いつものサイクリングコースを走っていると「おや?」と思うことがありました。
昨日までは無かった、自転車マークが車道の左端に塗装されていたのでした。
「おお、ついに僕の日常コースにも自転車道が整備されたのか!」と喜びましたが、この自転車マークの詳しい意味が良くわからなかったので、調べてみることにしました。
まぁ、矢印と自転車マークの組み合わせなので「自転車はここを走りなさい」という意味だというのは大体想像できるのですが、念のため・・・。
自転車ナビマークの意味
上記の写真が、ある日突然現れた自転車マークなのですが、自転車ナビマークと呼ぶようです。
この自転車ナビマークの制定元である警視庁のホームページによると、自転車ナビマークが示すものは、「自転車が通行すべき部分と進行すべき方向を路面に表示するための法定外表示」
とのこと。
つまり、この自転車ナビマークが示しているのは以下の二つになります。
自転車が通行すべき部分を示す
自転車ナビマークが設置されるのは、下記の箇所となります。
● 自転車道
● 普通自転車専用通行帯
● 車道の左側端
● 歩道のうち、普通自転車の歩道通行部分の指定のある場所
要するに、自転車が走るべき部分に設置され、「自転車は自転車ナビマークが設置されている部分を走行すれば良い」ということを教えてくれるマークというわけです。
自転車ナビマークがあれば「自転車が通る場所なんだな」という認識ができますから、自動車を運転する人も、わざわざ自転車ナビマークの上を走るようなことはしなくなるでしょう。
結果として、自転車に対してのプレッシャーは相当減るものと思われます。
自転車が進行すべき方向を示す
自転車ナビマークは、矢印で進行方向を示しているので、自転車は矢印の向かっている方向に走りなさい、ということが判ります。
車道を走っていても、たまに逆走して来るとんでもない自転車に遭遇することがありますが、こうして地面に矢印で進行方向を示されれば、逆走しているということを無法者に対して強く訴えかけることができ、逆走する自転車を減らす効果があるのではと思います。
自転車ナビマークの注意点
自転車ナビマークで注意しなければいけないポイントがあります。
自転車ナビマークが設置された部分は、自転車専用道路などの、自転車のための道(スペース)だと思ってしまいそうですが、実はそうではありません。
自転車ナビマークは法定外表示
自転車ナビマークは、法定外表示です。
法定外表示
法定外表示とは、標識令等の法令に定めはないものの、交通規制の意味を明確にし、運転者に対して道路の状況や、交通の特性に関する注意喚起を行うなど、交通の安全と円滑に資することを目的とした表示。法定外表示の代表的なものとして、カラー舗装や交差点にある十字模様などがある。
つまり、道路交通法などで「◯◯しなさい」というようなルールを示す為のものではありません。
極端に言えば、「自転車のカタチに見える模様が道路に書かれているだけ」なので、自転車以外は走行禁止などの法的な意味はなく、その上を自動車が走行しても何の問題もないのです。
自転車ナビマークは自転車優先などの意味は無し
自転車ナビマークは法定外表示なので、それ自体に法的な意味は無く、自転車優先などの意味はありません。
単純に、「自転車はここをこっち向きに走りなさい」というヒントを示すだけのものです。
もちろん、自転車専用通行帯の指定のある部分では自転車が優先されますが、そうでない場合は自転車ナビマークがあったとしても特に自転車が優遇されるわけではありません。
なので、自転車ナビマークのある場所に、歩行者や自動車が侵入してくることも普通にありえますから、常に回りの安全には気を配り、歩行者や自動車などには注意を払う必要があります。
自転車ナビマークのまとめ
自転車ナビマークは、2020年の東京オリンピックの一環で、自転車の走行環境を整える一環として東京都内全域で設置エリアを拡大されてきたものです。
勝手な想像ですが、本来は、自転車専用道路や自転車レーンを整備したかったはずですが、東京の道路状況などを考えれば、非現実的であることから、短期間で整備できる自転車ナビマークで対処されたのではないかと思います。
まぁ、仮にそんな付け焼刃的な対応であったとしても、自転車ナビマークが設置されたエリアでは、自転車の逆走などの問題や、事故などが減ったりしたという結果も出ているようなので、それなりに効果が得られているようです。
自転車ナビマークは、法律での決まりはないもの、心理的に「自転車の為の道だから」というのを自動車のドライバーに意識させたり、自転車乗り自体にも、走るべき道を意識させることができるので、大幅な道路拡張などの工事がなく、効率的に自転車の走行環境の改善が計れる良い製作だと思います。
理想は自転車通行帯の整備ではありますが、東京などで短期間で整備していくのは難しいでしょうから、現実的な対応策としてでも構わないので、自転車ナビマークが今後どんどん増えて行けば良いなと思います。