そう!」というのは、道路交通法違反になるというわけです。
これは勘違いしやすい交通ルールの代表例ですが、ベルだけでなく、自転車関連では曖昧なルールも多いため、勘違いしてしまっていることも案外多いのです。
そんなわけで、自転車関連にありがちな勘違いについてまとめてみたいと思います。
自転車のベルに関するルールの勘違い
自転車にベルは無くても良い?
自転車にはベル(警音器)の装備が義務付けられています。
なので、ベル無しで自転車に乗ると整備不良として取り締まり対象となります。
しかし、上記のように、ベルを鳴らせる機会がほとんどないことや、自転車の場合、声を出せばベルの代わりになるなどの理由で「自転車にベルは無くても良いんじゃないか」と考える人が居るようです。
僕の周りの自転車乗りのロードバイクをチェックしてみたところ、二人はベルを装備していませんでした。
ベルを装備しない理由は「少しでも軽量化したい」「カッコ悪い」「使わない」などかと思いますが、ルールはルールなのでベルを装備していない人はきちんと装備するようにしましょう。
冒頭でも触れた「knogのOi」ならベルが自転車パーツの一部と化して、目立たないのでなかなか良いです。
knog Oiについては、下記の記事で写真多数、音色などを掲載していますので参考にしてください。
【日本正規品】 KNOG(ノグ)自転車 ベル Oi CLASSIC BELL リング型(内径:23.8-31.8mm) LARGE ブラック |2年...
歩行者に存在を教えるためにベルを鳴らして良い?
歩道を歩く歩行者に向けて「チリンチリン」とベルを鳴らす光景は、日常良く見かけるものではあります。
しかし、上にも書いたように基本的にはベルは鳴らしてはいけません。
例えば、自転車自体が停車している時に、歩行者が歩きスマフォなどで前を見ずに自転車に突っ込んで来そうな場合などは、危ないので歩行者に気付かせるためにベルを鳴らすのは「危険を避けるために止む終えない場合」に該当するのでOKだったりしますが、歩道を歩いている歩行者に対して「どいて」の意味で鳴らしたりするのはNGなのです。
某自転車販売店のブログで書かれていたような「見通しの悪い交差点」でもベルを鳴らすのではなく、交差点で停車して安全を確認すれば良いわけで、警笛鳴らせの標識がない限り、ベルを鳴らして良い(鳴らさなくてはいけない)場所ではないということになります。
そんなわけで、自転車のベルは基本的に鳴らせる場所は、ごく限られた場所になるのです。
実際問題で、危険な時でさえ、自転車の場合はベルを鳴らすよりも声を出した方が早くて聞こえやすいなどの理由から、自転車のベルは不要論があったりするわけです。
自転車ベルの道路交通法については、下記の記事でまとめていますので参考にしてください。
【日本正規品】 KNOG(ノグ)自転車 ベル Oi LUXE リング型(内径:23.8-31.8mm) LARGE シルバー |2年保証|
自転車のライトに関するルールの勘違い
前照灯は点滅でも良い?
夜間に自転車に乗る場合には、自転車の前照灯は「点灯」させる必要があります。
前照灯は必ずしも自転車本体に装備しておく必要はなく、ヘルメットなどに装着された状態でも問題ありません。
とりあえず、自転車にしろ運転者自身にしろ、夜間にライトを装備した状態であれば問題ないということになります。
ここで勘違いされやすいのは、点滅ではなく点灯というポイントです。
道路交通法では、ライトは点灯させる必要があるのです。
点灯、つまりは、チカチカと点滅する状態ではなく、常に灯りが点いた状態です。
ライトなどの自転車関連製品で有名なメーカーであるCATEYEのライトの紹介ページの注意書きでも「夜間走行時は点灯でお使いください。道交法上、点滅はあくまでも補助灯としての使用に限定してください。」などの注意書きがされていたりします。
要するに、メインで使用する前照灯は点灯しておく必要があり、点滅で使用できるのは、メインの他のサブとして使用する場合や、安全対策として日中に使用する場合などに限られます。
しかし、実際のところで点滅で走行している自転車はかなり多いですね。
それ以前の問題として、無灯火で走る人も非常に多い為、点滅でも無灯火よりはマシってことで、現状では目をつぶるべき所なのかもしれません。
ルール的には駄目ではありますが、個人的には点滅の方が視認性が良い気もします。
前照灯は赤でも良い?
自転車の前照灯の色は白色光または淡黄色光と決められているので、赤はもちろん、青や緑などの色のついたライトを取付けることはできません。
中国メーカーのライトなどを購入すると、青色などに点灯するライトもあったりするので、この点は注意が必要です。
何故、赤いライトはダメなのか?
理由は簡単で、赤いライトは後尾灯として使用が義務付けられているからです。
以前、赤いライトを前照灯代わりにして点滅させながら走っている自転車に遭遇したことがありますが、赤い点滅ライトだと後尾灯と思ってしまうため、対向しているとは思わずに、危険を回避するのが遅れてしまうのです。
赤い光のライトをフロントライトに使用するということは、場合によっては無灯火よりも悪質と言えるでしょう。
前照灯の色は白または薄い黄色にするように徹底するようにしましょう。
尾灯を点滅にしている?
尾灯についても前照灯と同じく基本的には点灯させなければいけません。
しかし、実際には点滅させている人が圧倒的に多いですね。
ルールはルールですが、尾灯に関しても点滅させている方が視認性が良いような気がします。
赤い反射器材を装備している、あるいは反射機能のある尾灯であれば点滅でも問題無いようです。
また気の利いたメーカーであれば、複数のライトを備えていて、そのうちの一つは常時点灯になるものもあります。
僕が使用しているknogのBlinder Road Rearもそんな尾灯の一つです。
尾灯は赤意外でも大丈夫?
