ロードバイクもディスクブレーキを搭載したモデルが標準になりつつあるようです。メーカーや自転車業界的に「自転車のブレーキはディスクブレーキを標準にした方が良いよね!」的な流れをビシビシと感じる今日この頃。
シマノのアーバンスポーツバイクであるMETREA(メトレア)もディスクブレーキでしたし、SORAもディスクブレーキ仕様のパーツが含まれるようになり「いよいよ本格的にディスクブレーキの時代が来るな」と感じずにはいられません。
ディスクブレーキと言えば、自動車やオートバイなどで採用されることの多いブレーキで、一般的にはブレーキ性能が天候に左右されづらいなどの利点があることで知られていると思います。
一般的なロードバイクなどで採用されているキャリパーブレーキなどで泥道などを走るとズルズルとブレーキパットが滑ってしまうのに対して、ディスクブレーキの場合はしっかりと制動してくれるため、オンロード、オフロードを走るシクロクロスなどでは主流になっているというわけです。
このディスクブレーキをVブレーキが付いたクロスバイクにも取り付けられるかどうかを調べてみました。
Vブレーキのクロスバイクにディスクブレーキを取り付けられるか?
クロスバイクにもいろいろあるので一概には言えませんが、日本国内で販売されているクロスバイクの代名詞的な存在とも言えるGIANT社のクロスバイクであるESCAPEシリーズを例にして考えると、ディスクブレーキは取り付けられないという結論になります。
以下、何故Vブレーキを装備したクロスバイクにはディスクブレーキを取り付けられないかの理由です。
Vブレーキのクロスバイクにディスクブレーキを取り付けられない理由
ディスクブレーキ対応フレームではない
ディスクブレーキを自転車に取り付けるためには、フレームがディスクブレーキに対応している必要があります。
では、どんなフレームがディスクブレーキに対応しているのでしょうか?
フレームにディスクブレーキ取り付け用の穴がある
自転車のフレームがディスクブレーキに対応しているか判断するためには、シートステーとチェーンステーの結合部付近にディスクブレーキを取り付け穴が有るかどうかを確認します。
ディスクブレーキに対応したフレームの場合はシートステーに取り付け穴があります。一部のフレームにはチェーンステーに取り付け穴があるようです。
Photo via:http://www.feltbicycles.com/International/2016/Bikes/road/endurance/frameset-z2-disc.aspx
上記のフレームはディスクブレーキに対応したフレームのFELTのZ2 Discです。奥側のシートステーに取り付け穴が2つあるのが確認できます。コブのようなものが2つありますね。これがディスクブレーキを取り付けるための穴になります。
Photo via:http://roadbikeaction.com/home-page/homepage-slideshow/first-look-2015-felt-z-series
このコブの部分がネジ止めの穴で上記の写真ような感じでディスクブレーキを取り付けられます。
ところがGIANT社のクロスバイクのESCAPEシリーズのフレームには残念ながらディスクブレーキを取り付けるための穴がありません。つまりは「ディスクブレーキ対応のフレームではない」ということです。
フォークにもディスクブレーキ取り付け用の穴がある
フレームと同様に、フォークにもディスクブレーキを取り付ける為の取り付け穴が必要になります。
Photo via:http://www.feltbicycles.com/International/2016/Bikes/road/endurance/frameset-z2-disc.aspx
再びディスクブレーキに対応したフレームのFELTのZ2 Discを参照してみます。フォーク部分にもシートステーと同様に、取り付け穴があることが確認出来ます。
Photo via:http://roadbikeaction.com/home-page/homepage-slideshow/first-look-2015-felt-z-series
上記の写真のような感じでディスクブレーキを取り付けられます。
しかしながらGIANT社のクロスバイクのESCAPEシリーズのフォークには取り付け穴がありません。つまりは「ディスクブレーキ対応のフォークではない」ということです。
ホイールのハブもディスクブレーキ対応の必要がある
問題は他にもあります。
ディスクブレーキにするためにはホイールのハブにディスクを取り付けることになります。そのためにはホイールハブがディスクブレーキに対応している必要があります。
残念ですが、GIANT社のクロスバイクのESCAPEシリーズのホイールハブはディスクブレーキに対応していません。
ディスクブレーキに対応したホイールで代表的なのはShimanoのWH-RX830あたりでしたが、最近はディスクブレーキ対応のホイールも増えてきました。
クロスバイクをディスクブレーキ化するための条件
GIANT社のクロスバイクであるESCAPEシリーズをディスクブレーキ化するためには、まずフレームをディスクブレーキ対応のものに取り替える必要があります。
ところが「フレーム=車種」という考え方が根本にあるので、フレームを変えた時点で既にESCAPEシリーズではなくなってしまいます(苦笑)。
次にフォークとホイールハブをディスクブレーキ対応のものに変えなくてはいけないので、実質で全く違う自転車にしてしまわないことにはディスクブレーキ化できない、ということになります。
僕の愛車がGIANT社のクロスバイクであるESCAPE Airだったので、ESCAPEシリーズでディスクブレーキが取り付けられるかを考えてみましたが、いろいろ調べた結果として、今現在一般的に販売されている、あるいは販売されて来たVブレーキが装備されたクロスバイクの場合は、高い確率でディスクブレーキは取り付けられないようです。
世の中的にはディスクブレーキ化が進んでいるのでシマノなどの新しく出されるグループセットなどではディスクブレーキのパーツも含まれるようになっています。
ディスクブレーキであれば、ホイールリムを痛めることもないですし、外周が軽くなることを思うと、制動以外の部分でもメリットがありそうなので、今後の主流になっていくのでしょう。近年はクロスバイクでもディスクブレーキ対応モデルがどんどん増えてきていますから、数年後にはVブレーキを搭載したクロスバイクは過去のものになってしまうかもしれませんね。
僕も次の自転車を購入する際にはディスクブレーキモデルを選択したいと思います。