中国メーカー等の作る尾灯には、色々なカラーパターンが選べるような尾灯が存在します。
僕が過去に購入した後尾灯も青色で点灯することができました。
しかし道路交通法では尾灯は赤と決まっているため、青や緑などの色をしたライトを尾灯として使用することはできません。
もちろん前照灯のような白色も使用できません。
理由は前照灯として赤色のライトが使用できできないのと同じで、尾灯で白色が使用されると、前照灯と勘違いする人がいて危険だからですね。
自転車の走行する区分についての勘違い
自転車は車道を走らなくてはいけない?
原則として自転車は車道を走る必要がありますが、例外として高齢者や子供、親子自転車などは歩道を走行しても良いことになっています。
じゃあ、普通の大人は恐くても車道を走るべきなのか?という点については、危険を回避するなどの場合は大丈夫ということになっています。
また、実際には歩行者しか通れない純粋な歩道はかなり少なく、多くの歩道が自転車でも歩道を通行することができる道になっていると思います。
自転車と親子の歩行者マークが一緒になった「普通自転車歩道通行可」の標識のある道だったり、「自転車を除く」の文字があったりで、大抵の場合は自転車も走行できる歩道ばかりなので、車道が恐ければ無理して車道を走る必要は無い場合がほとんどです。
ただし、自転車が歩道を走行する際は、車道側を走って歩行者のジャマにならないようにする必要があります。
自転車は路側帯を走らなくてはいけない?
自動車しか運転しない人に多い勘違いですが、自転車で車道を走っていると「車道を走るな!路側帯を走れ!」とばかりに幅寄せしてくるような自動車が多々います。
どうやら自転車は車道に引かれた白線の外側を走らなくてはいけないと思っている感じがあります。
しかし、道路交通法的には自転車も車両の扱いになるので、条件によっては車道の真ん中を走っても構いません。
ただし、走って良いのは「第一レーン」のみで、二車線以上レーンがあっても、自転車が走れるのは最も左の第一レーンのみになります。
また、いくらルール的に車道の真ん中を走行しても良いとなっていても、キープレフトという考え方がありますし、速度は自動車などの方が速いですから、自転車は邪魔にならないように、なるべく左側を通行した方が良いでしょう。
詳しくは下記の記事でまとめていますので参考にしてください。
自転車に制限速度は無い?
自転車も車両であることを考えれば、公道での最高速度は60km/hになると思います。
あとは道路標識の最高速度に従う・・・と。
常識的に考えれば原付が30km/hなので、自転車も同程度と思っておいた方が良いと思います。
ただ、自転車の場合は何キロ出しても取り締まることができないため、制限速度が無いという認識で間違いはないと思います。
というのも、自転車の速度はサイクルコンピューターなど測ることはできますが、速度計の装備が義務付けられているわけではありません。
つまり、速度計が無いので、走行中に速度を知ることができないという理屈で「速度を守れ」というのが無理ということになるのです。
とはいえ、自転車は自由に好きなだけスピードを出して良いかといえば、違うでしょう。
制限速度などのルールはあくまで安全に走行できることを考えて制限されているもので、制限速度を超えるということは、すなはち危険ということですから、いくら速度が出る、出せるからと言ってフリーダムではないということを心に留めておく必要があるでしょう。
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自転車は免許が無いから違反切符を切られない?
自転車に乗るのには免許は必要ありません。
そのため自動車などで交通違反をした際にもらう青切符などは交付されません。
しかし、道路交通法が改正され、信号無視や、飲酒運転、傘さし運転、逆走、無灯火などの悪質な違反に関しては罰則が厳しくなり、自動車免許で言うところの免停、取り消しなどの際に交付されるのと同じ赤キップが交付されるようになりました。
自動車の場合は、悪質な違反の場合はのみ赤キップとなり、速度違反などは件数が多いのを円滑にするために青色キップという制度がとられていますが、自転車の場合は免許制度ではないため手続きが制度化されていないために、即赤色キップとなるようです。
自転車と言えど赤色キップをもらうと、長時間の講習を受ける必要がある他、面倒な手続きが必要なのは自動車と同じなので、切符を切られないようにするのが大切でしょう。
自転車にありがちな勘違いまとめ
自転車の場合、警察の取締自体が異常なまでに緩いこともあり、ルールを勘違いして乗り続けてもそれほど大きな問題にならない場合がほとんどです。
結果として、多くの人がルールを勘違いしたまま、あやふやなまま乗り続けるなんてことも多々あるんじゃないかと思います。
自転車には免許が無いので、自動車のように教習所で教えてもらうわけでもないですし、自分で疑問に思って調べてみるまでは、ずっと知らないままということも珍しくないのでしょう。
免許が必要な自動車の場合だって、信号の無い横断歩道の前で、歩行者が渡ろうとしていれば、停止しなければいけないというルールがあるにも関わらず、知らない、取締りがないために、ルールを守る人が少なくなるわけですから、より取締の緩い自転車がフリーダムな状態になっている状況は、ある意味仕方がないとも言えるのかもしれません。
かと言って、いくら取り締まらないからと言って、そのままで良いかと言えば、やっぱりルールは守るべきでしょうし、きちんとルールを理解しておく必要があるでしょう。
この記事が多くの人がルールを理解するのに役立てば幸いです。
実は上記の勘違い、僕自身がクロスバイクに乗り始めてから知ったことでした。
調べてみると「あれ?そうだったの?」みたいなことは意外と多いのかもしれませんね。